小さな世界。40コメント

1 いちこ☆ id:7yGTPPK0

2012-01-16(月) 11:42:37 [削除依頼]
周りの人に合わせる。
おそらく、この世界で一番大切なこと。

私達が行くことを唯一強要されている、
この小さな世界で生きていくためには
一番大切なこと――。

中学生 奥田萌恵もまた、
その小さな世界の中で回っている
一人であった。
  • 21 melo+ id:ehFsAtd1

    2012-01-21(土) 20:51:33 [削除依頼]
    来たよぉぉ

    気になる(>_<)
    そして平嶋くんが謎---!!

    続き楽しみよぉ♪
  • 22 いちこ☆ id:3CJ/mdm0

    2012-01-23(月) 17:43:18 [削除依頼]
    クラス全員が私の方を向いている。
    見つめてくる。
    もっと言うと、「睨む」の方が正しいのかもしれない。

    「夏木くんとどーゆう関係?」

    口火をきったのは、さっき平嶋の近くにいた
    気の強そうな女子。
    その子を筆頭に、次々と飛んでくる言葉。

    「さいてー!」
    「何した訳?」
    「夏木くん可哀想〜。」
    「死ねこのブス!」
    「意味わかんないんですけどぉ!」

    別にその子達が憎かったわけでも、
    その子達にムカついたわけでもなく―――


    怖い。

    そんな気持ちで体中がいっぱいになった。

    今すぐここから逃げたい。
    何かに寄りかかりたい。
    自分ひとりじゃ立っていられない・・・。

    ふらふらした足取りで教室の扉を開ける。
    その瞬間、みんなの目がぎらついたのが、わかった。

    「どこ行くのよ!」
    「てめぇ卑怯だぞこの野郎!」

    必死で足を動かす。
    走って、走って、走って、走って、走って、走って、走って
    ついた先は、保健室。

    急いでドアを閉める。
    そして、夢中で鍵を閉める。

    汗と同じく、鍵の音が速まる。

    ガチャ、と鍵が閉まる。
    全身から力が抜ける。
    足がガクガクしているのがわかる。

    「・・・・・・。」
    言葉を発することさえ、今の萌恵には
    苦しくてムリなことだった。
  • 23 いちこ☆ id:3CJ/mdm0

    2012-01-23(月) 17:51:46 [削除依頼]
    すると、後ろからタオルをかけられた。
    「大丈夫?汗びちょびちょ。」

    岡部先生だった。
    保健室なのだから、岡部先生がいるのは
    当たり前なのだが。

    「いきなり・・・すみません。」
    「いいのよ。でも萌恵さっき来たばっかよねー。」

    そんな風に微笑む。
    優しく心地よい風が吹いたみたいに、
    私の心は穏やかになった。


    「おい!開けろ!」


    萌恵の体がはね上がる。
    汗が、とめどなく溢れる。
    ドン、ドン、と一定のリズムで刻まれる
    ノック音。

    「っ・・・。」
    怖くて、もう嫌で、でも泣きたくないって思うと、
    涙目になってしまった。

    すると、ピタッとおさまった声。
    「少し静かにしてねー。
    職員室に聞こえてるから・・・。」

    岡部先生だった。

    2年生ということもあって
    みんな来年――受験に対してそれなりに
    自覚をしているらしく、先生方への評価は
    落としたくないようだ。

    足音が聞こえる。
    遠ざかっていったそれは、
    萌恵の心拍数と重なった。
  • 24 いちこ☆ id:3CJ/mdm0

    2012-01-23(月) 18:02:17 [削除依頼]
    鍵をそっと開ける先生。
    「ふふ、効果抜群ね。大丈夫?萌恵。」
    「・・・ありがとう・・・。」

    驚きの方が勝ってしまい涙も引っ込んでしまった。
    ・・・先生の力、すごい・・・。

    すると、次々に足音が聞こえる。

    「大丈夫ですか岡部先生!」
    「岡部先生!」
    「岡部先生、ご無事ですか!?」

    学校内でも噂の岡部先生ではなく、
    一人だけ。
    一人だけ私を心配して
    来てくれた先生がいた。

    「・・・大丈夫?」
    桐田陸―――理科の先生だ。

    「ああ、別に。」


    教師というやつは嫌いだ。
    小さな世界へ行くことを強要し、
    行かないとなれば世間の目を利用して
    ムリにでも学校に来させようとする。

    不登校になるのも、不良になるのも
    わかる気がする。

    強要されるのは誰だって嫌なはずなのに、
    自分達より多くの時を生きてきた
    教師が分かってくれないのだから・・・。

    「奥田!」

    突然、扉が開く。
    ・・・平嶋、夏木。

    「・・・何?」
    「大丈夫か?俺のせいで・・・悪い・・・。」
    「別に、平嶋のせいじゃない。」

    平嶋と話してると、
    落ち着く。
    なんとなく嬉しくて。

    こんな気持ち経験したこと無かった。
    いつもいつも周りは
    ろくな奴がいなかった・・・。

    「そうか。・・・良かった」
  • 25 いちこ☆ id:YMBayfY/

    2012-01-24(火) 15:52:42 [削除依頼]
    良かった・・・ね。
    俺のせいで・・・ね。

    「そう思うなら自分で責任とればいいのに。」
    声に出して気づく、卑劣な言葉。
    大丈夫だって、
    別になんともないって、
    そんな風に言ってたのは私なのに。

