だってオレ、カミサマだしっ!32コメント

1 ヒサハラ id:vmBucnp/

2012-03-17(土) 15:38:19 [削除依頼]
こんにちは!
春休み、満喫中の暇人ことヒサハラです。
お世辞にも上手いと言えない文章の羅列になるでしょうが。
その広いお心で、見てやってください。
では、早速スタートです!
あ、ちなみにジャンルは、軽いファンタジー(?)です。多分。
  • 13 ヒサハラ id:VvIq8HP.

    2012-03-26(月) 17:59:26 [削除依頼]
    (カミサマの、気まぐれ 12)


    「そ、名前。もうオレは翔太っていうのにした。翔けるに太古の太。
     苗字は、テンシちゃんと揃えることになってるから未定ね」
    「翔太……さん、ですか。
     研修先は、日本国なんですね」
    「え、感想それだけ?……ぐすっ、一生懸命考えたのに」
    「冗談ですよ。似合ってますよ、翔太さん」
    「だよねー!俺もそう思ってたんだよぅ!」

    ふっ、アホな上に、単純ときている、このカミサマは。

    「じゃ、早速、テンシちゃんの名前を決めよぅ。
     その後は、すぐ研修先の住居に行ってもらって、
     使者としての務めを学習するよぅ。
     荷物はあらかたこの袋に入ってるからね」
    「え?急すぎませんか?きょ、今日行くんですか」
    「そうだよぅ、前から決まってた日取りだよ。
     今回はいつもと違う研修だから、天上の中では一番接点のある
     オレと、テンシちゃんでってのも実は決まってた。
     連携が今まで以上に必要だからね。
     なかなか誘えなくって、こんなに遅くなっちゃったけど、
     ま、結果的に間に合ってるんだから、それでよし!」
    「良くねぇだろ、それ……」

    脱力。こんなんで大丈夫なのか?私の、初研修。
  • 14 ヒサハラ id:VvIq8HP.

    2012-03-26(月) 18:26:00 [削除依頼]
    (カミサマの、気まぐれ 13)


    「あんまり凝りすぎたものはだめ、ヒト達の記憶に強く残るから。
     そして、その名前に由来もあったほうがいい。
     日本国というところでは、生まれたとき、或いはその前後に、
     親や強い繋がりのあるヒト達が名付けるらしいから、
     大切なもの、なんだよぅ」
    座布団の上で、カミサマは胡坐、私は正座という格好で向かい合っている。
    『名前』について、講習だ。
    「では、カミサマの、その翔太というのには?」
    「翔けるには、自由に空を舞う鳥のイメージがあるからね。
     のびのびと育って欲しい、的な意味が含まれてるよ。
     太は昔から、日本男児につくことが多いよ」
    「なるほど」

    すでに、私の名前には、幾つかの候補が上がっている。
    「美咲」「結」「愛」「桜」「希望(のぞみ)」などだ。
    どれも、日本女子には多い名前だそうだ。
    『学校』に行き、一生徒として世間に溶け込む必要のある私には、
    より多くのヒト達と関わらないといけない。
    彼らに良くも悪くもない印象を受けさせることが第一条件だ。

    「んーどれも可愛いな。迷っちゃうね」
    「あなたが迷ってどうするんですか、このユイと読ませるやつでいいんじゃないですか?
     書きやすそうですし。
     私一応、日本語と英語を習いましたけど別段得意じゃないですよ」

    テンシ達は、一日に3時間勉強をしなければならない。
    教養が高ければ、より良く考えられる、だそうで。
    語学や、数式、なんてテストまである。
    この辺は、地上と同じだな。
    語学は色々と選択でき、日本語と英語は人気のある言語だ。
    日本語は、ワビサビがどうとかで。
    英語は、地上でよく使われているから、だそうだ。
    とりあえず、その人気な2つを選択していたが、
    こんな所で役立つとは。得意じゃないけど……。

    「適当っ。まぁテンシちゃんがそれでいいならそうしようか。
     あぁ、でもこれ仮だから、もっと書きやすい字を当ててもいいよ?」
    「例えば?」
    さらさらと紙の上に筆を走らせるカミサマ。
    「由衣」「唯」「ゆい」
    「平仮名、でもいいんですか」
    「うん、むしろ平仮名の名前が流行ったこともあるらしいよ」

    「結」「由衣」「唯」「ゆい」
    4つの紙を並べて、しばし黙考。
    「……この書きやすい平仮名にも惹かれますが
     糸偏のこっちにします」

    『結』

    この日を持って、私は初めて名前を持ったテンシになった。
  • 15 ヒサハラ id:VvIq8HP.

