君に溺愛中。192コメント

1 日和 id:0SLQMqi0

2012-02-11(土) 16:35:19 [削除依頼]


「ねぇ何食べたい?」
「んー…お前♪」
「なっ////」


テンパる私を見て、
君はいつも笑ってたね?

君の″好き″が
たとえ違う意味だとしても、
私はきっと喜んじゃう。

これって
−溺愛−っていうのかな?

       君に溺愛中。
            /*日和
  • 173 日和 id:tYw.TqD/

    2012-04-13(金) 16:34:45 [削除依頼]



    「えっ…?」


    「びっくりした?
     俺の気持ち聞いて^^」


    びっくりするどころか、
    顎が抜けそうだよ。

    驚きのあまり、
    口があんぐり開いてる。


    「そんな顔すんなよ。
     また好きにさせる気?」


    「えっいやっ
     …颯介くん??」


    訳が分からない。
    颯介くんが…私を?


    「ねぇ奈央ちゃん。
     拓じゃなきゃ、ダメ?
     俺は…奈央ちゃんの
     彼氏になれない?」


    「颯介くん…。」


    何を言えばいいか、
    分からない。


    「…なーんてね♪
     返事は考えといて。
     今じゃなくていい。

     今は拓に勝てる気が
     全然しねぇから。」


    颯介くんはそういうと
    ジュースを一気に飲み、
    仕事場に戻った。


    颯介くん、
    ごめんなさい…。


    私は颯介くんを
    好きになれないよ―…


    今の私の中には
    拓さんしかいないんだもん…
  • 174 日和 id:tYw.TqD/

    2012-04-13(金) 16:43:39 [削除依頼]


    拓side**

    「拓、ちょっといい?」


    さっきまで
    休憩してた颯介が
    俺の元へ来た。


    「いま仕事ちゅう。
     あとでな。」
    「…分かった。」


    いつもより
    チャラチャラしない。

    そんな颯介の後姿は
    どこか寂しそうだった。

    ―…


    「終わったぁ…。」

    「だなー。
     …奈央、帰っていいよ。
     お疲れ。」

    「あっはい!
     お疲れ様でした///」


    顔を赤くする奈央が
    かわいくて、
    つい見入ってしまう。


    「…あっそういえば、
     お前話あんだろ?」

    「んー。まぁね。」

    颯介はそういうと
    椅子に腰かけた。


    「告った。」
    「あぁ?」

    「奈央ちゃんに、
     告白しちゃった♪」


    おどけてみせる颯介は
    自信ひとつない
    そんな顔だった。


    「…あっそ。」


    「お前、応援してくれる?
     …応援、
     してくれるよな?」


    颯介は
    俺をまっすぐ見ながら、
    そう言った。


    咄嗟に俺は
    ″応援したくない″

    っていう
    変な感情に襲われた。


    「それとも、
     お前も奈央ちゃんのこと
     好きなわけ?」


    颯介にそう聞かれて
    俺は分からなくなった。


    この感情が
    何なのかってことに…。


    「…好きじゃねぇよ。
     だから、お前のこと
     応援する。」


    でもどこかで
    ″好きじゃない″と
    言い聞かせる自分がいて


    ″応援する″って
    言ったことに
    後悔した―‥‥。
  • 175 日和 id:tYw.TqD/

    2012-04-13(金) 16:54:30 [削除依頼]


