帰ろう、蒼い地球に21コメント

1 孤空 id:unVdKq8/

2012-01-29(日) 12:47:41 [削除依頼]
そう遠くない未来。
人類は地球を脱出した。
  • 2 孤空 id:unVdKq8/

    2012-01-29(日) 13:37:43 [削除依頼]
    0.

     遙か昔の、まだみんな地球に住んでいた頃。
     科学の進歩と共に、人間達はより豊かな生活を求めて、自分達の星に手を加えていった。森を切り開き、平地には当然のようにビルを建て、地下の資源を掘り起こし……。
     さらに、自分達にとって害となるものも次から次へと消していった。農作物を荒らす害虫や蠅、蚊、細菌、ウイルスまでも。これによって、いつかは幸せな暮らしができるようになると、誰もが信じていた。
     もちろん、そんな日は来なかった。ある日、自然は人類に静かな反抗を始める。原因不明の病が流行り、大きな天災が頻繁に起こるようになり、海や森からは生き物達が消えていった。
     気づいた時には、もう地球は安心して住める星では無くなっていた。
     世界中の科学者達が力を合わせて出した結論。地球を元に戻す為に、最も有効かつ単純な解決策。それは
    「人類が地球から居なくなればいい」
     という、極めて単純なものだった。
  • 3 孤空 id:unVdKq8/

    2012-01-29(日) 16:32:47 [削除依頼]
     かつてない規模の引っ越しが始まった。衛星軌道上に、一つの町ほどもある巨大な宇宙船が何隻も建造され、生き残っていた僅かな人間、動植物を載せて、太陽系から遙か遠く離れた別々の惑星へと散っていった。いつか自分達の子孫が、再び地球の土を踏む日が来ると信じて。

     新天地に到着した彼らは、そこに大きなドーム都市を作り上げ、そこで静かに、平和に暮らしていた。
     移住してから十世代後には、地球を映像や写真でしか知られなくなり、百世代後には、もう伝説や昔話でしか知らなれなくなった。

     そんな数世紀後の、ある日の事。地下から強い電波を放つ物体が発見される。あの、地球から脱出した時に使われた宇宙船だった。
     調査の結果、遙か遠くの宇宙からやってきた『シグナル』によって目覚めたという事が分かった。そのシグナルの内容こそ解析できなかったが、宇宙船のコンピューターから示された以下の文章により、目的は理解できた。

    「帰ろう、蒼い地球に」

     宇宙船は修理され、数十人の人間が選ばれた。そして彼らは船に乗り込み、シグナルの発信源へ向かって大航海を始めた……。

     その発信源とは、もちろん『蒼い地球』だ。
  • 4 孤空 id:unVdKq8/

    2012-01-29(日) 16:41:53 [削除依頼]

    ……という、かなり在り来たりな設定の
    SFを書いてみようかと思います^^;

    初めての小説なので至らぬ点も多いかと思いますが、
    暖かい目で見ていただければ幸いです^^
  • 5 桐谷 黎明 id:wPoItTg/

    2012-01-29(日) 16:45:33 [削除依頼]
    うおぉぉぉぉ。なんかかっこいい話だ。
  • 6 孤空 id:unVdKq8/

    2012-01-29(日) 18:02:47 [削除依頼]
    >5 ありがとうございます!
  • 7 孤空 id:unVdKq8/

    2012-01-29(日) 22:27:34 [削除依頼]
    1.「ブラウ・エルデの森」

     絵に書いたような青い空の下に、広大な森と草原が広がっている。昼過ぎの黄色い太陽が輝いていたが、さわやかな風が吹いているおかげで、そこまで暑くはなかった。
     その森の中で一人の自然科学者のユークと、ダチョウと馬の間の子のような姿のロボット「クルール」が、今日も二人で森の調査をしている。
    「この松の根本にはキノコが沢山生えているな。クルール、これは何て言う名前のキノコだ?」
    「ちょっと待って……。分かった。『マツタケ』だ。昔、地球の極東アジアにあった島国では、高級品だったとか」
    「そんなに旨いのか?」
    「さあ……。僕に聞かないでよ。ロボットに」
     ロボットにそう言い返された人間は、一本のキノコを透明なプラスチックケースに入れながら笑った。
    「じゃあ、研究室に持ち帰って栽培でもしようかな」
    「無理だよ。このキノコは『アカマツ』の周りでしか育たない」
    「それは残念だなあ。……これでよし。帰るぞ、クルール!」
     今日予定していたエリアの調査が終わったユークは、クルールに飛び乗って命令した。クルールはいきなり背中に乗られた事に対して、少し不満そうにしている。
  • 8 篠塚 栞 id:i-HJYz3Be/

    2012-01-29(日) 22:50:44 [削除依頼]
    面白い小説を発見!なんか続きが予想できないから、スッゴい気になる!更新頑張ってください☆
  • 9 孤空 id:unVdKq8/

    2012-01-29(日) 23:34:25 [削除依頼]
    「まったく。ロボット使いが荒いよ!」
     そう文句を垂れながらも、律儀なクルールはユークを乗せて、強化セラミックスで出来た太い二本の足で大地を蹴りながら、森の中を風のように走り抜けていった。クルールはダチョウ型と言うよりはむしろ、くちばしの付いた白い小型の恐竜に近い。
     この森には植物と虫、また何種類かの小動物が住んでいたが、人間にとって危険な獣は一匹もいない。なぜならこの森は、巨大な宇宙船『ブラウ・エルデ』の中に人工的に作り出された小さな地球『バイオスフェア』であったからだ。
  • 10 孤空 id:unVdKq8/