    2012-03-26(月) 18:54:18 [削除依頼]
    (カミサマの、気まぐれ 14)


    「結ちゃん!」
    「……はい」
    「ゆーいーちゃん!」
    「……はーい」
    「ゆっいっちゃんっ!」
    「……いい加減にしませんか?」
    名前が決まってから、意気揚々と連呼してくるカミサマ。
    正直鬱陶しい。
    「よしっ!この勢いで苗字も可愛いのにしよぅ!
     そうだね、結ちゃんの級友達がもしあだ名をつけるとして、
     民藤って苗字だったらみんちゃん、何て呼ばれるかも!
     よーし、決定!今からキミは、民藤、結だ!」
    「適当っ!」

    「じゃぁ、行こうか結ちゃん!
     地上へ行くと言っても、ここはまだ天上な訳だから、
     行きたいと思えば、地上のどこへでも行けるよ!」
    「へ?そんなに、簡単なこと、なんですか?」
    拍子抜け、してしまった。
    つくづく、天上って便利な所だ……。
    車や電車なんかを一生懸命に発明したヒト達が知ったら、
    さぞや仰天の移動法だろう。

    「簡単だけど、一度も地上へ行ったことのないテンシ達は、
     地上が想像できない。知らない場所には行けないね。
     だから、オレの記憶を、結ちゃんに、見せるね。
     その場所に行きたいと思えばいいよ」
    「って、えぇ!今からですか?」
    「今からだよ!それ!」

    一瞬、鮮やかな景色が目の前をよぎる。
    瞬間、結の頭の中にその景色が入り込む。

    「……っ!?」
  • 16 ヒサハラ id:9MNft/l0

    2012-03-28(水) 00:09:16 [削除依頼]
    (カミサマの、気まぐれ 15)


    月明かりに照らされて、静かな街が夜に包まれている。
    電灯が多いことから田舎町では無さそうだが、
    交通量は少ないので大都会と言う訳でもないのだろう。
    そんな街の少し子だけ標高が高い場所。
    丘の上に並ぶ幾つかの一軒家。
    その内の一つの前に立って、2階部分を見上げている感じ
    ……の景色が鮮明に浮かぶ。

    ……一度カミサマが見た視点の景色を、私に見せているのだろう。


    「目を閉じて。ここに行きたいと強く思って」
    「…………」

    カミサマの声に従って、目を閉じ、願う。
    不思議と恐怖は無かった。
    あれほど行きたくなかった、地上へ行くと言うのに。

    ……カミサマが、一緒にいてくれるからだろうか?

    「じゃ、すぐ追いつくから待っててね」
    「って、えぇおいっ!ちょっと待てっ!」

    ――キィィィィィィィンンンンンンン……

    いつも天上を移動するときには音など鳴らない。
    よって、聞いた事の無い甲高い音を聞きながら、私の体はほどけていく。

    「いってらっしゃい。結ちゃん」
    最後に見たのは、いつものように優しそうに笑うカミサマだった。


    (カミサマの、気まぐれ 完)
  • 17 ヒサハラ id:9MNft/l0

    2012-03-28(水) 21:17:44 [削除依頼]
    (カミサマの、気まぐれ 人物紹介)

    テンシ改め、民藤 結(みんどう ゆい)
     女の子。天上に暮らしているテンシ達の1人。
     テンシの輪という頭の上に浮いているわっかは、
     1度投げても、幾らでも出現する便利な代物だ。

    カミサマ改め、民藤 翔太(みんどう しょうた)
     男性。結を高校生くらいだとすれば、20歳過ぎの若者。
     黄色い目と白髪。身長が高いが、それだがとりえの
     阿呆だ!!(結、談)酷い!(翔太、談)

    テンシ達
     結と同じ大部屋に暮らしている子達の総称。

    結と翔太の外見について詳しく語っていないのは、
    これから書く予定であるからです。
    分かりにくい話ですね、はい。
  • 18 ヒサハラ id:9MNft/l0

    2012-03-28(水) 21:29:10 [削除依頼]
    (カミサマの、気まぐれ 番外)


    ――キィィィィィィィンンンンンンン……

    天上から地上へ移動するとき、特有の甲高い音が耳を貫く。

    びくっ!

