歌音 -The rock lovers-459コメント

1 ☆*笑歌+* id:U39O2ri0

2012-01-28(土) 18:08:15 [削除依頼]


「…ここか…?」

扉の向こうから、
楽器の音がきこえる


そう、その音は
あたしの運命を変える

音だったんだ―…


 


            『歌音-the rock lovers』 笑歌
  • 440 壁|ω・● 柚遊* id:b9nUMcb1

    2012-03-11(日) 16:35:42 [削除依頼]
     「ぁ、アタシ
      美術室に鍵
      忘れちゃったあ!」

     屋上。

     意味深な声で
     大沢さんが慌てた。

     「先生に、閉めて
      職員室に返せって
      言われてたのに…ッ」

     梨衣がサンドイッチを
     頬張りながら、
     お茶を流し込んだ。


     「じゃぁ、待ってます…、」

     きっと、今すぐ
     抜け出したいんだろうな。

     梨衣は今にも
     走り出しそうだ。

     「うぅん…、
      アタシ1人じゃ怖いから、
      歌音ちゃん、一緒に
      きてくれないかなあ?」

     「え、あたしですか。」
     「うんッ、」


     「…梨衣も、行く。」

     あたしの身の危険を察し、
     梨衣が眉をつりあげた


     「ううん、いいわ
      ゆっくり、食べてて?」
     「……!!」

     大沢さんは
     不適な笑みを浮かべる。

     そして、あたしの
     手を掴むなり、
     屋上の扉を勢いよく開けた。
  • 441 壁|ω・● 柚遊* id:b9nUMcb1

    2012-03-11(日) 16:47:41 [削除依頼]
     がちゃッ

     「きゃッ」

     ドアを開けた途端、
     大沢さんの
     甲高い声が聞こえた。

     「大沢、」

     「…ぁ、永久!
      ごめんね…ッ」

     どうやら、永久に
     ぶつかったらしい。

     「!歌音!」
     「へっ…」

     次の瞬間、
     永久の驚いた声が聞こえた

     「大沢、歌音と何してんの」
     「一緒にお昼食べてただけょ…」

     どんどん声が
     小さくなった。

     "だけ"という所は
     ほとんど聞こえない。


     この時確信した。

     何か、される−…


     「…ふぅん…?」

     「歌音ちゃん、いこッ?」
     「…ぇ、うわあっ」


     大沢さんの…
     まるで人が変わったような声と
     共に、また腕を引っ張られた。


     「…大沢…」
  • 442 壁|ω・● 柚遊* id:b9nUMcb1

    2012-03-11(日) 17:13:31 [削除依頼]
     『離して』

     その一言が言いたい、
     けど言えない。

     大沢さんが
     手をつかんだまま
     1人で話すから。

     「永久、怖い顔してたねェ…」
     「アタシ美術部なのッ」


     あたしに、しゃべらせない気だ。

     「あ、ココ!」
     「…あたし、戻・「ねェねェ!」


     …まただ……。

     「あ、あった〜」
     「…そ、う…。」

     だッ、

     「へ!?」

     いきなり大沢さんが
     走り出した。

     廊下に出て、
     すぐ扉に鍵をかけた。


     「大沢さ・・「歌音ちゃん、」

     「何。」

     もうぶっきらぼうな
     声しか出ない。

     「アタシ、永久を
      手に入れるためなら
      なーんでもするの」

     「…」
     「ふふ、」


     「…知ってる。」
     
     「あら…そう」

     「けど、誰も
      助けに来ないよ」
     「……っ!」


     勝ち誇った声が
     扉越しに、
     うざったい程
     よく聞こえる。


     「じゃーね!」

     「…ッ……!」
  • 443 壁|ω・● 柚遊* id:EeCZ8oh1

    2012-03-12(月) 17:18:12 [削除依頼]
     永久side

     「永久ァ〜!
      それ投げてっ」

     友達に、
     窓の近くの棚にある
     消しゴムを投げた。


     俺の席は窓側。
     それでよかったと思う、


     −…歌音が、見えるから。

     
     ……うわっ、
     俺何言ってんだ!
     変態かよ…!!