    奈央side**


    あー…
    なんか色々ありすぎて
    疲れたなぁ。


    ″お疲れ。″


    拓さんにそう言われて、
    店を出た。


    「あっ夢ちゃんに
     電話しとかなきゃ!」


    来週遊ぶ約束をしてて
    それについて
    電話するって決めてた。


    「ん?…あっ」

    鞄を探っても
    出てこようとしない
    携帯電話。

    しまったぁ…。

    休憩室に
    忘れてきちゃった。


    「もーどろ♪」

    忘れたから、
    めんどくさいって
    思うのと同じくらい、

    拓さんに会えるという
    嬉しさもあった。


    「告っちゃった♪」

    そんな声が
    店から聞こえた。

    ドアノブから
    手を放し、
    耳を傾ける私。

    「…とも、お前
     奈央‥んこと、
     好きなわけ?」


    微妙に聞こえる。
    途切れ途切れの
    颯介くんの声。


    颯介くんが拓さんに
    私のこと聞いてる。

    私は唾を
    ごくっと飲んだ。


    「…好きじゃねぇよ。
     だから、 …
     応援…る。」

    えっ…。

    「好きじゃ…ない。」
    はっきり聞こえた。


    …神様は意地悪だね。
    なんでそこだけ
    はっきり聞こえちゃうの。

    「拓さんの言うとおり、
     私って
     バカで単純だなぁ…。」

    涙をこらえながら
    私はドアノブに
    手を掛けて開いた。


    「奈央っ!?」

    「すいません^^;
     忘れ物しちゃって!」


    わざと笑って見せた。
    そのまま、
    拓さんの横を通って

    休憩室に行った。

    泣いちゃダメ。

    そんなことを
    考えながら―…
  • 176 日和 id:tYw.TqD/

    2012-04-13(金) 17:03:55 [削除依頼]


    「奈央ちゃ…」

    「お疲れ様でした!
     …帰ります。」

    二人に向けて
    一礼し
    その場を離れた。

    店を出たあと、
    私は走って走って…

    「奈央ちゃん!
     奈央ちゃんってば!」

    暫くして
    そんな声が聞こえた。


    「颯介くん…!?」

    「はぁっはぁっ
     奈央ちゃんって
     足速すぎでしょ…」

    …いや。
    私運動音痴だよ。

    そんなことを思いながら
    私は立ち止まった。


    「聞いてたでしょ。
     さっきの。」

    「‥…」
    「普通ここは
     泣くんじゃないの?」


    颯介くんはそういうと
    私の頭を
    優しくなでてくれた。


    「…悲しいけど、
     なんでだろ。
     泣けないんです…。」

    「…それって、
     拓がそれくらいの
     男だからじゃないの?」

    …違う。違うよ。
    何でそんなこと言うの?

    拓さんは私にとって
    特別な存在だよ…?


    「…俺ならさ、
     奈央ちゃんのこと
     悲しませない。」

    「ずるいよ。
     こんな時に…。」


    私がそう言って
    目を逸らすと
    颯介くんは笑った。


    「知らなかったの?
     俺ずるい男だよ?
     奈央ちゃんを
     振り向かせるためなら
     なんだってする。

     ―ずるい男にだって
            なれる―」

    颯介くんは私の両頬を
    大きな手で包んだ。


    「好きだから。」
    「颯介く…んぅ」


    塞がれる唇。
    パ二くる私。


       キス…された?
  • 177 日和 id:tYw.TqD/

    2012-04-13(金) 17:20:01 [削除依頼]



    ぱしん―っ


    鈍くて痛々しい音が
    響いた。


    「はぁ…はぁ…
     なんでこんなことっ」


    「ごめん。」


    颯介くんが謝る中、
    私は涙を流した。


    「初めて…
     だったの、に…」


    初めてのキスは
    好きな人って
    決めてたのにっ


    私は颯介くんを置いて
    歩き出した。


    優しい颯介くんは
    大好き。


    でもそれは
    恋愛感情じゃなくて、

    友達として…


    「うぁ…ひっく…」


    家に帰り、
    何度も唇を洗った。


    消えない感触は
    颯介くんでさえも
    嫌にさせた。


    「拓…さんっ」


    どれだけ呼んでも
    君は私に
    ふり向いてくれない。
  • 178 日和 id:tYw.TqD/

    2012-04-13(金) 17:28:24 [削除依頼]



