追憶のアリア13コメント

1 藍架 id:njqJYOv1

2012-02-10(金) 16:10:28 [削除依頼]

「もう分かったでしょ?あの子とはそう言う欠陥を抱えてるの。だから、早い内に諦めなさい」

それでも、わたしは諦めなかった。
  • 2 藍架 id:njqJYOv1

    2012-02-10(金) 16:21:53 [削除依頼]

     episode1 憂い 黒川榛名side

     女子生徒が倒れていた。
     北校舎三階の廊下の真ん中で。

     本来なら、通り掛かった人が教師を呼んだり、保健室まで運んだりするが、この学校の生徒は平然と彼女を横切って行く。
     薄情な奴等だ、と思う所だが、俺が言えた話ではない。
     現に俺もその横切った薄情な奴だからだ。

     「おい、黒川」

     呼ばれて振り返ると、担任教師がいた。

     「コイツ、保健室まで運んで行け」

     そう言って、教師は倒れている女子生徒を指差した。
     
     「自分で運んで行こうと思わないんですか?」
     「もう直ぐチャイム鳴るだろ」
     「俺は授業に遅れても良いんですか?」
     「お前、何時もサボってるじゃないか。ほら、早く連れて行ってくれ。通行の邪魔だ」

     教師は女子生徒をわざわざ跨いで、C組の教室の方に入って行く。

     「……」

     薄情な生徒、薄情な教師、本当に此処は薄情な学校だった。
  • 3 いちこ☆ id:4WWgV/b0

    2012-02-10(金) 16:28:00 [削除依頼]
    おもしろいですー!!
    頑張って下さい★☆

    次が気になります〜ッ(>ω<)
  • 4 藍架 id:njqJYOv1

    2012-02-10(金) 16:29:44 [削除依頼]

     この学校に入学した事を今更後悔した。

     「ん……」
     
     流石に放ったらかしにして置くわけにもいかず、保健室まで運ぼうと、しゃがんだ時に彼女は目を覚ました。

     「……おはよう、ございます」

     第一声が挨拶。
     寝惚けているのだろう。
     
     「あの、此処、何処、ですか?」
     「地獄」
     「わたし、死.んだんだ」
     「……あのさ」
     「何?」
     「その言葉を区切って喋るの、止めてくれね?鬱陶しい」
     「分かった。気を、付ける」

     気を付けてねえじゃん。

     「分かってる。此処、学校何でしょ?わたし、また倒れたんだ」
     「そう。分かってるじゃねえか。じゃ、俺は行くから」
     
     俺は立ち上がり、彼女に背中を向けた。
     後ろで「何処に、行くの?」だとか言っている声がしたが、無視した。
  • 5 藍架 id:njqJYOv1

    2012-02-10(金) 16:30:31 [削除依頼]
     >3  コメントありがとうございます。  頑張ります!!
  • 6 藍架 id:njqJYOv1

    2012-02-10(金) 16:43:23 [削除依頼]

     そもそも、こんな俺が進学校に合格してしまったのが失敗だった。
     落ちとけば良かった。そうしたら、何処か二次募集の如何でも良さそうな学校に行けたのに。
     
     「屋上の鍵、開いてたんだ」
     「……!」
     
     振り返ると、さっきのとろそうな奴がいた。
     着いて来てたのか。気付かなかった。

     「わたし、A組の、水咲鏡花。あなたは?」
     「ストーカーかよ」
     「別にストーカーでもない、けど。でも、あなた、何処かで見た記憶がある。同じクラス?」
     「ああ、そうかも知れないな」
     「なら、頭、良いんだ」

     進学校なだけに軽くイジメに発展しそうだが、クラスは成績順になっている。
     そのせいか、A組の奴等は気持ち悪いほど優越感に浸って、えばっているのだが。コイツは如何やら違うらしい。