    2012-01-29(日) 23:42:10 [削除依頼]
    >8  予想出来ないですか?(笑) 自分ではありふれた話だと思っていました^^; ありがとうございます!
  • 11 USB id:jkErGNj0

    2012-01-29(日) 23:49:41 [削除依頼]

    クルール面白い!(^^)

    頑張ってください!!
  • 12 孤空 id:vLhKc7./

    2012-01-30(月) 01:27:37 [削除依頼]
     ブラウ・エルデの形と船体の色は、白いかまぼこを連想させるものがあった。ただし、それは全長30km、横幅10kmもある巨大な金属のかまぼこだ。
     前方は丸くなっていて、そこには操縦室やコンピューター、乗組員が生活する居住区など、船の重要な施設が集まっている。船の後方には、三機の巨大なエンジンが仲良く横一列に並んでおり、何万トンもの質量を持つ船を加速させる。
     そして、ちょうど船の真ん中にあるのが、このバイオスフェアという空間だった。クルールがいまユークを乗せて駆けている森だけではなく、川や海も再現されている。絵に書いたような青い空と言うのは、あながち間違ってはいない。コンピューターの管理の下、巨大な映像パネルで地球の空と太陽、星や月までもが完璧に再現されている。何も知らずにこの中に放り込まれたら、誰であろうと、ここが地球だと信じ込んでしまうだろう。もちろん、地球を知っている人に限る。
  • 13 孤空 id:vLhKc7./

    2012-01-30(月) 01:35:35 [削除依頼]
    >11 そうですね、クルールは僕も結構気に入ってます(笑) ありがとうございます!
  • 14 桐谷 黎明 id:2LIKfqA1

    2012-01-30(月) 07:00:38 [削除依頼]
    進んでる〜♪

    がんばれー☆
  • 15 孤空 id:vLhKc7./

    2012-01-30(月) 18:34:19 [削除依頼]
     その偽物の青空の下、起伏の激しい大地を蹴って駆けていたクルールの足が止まる。二人は、目的地である崖壁の前にたどり着いた。
     ユークは背中から飛び降り、まるで走りきった後の馬のように息を荒くしている相棒の白い体を、なだめるように軽く二回ほど叩く。こいつ、とても生きていないとは思えないな、と感心しながら。
     ユークが崖に歩み寄り、右手をかざした。すると、崖の一部が自動ドアの様に静かに開いた。その向こうはこの森とは対照的に、無機質な金属で出来た通路が延びていた。しかし、丸みを帯びたデザインや明るい色調のおかげで、その無機質さが恐怖心を与える事はない。遙か昔、この船を作ったデザイナー達がどれだけ優秀であったかが分かる。
     二人は、明かりで照らされたその通路を、横に並んで進んでいった。
     しばらく歩くと、と言っても三十秒程だが、二人は大きなエレベーターの前に着いた。エレベーターは二人を感知すると、その扉を自動的に開き、二人を中へ入れ、また閉じると、緩やかに上昇していった。
  • 16 孤空 id:vLhKc7./

    2012-01-30(月) 19:37:05 [削除依頼]
     このエレベーターの壁は透明なアクリル製の板で出来ていて、雄大なバイオスフェアの景色を楽しめる様になっていた。
     足元に森が広がり、みるみるうちに小さくなっていく。そして空に届きそうになった瞬間、エレベーターはいきなり金属の壁に囲まれた。フロアを隔てる巨大な床の中に入ったのだ。
     一定の加速度を保ったまま、エレベーターは信じられないほど速度を上げて上昇を続けていく。
     床を抜けると、今度は巨大な農業プラントのフロアに入った。かつて数千人も居たブラウ・エルデの人口の腹を満たすために、ここで大規模な人工農業が営まれていた。それも一瞬で小さくなり、次は、今は誰もいないショッピングモールのフロア。その次は居住区のフロア……。
     ここで、エレベーターの壁が一瞬で不透明になった。これには、居住区のプライバシーを守るため、また余りに速く上昇するために気分が悪くならないようにという、二つの理由によるものだ。
     二人を乗せたエレベーターは、五分間かけて、船の前方にある研究室のフロアまでひたすら昇って行った。
    「あっ、ユーク! シートン班長が呼んでるよ。『何してるの? 早く帰って来なさい!』って。……彼女、少し怒ってるみたい」
  • 17 弧空 id:vLhKc7./

    2012-01-30(月) 23:01:05 [削除依頼]
    「そうだなあ……。『いまエレベーターに居ます。すぐ帰りますよ、お土産を持って』とでも返信してくれ」
    「分かった。えーっと……。『お土産を持ってエレベーターにすぐ帰ってこい』でいい?」
    「いいわけ無いだろ!」
     クルールに搭載されている、小学生程の人工知能にしては頑張った方だったが、ユークは思わず怒鳴ってしまった。この短気が、悲劇を生む。
    「わっ! びっくりさせないでよ……。あっ!」
    「どうした?」
    「送信しちゃった……」
     
  • 18 桐谷 黎明 id:EsR3KbI0

    2012-02-01(水) 22:36:01 [削除依頼]
    クルール面白いね〜(笑)

    更新楽しみにしてるよぉヽ(・∀・)ノ
  • 19 弧空 id:rsMITRY.

    2012-02-03(金) 19:57:24 [削除依頼]
    すみません
    事情により暫く更新できそうにない・・・
  • 20 弧空 id:rsMITRY.

    2012-02-03(金) 20:40:46 [削除依頼]
    ——
  • 21 弧空 id:rsMITRY.

    2012-02-03(金) 20:42:39 [削除依頼]
    さげ
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