イケニエの森4コメント

1 221 id:HXJxXHA1

2012-01-27(金) 22:28:52 [削除依頼]
 ユメを見ておりました。
 ユメと思っておりました。

 眠っているときの私は、眠っているものだと思っていました。
 頭の中にどんな世界があったとしても、それは頭の中にしかない世界だと思っていました。

 そしてそれがどんなに間違っていたか、
 それがどんなに間違っているか、知ろうともしませんでした。

 私はただのちっぽけな善人です。
 ですから私の罪は、ただそれだけです。
  • 2 221 id:HXJxXHA1

    2012-01-27(金) 22:39:25 [削除依頼]
     6:45
     カーテンから差し込む朝日が眩しい。
     とにかく、朝日というのは夜行性で無い生き物を強制的に目覚めさせる何かがある。というわけで、夜行性ではない人間の症状はしばらく布団の中をもぞもぞと動いた後、むっつりとした顔で目を開けた。
     「うー…ん」
     ゆっくりと伸びをしながら起き上がる。腰まである長い黒髪が、お世辞にも綺麗とはいえない寝癖でぐしゃぐしゃになっている。
     低血圧らしい少女は、不機嫌そうに顔をしかめながらベッドからゆっくり下りた。

     少女は物音ひとつたてずに階段を下り、居間に向かう。
     居間のテーブルには、冷えた朝食が置いてあった。
     いつ用意されたものなのか、ご飯も冷たく固くなっていた。
     味噌汁の水分で固い米をほぐしながら喉の奥に流し込む。
     炊飯器の中を覗くと、同じように固まったご飯が大きく一塊、残っていた。
     食事を済ませた後、制服に着替え、寝癖のついた黒髪をどうにか纏めて長い三つ編みにする。
     いってきます、の一言も発さずに、少女は玄関を開けて外に出た。
     7:25
  • 3 221 id:HXJxXHA1

    2012-01-27(金) 22:51:40 [削除依頼]
     28:44

    「あれ」に触れてはいけない。
     「あれ」はよくないものだ。
      「あれ」はおそろしい。
     「あれ」は死ぬよりも悪いものをつれて、くる!

     私は走っていた、ただ走っていた、裸足で、薄緑色の妙な着物を着て。
     誰かから逃げていた。ただ逃げていた、何か、何かおそろしいものから。

     背後では叫び声、時たま飛んでくる赤いもの。何? あれは何?
     あれは友達、兄妹、両親、だったもの。のかけら。
     背後でうごめく巨大なものにとらわれたら、赤いものになって飛ばされる!
     でも私は知っている、あれは、あれは恐怖なんかではないのだ。もっともっともっともっと悪いもの。
     あれの後ろにあるおそろしいものが私はおそろしくてたまらないよ!

     「うああ!」

     地面から這い出た根っこに足をとられ、私は横転した。
     ずるり、と根っこが足に絡む。根っこじゃない。

     これは手だ。
     
     それと見た瞬間、私はその手を思いっきり蹴りつけた。
     拘束が緩んだ隙に、私は再び駆け出した。
     そして暗がりへ、もっと暗いほうへと駆けていく。
     
     あと どれくらい 走ればいい?

      あと どれくらい 走ればいい!
       
      暗いほうへ、暗いほうへと私は走り続けた。

     28:45
  • 4 221 id:Z2ASYfq.

    2012-02-03(金) 23:01:28 [削除依頼]
     8:00
    学校が始まる。
     クスクス、クスクスと小さな笑い声が意地悪く教室の中に漂っている。
    「アノコ、今日もキモチワルイね」
    「なんか、クサクない?」
    「やだー」
     くすくす、くすくす。
     嘲笑の向かう先は、痩せた長い黒髪の少女。きつく結びあげられた三つ編みも、
    クラスの女子からすれば「信じられないくらいダサイ」。
     それでも少女は眉ひとつ、睫毛ひとつ動かさない。
     ロボットみたいな無表情。どんなに汚しても翌日にはしっかり洗った制服を着てくる。
    面白くない、キモチワルイ子。
     ノートをびりびりにしても靴をぼろぼろにしても机にどんな悪口を言っても
    微動だにしないなんて、ホント、まともじゃないよねえ。
    でも一応、女の子のマナーとして、儀礼的に悪口と嫌がらせは欠かさない。
     
    12:00
    今日はちょっと変わった遊び。長い、ダサイ、黒髪を、後ろから、はさみで、
     
     ばちん。

     無造作に切られて、床に、ばさり、と長い髪の毛が一房広がった。

    「イメチェンだーいせーいこう」
    「ちょっとお、何やってんの、きったない!」
    「キモイ、この髪の毛。ちょっとお、早く捨ててよね。アンタの髪でしょ。」
    「そうそう、自分が出したゴミは自分で捨てなきゃ」

     きゃははは。笑い声が広がり、やがて、苛立った声が、

    「シカト、してんじゃねえよ!」
     一声叫んで、静かになった。
     なのに、これだけの騒ぎなのに、少女はピクリとも動かなかった。
     その目は完全に「無関心」で、まるで少女以外の人間は最初からこの世に
    いないかのようだった。
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