    颯介くんに
    キスをされて数週間。


    私は拓さんの店に
    行かなくなった。


    ちゃんと
    連絡は入れてるけど…


    でもこのままじゃ、
    絶対いけない。

    だから…


    「やめ、ます…。」


    拓さんとも気まずく、
    颯介くんとは
    顔を合わせたくなかった。


    顔を合わせたら、
    思い出してしまって…。


    『やめるって
     どーいう意味?』


    「すいません。
     勉強が忙しくて。」


    『‥‥そか。』


    拓さんの声。
    直接聞きたいな…。


    電話じゃなくて
    直接…。


    「拓さん。
     …すいませんでした。」


    『何が?』


    「満留さんみたいに
     なれなくて…。」


    偉そうなこと言って
    何もできなかった。

    何一つ…。


    『別に。
     そんなの望んでないよ。』


    …うん。分かってる。
    最初から
    自分だけ思い上がってた
    ことくらい。


    電話を切り、
    ベッドに飛び込んだ。


    「…お母さん。
     私、どうしたらいい?」


    今亡きお母さん。
    大好きだったお母さん。


    涙が流れると同時に
    私は目を閉じた。
  • 179 日和 id:tYw.TqD/

    2012-04-13(金) 17:39:06 [削除依頼]


    ―…
     ―奈央の過去―


    「ママ…っ
     今日の夜ご飯なに?」


    「今日はねぇ
     奈央ちゃんの大好きな
     ハンバーグだよ^^」


    優しく手を握る
    お母さんの温かさ。


    でも
    顔だけが思い出せない。


    黒ずむ親の顔…。


    「奈央ちゃん。
     ここで待っててね。」


    お母さんは
    そんなことを言って
    ″すみれ園″
    という場所に私を預けた。


    「ママっ」


    「迎えにくるから。
     絶対に…。」


    あの言葉を
    私は信じて信じて…。


    でも、
    帰ってこなかった。


    中学になり、
    私は二人の夫婦に
    引き取られた。


    「奈央ちゃん、
     よろしくね。」


    「よろしくな。
     …お父さんって
     呼んでもいいからね」


    そんな優しい笑みを
    こぼすのは
    今私を育ててくれてる
    お母さんとお父さん。


    血のつながりは
    決してないけど、
    私を愛してくれた。


    そして、
    拓さんと出会ったあの日…


    「…奈央。
     話があるの。」


    「はなし?
     なになに??」


    「実はね…。」


    お母さんはゆっくと
    話し出した。
     
  • 180 日和 id:tYw.TqD/

    2012-04-13(金) 18:12:13 [削除依頼]



    「奈央の本当のお母さんが
     亡くなったそうよ。」


    「えっ…。」


    本当のお母さんが
    亡くなった?


    「なんでお母さんが
     知ってるの?」


    「電話あったの。
     ごめんね。
     数年前に亡くなったのに
     言わなくて…。」


    お母さんが
    言わなかったのは
    たぶん私を気遣ったから。


    それでも
    悲しさは消えなくて…。


    「奈央…っ」


    呼び止める声を無視し、
    家を走り出た。


    ″迎えにくるから。
     …絶対に。″


    「うそつき…
     うそつきうそつき…」


    そう言いながら
    たどり着いたのは
    一つの店で。


    ここで
    拓さんと出会って
    恋をして…。


    「お前が笑えば、
     世界も笑う。」


    そんなことを言って
    私に笑顔を分けてくれた。

    特別な人―…


    ―…
       ―現在―


    「奈央!!奈央!!」


    「んっ…
     おかあ、さん?」


    「もー。
     ご飯だって言ってるでしょ。」
  • 181 日和 id:tYw.TqD/

    2012-04-13(金) 20:01:30 [削除依頼]



    「ごめん。
     寝ちゃってた…。」


    「まぁいいけど…。
     あっさっき
     男の子が来たわよ?」


    男の子?

    私は首を
    右に傾げた。


    「確かぁ…拓!
     って言ってたわ!」


    「えっ!?」


    拓さんが…!?
    なんで?


    「それでね、これ。
     渡してほしいって
     頼まれたの。」


    お母さんはそういうと
    私に少し大きな
    封筒を差し出した。


    なんだろ…?


