冤罪者 ―Trap―15コメント

1 タナカヒロシ id:i-RZmhhA7.

2012-03-23(金) 18:24:31 [削除依頼]
「冤罪者 ―Trap―」
「冤罪者 ―Revenge―」
「冤罪者 ―Truth―」
からなる物語の第一章。
  • 2 タナカヒロシ id:i-ud5J8rb/

    2012-03-24(土) 11:27:19 [削除依頼]
    「ただいま!」
    いつものように帰宅すると、いつものように返ってくるはずの返事はなかった。時計は十時を回っている。きっと五歳になる娘を寝かしつけた妻も一緒に寝てしまったのだろう。食卓には何も準備されていない。テレビもつけっぱなしだ。あきれながらリビングのソファーに座ると、強烈な臭いが鼻をついた。辺りを見回すと、カーペットに黒い染みができていることに気づく。
    「ソニー!」
    妻の名前を呼んでみるが返事はない。二階に上がる階段にも所々に黒い染みがある。それは寝室まで繋がっていた。寝室のドアは開けっぱなしだ。寝室の電気をつけると、目の前には白いシーツを真っ赤に染める身体が二つ。
    「ソニー!!!」
    妻の身体を必死に揺するが反応はなく、冷たい。
    「ミシェル!!!」
    娘の身体は小さくなり、硬直していた。
  • 3 タナカヒロシ id:i-ud5J8rb/

    2012-03-24(土) 23:49:38 [削除依頼]
    医師は私の前で首を振った。頭の中で全てが壊れる音がした。それからというもの、私は部屋に隠るようになり、食事さえも喉を通らなくなった。そんな時、刑事が家にやってきて、正義を見せつけるような構えで手帳を開いた。
  • 4 くまさん! Happy☆ id:pkpvWIl/

    2012-03-25(日) 00:27:54 [削除依頼]
    ども。
    更新がんばって^^
  • 5 タナカヒロシ id:i-zwRaCEQ.

    2012-03-25(日) 11:05:19 [削除依頼]
    「アニー・ネイソンさんですね」
    「はい」
    「警察です。署までご同行願います」
    強制でなかったら、断っていたところだとアニーは思った。アニーは刑事二人と共に署へ向かった。狭い個室に入ると取り調べが始まった。
    「初めまして。この事件を担当するケビンです。あなたが奥様と娘さんを発見した日の日程を詳しく教えてください」
    「午後の七時まではずっと自宅にいました。DVDを見たり、娘と遊んだり」
    「奥様と娘さんもずっと家に?」
    「はい。ずっと家にいました。私は午後の七時から、自宅から車で一時間程離れた楽器店へ向かいました。その楽器店ついたのは八時でした」
    「それを証明できる人は?」
    「いません。何せ店が定休日だったもので」
    「ということは、あなたは何も買わずに店を後にしたと?」
    「はい。その後、自宅の近くにある海で一時間程釣りをしました。そして自宅に戻ったら、妻達が倒れていて、救急車を呼びました」
    「分かりました。別の質問をします。失礼ですが、あなたと奥様が最近、口論になったことは?」
    アニーはケビンを睨み付けた。「どういうことですか?」
    「奥様から夫婦生活のことで相談を受けていた方が多々いました」
    「確かに、最近すれ違いはありましたが、だから何だと言うんですか?私が妻達を殺したと?」
    声を荒げるアニーを宥めるようにしてケビンは言った。
    「落ち着いてください。あなたにはアリバイがない。それに、凶器も見つかっています」
    アニーは眉間に皺を寄せた。
    「凶器?」
    「はい。家宅捜査を行ったさいに、奥様と娘さんの血痕がついた包丁が見つかりました。取っ手にはあなたの指紋がついていた。それに、奥様と娘さんの血痕がついた服まで見つかりました」
    ケビンは二つの透明袋を提示した。一つには包丁。もう一つには服が入っている。
    「あなたのものですね?」
    アニーは頭が真っ白になった。確かに自分の服で、血痕もついている。
    「あなたは奥様と口論になり、過って殺してしまった。そしてそれを見ていた娘さんも殺し、凶器と血痕のついた服を隠した」
  • 6 タナカヒロシ id:i-zwRaCEQ.