     そんなことを
     考える自分は、
     馬鹿だな、と思う、
     けど、…それでも、
     幸せで。

     毎日1年教室に
     目が行くんだ 


     いつものように
     目をやる。


     −…あれ?
     歌音、いねぇ…

     サボリ…か。

     そう思うが早いか、
     足はもう教室から出ていた。 
  • 444 壁|ω・● 柚遊* id:EeCZ8oh1

    2012-03-12(月) 17:26:08 [削除依頼]
     歌音のサボリ場所はいつも同じ。

     …屋上、


     
     「かぉ…いねぇ…ッ」

     どこだ、
     ここ以外では…
     見たことねぇし、


     屋上以外…
     屋上…

     あれ…

     ふと、昼休みのことが
     思い浮かんだ。


     「……おおさ、わ?」

     電話…!

     そう思ったとき、
     チャイムがなった。


     もしかしたら
     教室戻ってるかもしんねぇし…
     メールにするか、


     題 無題
     本文
     −−−−−−−−−
     大沢になんか
     されてねぇか?
     −−−−−−−−−


     ぱちん、、

     今から教室戻るのも
     アレだし……


     教室には戻らず、
     屋上で返信を待った。
  • 445 壁|ω・● 柚遊* id:EeCZ8oh1

    2012-03-12(月) 18:22:07 [削除依頼]
     「………。」

     5分、経った。
     いつも3分以内に
     返ってくんのに


     「……」
     10分…20分…


     おかしい、
     ぜってぇ…


     ばッ

     俺は
     屋上から
     飛び出した。


     歌音、どこだ−…!

     
  • 446 壁|ω・● 柚遊* id:EeCZ8oh1

    2012-03-12(月) 18:30:05 [削除依頼]
     歌音side

     「…はあ…」
     
     さっきから
     ため息が出る。

     そのため息は
     この密室状態の部屋に
     充満していくばかり。


     携帯も、
     奪われた。


     あたしに
     抜け出す術は無い。


     「…油断、してた…」

     美術室にある
     筆や紙からも
     悪意が見える。


     何で、美術室に閉じ込めたんだろう
     

     確かに大沢さんの
     絵はすごく上手いって
     有名になってるけど、


     大沢さんは吹奏楽部だよ−…ね?


     この前見たもん、
     音楽室で練習してるの


     どうして、美術室…?


