赤色オセロ27コメント

1 k id:0skoZUM0

2012-01-20(金) 22:52:09 [削除依頼]

裏返せば、一瞬で敵になる。
  • 8 k id:cjgHw5r.

    2012-01-21(土) 00:06:49 [削除依頼]
    「翔吾……オイ、翔吾!」
    俺はいつもつるんでいる男友達を体を揺らし、起こした。
    「ん……」
    1人起こすのにどれだけエネルギー使うんだよ。
    翔吾は寝起きでこの状況には、流石に驚いたらしく、
    「どうなってんだコレ! なぁ、結城!」
    と大声で叫んだのだが、誰も起きる事はない。
    どんだけグッスリ寝てんだよ。
    ちなみに結城は俺の事だ。下の名前は、空夜(くうや)。

    「まぁ、実は俺も今起きたとこなんだ。よく分からない」
    俺はもう1人、幼馴染の茜を翔吾と同じように起こした。

    「とりあえず、俺の1番信用出来る奴2人を起こした。今、全員を起こしたら、集団パニックになるかもしれない」
    翔吾と茜は黙って、空夜の話しを聞いていた。
    空夜の真剣な眼差しから、ちゃんと聞くことにしたのだろう。

    「で、最初はどうするんだ?」
    翔吾が空夜に、頭を掻きながら聞いた。

    「とりあえず、職員室に行こう。誰かいるかもしれない」
  • 9 k id:cjgHw5r.

    2012-01-21(土) 20:51:48 [削除依頼]
    その意見に翔吾も茜も反対なしに、賛成してくれた。
    「んじゃぁ、茜はここに残っていてくれ。俺と翔吾で行ってくる」
    「ちょっと待って。はい、コレ」
    空夜たちを止めた茜の右手には、ペンライトが二本だけ握られていた。
    「真っ暗でしょ? 電気点くかも分かんないしさぁ……たまたま今日使うんだったんだよね」
    「サンキューな」
    空夜ではなく、翔吾がそれを二本受け取り、一本を空夜に渡した。

    「はいよ。さっさと行こうぜ。腹減っちまってかなわねぇや」
    翔吾はそう言うと、教室のドアを開けて出て行った。その後を空夜が追うようにして、教室を出て行く。
    後ろから、茜の声がした。
    「いってらっしゃい。絶対帰ってきてね」
    空夜は少しだけ振り返ると、ショートカットで茶髪の、目の大きい茜が目に入った。

    「15分ぐらいでは絶対帰ってくるよ」

    片手でペンライトを点けた。もう一つ、この暗闇を照らしている光を、空夜は少し走りながら追った。
    そういえば今何時だろう? 空夜は無意識に頭で思っていた。
  • 10 k id:cjgHw5r.

    2012-01-21(土) 21:12:30 [削除依頼]
    翔吾に追いつくと、空夜は携帯を開いた。
    誰かからメールとか来てないかな? そう思い携帯を開いた。
    誰からも連絡なし。はぁ…………と溜め息をついた。
    すると、空夜はあることに気付いた。携帯の左上に圏外と表示されている。
    そんなはずはない。昼はたしかにこの学校で、圏外じゃなかった。っていうか、圏外になったことなんて無かった。

    「は? 圏外? おい、翔吾、携帯圏外なんだけど……」
    「んなわけねぇだろ」
    翔吾はすぐさま右ポケットから携帯を開きながら言った。
    「あ、俺のもだ」
    「だろ? 意味分かんなくないか?」
    「まぁ、とりあえず気にしないでおこうぜ。会社が狂っちまったのかもしんねぇしよ」

    ま、そうだな。と、軽く答えた。空夜自身もそんなに気にしていなかった。
    そんなこんな話してる間に、職員室に着いていた。

    真っ暗だったから、もう着く、と感じることも無かった。
    光が無いと、怖えぇ……。

    そんな中、翔吾が先に口を開いた。
    「何も電気点いてねぇじゃん。ってことは人はいなさそうだな……」
  • 11 k id:cjgHw5r.