    テンシちゃん……結ちゃんの驚いた顔が微笑ましい。
    初めて研修に行く子達は皆こんな顔をするんだ。
    「いってらっしゃい。結ちゃん」
    だから、いつものように笑って見送った。
    大丈夫だよ。
    安心して。
    そんな意味を込めて。

    ……結ちゃんの姿が完全に消えてから、呟いた。

    「誰をも親としない、完全な『孤』として生まれてくるはずのオレ達。
     なのに、何で結ちゃんは、初めてオレに会ったとき……」

    『兄さん!』

    「あんなことを言ったんだろう」

    天上が繋がりの無い世界だと理解してから、
    彼女は地上を恐れていた。

    「もしかしたら、自分は地上のヒトなのかもしれない、と」

    けれど彼女にはテンシの輪があるし、背中にはちゃんと羽もある。
    彼女は、紛れも無く天上のテンシだ。

    「でも、たまに思っちゃうよねぇ」

    「兄さんだなんて……」

    期待しちゃうよねぇ。
    本当にオレ達が、

    「兄妹だったら、なんて」


    次回へ続く。
  • 19 ヒサハラ id:AY/z8yF.

    2012-03-29(木) 13:39:55 [削除依頼]
    (空から落ちてくるのは美少女と相場が決まっているでしょう 1)


    変な習慣みたいのものが俺にはある。
    夢を見た日は、必ず夜明け前に目が覚める、と言うものだ。
    まぁ、夢を見るのが夜明け前、って事なんだろうけど。

    だから今日、春休み終了の前日に、早起きしてしまっても何の違和感もないんだ。
    ただ……夢の、内容がなぁ。

    夢の中で俺は、ベットの上で、窓の外を見ていた。
    起きた直後らしく、視界が少し霞んでいる。
    2階建の一軒家。小さくは無いが大きくもない家。
    その2階の東側に俺の部屋はある。窓も東向きだ。
    窓の外は夜明けの直前。
    そこには……、
    白み始めた空と同じ色をした翼の、天使がいた。
    天使は日の出を待っているのか、俺には背を向けている。

    おかっぱのような、ボブのような、ショートの黒髪が、サラサラと風に揺れている。
    綺麗だなぁ。
    と思いながら、彼女の後姿を見つめていた。

    それで終わり。
    目を開けた時、今のは夢だったんだろう。
    と理解した。
    夢の中と同じような体勢で、窓の方を向き寝転んでいたけど。
    それでも夢だったはずだ。

    もう、窓の外に天使は見えなかったから。
  • 20 ヒサハラ id:AY/z8yF.

    2012-03-29(木) 22:22:36 [削除依頼]
    (空から落ちてくるのは美少女と相場が決まっているでしょう 2)


    しばらく、建物の間から昇ってくる太陽を眺めていたが。
    ふと、思った。
    彼女いない歴=年齢の俺は、とうとうこんな夢まで見てしまったのか、と。
    「あ、いや、でも、顔は見えなかったよな」
    綺麗な子だったのかなぁ……っは!

    イヤイヤ、待て待て!その子が可愛かったらどうしたと言うのだ!
    ん?それともあれか、後姿萌とか言う新しい何かに目覚めたのか?

    どっちにしろヤバイな俺。
    朝からもやもやとした気分になってしまった。

    「はぁ、学校行くか」
    私立西巻中高一貫高校。通称、西校に通う俺はそこの放送部に所属している。
    西校は明日、始業式及び入学式が行われる。
    放送部はそこで使われる放送機材の準備をしに行かなければならない。
    さっさと行って、この気分をどうにかしよう。

    手始めに顔でも洗うか。
  • 21 ヒサハラ id:AY/z8yF.