     疑問、不安、焦りが
     交じり合って、
     心が重い、


     そのまま、30分が過ぎた。
  • 447 壁|ω・● 柚遊* id:OxGkWGA/

    2012-03-13(火) 18:29:27 [削除依頼]
     カタ、

     あまりにも暇で、
     絵を見て回っていた。


     最後の絵。

     「−あれ…?」

     そこには、
     きき覚えのある名前


     「大沢…り、な……」

     しばらく、
     絵を見ずに
     名前を見ていた。


     授業で…描いたんだ。

     
     「……!」

     絵に目をやったその後、
     しばらくまばたきをしなかった。


     違う、…できなかった。

     そこに描かれているのは
     1人の少女が小さな円形の中にいて、
     外にいる少年が向こうを向いている…

     儚い、絵だった。


     少女は、哀しみしかない
     瞳で、少年を見ている。


     すぐに、分かった。

     永久と、大沢さんだ−…


     大沢さんの
     心の中が、
     ほんのちょっと
     分かった気がした。


     それと同時に、
     悲しくなった。

     何故だろう。

     分からない、
     分からないけど…

     悲しみだけが
     ずんずんと沸いてきた。
  • 448 壁|ω・● 柚遊* id:OxGkWGA/

    2012-03-13(火) 18:45:07 [削除依頼]
     円形×
     円 ○
  • 449 壁|ω・● 柚遊* id:OxGkWGA/

    2012-03-13(火) 18:55:11 [削除依頼]
     「…はあ…っ」

     またため息の繰り返しに
     戻ってしまった。

     それでもあの絵に
     目がいく、


     大沢さんは、
     壁があるって、
     嫌われてるって、

     ずっと、分かってたんだ、


     それでも、好きだから−…


     考えると
     切なくなる、

     けど頭から離れない


     絵に手をかけた瞬間、−
     「かお!!」

     びくッ

     こ…の、声…

     「…永久、…!」

     聞くと切ない、
     だけど耳が永久の声に向く。

     すごく、すごく、
     聴きたかった声。


     永久が扉を蹴っている。
     それでも開かない。

     どうしよう。
     泣きそう
     あたしかっこ悪い…


     ぐっと、涙をこらえた。

     「永久!」

     あたしは扉下のかすかな隙間から
     声を精いっぱい届けた。

     
     「歌音!」

     それに気付き、
     永久がしゃがむ


     「大沢、捜してくるからな!」
     「…ぇ、何で大沢さんって…」

     何で大沢さんだって
     知ってるんだろう

     「あぁ、さっき―…」
  • 450 壁|ω・● 柚遊* id:OxGkWGA/

    2012-03-13(火) 19:08:23 [削除依頼]
     永久side

     「はあっ、はあ…!」

     どこだよ…ッ
     
     その時、
     授業中の廊下を
     1人の少女が歩いていた。

     怪しげに。

     もしかしてあれは…
     「大沢?」
     「!、」

     過剰に反応した身体は、
     ゆっくりとこちらに向いた。


     さッ

     「あ、永久…、」

     俺はその一瞬を
     見逃さなかった。

     「大沢、今何隠した」
     愛想の無い声で
     言い放った

     「…ッ」
     「大沢!」
  • 451 壁|ω・● 柚遊* id:uFPE74l0

    2012-03-14(水) 20:08:44 [削除依頼]
     「べ、つに…」
     「大沢、」

     「……」
     「……」

     しばらく沈黙が続く

     
     「…理奈」
     びく、

     「永久…」ぽろ

     大沢の大きな瞳から
     大きな水がポタポタこぼれた。

     「…けど、…!!」

     俺が見つめていると、
     大沢は前を向き、
     目からの水を拭き、
     こう言った。

     「アタシ、永久を
      手に入れるためなら、
      人だって殺.せるわ

      アタシが鍵を渡さない限り、
      永久はアタシの言うこと
      聞かなくちゃいけないの!」

     「……」

     ―初めて、

     「アハハ、アハ、アハハハハハ!
      ざまぁ見ろ、歌音、由紀!!!」

     「…ッ」


     女を本気で
     怖いと思った瞬間だった
  • 452 壁|ω・● 柚遊* id:uFPE74l0

    2012-03-14(水) 20:17:57 [削除依頼]
     「…分かった。
      どうしても
      歌音を渡さないなら、
      俺、死.ぬよ」

     「…えぇ?」


     目を細くして
     首を傾けている。


     「自.殺すっから…」
     「ちょっと!」
     「じゃーな」
     「ねえ!永久ァ!!」


     大沢が俺に
     抱きつこうとした。


     鍵は、

     落としてきた―


     バッ
     「きゃ!?」

     俺は走って
     鍵を拾った。


     「…永久、
      騙したの!?」
     
     俺が走る、
     大沢が追う


     そんな中で、
     鍵の文字を
     しっかり捕らえた。


     ―美術室―…!!


     美術室までの
     約300mを、
     全力で走った
  • 453 壁|ω・● 柚遊* id:uFPE74l0

    2012-03-14(水) 20:23:41 [削除依頼]
     歌音side

     「そ…う、」
     「ああ、
      大沢、もうじき
      来ると思う。」


     「アイツ、
      運動苦手だから。」


     こんな時にも、
     大沢さんについて話す
     永久を寂しく思うのは、
     どうしてだろうか―…


     「あのさ、
      歌音…泣いてた?」
     「、へ!?」


     つい、後ずさりしてしまった

     「…何で?」
     それでも永久は
     聞いてくる


     「…あの、絵…」

     あたしは、"あの絵"を
     永久に見せた。


     「…こ、れ……ッ」
     永久の顔は
     少し歪んでいるようだ、


     あたしの視界が
     歪んでるせいかもしれない。


     「…うっ、ふ、ぇ…」
  • 454 壁|ω・● 柚遊* id:uFPE74l0

    2012-03-14(水) 20:33:01 [削除依頼]
     バッ

     「大沢!」

     教室と廊下の境で、
     顔に手をあて
     すすり泣いている


     「永久、ずっと…
      好きだった、よ」
     

     「うん…」


     「大好き…ッ」
     「うん、


      俺を好きになってくれて
      ありがとう。」


     「…っ、う…!」


     永久の優しげな声に、
     大沢さんは
     また涙を落とす。


     「ありがとう、


      ごめんな  」

     永久は大沢さんに
     近づいた


     「うん、ありがとう
      って言ってくれて、
      ありがとう…」


     「けど、…
      まだ好きでいても
      いい……かな??」

     大沢さんは
     口を開いた

     「ん、」

     「ふふ、永久は
      優しいね。


      けど、けじめ
      つけなくちゃ!」

     「「え」」


     ちゅッ


     その瞬間、
     永久と大沢さんの
     唇が重なった。


     ―きっと、
     他の子なら
     妬いてしまっただろう


     それでも、
     綺麗に
     笑えたのは、


     2人の心が
     綺麗だからだね―…
  • 455 壁|ω・● 柚遊* id:uFPE74l0

    2012-03-14(水) 20:41:47 [削除依頼]
     