    2012-01-21(土) 22:03:48 [削除依頼]
    「なんだよ。もしかして、授業中にクラスの奴ら皆寝ちまったから、そのままにしておいたとか?」
    翔吾は冗談混じりで笑いながら言った。
    「そんなわけないだろ。とりあえず、外に出てみるか」
    「おっ。俺もそう思っていたところだぜ」
    二人の意見がちょうど一致したところで、小走りで一階まで降りていった。
    言い忘れていたが、二年生の教室と職員室は二階にあるのだ。

    南昇降口に出た。が、外は依然として真っ暗で、何も見えない。雲で隠れているせいでか、恐らく見えるであろう空からの月明かりや、星の光も全くない。
    「なんなん? これ、外何も見えねぇじゃん」
    翔吾と空夜は、上靴のまま昇降口を出て、走りながら校門をくぐった。

    「ってか……ここ、どこ?」
    空夜は、ペンライトを周りの建物を当てたが、どれも見覚えの無い家や、店だった。
    「ここって、たこ焼き屋だったよな?」
    翔吾もさすがに動揺したらしく、あぁ、と答えるだけで、後は周りをひたすら見渡していた。

    「とりあえず、戻ろう。茜が心配しているかもしれない」
    空夜も充分驚いていたが、一旦戻ることにした。何かが、おかしすぎる。
    「そうだな。そこで色々と考えるとするか」
    翔吾も、だいぶ落ち着きを取り戻していた。
  • 12 k id:cjgHw5r.

    2012-01-21(土) 22:41:21 [削除依頼]
    「ただいま」
    ガラッと教室のドアを開けると、茜ともう一人、女子が起きていた。茜が起こしたのだろう。
    真っ黒の髪の毛をいていて、ポニーテールだ。名前は、笠松美緒だ。多分。いや、違ったかな? 確かそんな感じだった。うん、多分。
    どうも人の名前と顔を覚えるのは苦手でね。
    帰ってきた俺たちに対しての第一声が、その美緒であった。
    「おっそーーい! めっちゃ心配したんだからね。私たちも行こうかと思ったわよ」
    「ったく、うるせぇなぁ」
    翔吾が、心ない言葉を発した。そんなに冷たくすることは無いと思うんだがなぁ?

    「まぁまぁ。とりあえず、話すぞ」
    そう言うと、途端に三人は、空夜に注目した。お前は一緒に行ったんだから、そんな興味津々な目で見ないでくれ、翔吾。

    空夜は、全てを話した。電気が一つたりとも点いていないこと。知らない建物が建ってこと。職員室には誰もいなかったこと。携帯が圏外なこと。
    とは言っても、使える情報はちょっとしかなかったがな。

    「なに? それって盛大なドッキリ?」
    「んなわけあるかバーカ」
    翔吾と美緒はまたプチ喧嘩を繰り返している。茜が仲介し、それ以上にならずに済んだ。ま、俺は傍観者だが。

    「とりあえず、一人ずつ、全員起こそう。ゆっくりと説明していくんだ」
    空夜がそう言うと、四人は一斉に作業に取り掛かった。
  • 13 k id:iF9UjRe1

    2012-01-22(日) 13:24:23 [削除依頼]
    パニックにならずに、無事に全員起こし、状況を説明した。
    少し、ざわついたが、空夜が教壇に立って口を開くと、ピタリと話し声は止んだ。
    「今から、ここが今どんな状況なのか、皆で調べようと思う。こんな事を言うのは、頭がおかしいんじゃないか? と言われるかもしれないが、俺はこんな事も思っている」
    「こんな事って一体なんだよ?」
    クラスの一人が空夜に向かって聞いた。
    「それは、未来にきてしまったってことだ」
    空夜がそう言うと、さすがにクラス全員がバカにしたように笑った。
    しかし、それよりも大きい声で、空夜はまた話し始めた。
    「まぁ、俺もそんなこと思っちゃいない。だから、それを証明するために、今がどういう状況なのか。知りたい」


    クラス全員で、とりあえず、学校やその周辺を調べることになった。
    「んじゃぁ、絶対に三十分以内には戻ってくること。分かったな?」
    生徒達は、口々に了承したような声を上げて、教室から出て行った。
    教室には、学級委員である、横田奈緒と小嶋亮太が、情報を整理するために残った。