    2012-03-25(日) 21:49:14 [削除依頼]
    アニーはその日から毎日のように署に連れ出された。朝早くから夜遅くまで。自宅に帰ったら寝る。朝がくれば刑事がくる。 アニーは精神的に追い詰められていた。取り調べはエスカレートし、ついには昼食さえも与えられなくなり、日に日に署から解放される時間も遅くなった。アニーは痩せ細り、顔色も悪くなった。しかし、刑事達はしつこくアニーを追い詰めた。そしてアニーが容疑を否定したまま裁判は行われた。判決は・・・・・・有罪。
  • 7 タナカヒロシ id:i-jgfOT3Q1

    2012-03-26(月) 15:41:00 [削除依頼]
    「俺はやってない」
    アニーは手錠で繋がれた腕を見ながら言ったが、ケビンは耳も傾けようとしなかった。牢獄に閉じ込められたアニーは小さく呟いた。
    「ケビン」
    「また言い訳か?いいか、お前のすべきことは罪の償いだ」
    「まだ間に合うぞ、ケビン。最後のチャンスだ」
    「お前にチャンスを与えられる覚えはない」
    アニーはため息をついた。
    「残念だ。犠牲者が出る」
    死刑を告げられた囚人がおかしなことを言うのはよくあることだ。ケビンは鍵を閉めて牢獄を後にした。
  • 8 タナカヒロシ id:i-jgfOT3Q1

    2012-03-26(月) 15:49:10 [削除依頼]
    「おい!大丈夫か!しっかりしろ!」
    ケビンが部署へ戻ると、室内は妙な緊張感に包まれていた。一ヶ所に人だかりができている。「どうした?」
    ケビンが人だかりの中を覗き込むと、そこには一人の同僚が倒れていた。
    「ハリー!どうした!」
    「急に倒れたんだ!今、救急車を呼んだ!」
    まもなくして救急車が到着したが、その頃にはハリーの心肺は停止していた。
  • 9 タナカヒロシ id:i-nMfnKYB0

    2012-03-28(水) 11:01:22 [削除依頼]
    後日の捜査でコーヒー豆の中に猛毒エキスが混入していたことが分かった。
    「ケビン、私、いやな予感がするの」
    ケビンが振り向くと、そこには同僚の女刑事、レイシーが立っていた。
    「いやな予感?」
    「えぇ。アニーが言っていた。『犠牲者が出る』」
    「レイシー、考えすぎだ。奴は獄中だ」
    「他に仲間がいるのかも」
    「仲間?お前はこの中に奴の仲間がいるとでも?」
    ケビンは鼻で笑った。
    「でも、タイミングが良すぎるわ」
    「偶然だよ。奴が外部と連絡をとるのは不可能だ」
    「・・・・・・そうよね」
    レイシーは小さく頷いて自分のデスクに戻った。
  • 10 タナカヒロシ id:i-nMfnKYB0

    2012-03-28(水) 11:19:16 [削除依頼]
    その日の午後過ぎの事だ。部署の刑事が何者かに射殺されたという連絡が入った。
    ケビンは上司のバートンに話を聞いた。
    「捜査中に撃たれたようだ。頭を撃たれて即死だよ」
    「一体誰に?」
    「全く分からんのだよ。聴き込み捜査中にやられた。おそらく高い位置からスナイパーかなんかでな。物騒なことが続くもんだ」
    ケビンはアニーの元へ向かった。
    「アニー」
    アニーは以前より大分痩せたようだった。
    「だから言ったろ」
    「何の事だ?」
    ケビンはとぼけて言ったが、アニーは見透かしていた。
    「でくのぼうは死んで当然だ」アニーは笑った。
    「まだ犠牲者は出る」
    「何を知っている」
    「全てを知っているさ。次は今日の夜だ」
  • 11 タナカヒロシ id:i-nMfnKYB0

