緋色の記憶-Memory of the scarlet-29コメント

1 榛架 id:TgCi7Pr/

2012-02-23(木) 10:01:12 [削除依頼]

 「終わりにしたかったんだ」

 それが彼の、最後の言葉だった。
  • 10 榛架 id:QdBtw4A.

    2012-02-23(木) 19:43:48 [削除依頼]

     登場人物

     神坂悠夜(こうさか ゆうや)
     高校一年生。
     帰宅部、委員会無所属。
     基本、自ら進んで人と仲良くしない方。

     白雪葵(しらゆき あおい)
     高校一年生。
     帰宅部、委員会無所属。
     童話の白雪姫を嫌う。

     真城直斗(ましろ なおと)
     高校一年生。
     生物部、風紀委員。
     葵が好き。

     千代田撫子(ちよだ なでしこ)
     高校一年生。
     美術部、図書委員。
     直斗の幼馴染。
  • 11 ? id:VT.mQea0

    2012-02-23(木) 19:46:13 [削除依頼]
    あああ
  • 12 榛架 id:QdBtw4A.

    2012-02-23(木) 19:46:52 [削除依頼]
     >9  コメントありがとうございます!!  励みになりますw
  • 13 榛架 id:QdBtw4A.

    2012-02-23(木) 20:11:35 [削除依頼]

     episode2.幽霊

     季節外れの幽霊騒ぎが起きたのは、つい一週間程前の事だった。
     場所は旧校舎。
     見てしまったのは二年の女子生徒らしい。

     「ホントにすっごい騒ぎだよねー」

     くすくすと、上品に白雪は笑う。

     「白雪って、幽霊、大丈夫な方?」
     「そうだけど。何々?神坂クンはダメな方?」
     「嫌、違うけど。普通、女子って苦手な奴多いじゃん」

     とか余裕かまして言うが、実質、俺はダメな方に分類される。
     本当に幽霊だけは無理だ。
     幽霊と、激怒する親、どっちが怖いって言われたら、絶対に幽霊と即答するくらいで。

     「ふーん。じゃあ、行って見ない?旧校舎」
     「は?」
     「生憎、わたし達はやる事のない帰宅部だし、放課後は暇でしょ?」
     「……暇じゃねえよ」
     「どんな幽霊か見てみたいんだよ」
     「そんなもん、一人で行けよ」
     「えー、行こうよー」
     「お前、本当に友達いないんだな」
     「……」

     白雪は何も言わない。
     適当に言ってしまった俺は後悔する。
     グサッと来る言葉だっただろうか。

     「……っく」

     白雪は俯いて、肩を震わせる。
     え……泣いてるとか?

     「確かに……友達、いないよ。うん、神坂クンはわたしの事、ただのクラスメイトだって、思ってるよね……っ」
     「い、嫌、全くそんな事思ってねえよ?」
     「ほ、本当?」
     「ああ」
     「…………じゃあ、一緒に行ってくれる?」
     「ああ」
     「……そう」

     顔を上げた白雪は、

     「ありがとう。言ったからには行かないなんて言わないでね」

     嬉しそうな笑みを浮かべていた。
     嵌められた。
     と、思った時には既に遅い。
  • 14 榛架 id:T/WeQj61

    2012-02-24(金) 11:20:23 [削除依頼]

     放課後。
     俺等は旧校舎の前にいた。

     「あー、やっぱ、鍵掛かってるね」

     旧校舎の出入り口にはちゃんと南京錠が掛けてあった。
     そりゃそうだろうけど。

     「ほら、諦めようぜ」
     「南京錠くらいなら、いけるよ」

     白雪はスカートのポケットから、ピンを取り出す。

     「お前、そんな事したら、先生に怒られるぞ」
     「いーえ、怒られません」

     カチャカチャと白雪は南京錠にピンを差し込んで、ガチャンと見事に鍵を開けて見せた。
     並みの高校生が出来る事ではない。妙に手慣れていた所が怖いし。コイツ、日頃、何の鍵開けてんだよ。

     「よーし、レッツゴーだねっ」

     白雪はスキップしそうな軽い足取りで、旧校舎の中へ入って行く。
     マジかよ。
     俺は溜め息を吐いて、泣く泣く白雪の後に続いた。
  • 15 榛架 id:T/WeQj61

    2012-02-24(金) 11:35:15 [削除依頼]