    さて、空夜と翔吾は、二人で職員室を本格的に調べることになった。
    そして、二人は驚愕ではすまないほど、驚いたものを見つける。

    「おい、空夜……これ……」
    翔吾は、ソレの一部を、ペンライトで照らしていた。
  • 14 k id:iF9UjRe1

    2012-01-22(日) 13:39:03 [削除依頼]
    ソレとは、新聞だった。
    翔吾は、新聞の上部の方をペンライトで照らした。
    「これが、何?」
    空夜がそう言った瞬間、職員室の電気が全て点いた。
    恐らく、クラスの誰かが、やってくれたのだろう。とてもありがたい。
    「で、何だ?」
    「お前、これ分かんないのかよ……ここだよ」
    翔吾は、ペンライトの明かりを消し、手でそこを指した。

    そこにはこう書かれていた。

    2212年5月1日

    こりゃ、まさかと思ったね。
    今までいたはずの現代から、ちょうど200年後の新聞を、拾ってしまった。

    「空夜の言った通り、本当に未来にきちまったのか」
    翔吾は引きつった笑顔を見せ、ははは、と笑う。目が完全に笑っていない。
    「最悪の事態だよ。これは」
    空夜は頭を抱えた。
    「どうすればいいんだよ、俺達!」
    翔吾は新聞を机に叩きつけた。くそがぁ……と小さく呟いたのを、空夜は聞いていた。

    「とりあえず、戻ろう。これだけでも充分な収穫だ」
    空夜は翔吾が叩きつけた新聞紙を片手に持ち、もう一方の手で、翔吾の肩を叩いた。
  • 15 k id:iF9UjRe1

    2012-01-22(日) 14:00:48 [削除依頼]
    教室に戻ると、クラスの大体が戻っていた。その内の大半は、大した情報が得られなかったらしい。
    一番有力な情報を手にしたのは、空夜達だった。
    新聞を見せると、クラスは静まり返った。まさか未来にきただなんて、誰も信じられないだろう。
    しかし、受け入れなければならない、紛れもない真実なのだ。
    そう思って、空夜は平静を保てている。

    「それで、茜はまだか?」
    奈緒に、聞いた。さっきからアイツの顔が見当たらないんだが。
    「茜? まだ帰ってきてないの。うちも心配なんだけど……」
    もう、三十分ぐらい経ったよな? アイツが戻ってこないなんて、おかしい。何かあったのか?

    「んじゃ、俺探しに行くよ。あいつは確か、四階で美緒と一緒だったよな?」
    「そうだったわね。一人で行くの?」
    奈緒が心配そうに空夜を見つめる。赤ぶち眼鏡。茶髪のショートカット。可愛らしい顔立ち。そんな顔で見つめられたら照れるだろ。おい。
    「俺も行くぜ」
    翔吾がそう言ってくれたが、空夜はすぐさま断った。
    「大丈夫だ。俺一人で行ってくる。多分、十分ぐらいで戻ってくるから。残ってる奴らで、これからどうするか決めててくれ」
    そう言うと、すぐに教室を出て、階段を駆け上がった。

    今回は一人で充分だ。何故ならもうすでに、空夜には心当たりがあったからだ。
  • 16 にゃんこ id:y1hVYFm/

    2012-01-22(日) 15:36:03 [削除依頼]
    題名が奥深いですね
  • 17 k id:iF9UjRe1

    2012-01-22(日) 17:50:58 [削除依頼]
    コメントありがとうございます!
    題名は、後々意味が分かります♪
  • 18 ☆香穂子☆ id:pQB9Y4h/

    2012-01-22(日) 19:02:47 [削除依頼]
    おもしろい!
    続きが気になる〜!!
    何で?何で?の繰り返しになるー!
  • 19 k id:iF9UjRe1

    2012-01-22(日) 21:20:26 [削除依頼]
    面白いって言っていただいて本当に嬉しいです! 
    これからも頑張ります♪
  • 20 k id:iF9UjRe1