    2012-03-29(木) 22:39:09 [削除依頼]
    (空から落ちてくるのは美少女と相場が決まっているでしょう 3)


    「あ、おはよう」
    「おう、おはよう、随分早いじゃないか」
    洗面所で、親父と鉢合わせた。
    「変な夢を見てね……」
    「そうか、顔洗ってシャキッとするんだな」
    「そのつもりだから早くどけ」
    「ははっ、すまんすまん」
    高校生になってから抜かした親父の背がキッチンに向かった。

    「あらぁ、今日学校行くの?
     目玉焼きもう一つ作らないとね」
    キッチンにはすでに母さんがいて、てきぱきと朝食を作っていた。
    親父は新聞を取りに行ったらしい。
    テーブルの上には親父の分の朝食が並んでいた。
    「部活があるだけだから、急がなくてもいいよ」
    母さんの未だに抜けない背を眺めながら、ぼんやりと呟いた。
    あぁ、早く起きたせいで、眠くなって来たぞ。

    眠気覚ましに、自己紹介いっとこうかな。
    俺は……

    「寛太ぁ。父さんのネクタイどこか知らないか?」
    「知るわけ無いと、言いたいところだけど。
     洗面台の横に置きっぱなしだったよ、はい」

    ……仕切りなおして、
    俺の名前は、

    「みーかーみーくぅぅぅん!一緒に学校行こう!」
    「あら?外にいるの漆屋君と、七上並さんじゃない」

    …………。
    ガチャッ。
    玄関のドアを勢い良く開けてい、クラスメートであり部活仲間に言った。
    「ゴメン、飯食って無いから、先行ってて」

    俺の名前は、三上寛太。みかみ、かんたと読む。

    「なんか、テンション低いな。ゴメン」
    「いや、漆屋のせいじゃねぇよ……」
  • 22 ヒサハラ id:AY/z8yF.

    2012-03-29(木) 22:50:47 [削除依頼]
    (空から落ちてくるのは美少女と相場が決まっているでしょう 人物紹介)


    三上 寛太(みかみ かんた)
     身長も成績も運動神経も中。
     しっかり者だが、他の色濃い面子に囲まれて目立たない。
     (↑これから、色々登場します)
     どちらかというと、ツッコミ役である。
     顔はいい方らしい……(友人、談)

    三上父
     寛太の父親。親父と息子に呼ばれる。
     身長が低くて丸顔。
     お笑いが好きでかなり詳しい、がその知識を披露する日は来ないだろう。(寛太、談)
     サラリーマン、企画課。詳しくは聞いてない。(寛太、談)

    三上母
     寛太の母親。母さんと息子に呼ばれる。
     身長が高くて鼻も高い。整った顔立ちをしている。
     寛太、よかったな。どちらかというとお袋さん似で。(友人、談)
     手先が器用でおっとりしている。専業主婦。
  • 23 ヒサハラ id:AY/z8yF.

    2012-03-29(木) 23:19:57 [削除依頼]
    (空から落ちてくるのは美少女と相場が決まっているでしょう 4)


    とりあえず、朝食を急いで食べ終えて、友人を追うべき、
    家を出た。
    今思えば……出なけりゃよかった!!!

    「にぎゃぁ!」
    「のわっ!」

    空から、おっさんが降ってきた。
    何の脈絡もなく。
    おっさんが、目の前を横切る、じゃない、縦切る。
    ……。

    目を閉じた。
    空を仰ぎ見る。
    息を吸う。

    ……。
    視線を、足元に戻した。
    おっさんが伸びていた。

    …………。
    え?これ、どう言えばいいの?
  • 24 ヒサハラ id:AY/z8yF.

    2012-03-29(木) 23:32:24 [削除依頼]
    (空から落ちてくるのは美少女と相場が決まっているでしょう 5)


    少し前の事を思い返してみる。

    「ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ……」
    変な声がするなぁ。どこからだろ?
    「わっ、えっ、やだよぅ、落ち、落ち、落ちるっ」
    ん?落ちるって聞こえたような。
    「いやあああああああああああああああ!」
    なんか、近くなってないか、声?……上?

    顔上げた瞬間、おっさんと目が合った。

    「にぎゃぁ!」
    「のわっ!」

    思わず走り出していた。
    学校への道だ。
    目をつぶってでも歩けるぐらい、登校した、はずなのに。
    今は……視界がぐらつく。

    「っは、っは、っは、っは!」
    なんなんだ、なんなんだ、なんなんだぁ!
    えぇぇぇぇ!ちょっと待て!待てよ!あのおっさん誰!何!
    落ちてくるとか、あり得ない!無理無理!もう無理!