     「意外に普通何だね」

     ギシギシと踏む度に音がする廊下を白雪は全く気にせずに歩く。
     幽霊とか関係なく、壊れるんじゃないかと言う怖さが出て来た。
     それにしてもコイツ、めちゃくちゃ強いな。好奇心旺盛と言うか、なんて言うか。

     「んーと、幽霊が見えたのは此処からかなー」

     ガラガラッ

     と、音楽室のプレートがある教室の引き戸を引いて、白雪は首を傾げる。

     「いないね。幽霊」
     「そりゃそうだろ」
     「ん、神坂クンは幽霊、信じないの?」
     「ああ」

     信じないと言うより、そんなもんいないで欲しいって言う願望だ。

     「わたしも、信じてはいないけど、いて欲しいかな。いたら、ずっと会えるでしょう?亡.くなった人と」
     「会って如何すんだよ。俺的には成仏して欲しいわ」
     「そうかな。だって、亡.くなっちゃったら、会えなくなるんだよ。一生、ずっと、永遠に」

     白雪は振り返って、俺を見た。その顔が真面目だった為に俺は焦る。何でこんなにムキになってるんだ、コイツ。

     「幽霊、出て来て欲しいね、わたしは」
     「いねえじゃん」
     「まー、そうなんだけどさー…………、」
     「どうかしたのか?」

     俺が聞くと、

     「……あれ」

     白雪は俺を指差した。
     嫌、違う。
     俺じゃなくて、俺の後ろだ。
     恐る恐る俺は振り返る。
     後ろにいたのは、

     「……、」

     白いシーツを被った人間だった。
     幽霊、なのか、これが。

     「ほら、いたじゃん。幽霊っ」

     ハイテンションで白雪はその幽霊(如何見ても人間)に駆け寄った。

     「初めまして、幽霊さん。んーと、わたしは白雪葵です」
     「何、真面目に挨拶してんだよ。つーか、普通に足あるし、それにシーツから見えてるスカート、此処の学校のじゃねえか」
     「あ、そう言われたら、そうだね。じゃあ、この学校の生徒の幽霊?」

     飽くまで、この人を幽霊にしたいらしい。
     面倒臭くなって来たから、俺は無理矢理、被っているシーツを剥がした。

     「……は?何でいるんだよ、姉貴」
     「あ、あはははは、祐夜君、半日振り」

     幽霊は姉だった。
  • 16 榛架 id:T/WeQj61

    2012-02-24(金) 11:36:24 [削除依頼]
     >15  ○「あ、はははは、悠夜君、半日振り」
  • 17 榛架 id:T/WeQj61

    2012-02-24(金) 11:39:53 [削除依頼]

     「姉貴?って事は神坂クンのお姉さん?」
     「ご、ごめんなさい。えっと、白雪葵さんだっけ?これにはそれほど深い事情がなくはないんだけど――まあ、許してくれない?」

     姉貴はペコペコと頭を下げる。

     「ちょっと、勉強のストレスで、ぶったまげた事をしたくなったの。此処の旧校舎の一階の理科室の窓の鍵が開いてるの知ってたから、忍び込んで、幽霊騒ぎを起こしてやろうかなって思っちゃったりしたり」
     「バ.カだろ、お前」
     「ですよね。すみません。多分、もうしませんので。悠夜君もごめんね」

     多分、って付くのが怪しかったが、一応許して置いてやろう。
  • 18 榛架 id:b9CCvos.

    2012-02-25(土) 11:33:11 [削除依頼]

     「悠夜君、怒ってる?」

     校門前で、白雪と別れてから。
     俺は着いて来る(当たり前だが)姉貴を総無視して、すっかり陽が暮れた商店街を速足で歩いていた。

     「怒ってる、よね。嫌、ホントにちょっと、苛々してて。人を驚かしたくて」

     何が驚かしたくて、だ。
     意味が分からない。
     苛立ってるなら、人に当たるとか、普通はそうだろ。
     ツッコみどころが満載だったが、俺は振り返る事もなく、益々歩く速度を速めた。
     が、商店街を出て、信号にぶち当たってしまい、立ち止まらなければいけなくなった。
     それを待っていたかの様にこれ見よがしに姉貴が俺の隣に立った。

     「でも、苛々の原因は悠夜にもあるのよ」

     姉貴はニッコリと裏のある笑みを浮かべた。
  • 19 榛架 id:b9CCvos.