    2012-01-22(日) 21:35:19 [削除依頼]
    電気が点いていたのは、二階フロアだけらしい。三階、四階はともに点いていなかった。

    空夜は何の迷いも無く、屋上へ繋がる階段へ向かった。
    茜は、小学生の頃から困ったらソコに行っていたのだ。そのたびに空夜が茜を見つけ、一緒に教室に戻っていた。
    さすがに高校生になったからなおっただろう。と思っていたのだが、まだその習慣的なものが抜けていないらしい。
    ま、こんな事を知っているのは、幼馴染である、俺ぐらいしかいないのだが。

    屋上の扉の前には、無造作に机がいくつも置かれていた。
    その机の下に、ペンライトの光を当てる。
    「ほら、見つけてやったぞ」
    茜は満面の笑みでこちらを見つめていた。
    「さすがくうちゃん」
    そう言うと、机の下から、音を立てて茜が出てきた。
    ってか、その“くうちゃん”っていうの、是非やめてほしいね。二人っきりになったらこう呼ぶのだ。茜は。
    幼稚園の時からそうだったからな、そう簡単には直せないのは分かっているのだが、誰かに知られたら……と思うとやめてほしいね、うん。

    階段を上ると、茜は屋上に続く扉を開けた。
    進む方向違うぞ、おい。
    「見て欲しいものがあるの」
    茜の姿は屋上に消え去り、今の空夜からは見えなくなってしまった。
  • 21 k id:iF9UjRe1

    2012-01-22(日) 22:21:10 [削除依頼]
    空夜が無事階段を上り、屋上へ行くと、そこには眩しい世界があった。
    空一面に広がる星。星しかないってぐらいの勢いだ。闇に慣れていたせいか、しばらく空をジッと見れなかった。

    一つ気になる事がある。
    さっきまではこんな空じゃなかったはずだ。真っ暗で何も見えなかった。
    なのに、何でだ?
    これも二百年経った環境問題の新たな一面なのだろうか。すぐに天気が変わってしまう。地球は本当に終わりかもしれない。
    なーーんて、今の俺には、そんな事考える余裕ないけどな。

    二人は成り行きで、少し、座れるような場所に腰かけていた。
    「ね? めっちゃ綺麗だよね。多分、誰も夜に光を使うことがなくなったからだと思うの。それに、こんなに見えるのは、澄んだ空気のおかげ。ってことはもう、ガソリン自動車とか、その他の環境に悪いものも、この二百年後の地球では改善されたのかな?」
    やはり、女はよく喋るものだ。空夜は思う。その期待通り、茜はまだ話し続ける。
    「空夜って名前にピッタリでしょ? 夜の空は優しくて、綺麗で、何でも包み込んでくれるみたい。だからこの空を空夜と一緒に見たかったの」

    そこでようやく俺に返答を求めてきたようだ。話をやめて、空夜の顔をジッと見つめる。
    結構可愛いんだな。高校生になって、改めて茜のことを見たが、もう直視なんて出来ない。
    やばい。これは照れる。空夜はすぐさま視線を茜から空に戻した。
    「だから、いつものとこで待ってたってわけか」
    「そういうことだよ。やっぱり空夜は見つけてくれたもん」
    茜もどうやら夜空に視線を戻したようだ。空夜は横目で確認する。

    いやぁ、それにしても綺麗だ。全く飽きない。そんな中、しばらく沈黙が続いた。
    その沈黙を破ったのは、やはり女の茜だった。

    「ねぇ。もうこうやって二人で話す事、出来ないかもね」
    「急にどうしたんだ?」
    二人はまだ星で埋め尽くされた空を見つめている。

    「だから、言っておくね。うちね。ずーっと昔から、今もなんだけどね」
    これはマズイ雰囲気だ。ヤバイ。俺よ。すぐさま金縛りから解けてくれ。
    何て思っているうちに、ついに言われてしまった。

    「空夜のことが好き」
  • 22 k id:iF9UjRe1

    2012-01-22(日) 22:42:49 [削除依頼]
    茜は、それに続けてこう言った。
    「まだ、答えは聞かないよ」
    空夜は少しだけホッとした。急すぎる展開で、頭の中は空っぽになってしまったからだ。
    「答えは、無事に2012年に戻れたら、聞くね?」
    その言葉は、それまで無事でいろよ。ってことが込められているのだろうか?
    「分かった」