    とにかく走った。
    これも後から思い返してみれば、もう少し落ち着けよって感じだ。
    おっさんの安否を確認したりとか、親父に知らせるとか、
    けど、実際、俺は何にもせずに走っている、ただ、逃げている。

    ……こんなこと、前にもなかったか?

    グンッ。

    「ってぇ!」
  • 25 ヒサハラ id:AY/z8yF.

    2012-03-29(木) 23:44:59 [削除依頼]
    (空から落ちてくるのは美少女と相場が決まっているでしょう 6)


    急に後ろから引っ張られた。
    何事かと確認する前に、俺の目の前を大型トラックが走り去って行った。
    ……ここは、学校近くの、交差点。

    「……え?」

    い、今、そのまま走ってたら、俺……。

    「あの、随分焦っていたようですが、大丈夫ですか?」
    「へ?」
    振り返る。
    俺が急停止した訳が、そこにはあった。
    一人の少女が、俺の制服の裾を摘んでいた。
    より正確に言えば、

    なぜか、薄水色の甚兵衛を着た、
    おかっぱのようなボブのような黒髪をした、
    少し大きめで丸い眠そうな目をした、
    同学年くらいの小柄な、
    (つまり可愛い)少女が、

    制服のブレザーの裾を摘んでいた。

    「え……?」
    「えっと、あのすいません。聞きたいことがあったので」
    どうやら少女は、俺を交通事故から救おうとしていた訳じゃないらしい。
    「あ、はい、別にいいですよ」

    ……あれ、この髪型、どこかで、

    「私立西巻高校、を探しているんです。」
  • 26 ヒサハラ id:rQHtxx2.

    2012-03-30(金) 00:09:38 [削除依頼]
    (空から落ちてくるのは美少女と相場が決まっているでしょう 7)


    「あぁ、俺、そこの生徒だから。今から行くんですけど、案内しましょうか?」
    「え、いいんですか。では、よろしくお願いします」
    少女はサラサラと黒髪を揺らしてお辞儀をしてきた。
    「っあ、いえ、その、すぐそこですから」

    道中、彼女はきょろきょろとしきりに周りを見回していた。
    「あの、ここ、初めてですか?」
    「……あ、ええ。その……引越し、て、来たんです(多分)」
    最後の方、何か言ったのか?
    「へぇ、じゃぁ、転校生、って事……ですか?」
    「え、えぇ、そうです」
    ……さっきから歯切れの悪い返事ばかりだな。
    もしかして、人見知りする子なのかな?

    おっさんが落ちてきたり、交通事故に遭いかけたり、
    朝から恐ろしい事ばかりで、相手の事を考えていなかったかもしれない。
    落ち着け、俺。

    ……で、落ち着いたら急にドキドキしてきたぞ。
    そう言えば、この子、めちゃくちゃ、可愛いじゃん!
    好みとかあるんだろうけど、
    なんていうか、
    ストライクゾーンってやつだ。
    あ、表現古いかな。

    「あ、ここ。着いた、着きましたよ。
     ここが校門で、グラウンドの向こうが正面玄関。
     左に行ったら分かりやすく、事務って書かれたプレーとあるんで、
     そこに行けばいいはずです」
    「え?事務?」
    「あ、すいません。
     その、転校手続きかなぁって、思って」
  • 27 ヒサハラ id:rQHtxx2.

    2012-03-30(金) 21:24:05 [削除依頼]
    (空から落ちてくるのは美少女と相場が決まっているでしょう 8)


    「てん……あ、あぁそうですね。
     で、でも、その。っあ!そう!保護者とまた来るので。
     えっと、今日は、その、様子見、と言うか」
    突然しどろもどろし始める少女。
    ん?変なこと言ったか、俺?

    「そうですか、じゃぁ。あ!そう、ここいい学校ですし
     また会えたら俺にも声掛けてくださいね」
    って、俺は何を言っちゃってんだ、がっついてるとか、思われてないか!
    つか、女の子との付き合いとか無いから全く分からん!

    ふわり。

    ……へ?