     「あなた、名前は?」
     「そんなに他人の個人情報聞き出したいのか?」
     「うん」

     うんって……
     そう言われると、もう言い返せない。

     「確かに、法律とかにあるけど。名前ぐらい教えてくれても、良いでしょ?」
     「分かった分かった。言ったら、出て行ってくれるんだよな?」

     コクリと、水咲鏡花は頷く。

     「うん。出て行く」
     「黒川榛名だ。ほら、早く行けよ」

     つい、さっきの教師みたいに言ってしまったが。

     「黒川君」
     「何だよ」
     「黒川君って、不良?」

     ……、

     「水咲」
     「何?」
     「不良だったら、こんなトコ、いないだろ」

     バ.カじゃないのか。
     人間としての意味で。
  • 7 碧 id:YLuKBmO/

    2012-02-10(金) 16:46:59 [削除依頼]
    面白いです。
    頑張ってください
  • 8 藍架 id:njqJYOv1

    2012-02-10(金) 16:50:24 [削除依頼]

     「じゃあ、不良じゃないんだ」
     「お前、よく他人から天然って言われないか?」
     「言われると言うよりも、わたし、あまり人と話さないから。そう言う会話も、しない」

     友達、いないのか。
     顔は可愛いと思うが、天然の度数が半端ないからだろうな。

     「残念な奴だな」
     「黒川君にも言える事だと思うけど」
     「お前だけには言われたくねえからっ」
     「そう?」

     水咲は首を傾げた。
     
     「そんなにわたしって、残念、なのかな」
     「さあな。自分で考えろ」
     「分かった。じゃ、言われた通りに出て行く、ね。バイバイ」

     ニコリと笑ったり、手を振る事もなく、水咲は屋上から出て行った。
     そう言えば、コイツ、会ってまだ十五分しか経っていないが、
     一度も笑っていない。
  • 9 藍架 id:njqJYOv1

    2012-02-10(金) 16:51:58 [削除依頼]
     >7  ありがとうございます^^
  • 10 藍架 id:njqJYOv1

    2012-02-10(金) 17:01:31 [削除依頼]
     
     翌日。
     俺は久し振りに教室に行って見た。

     ガラガラッ

     引き戸を引いて、中に足を踏み入れた瞬間、俺に沢山の視線が集まった。
     
     「へーえ。如何言う風の吹き回しなのかなぁ。クラスの孤立者が教室に来るなんてさ」

     そんな鬱陶しい事を言ったのはこのA組の学級委員の土御門夏目だ。

     「んーと、あ、もしかして、溜まったプリントを取りに来たとか?良いよ良いよ。さっさと取って、出て行けよ」
     「なあ」
     「何かなぁ?孤立者君」
     「そんなにテストで俺に負けた事が悔しいのか?」
     「……っ」

     言ってから後悔する。
     相手を煽っただけだ。

     「調子乗ってんじゃねえよっ」

     逆ギレし出した土御門が俺の胸倉を掴み、殴り掛かろうとした、その時だった。

     「おはよう、ございます」

     昨日、聞いた覚えがある声が後ろからした。
  • 11 藍架 id:XlEVzMh0

    2012-02-10(金) 17:14:16 [削除依頼]