    「彼氏?」


    「はい!?
     違う違うっ」


    「あらそうなの?
     ざーんねん!
     かっこよかったのに♪」


    お母さんは
    ニコッと笑った。

    私だって
    彼氏だったら
    嬉しいよーだっ


    「これ見たら
     ご飯食べる。」


    「はいはい。」


    お母さんを
    無理矢理追い出して、
    封筒を開けた。


    「手紙…と
     キーホルダー?」


    Nと記されていて、
    私にそっくり…

    いや、私より可愛い
    女の子の
    キーホルダー。


    私は手紙を開いた。
  • 182 日和 id:tYw.TqD/

    2012-04-13(金) 20:10:15 [削除依頼]



       奈央へ
    『奈央、急に手紙ごめん。
     びっくりしたよな?
     …俺もびっくりした。笑

     俺さ、奈央が来なくなって
     まじで寂しかった。
     奈央がいる。…これって
     俺の中で当たり前だったから。


         勉強で悩んでるなら
         俺、教えるから。

     だからさ。
     戻ってこいよ…。

            待ってる。』

                拓。


    「拓さん…っ」


    不思議だね。
    たったこれだけなのに
    涙が止まらない。


    不器用な字。
    不器用な言葉。


    拓さんらしくて
    拓さんらしくない手紙。


        ―待ってる―


    その言葉は
    大きく胸に響いた。


    今行かなきゃっ


    そんな感情を
    生み出させた。


    「会いたいっ」


    私は手紙と
    キーホルダーを握り、
    部屋を出た。


    「あっ奈央ー。
     さっきのなんだっ…
     奈央っ!?
     どこ行くのよーっ?」


    お母さんの言葉を
    完全に無視しちゃった私。


    ごめんね。


    私今、
    会いたい人がいるの。
  • 183 日和 id:tYw.TqD/

    2012-04-13(金) 20:26:49 [削除依頼]



    ばん―っ


    大きな音を立てて、
    ドアを開ける私。


    「奈央…!?」


    「拓さん…。
     はぁ…はぁ…。」


    息が整わない。
    走ってせいで…。


    「どうしたんだよ。
     こんな時間に…」


    「拓さんに
     伝えたいことあって…っ
     会いたくて…。」


    伝えなきゃ。
    今言わないと…っ

    そんな感情に
    かられる私。


    「拓さん。
     聞いてくれますか?」


    「…うん。」


    拓さんは
    私に近寄り
    目を見てくれた。


    「私ね、初めて会った日。
     拓さんに笑顔を
     もらいました。

     ″お前が笑えば、
          世界も笑う″

     ほんとに元気が出て、
     拓さんのこと…っ」


    「待って、奈央。」


    私の言葉を遮り、
    拓さんが話した。


    「俺から言いたい。
     奈央に
     伝えたいこと。」


    「拓、さん…?」


    拓さんは
    ニコッと笑い、
    口を開いた。


    「好きだよ。奈央。
     妹とか年下とか
     そんなの全部なくして…

         奈央が好き。」


    私の目からは
    すでに涙があふれてて…

    恋が叶う喜びと
    それまでの辛い時間…。


    「私、もっ好き。
     拓さんが…大好きです。」


    「うん。ありがと。」


    拓さんはそういうと
    私を抱きしめてくれた。


    優しく強く…
    そして、
         ―温かく―
  • 184 日和 id:tYw.TqD/

    2012-04-13(金) 22:01:31 [削除依頼]



    「なぁ奈央。」
    「はい?」
    「俺達カレカノだよな?」


    帰り道、
    急に拓さんが
    そんなことを言った。


    「は、はい///」


    「じゃあさ、
     拓って呼んでよ。
     …敬語もなし♪」


    「えぇぇ///」


    拓さんは
    私の方を見ながら
    そう言った。


    「で、でもっ」


    「仕事はいいからさ、
     普通に過ごすときは
     そうしてほしい。」


    かわいい笑顔で
    私を見る拓さん。


    「ほら、早くっ」


    私を急かす拓さんは
    子供みたい。


    「‥‥拓///」
    「ん。よくできました♪」


    拓さ…拓は
    満足そうに笑った。


    「てか、もう着いたな。」
    「あっほんとだ。」


    気づけば家の前。
    時間が過ぎるのって
    早いな…。


    「奈央。
     明日も来いよ。
     颯介とまってる。」


    「…うんっ」


    私が笑ってみせると
    拓は手を強く
    握ってくれた。


     それはまるで、
         ―ずっと一緒にいような―

    とでも
    言ってるみたいだった。


     ――――

      あの時の君の手の温もりは、
           ずっとずっと覚えてる。
       これから先も
             忘れないよ。
  • 185 ソラ id:O6O6V6./

    2012-04-13(金) 22:17:47 [削除依頼]
    ヤバイ、ヤバすぎる!!!!
    超絶号泣(;A;)
    涙が止まりまへん(号泣)
  • 186 日和 id:QVh1oCH.