    変なことを考えている俺に気付いてないのか、
    彼女は微笑んだ。

    「親切に、ありがとうございます。
     これからの学校生活、不安だったんですけど、心強いです」

    そういい残し、あっという間に今来た道の反対へ駆けて行ってしまった。
    呆然とそれを見送った後、俺は当初の予定通り、部活に行くことにした。
    放送機材の準備だから、体育館に行かないとな。
    漆屋達、待ちくたびれてるだろうな。
    ……そんな事より。

    「なんというか」

    呟いた。

    「恋に落ちちゃった……か?」

    相変わらず表現古いなー俺。
  • 28 ヒサハラ id:rQHtxx2.

    2012-03-30(金) 21:38:30 [削除依頼]
    (空から落ちてくるのは美少女と相場が決まっているでしょう 9)


    「よう、遅かったな」
    「うん、ゴメン」
    漆屋と七上並さんはすでに体育館にいた。
    他にも運動部系の生徒たちが、明日の準備に駆り出されてる様で、
    結構ガヤついている。

    その喧騒が一切聞こえない。
    さっき、名前も聞きそびれた少女の微笑が頭から離れない。
    眠そうな目が、一瞬開き、それから細めて、
    小さな口の口角が控えめに上がり、

    そう、音をつけるなら

    ふわり。

    そんな感じだ。

    「ん?顔赤いけど、体調、好くないか?」
    「いや、ちょっと色々あっただけだよ。
     空からおっさんが降ってきたり、
     交通事故に遭いかけたり、
     甚兵衛を着た女の子と歩いたり……」
    「三上くん?1番目と3番目のは訳分かんないけど、
     2番目のは、それ大丈夫だったの?」

    同じ放送部の漆屋佑磨と七上並千歳さん。
    彼らは幼馴染同士で、仲が良い。
    漆屋は誰にも言ってないらしいけど、七上並さんが好きだ。
    俺も本人からは聞いてないけど、それとなく、分かる。
    七上並さんは気付いてない様子だ。
    ちなみに「七上並」を「やなみ」と読む。
    七の上だから八つで「やなみ」だそうだ。

    って、俺は、どうしたんだ、いきなり友人の恋愛模様を語り出すとか。
    相当、まいってるな……。

    「どこも怪我してない様だけど……」
    「三上先輩!空から何が降ってきたんですか!」
  • 29 ヒサハラ id:rQHtxx2.

    2012-03-30(金) 21:47:47 [削除依頼]
    (空から落ちてくるのは美少女と相場が決まっているでしょう 人物紹介2)

    漆屋 佑磨(うるしや ゆうま)
     物静かな好青年。身長高いし、眼鏡だし、頭いいし運動神経いいし!
     羨ましいよお前っ。(寛太、談)
     寛太と同じ放送部に所属。面倒見が良い。千歳の事が好きらしい。

    七上並 千歳(やなみ ちとせ)
     学年トップクラスの美少女。自覚はない。
     適度な身長に好ましい胸囲を誇る。誇ってないよ?(本人、談)
     長髪で微妙に茶髪っぽいが地毛であり、本人は気にしていない。
     ↑このように、大雑把な所があるが、面倒見の良いお母さん肌である。
     放送部所属。3人とも高校2年のBクラス。
     佑磨の思いには気付いていない様子。
  • 30 ヒサハラ id:rQHtxx2.

    2012-03-30(金) 22:06:20 [削除依頼]
    (空から落ちてくるのは美少女と相場が決まっているでしょう 10)


    「あ、あれ、文芸部も来てるの?」
    「七上並先輩!今日は、研究会全員集合の日ですよ!」

    『文化研究会』
    放送部、などと言っているが、現在俺と漆屋と七上並さんの3名しかおらず、
    西校は部活動は基本4名からだ。
    そんな人気のない文化系の部活したいけど、人数が足りないって生徒が寄り集まって
    できたのが『文化研究会』
    放送部の他に文芸部、書道部、新聞部、パソコン部、漫画部、美術部。
    現在はこれくらいだが、昨年は将棋部もあった。
    とにかく人数を寄り集めて、団体を作り上げ、
    とりあえず、研究会の看板を立てている。と言う感じだ。