     〜〜♪ 〜♪


     12月12日。
     
     ライブまで
     あと3日。

     練習場からは、
     いつものように
     楽器をかきならす
     音が聴こえる


     −−−−−−−−−−−


     ぴた、

     合わせている途中、
     あたしのギターから
     手が離れた


     「おい、歌音!」
     「あと5分!!」


     「え!?本当か!」
     「おし、じゃあ
      あの曲の準備だ!」


     ―そう、今日は
     大志が帰ってくる日。


     絶対に奏でよう、
     と決めた曲があった。


     「あと3分!」

     あたし達は
     ステージに立ち、
     扉から漏れこむ
     光を待つ。


     カチ、
     かち、
     かち、


     いつもと同じ
     時計の針さえ、
     唄うように聴こえてしまう
  • 456 壁|ω・● 柚遊* id:uFPE74l0

    2012-03-14(水) 20:47:02 [削除依頼]

     かちゃ…

     すっ

     「おい、
      そこの客!!」

     「!?」

     あたしが叫ぶと、
     大志は目を丸くしていた


     「あたしらと
      楽しみたいなら…」


     「叫べ!
      飛べ!
      弾けろ!!」


     精いっぱい
     マイクに…

     いや、大志に叫ぶ


     その5秒後、
     潤のドラムが
     聴こえた。


     それに合わせて
     唄を叫ぶ


     潤の、すごい迫力のドラム
     永久の竜巻のようなギター


      ―…楽しい!!
  • 457 壁|ω・● 柚遊* id:uFPE74l0

    2012-03-14(水) 20:51:06 [削除依頼]

     「待って、」

     あたしの一言で、
     音が止まる。


     「あたしたち、
      なんか足りないね」

     「「ああ、」」


     3人の下手くそな演技に、
     大志はほくそえみながら
     こちらに向かってきた。


     ベースを抱えて。


     「足りないよ! 
      
      ……大志!」


     
     「ああ!ただいま!!」
     「「「おかえり!」」」

     3人で、これ以上ないってくらい笑った


     そして、4人で、
     これ以上ないってくらい
     音を、奏でた。


     ―ああ、幸せ、だな。


     その一瞬一瞬に、
     とびきりの幸福を感じた
  • 458 壁|ω・● 柚遊* id:uFPE74l0

    2012-03-14(水) 21:05:31 [削除依頼]
     
     大志に唄った歌は、
     『the rock lovers』。


     ロックを愛する、
     あたし達の、音。


     寂しさも、
     怒りも、
     虚しさも、
     戸惑いも、
     恥ずかしさも、


     みんな混ぜれば、
     みんながいれば、


     きっと

     最高の音に、
     最高の笑顔になれるから。


     ―the rock lovers―

     ロックが、音楽が、
     好きだから。


     そうやって、
     本物の自分を見つけられたら、
     絶対に、
     輝く音と毎日に
     出遭える。


     

     ほら、君も一緒に、


     『自分の音を!』


            


               『the rock lovers』笑歌


     【おまけ*.、】

     「歌音、」
     「んー?」

     ちゅ、

     「…ッッ!」

     振り向いた瞬間、
     永久にキスされた。


     「うわ!永久!」
     「よく恥ずかしげもなく…」
     「うっせ!」

     顔は真っ赤。


     ちゅッ、

     「「「歌音!?」」」

     「へへッ」

     やり返してやりました、
     だって…


     「永久、好きだよ!」
     「「俺らは?」」


     

     「もちろん、
      皆だーいすきっ!」


     
                    ....♪....
  • 459 壁|ω・● 柚遊* id:uFPE74l0

    2012-03-14(水) 21:07:25 [削除依頼]
     終わりました…!
     
     読者様は
     多からずとも、
     とても楽しく
     描くことができました。


     こんな駄作を、
     少しでも読んでくれた
     皆様に感謝です


     ありがとうございました。
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