    2012-02-25(土) 11:50:07 [削除依頼]

     此処の信号は赤になると、中々青にならない。

     「八割ぐらいが勉強の事で、一割が自分の事。そして、一割が悠夜の事」
     「俺のせいなのか?」
     「そう。二年前、悠夜とはそれっきりだったけど――如何にも、諦め切れなくて」
     「俺、関係ねえじゃん」
     「悠夜はもう綺麗さっぱり忘れちゃって、新しい彼女に乗り換えちゃったんでしょう?白雪さん、可愛いもんね」
     「白雪は只の――クラスメイトだ」
     「如何だか」

     姉貴は俯く。

     「じゃあ、私に未練、ある?」
     「……俺等が別れた理由、覚えてねえの?」
     「覚えてるよ。ま、あれは仕方なかったよね。私、受験生だったし、それにバレちゃったら、如何しようもないじゃん」
     「いい加減、諦めろ」

     信号がやっと青になる。
     横断歩道を渡ろうと、一歩踏み出した瞬間、

     「悠夜っ」

     姉貴が抱き付いて来た。
     そりゃあ、周りから見たら、カレカノに見えなくもないが、この状況を俺等の知り合いが見ていたら、大変な事になる。

     「……っ、ダルい」

     そのまま、俺に寄り掛かって来る。
     反射的に姉貴の額に手を当てると、めちゃくちゃ暑かった。

     「熱……」
     「ん、やっぱ、あったんだ。ごめん、ね」

     こんなトコで倒れるなよ。
     俺は姉貴を抱っこして、横断歩道を渡った。
  • 20 榛架 id:b9CCvos.

    2012-02-25(土) 11:55:43 [削除依頼]
     >19  ○反射的に姉貴の額に手を当てると、めちゃくちゃ熱かった。
  • 21 榛架 id:b9CCvos.

    2012-02-25(土) 12:02:43 [削除依頼]

     追加登場人物

     神坂未雨(こうさか みう)
     高校二年生。
     帰宅部、風紀委員。
     悠夜の姉。

     かなり変わった展開になって来ていますが……、
     一応、まだ続きますw
  • 22 榛架 id:b9CCvos.

    2012-02-25(土) 12:18:29 [削除依頼]

     episode3.脅迫

     バンッ

     と、二月下旬のある日。
     廊下のど真ん中で誰かとぶつかった。

     「あ、悪い」
     「いえ、私も悪かったです。って、神坂君。久し振り、ですね」

     千代田さんだった。
  • 23 榛架 id:b9CCvos.

    2012-02-25(土) 12:32:47 [削除依頼]

     ズレて来たメガネを左手で上げて、千代田さんは微笑む。

     「あの後、何だかんだで、直君、何故か神坂君の話、しなくなったんです。白雪さんへの告白はし続けてますけど」
     「そう」
     「何ででしょう?」
     「え、嫌、俺に言われても」
     「そうですね。でも、先週の金曜日ぐらいから、ぱったりと言わなくなったんです」

     俺に興味がなくなった、ってトコか。

     「此処でぶつかったのも何かの縁なので、今から会いに行きません?」
     「え、誰に?」
     「直君にですよ」

     押される様にして、俺は四組の教室まで連れて行かれた。
  • 24 榛架 id:b9CCvos.

    2012-02-25(土) 12:43:14 [削除依頼]

     
     「直君、神坂君と会ったから、連れて来たんだけど――って、いない」

     四組の教室はさほど三組と変わりなかった。
     そして、真城直斗はいないらしい。

     「タイミング悪いですよね。だいぶ前に直君が三組に来たんですけど、その時は神坂君がどっか行ってて」
     「へえ、そうなんだ。それにしても、千代田さん、幼馴染思いだよな」
     「よく言われます。そのまま、結婚しろとまで、直君の弟に言われたくらいで」

     キンコンカンコーンッ

     「予鈴、鳴っちゃいましたね。すみません、わざわざ教室まで来て下さったんですけど」
     「良いって」

     俺は四組の教室を出た。
  • 25 榛架 id:b9CCvos.