    2012-04-14(土) 08:53:44 [削除依頼]


    ( 〒.ソラちゃん )


    えぇぇ泣いてくれてるの!?
    ソラちゃぁぁん涙
  • 187 日和 id:QVh1oCH.

    2012-04-14(土) 09:00:52 [削除依頼]



    「おめでとーなっ」

    「颯介くん、
     …その、ありがと!」


    次の日
    颯介くんはすごく
    喜んでくれた。


    でもどこか
    気まずくて…。


    「奈央ちゃん、
     ちょっといい??」


    「あっはい。」


    颯介くんに呼ばれ
    私達は裏路地に行った。


    「やっとくっ付いてくれたね。
     拓の気持ち、
     ほんとは俺最初から知ってた。」


    「えっ?」


    「あいつ、絶対に
     会った時から奈央ちゃんのこと
     好きだったと思うよ。」


    颯介くんは
    ニコッと笑った。


    「まぁ俺もだけどね。」


    その笑顔が
    何処かすっきりしてて
    安心する自分がいた。


    「ありがとうございます。」


    颯介くんには
    それしか言えないよ。


    それくらい、
    感謝してる。


    「あっ拓にはさ、
     キスのこと内緒ね?」


    「あっはい!」


    さすがに言えない。
    キスのことはね…(汗)


    「じゃっ今日も一日
     がんばろーっ」


    「おーっ♪」


    颯介くんがいるから、
    この店の雰囲気も
    成り立ってる。

    私も
    笑顔で居れる―…
  • 188 日和 id:QVh1oCH.

    2012-04-14(土) 09:11:24 [削除依頼]



    「奈ー央っ♪」


    「あっ夢ちゃん!
     来てくれたんだぁ!」


    私服の夢ちゃんは
    メイクもばっちりで
    ホントに大人っぽい。


    「今日は
     お客様としてきたの!
     接客よろしくね?」


    少し意地悪く笑う
    夢ちゃんは
    やっぱりかっこいい。


    「では、
     こちらへどーぞ^^」


    久しぶりの
    本気の笑顔を見せ、
    夢ちゃんを案内した。


    「なんか、奈央。
     元気になったね。
     安心した。」


    「夢ちゃん…。」


    私の周りの人って
    優しい人
    ばっかりなんだなぁ…


    「あっ奈央奈央!
     これなに??」


    「ん?…あーこれ?笑」


    夢ちゃんは
    私の携帯についてる
    女の子のキーホルダーを
    指差した。


    「これね、颯介くんと
     拓さんと私の
     たった3つのキーホルダー。
     
     …ていいたいとこだけど、
     はい、これ♪」


    「えっ??」


    私は夢ちゃんに
    もう一つの女の子の
    キーホルダーを
    差し出した。


    「私…に?」


    「うん!
     拓さんがね、
     夢ちゃんにもって」


    私がそういうと
    半分うる目になりながら
    嬉しそうに笑った。


    「ありがとう。」


    その言葉が
    このお店には
    溢れてた。
  • 189 日和 id:QVh1oCH.

    2012-04-14(土) 09:21:20 [削除依頼]



    「ははっそれでね!
     奈央がこけてーっ
     ほんとに笑えた。」


    仕事が終わり、
    夢ちゃんと颯介くんと
    拓と私で

    いろんな話をした。


    「もーいわないでよ///」


    照れる私を見て
    クスクス笑う拓。


    そんな時―…


    カランコロン カランコロン


    「あっすいません!
     今日は
     オワリなんですけど‥‥。」


    入ってきたお客さんに
    私は駆け寄った。


    「…奈央、ちゃん?」
    「えっ?」


    私の名前を
    懐かしそうに呼ぶ人。


     ―誰?―


    「やっぱり奈央ちゃんね!
     変わってないわ…。
       会いたかった。」


    「えっあの…
     どちら様ですか?」


    私が聞くと
    その人はきれいな顔で
    笑った。


    「ここじゃなんだから、
     場所移りましょ^^」


    戸惑う私に
    そう言った。


    「…拓、颯介くん
     夢ちゃん。
     今日は帰りますね。」


    「えっ!?
     …ていうか誰?」


    夢ちゃんは
    女の人を見た。


    「さ、さぁ?」


    「‥‥奈央、
     あとで電話する。」


    そういう拓に
    私の胸は高鳴った。


    「うんっ
     …それじゃあ」


    私はあいさつし、
    その人と店を出た。
  • 190 日和 id:QVh1oCH.