     振り返ると、やっぱり水咲鏡花だった。

     「朝からケンカなんて、黒川君、元気だね」

     水咲は眠そうに欠伸をする。
     まだ起きてから時間があまり経っていないのだろう。
     長い黒髪がボサボサだった。

     「孤立者君、何処で水咲さんと知り合ったんだ?」
     「土御門君、孤立者君って、黒川君の事?」
     「そうだけど。何か文句でもある?」
     
     何で土御門は何時もケンカ越し何だろうか。
     そんなんだから友達出来ないんだ、とか思ったが、生憎コイツにはいた。

     「夏目、あんた、バ.カでしょう?逆ギレして、黒川君に当たったりして。あんたが下何だから、現実見なさいよ」

     直ぐ側で本を読んでいた岬野ゆかりが本から顔を上げて大声で言う。

     「つーか、大声上げないでよ。煩くて読書に集中出来ないし。ごめんね?黒川君に水咲さん。コイツ、バ.カだから。友人代表として謝っとくわね」

     多分、友人じゃなく、幼馴染だろうけど。

     「あ、黒川君、私、知らないか。あんま、教室に来ないもんね。私は」
     「岬野ゆかり」
     「覚えててくれたんだ。でも、四月のホームルームの自己紹介の時しか名乗ってないんだけど」
     「それで覚えてた。一度聞いた事は忘れないから」
     「なるほど。その記憶力で、成績がトップなのね。分けて欲しいわ、それ」

     岬野は笑う。
     A組にも、こう言う奴、いるのか。
  • 12 藍架 id:IueQNRf.

    2012-02-11(土) 16:07:16 [削除依頼]

     「ところで、本当に如何して急に教室に来たの?いきなり授業を受ける気になった、わけではないでしょう?」
     「おい、ゆかりっ!!何でこんな奴に構うんだよっ」
     「煩いわね、夏目。鬱陶しいから、何処か行ってよ。行かないとあんたの弱点、言い触らすわよ」

     その瞬間、土御門は大人しく教室から出て行った。
     どんな弱点何だよ。

     「土御門君は、ツンデレ、なの?」

     軽く水咲は首を傾げる。
     何処もデレてないと思うが。

     「水咲さん、それ、意味分かってて言ってるのかしら」
     「日頃は冷たい態度を取っているけれどある時には突然デレる、照れてしまう事、だよね」

     そんなペラペラ喋る水咲、見た事がなかった。正直、怖い。

     「そ、そうよ。まあ、アイツの場合、ガキだからねぇ」

     引き気味に岬野が苦笑いを浮かべる。

     「って、完全に話が反れてしまったじゃない。ほらほら、黒川君、私の質問に答えてないわよ」
     「ホントにプリント取りに来ただけだが」
     「そうなんだ。なーんだ。水咲さんに会いに来たとか、そう言うラブコメちっくな展開じゃなかったのね」
     「如何言う意味だよ」
     「でも、水咲さんとちょっと仲良いわよね」

     そう言って、岬野はチラリと横目で水咲を見る。水咲は訳が分からないらしく、首を傾げるままだ。

     「さぁーて、此処で優しい委員長からの助言。あなたは如何したって、普通の人間には戻れない。分かってるわよね?」
     「岬野」
     「何かしら?」
     「意味が分からねえ」
     「でしょうね」

     その時の俺は本当にバ.カだった。
     “ゆかり”の助言を聞いていれば、“あんな事”にはならなかったのに。
  • 13 藍架 id:IueQNRf.

    2012-02-11(土) 16:17:31 [削除依頼]
     
     episode2 消失 水咲鏡花side

     目を開けると、三十センチくらいの距離に黒髪の男子生徒がいた。

     「……おはよう、ございます」

     自分でも、如何して挨拶をしているのか分からないけれど、自然とその言葉が出ていた。
     
     「あの、此処、何処、ですか?」
     
     薄々、学校だと思っていたけど、敢えて聞いて見ると、彼は、

     「地獄」

     なんて、ふざけて答えた。
     だからわたしもふざけてみた。
     
     「わたし、死.んだんだ」
     「……あのさ」
     「何?」
     「その言葉を区切って喋るの、止めてくれね?鬱陶しい」

     鬱陶しいと、真っ直ぐに言われたのは初めてだった。 

     「分かった。気を、付ける」

     すると、彼は呆れ気味にわたしを見た。
     多分、何なんだ、コイツ、とか思ってるんじゃないかと思う。

     「分かってる。此処、学校何でしょ?わたし、また倒れたんだ」
     「そう。分かってるじゃねえか。じゃ、俺は行くから」

     男子生徒は誰もいない廊下を歩き出した。
     わたしに向けた背中はあまりにも空っぽで、寂しそうで……

     そう、わたしはそんな彼に惹かれていた。
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