    「おはよう、安藤君」
    今来たのは、中3の安藤彩斗君。文芸部の一員である。
    「おはようございます、先輩!ところでさっきの話ですけど」
    「あ、あぁ、まにうけにでね。多分、悪い夢だ」
    「それでも興味あります!」
    「おい、サイト。三上を困らすな」
    ぐいぐいと迫ってくる安藤君を引っぺがしてくれたのは、内藤海谷。同級生で彼も文芸部である。
    「おはよう、シバ」
    「ん」
    彼も漆屋に負けず劣らず物静かな奴だ。
    ……シバってのは勿論あだ名で、安藤君は彩斗を「あやと」と読むが一部には「サイト」とあだ名が付けられている。

    「って、ホントにブンケン全員こっち来たし」
    文化研究会略してブンケンだ。
    じゃぁ、紹介しないとな、結構人数いるんだよね。ブンケン。
  • 31 ヒサハラ id:aN0wo9t0

    2012-04-04(水) 18:16:56 [削除依頼]
    (空から落ちてくるのは美少女と相場が決まっているでしょう 人物紹介3)


    【文芸部】
    内藤 海谷(ないとう かいや)
     男子、高校2年、Aクラス。
     無造作に伸ばした髪とぶっきらぼうな態度がワイルドで、カッコいいんだとか何とか。
     海=シー。谷=バレー。続けてシーバレー。略してシバ。
     と言う変なあだ名があるが、本人が気にしていないため、周りはほとんどシバ呼び。

    安藤 彩斗(あんどう あやと)
     男子、中学3年、Aクラス。
     元気な皮肉屋。純粋な少年みたいな顔で毒を吐く。
     海谷とは仲がいい。サイトと呼ばれることもある。

    七上並 空尋(やなみ そらひろ)
     男子、中学2年、Cクラス。
     ショタって言ったら怒るけど、言われるだけある、幼顔。
     千歳とはいとこ同士。会長と付き合っている。

    月長 朋明(つきなが ともあき)
     男子、中学1年、Cクラス。
     文才がある文芸部期待の星。かなりの天然キャラ。

    由井 桜(よしい さくら)
     女子、中学1年、Aクラス。
     読書好きの大和なでしこ。クラス委員長とかできる子。

    【新聞部】
    寄戸 蘭(よるど らん)
     女子、中学2年、Aクラス。
     蓮とは幼馴染。
     元気、かなり元気。そして豪快に笑う。女子にモテる。

    折土 蓮(おるど れん)
     男子、中学2年、Bクラス。
     蘭とは幼馴染。
     冷静な風を装って好奇心旺盛。蘭に振り回されがちだが、楽しんでるっぽい。

    【パソコン部】
    入江 はとり(いりえ はとり)
     女子、中学3年、Bクラス。
     おとなしく口数が少ない、パソコンによる作業が得意。

    【漫画部】
    古己 紫御(ふるみ しおん)
     男子、中1年、Cクラス。
     幼少期、両親の仕事の都合により世界中に住んで回った経験あり。
     各国の珍しい話を多く知っている。

    緑川 夕(みどりかわ ゆう)
     男子、中学1年、Cクラス。
     紫御とはゆるふわコンビの仲良しこよし。
     絵が上手く、紫御と2人で漫画を描いている。

    【美術部】
    日向 明瑠(ひむかい あかる)
     女子、高校3年、Dクラス(文理コースのこと)。
     変わった物言いや言動の多い変わった人(変人ではない)。

    河成 翠(かなる あきら)
     男子、高校3年、Aクラス。
     基本明るく、クラスでも部活でもムードメーカーであるようだ。

    古川 蒼馬(ふるかわ そうま)
     男子、高校1年、Cクラス。
     無愛想で口数が少ないが、部活中には割と喋る。根は優しい子。

    今泉 緋織(いまいずみ ひおり)
     女子、高校1年、Bクラス。
     元気で明るくどじな子。少女漫画に出てきそうだが、それにしては元気すぎる。
     蘭と微妙にキャラが被ってるが、気にしない。

    【書道部】
    今泉 紗織(いまいずみ さおり)
     女子、高校3年、Dクラス。
     緋織の姉だが、性格真逆のおしとやかな美人。
     文化研究会、会長である。空尋とは公認の仲である。
  • 32 ヒサハラ id:aN0wo9t0

    2012-04-04(水) 18:19:20 [削除依頼]
    >30 他の話に書いてるキャラも、 全員この学校通ってる設定なので このような大所帯となるに至る。 読みにくいなぁ、と自分で思った。
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