    再び沈黙が訪れる。今度のは、気まずいような、心地良いような。なんとも言えないようだった。
    今度は、その沈黙を、空夜が破った。気になることが、また出来たからだ。

    「そういえば、美緒は?」
    「美緒? 美緒なら先に戻っててって言っておいたけど……」
    「まだ、戻ってなかったぞ? それに、すれ違う人なんかいなかったし……」

    二人は同時に立ち上がり、教室へと走って向かった。
    ただ単に空夜とは、すれ違わないルートで教室へ帰ったのだと、信じたい。
    だが、何故遠回りする必要がある? クソ、美緒になんかあったら、パニックじゃ済まなくなる……。

    無事であってほしい。それが何よりの願いだった。
    「美緒……無事だよね?」
    「あぁ、多分な」

    空夜は力強く教室のドアを開けた。音が大きかったので、皆驚いて空夜と茜のことを見つめている。

    その中に、美緒の姿は無かった。 
  • 23 k id:goUmr7H/

    2012-01-24(火) 21:37:48 [削除依頼]
    「お前ら遅すぎ! 十分どころか二十分はフツーに過ぎてっからな?」
    翔吾は笑顔で、注目を浴びていた二人にそう言った。
    だが、空夜たちはそれどころではない。美緒がいないのだ。
    なので、空夜は軽く翔吾の言うことを流した。そして、席に着いていた奈緒に聞く。

    「おい、美緒は?」
    案外、空夜は落ち着いている様子だった。
    「え? 美緒? 茜と一緒にいなかったの?」
    「いないから聞いてる」
    さっきまではあった落ち着きを失いつつある。何が起こるか、さっぱり分からないこの未来。一人でいるにはあまりにも危険すぎる。
    「まだ、教室には帰ってきてない。てっきり一緒にいると思って……。実は、小野寺さんと、藤原さんもトイレに行ったっきり戻ってこないの。でもまだ十分も経たないから……」

    そして、その瞬間。一階で悲鳴が上がった。
    明らかに小野寺のもので、恐怖心から出ているようだった。

    空夜は咄嗟に教室の窓から、校庭を見下ろした。
    そこには、大人の武装集団が、月明かりで照らされていた。

    「おい。皆……逃げるぞ…………」
    空夜がそう呟いた。
  • 24 k id:goUmr7H/

    2012-01-24(火) 22:59:54 [削除依頼]
    皆も、空夜がしたように、窓から校庭を見て納得したようだ。
    次々に教室を出て行く。空夜は最後まで残っているようだ。もちろん、学級委員である二人も。
    亮太が口を開く。
    「小野寺さんたちは、どうする?」
    「さっきの悲鳴を聞く限り……もうダメじゃないか?」
    空夜がそう弱音を吐くと、まだ残っていた翔吾が空夜に向かって叫んだ。
    「そんなんで良いのか?」
    「俺だって三人を見捨てるのは嫌だ……だけど、あの武装集団に勝てるはずがない」

    今現在教室に残っている人数は、五人。空夜、翔吾、茜、奈緒、亮太。
    誰も口を開こうとしない。誰しもが無理だと思っているのだろうか。

    その時、武装集団は拡声器を使って、こちらに呼びかけてきた。
    『キミたち! いるのは分かっているんだよ。キミ達の格好はよく分からない面白い格好をしているねぇ』
    格好が分かっているってことは、誰か捕まったってことか?
    「もしかして! 電気を点けたから、ここに人がいるって分かったのかな?」
    茜がそう言う。確かに。こんな夜に誰も光を点けない理由はこういう事だったのか……。
    「そういうことか……」
    翔吾がそう言いながら廊下に出る。

    さらに武将集団のリーダーらしき人は話を続ける。
    『キミ達に興味が沸いてきた。どうだ、ここでキミ達に危害は与えないから、私たちの仲間にならないか?』
    なんだ、悪い奴らじゃないのか。そう空夜は思った。
    しかし、次の言葉から、その考えは一掃される。