    2012-02-25(土) 12:56:03 [削除依頼]

     「神坂クンって、年上好きなの?」

     教室に戻って俺が席に着くと、待ち構えた様に白雪が話し掛けて来る。
     このシュチュエーション、前にもあった気がするんだが。

     「年上って、何だよ、いきなり」
     「何となく。どっち?年上か、年下だったら」
     「……どっちかと言ったら、年上だけど」
     「へーえ」

     白雪は意外そうな顔をする。

     「神坂クンって、後輩に振り回されてそうなイメージだったんだけど。意外だな、年上なんだ」
     「つーか、真ん中って言う選択肢はないのか?」
     「同い年って事?」
     「ああ」
     「うーん、その選択肢はなかったよ。ちなみにわたしも年上派ー」

     如何でも良かった。

     「そう言えば、此間のお姉さん、なんて名前なの?」
     「え」
     「幽霊のお姉さんだよ」

     凄い覚えられ方してるな。
     ま、こう呼ばれるのも、アイツの自業自得だろう。

     「神坂何サン?」
     「未雨」
     「神坂未雨サンか。制服の校章の色から、二年だよね?」
     「そうだけど」
     「ふーん。あんま、神坂クンと似てないね。雰囲気はちょっと一緒だけど」
     「雰囲気とか、分かるのか?」
     「分かる分かる。数少ないわたしの特技だから」

     胸を張って白雪は言った。
     それ、特技じゃないと思うんだが。
  • 26 榛架 id:b9CCvos.

    2012-02-25(土) 12:57:54 [削除依頼]
     >25  ○「ふーん。あんま、神坂クンと似てないよね。雰囲気はちょっと一緒だけど」  誤字脱字度の高さw
  • 27 榛架 id:b9CCvos.

    2012-02-25(土) 13:23:30 [削除依頼]

     放課後。
     靴を履き替えに下駄箱に行くと、姉貴がいた。

     「何?」
     「久々に一緒に帰ろうかなって。二年前はそうしてたでしょう」

     してたけど。

     「誰かに見られたら如何すんだよ?」
     「如何するって、見られても、只の微笑ましい姉弟だなって思われるだけじゃない?」
     「そ、そうだな」
     「悠夜君は色々と気にし過ぎ何だって」
     「気にして当然だろ。バレたら、どうなるか」
     「仲の良いお二人さーん」

     聞き覚えのない声に振り返ると、

     「ちょっと良いっすか?」

     見た事のない金髪の男子が愛想笑いを浮かべて立っていた。
  • 28 榛架 id:b9CCvos.

    2012-02-25(土) 13:33:54 [削除依頼]

     上着の左胸に付いている校章の色から、如何やら、俺と同学年の生徒の様だ。

     「何処から聞いてたの?」

     隣を見ると、姉貴がニッコリとソイツに笑い掛けていた。

     「何処から言えば、そちらは都合良いんですかー?とか言って、からかいたい所ですけど、残念ながら、微笑ましい姉弟だなって思われるだけじゃない?から、ですよ」
     「そう。あなたは……悠夜君のお友達、じゃないよね?」
     「ないっすね」
     「それで、何の用かな?」

     笑ってるけど、何となく分かった。
     姉貴は怒ってる。

     「何って、ご挨拶、ですかね。前々から、仲良くなりたかったんすよ。神坂悠夜君と」

     前々から……って。

     「真城直斗?」

     咄嗟に声に出てしまったらしい。
     すると、向こうは応じる様に微笑む。

     「そ。俺が真城直斗」
  • 29 榛架 id:b9CCvos.

    2012-02-25(土) 13:49:44 [削除依頼]

     コイツが真城直斗、か。
     千代田さんが言ってた通り、確かに見た目は不良だ。

     「誰とも仲良くしたがらない一匹狼気味な神坂君に俺は興味があったんですけど、最近の神坂君と言えば、ずっと葵ちゃんと仲良くしちゃって。見てて嫌になったんですよ。何せ、俺、葵ちゃんが好きなもんで。しまいに取られるんじゃねーか、とまで思ったんですけど、やっぱ、神坂君は葵ちゃんよりも、お姉さんが好きな様で。安心しました」
     「凄いペラペラ喋ってる所悪いけど。真城君、何か誤解してない?」
     「してないっすよ。まっ、そこは否定する場面ですから、どうぞ、否定してて下さい。それに俺は別にこれをネタにあなた方を強請るつもりもないんで。あ、神坂君。さっきからずっとだんまりだけど、何か言う事ある?」

     真城が俺に振って来た。

     「……ない」
     「じゃー、俺はこれにて失礼します」

     真城は一礼して、何処かに行ってしまった。
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