余命一ヶ月の僕13コメント

1 通行人R id:ZVf3nMc1

2012-01-21(土) 10:30:05 [削除依頼]

 画家はキャンバスに絵を描く。
 足は一切動かず、唯一の手さえ感覚が途切れてきた。
 キャンバスの上を滑るように駆け抜ける愛用の筆に、彼はすべての感情を乗せた。
 身体中が熱い。色々な思いが込み上げてくる、それでも必死に左手を動かす。
 彼は涙を流して、後悔した。
 嗚咽する声が、口から漏れた。

「ごめんね。僕は・・・」

 描き上がった一枚の絵を、彼はゆっくり抱きしめた。

 ーーそれが、彼、野崎 祐一の最期だった。
  • 2 通行人R id:ZVf3nMc1

    2012-01-21(土) 10:41:14 [削除依頼]
    1 
     白で塗りつぶされたような病室で、彼、野崎祐一が目覚めたのは既に日が沈みきつわた頃だった。
     側には、見知らぬ男が無言で立っていた。何も語らない彼は、野崎に対し哀れむような目で見ていた。
     服装からして医者だろうか。となると此処は病院か。やっとのことで状況を把握すると、今度は何故自分が此処にいるのかを疑問に思った。
    「気がつきましたか、野崎祐一さん」
  • 3 通行人R id:ZVf3nMc1

    2012-01-21(土) 10:43:34 [削除依頼]
    >2  沈みきつわた ではなく 沈みきったです。
  • 4 通行人R id:LxcnvR3/

    2012-01-22(日) 12:17:02 [削除依頼]
    >2続き  男はくぐもった声で野崎に問い掛けた。  白いマスク越しに聞こえてきた低いその声からして、男は大体30代後半といったところか。  野崎が口を開こうとすると、それを制止するように、男は続けた。 「分かっているでしょうが、此処は病院です」  短くそう言われても、そうですかと落ち着けるほど野崎は察しのよい男ではなかった。  
  • 5 通行人R id:LxcnvR3/

    2012-01-22(日) 16:18:44 [削除依頼]
     結果、野崎は不思議そうに頭を傾げた。
    「此処が病院なのは知っています。何故僕は此処にいるのですか?」
     そう聞くと、男は言いずらそうに口を開いた。
    「覚えてないのですか?貴方は、大学で倒れたんですよ」
     はて?野崎は記憶を辿った。
     
  • 6 通行人R id:LxcnvR3/

    2012-01-22(日) 16:52:57 [削除依頼]
     *
     野崎祐一、彼は世間で言う勝ち組に値していた。
     成績優秀、運動神経抜群、顔もそこそこ良い方だった。
     だが、彼自身自分を誇ることはなかった。寧ろ嫌悪感を抱いていた。

     走ることが好きだった。だから、小学では陸上部をやっていた。
     誰よりもずば抜けて足が速く、県大会にも出場した。
     そして、優勝した。一位になった。だが、途端に彼は熱が冷めたように走ることをやめた。

     中学では美術部に入った。
     初めて、絵を描く楽しみを知った。
     やっと、自分の居場所を見つけた、彼はそう思った。 
  • 7 つばさ id:SEZj/j0/

    2012-01-22(日) 17:08:24 [削除依頼]
    居場所


    きたーーーー
  • 8 通行人R id:kTxcdTV0

    2012-01-25(水) 17:41:28 [削除依頼]
    >7 居場所きました^^ >6続き  野崎は、特に絵が上手い訳ではなかった。だが、下手という訳でもない、普通といったところだ。  だが、何であろうが人より上に立ち、完璧であると有名な野崎が普通を維持するのは、極まれに見ることだった。  それを野崎は、新鮮に感じた。どれだけ頑張っても自分の上には沢山の人間がいる、それら全てを越えること、
  • 9 通行人R id:kTxcdTV0

    2012-01-25(水) 17:49:43 [削除依頼]

     それが、彼にとって一時的な生きる糧となった。
     自分の居場所、そういうには少しおこがましくも思うが、自分の目標が出来たことにより、少しずつだが活気のようなものが戻ってきた。

     結果としては、野崎が中学卒業までに他の生徒より上を行くことは出来なかった。
     そのことが、野崎にとって許せなかった。上に人がいないと死んだような目をしてつまらなそうにしているくせに、上に人がいると、それはそれで気に入らないというのだから面倒臭い極まりない。
  • 10 通行人R id:kTxcdTV0

    2012-01-25(水) 19:08:29 [削除依頼]
     何はともあれ、これでしばらく野崎の目標が出来たというのは云うまでもない。
     
     約、4年経った今でも、彼の目標は果たされていなかった。
     つまり、彼は絵画サークルというサークルに入って、絵を描いて日々を明け暮れていた。
  • 11 華那 id:ZQrBMpM1

    2012-01-30(月) 18:37:22 [削除依頼]
    話がリアルですごいと思います
    引き込まれていくっていうか
    通行人さん ここに書いてくれてありがとう
    ここに書いてくれなかったら読めなかったと思う
  • 12 通行人 id:y7JUZuX/

    2012-02-02(木) 22:23:57 [削除依頼]
    >11 こんな駄作をありがとうございます >10 続き * 「思い出しましたか?」 「はい!?あ、すみません記憶ないです」  不意に声をかけられ、野崎は俯きながら答えた。男は俯いたままの野崎に再び声をかけた。 「…そうですか、はい分かりました。御家族の方には連絡しておりますので、私はこれで」  早口でそう言うと、男は病室を静かに出て行った。結局、彼は詳しい説明をしなかった。慌てて声をかけた野崎だが、野崎の声は空しく部屋に響いただけで、男には届かなかった。 「何だかなー」  それから数時間後、野崎の病室に友人が次々と押しよしてくるなんてことは、彼自身考えてもいなかった。
  • 13 通行人 id:MM1JITq.

    2012-02-05(日) 09:42:37 [削除依頼]
     『病院では静かにしましょう』と書かれたポスター。壁に無造作に貼られ、所々破れかかっていた。白く塗りつぶした壁は、太陽の光を反射させ、少しまぶしくも感じた。
    「ここ、ね?」
     独り言のように彼女はつぶやいた。否、実際に独り言なのだ。彼女は扉の近くに張られたネームプレートを何度も読み返し、確認すると、ゆっくりと深呼吸をして盛大に扉を開けた。
    「野崎ー!いるかー!!」
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