    2012-04-14(土) 09:28:53 [削除依頼]



    私と女の人は
    ファミレスに入った。


    「あの…それで
     どーいう…?」


    私が聞くと
    女の人は静かに笑い、
    口を開いた。


    「奈央ちゃん。
     覚えてないかしら?
     …お母さんよ。」


    「‥…えっ?」


    おかあ、さん?
    この人が…?


    嘘だよ。
    だって私のお母さんは
    もう居ないんだから…。


    「何の冗談ですか?
     …あっドッキリとか!」


    「ふふっ違うわよ。
     本物。
     迎えにくるっていっといて
     遅くなってごめんなさいね。」


    その言葉で
    蘇る過去―…


       ―迎えにくるから。
             …絶対に。―


    「お母さん…。」


    「約束通り
     迎えに来たから。
     …一緒に東京行きましょ?」


    何言ってるの…
    私のお母さんは
    あなたであって
    もうあなたじゃない。


    「すいません。
     たとえあなたが母親でも
     今の母は一人だけです。


        今まで私に愛をくれた
           優しい人がいますから。」


    信じきることが
    できないまま、
    私はそう言って立ち上がった。


    「奈央ちゃん!」
    「すいません…。」


    私は荷物を持ち、
    一礼して
    ファミレスを出た。
  • 191 日和 id:QVh1oCH.

    2012-04-14(土) 09:34:36 [削除依頼]



    「あっ奈央。
     おかえりなさい。」


    「……」


    珍しくお母さんを
    通り過ぎ、
    階段を上がった。


    「奈央!?
     ちょっと待ちなさい!」


    私の腕をつかみ
    そういうお母さん。


    「…うっ‥‥ひっく…
     おか、さん…。」


    「…なお?」


    「私のお母さんは
     お母さんだよね?
     お腹痛めて産んでなくても
      お母さんはお母さんだよね?」


    私が泣きながら
    そういうと、
    お母さんは笑った。


    「何言ってるの。
     あたりまえでしょ。
     私が奈央のお母さんで
     奈央が私の子ども。」


    自慢そうに笑うお母さんは
    強くて
    でもどこか弱そうで…。


    「…でも、でも‥‥
     うそなんてつかないでよ。
     ううん、
     お母さんはうそなんて
     ついてないよね?」


    「えっなんのこと?」


    「今日、私のお母さんだって
     言う人が来たよ。

         ねぇどういうこと?」


    私のお母さんは
    今どこにいるの―…?
  • 192 日和 id:QVh1oCH.

    2012-04-14(土) 09:58:56 [削除依頼]



    「ごめんね、奈央。
     …奈央のホントのお母さん、
     ちゃんと生きてる。」


    「…」


    「お父さんと話したの。
     自信がないって。
     奈央のお母さんでいる、
     ホントのお母さんに勝てる
     自信がなかった…。」


    お母さんはそういうと
    切なく笑った。


    「お母さん。
     バカじゃないの!?」


    「えっ」


    初めて
    こんなに怒鳴った。


    初めて
    バカって言った。


    「私のお母さんは
     お母さんでしょ!
     お父さんもお父さん!

     私だって不安だったよ。
     迷惑かけてないかなとか
     愛されてるのかなって…」


    すごく不安で
    すごく苦しくて…。


    「奈央…。」


    「お母さん、
     私お母さんの傍に居るよ。
     ずっと…。」


    打ち解けた気がする。
    初めて…。


    でも、
    私の中で消えない、
    あの人の顔。


      黒ずんでた顔が
      明るく蘇る。

     
    それがなんとも言えないほど
    私を苦しめた。
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