    2012-03-28(水) 18:16:22 [削除依頼]
    「ケビン!」
    「レイシー、君の声は朝から絶好調だな」
    レイシーはケビンがまだデスクにつかないうちに話をはじめた。
    「やっぱり偶然じゃないわ!」「とりあえず、コーヒーをもらえるかな」
    「ダンが殺されたの!」
    ケビンは立ち止まった。ダン。それはこの部署の刑事だ。
    「何だって?」
    「昨夜、ダンの自宅で爆発が起きたの。今朝、爆発装置の残骸が見つかったわ」
    ケビンは眉間に皺を寄せた。
    「これが偶然だと思う?アニーの予告からこの部署の人間が三人も殺されてるのよ」
    部署内はアニーの話で持ちきりになり、数分後にアニーの取り調べが始まった。
  • 12 タナカヒロシ id:i-bvjbD.W/

    2012-03-29(木) 11:04:38 [削除依頼]
    「何から聞けばいい?」
    ケビンはアニーに問いかる。
    「何を話せばいい?」
    アニーはそれを茶化すような返事をした。
    「お前の望みはなんだ」
    「真実をつきとめろ」
    「真実?」
    「そうだ。あの日、何が起きたのか」
    「ふざけるな。お前が家族を殺,したんだ」
    「これは天罰だ!」
    アニーは声を荒げて、机を叩いた。
    「俺の死,刑が決まった日。あの日から俺はお前らを殺,すことだけを考えてきた。うわべでしか物事を判断できないイ,カれた野郎が正義を語る。それ許せなかった!今頃、真犯人は呑気に生活しているんだろうな。それはお前らが犯,した失態だ」
  • 13 タナカヒロシ id:i-bvjbD.W/

    2012-03-29(木) 11:06:14 [削除依頼]
    ケビンは席をたった。
    「話,にならない」
    「逃げるのか?自分が犯,した失,態から目を反らすのか?インチ,キ刑事さんよ!」
    「黙,れ。じきにお前は処,刑される。それで全ては終わりだ」
    「その頃にはお前,らは死,んでいるさ。あと9人」
    「部署の人数までも把握済みか」
    「俺は何でも知っている」
    アニーは口を歪めた。
  • 14 タナカヒロシ id:i-u4u.gkZ.

    2012-04-02(月) 16:43:23 [削除依頼]
    「ねぇ、彼は本当に・・・・・・」
    「レイシー、もうよせ」
    ケビンはレイシーを睨んだ。
    「ヤツは家族を殺した。証拠だって十分だ」
    「確かに証拠はあった。でも、別の誰かが彼に罪を擦り付けることもできたわ」
    「彼等は離婚寸前だった。家族関係も最悪だったんだ。アニーは資産家だ。離婚の原因が不倫だったとしたら、妻はアニーを脅していたのかもしれない」
    レイシーは黙り込んだ。その瞬間、部署内の窓が割れた。
  • 15 タナカヒロシ id:i-EWljT4M/

    2012-04-03(火) 09:09:02 [削除依頼]
    「伏せろー!」
    銃弾が次々に飛び込んでくる。数人が被弾し、血飛沫が上がる。襲撃は五分程続いた。
    「向かいのビルだ。すぐに救援を呼んでくれ」
    「ケビン!どこへ行くの?」
    「向かいのビルに決まってるだろ」
    「危ないわ!」
    レイシーの呼び掛けを無視するようにしてケビンは部署を出た。
    ケビンの電話が鳴る。知らない番号だ。
    「もしもし」
    「ケビン」
    「誰だ」
    「お前には止めることはできない」
    「今、取り込み中なんだ。イタズラ電話ならまた後にしてくれ」
    「部署は爆発する」
    ケビンは立ち止まった。
    「何だって?」
    その瞬間、背後から熱い何が感じられた。崩れ落ちる音と地響き。振り向くと、そこには炎に包まれる崩壊した建物が存在していた。
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