    『ただし、私たちはキミ達を信用したわけではない。そこで仲間になる条件を出そう』
    は? 条件?
    その条件の内容を考える間もないまま、リーダーらしき男は続ける。

    『キミ達の仲間を殺して、遺体を持ってきてくれ。そしたら、温かく迎えてあげるよ』
  • 25 k id:FIC.Qhn0

    2012-01-28(土) 22:28:19 [削除依頼]
    「誰が従うか、ボケ」
    彼らには決して聞こえることはないが、翔吾がそう呟く。空夜も当然ながら、同感だった。
    「早く、逃げよう」
    空夜がそう言うと、五人は教室を出て行く。
    すると、拡声器から再びあの嫌な声が聞こえてくる。
    『それでは、今からキミ達を捕まえよう。校舎内に入るよ。捕まる前に、仲間を殺していたら、喜んで仲間に迎えてあげるよ。容赦はしない』

    空夜の心臓が、一層早く血を送ろうとしている。この状況に焦っているのか? いや、それとも、楽しんでいるのか?
    空夜は考える限りでは、とりあえず、職員用玄関から外に出ようとした。
    教室の近くの階段は、昇降口から近く、奴らと鉢合わせしてしまう可能性があったので、遠回りして違う階段で降りようとしていた。

    だが、結果的にそれが負の方向に進んでしまったのだ。いや、どちらにせよ、そういう運命だったのかもしれない。
    奴らが後ろから追ってくる、そういうシチュエーションがいつの間にか出来上がってしまっていたのだ。

    五人は、更にスピードを上げる。
    そして、階段に到着した。空夜は、勢いよくジャンプして、一階と二階の間の踊り場に飛び込んだ。足にくる衝撃が半端でない。
    すぐに体勢を立て直し、階段を二段飛ばしぐらいで下っていく。
    空夜は、一階に着いて、職員用玄関を目指しながら振り返ってみると、あることに気付いた。

    見てみると、人数が、二人しかいない。
    そう、茜と亮太がいなくなっていたのだ。
  • 26 k id:FIC.Qhn0

    2012-01-28(土) 23:36:17 [削除依頼]
    空夜は速度を落とし、その場に止まった。それと同時に、息苦しさが、空夜の体を襲う。
    もう、職員用玄関とは、すぐそこなのに、何故立ち止まっているんだ? と翔吾と奈緒は思っただろう。
    だから言った。大声で。
    「亮太と……茜がいねぇ!」
    二人は同時に後ろを振り返る。当然のことながら、そこに人は誰もいなかった。
    「え? いつから……?」
    奈緒が息を切らしながらそう言う。翔吾も空夜を見つめた。
    「わかんない。俺は戻ってみてくるから……先に行っててくれ……」
    呼吸が上手くできない状況で、喋るのは正直キツイ。サッカー部であった空夜でさえそう思うのだ。

    そんな中、空夜は歩いて、下ってきた階段に歩いていった。
    俺が悪いんだ。俺があの時、あんなにスピードを出していなかったら。ちゃんと茜と亮太を見ていれば。どうにかなったかもしれない。
    目を閉じながら、そう思って、歩いていた。
    すると、誰かが空夜の腕をガッチリと掴んだ。空夜は目を開け、それを確かめる。
    「何言ってんだよ。勝手に行かせっかよ」
    手には力が込められているようで、腕が痛かった。
    「俺のせいだ。俺が助ける」
    両者一歩も、退く様子を全く見せない。。

    その時、階段から武装集団が降りてきた。
    さすがに、空夜も逃げる他、術がなかった。
    職員用玄関を出たところで、前に金髪で髪が長く、サングラスをかけたオッサンがマシンガンを構えていた。
    終わっちまうのかよ。こんな急に。

    激しい銃声が何発も上がり、その場にはしばらく沈黙が訪れた。
  • 27 k id:FIC.Qhn0

    2012-01-28(土) 23:49:24 [削除依頼]
    空夜の腕を掴んだのは、翔吾です。
    すみません。描写に入れるの忘れてました……
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