イクスの花2コメント

1 KISHI id:6s1gf3p0

2012-02-20(月) 22:21:44 [削除依頼]
〜プロローグ〜


 そこは、陽だまりの世界。
 少女は、ぼんやりとその日差しの向こうを見る。辺り一面の花々を踏んでしまわぬように、一歩ずつ慎重に。
 「気をつけて、気をつけて」
 黒髪の少女はそう呟く。その言葉とは裏腹に、声色には喜色が混じる。
 少女は、こんな時にいつも考えることがある。自分は、どこから来たのだろう。自分は、なんの為にここに居るのだろう。この場所は、どこだろう。
 たくさんの不安は、彼女を傷つける。しかし、その少女にも楽しみはあった。
 ――それは、この道の先の……。
  • 2 KISHI id:6s1gf3p0

    2012-02-20(月) 22:53:54 [削除依頼]
    〜第一章〜


     「腹が減った」
     そんな一言で、彼の……神楽雅孝(かぐら まさたか)の放課後が始まる。
     時間は、夕方4時。ホームルーム終わりの空腹は、思春期の特権か。それとも、単純に食いしん坊の素質があるのか。
     「おはよう。君には、この言葉がピッタリだろう」
     「ですね」
     振り向きもせず、即答。振り返れば、見知った女生徒。気だるげに腕を組み、全てを見透かすように見つめる。
     「お昼終わりに、君は机に突っ伏せば、そのまま時間が止まったようだったな」
     「まあな、気づけば放課後。いいタイムマシンだよ。……ところで、秀才の小倉伊奈(こくら いな)様は、俺に対して如何様な?」
     小倉伊奈。クラス一の秀才。学年一トップの成績に、運動神経もなかなかのもの。本当によくできたクラスメイトだと思う。俺の、相手を伺うような視線を気にも留めずに、伊奈は口を開いた。
     「秀才はないだろ。勉強ができるだけで、特別な秘密道具も作れないし、秀才三大アイテムのメガネも掛けてない」
     ショートカットの髪を、サラサラと揺らしつつ伊奈は首を振る。
     「メガネは関係ないだろ」
     「いや、世間一般の秀才はメガネで委員長だ。世界の常識」
     事も無げに言う。
     「どこの世界の常識だ。ちなみに、残り二つは?」
     「愛と勇気」
     「せめて、委員長は含めろよ!」
     伊奈は、こういう女だ。クールビューティと評判だが、俺からしてみれば、ただの掴み所のない女だ。さも本題に入ろうという形で、伊奈は指をパチンと鳴らした。
     「……さ、遊びは終わりにするとしよう。久しぶりに、君のチカラの出番だ」
     チカラ、その言葉を聞いた途端に俺の思考はクリアになる。熱くなる気持ちと冷静の間、とても良い頭の状況だ。
     「――ああ」
     雅孝の瞳に力強い光が宿る。襟をキツク閉めると、腰を上げた。
     神楽雅孝の放課後が始まる。
     
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