    しかし、それは平嶋には聞こえなかったらしく。
    「俺、行くな。なんかあったら言えよ!」


    そうして先生方も帰っていったが、
    その全員が発していった言葉。
    「奥田も保健室にばかりいるからこういうことに
     なるんじゃないのか」――――――。

    だったら教師の力で
    生徒が来たいと思えるような世界を
    つくってほしい。
    何もしないのに口だけで
    人間を押さえようとするくらいなら。

    あんな教師がいるから、
    「小さな世界」ができあがってしまうんだ。
  • 26 いちこ☆ id:Rk23CR21

    2012-01-25(水) 06:33:11 [削除依頼]
    はぁ、と一つため息。
    保健室の扉から出て行く萌恵。
    すると――――

    腕が、掴まれた感触があった。

    「本当に大丈夫なのか?」

    しつこいなこいつ。
    ・・・心の中でそう思いながらも答える。

    「大丈夫です。ありがとうございました」
    「何かあったらいつでも言えよ。」

    そう言い残すと、桐田は去っていった。

    言いたいことだけ言って、
    それで私を救った気になってる。
    何か言えば、それで改善されるとでも思ってるの?
    行動しなくちゃ始まらないのに。

    渋々教室へ戻ろう―――かと思ったけど、
    自らいじめられに行こうとは
    思わなかったので屋上へ。

    しおりの出ている本を片手に、
    屋上のドアを開ける。

    急に視界がひらける。
    少し寒くて、吐息が白い。

    座って、はじで読書を始める。
    ・・・しかし、寒いせいなのか雨。
    当然、髪も服もべちょべちょ。

    「っ・・・。」
    でも、本だけは濡れていなかった。
    萌恵が必死に守っていたから。

    ドアを開け落ち着く。
    本が濡れてないことに安心した。
    「・・・そんな大事なものなんだ」

    声が聞こえた。
    あの時と同じ・・・。
    「平嶋。・・・関係ないでしょ。」

    「関係ある。兄ちゃんも、その本持ってたから・・・。」
    「兄ちゃん!?誰それ?名前は?教えて!」

    萌恵の気迫に驚いたのか、おずおずと口を開く平嶋。
    「北野・・・優介」

    「・・・優介・・・。」

    その瞬間、優介のことが頭を巡った。
  • 27 いちこ☆ id:M9aSVCE.

    2012-01-27(金) 17:50:05 [削除依頼]
    北野優介。
    萌恵の2つ上、17歳 高2。


    ************************


    「優介!この本、おもしろかったー!」
    「そうか。俺も好きなんだ、この本。」
    優介と萌恵は幼なじみで、とても仲が良かった。

    「そういえば・・・」
    優介って、好きな人いるのかな?

    そんなことを思ってると、優介が
    「萌恵は好きな人とかいるのか?」
    と聞いてきた。

    「い、いないよっそんなの!」
    ふいうちで驚く萌恵。
    「それより、優介はどーなのさ?」

    すると、微笑みながらこたえた。
    「いるよ。すごく好きな子がね。」

    その夜は苦しかった。
    なぜかって、萌恵は優介が好きだったから・・・。
  • 28 いちこ☆ id:M9aSVCE.

    2012-01-27(金) 17:55:21 [削除依頼]
    それから、どれくらいたっただろう。
    もうずっと優介と口をきいていなかった。

    「俺、転校するんだ。」

    突然の知らせ。

    「な・・・どうして・・・?」
    萌恵がきくと、優介は悲しそうに言った。
    「親が転勤するんだ。ごめんな。」

    そんな。
    私まだ、優介と離れたくない。
    離れられないよ。
    まだ一言も、まだ少しも伝えてないの。
    大事なこと・・・。

    「私・・・」

    「私、優介が好きだよ・・・
     離れたくない、まだ一緒にいたいよ・・・!」

    優介は、やはり悲しそうな顔をして。

    「・・・ありがとう。」


    それだけだった。
    そして、形見とでもいうように
    萌恵の一番好きだった本をくれた。
  • 29 いちこ☆ id:M9aSVCE.

    2012-01-27(金) 18:02:41 [削除依頼]
    あとでわかった。
    親の転勤なんて、そんなものじゃなかった。

    優介はいじめられていたのだ。

    そのはっきりと
    物事を言う性格。
    断るときにはきっぱりと
    断るという性格。

    萌恵はその潔い性格が
    好きだったのだが、快く思わない人だっている。

    それで、優介はクラス内で
    仲間外れにされていたのだった。

    仲間からどんなに外れても
    優介は平気な顔をしていた。
    その意志を受け継ぎたい―――。

    半分は自分が「学校が嫌い」という
    理由だったが、
    もう半分は「優介のため」。


    ***********************

    「だから私は、
     このままでなくちゃならない・・・。」

    小声で呟く。
    そして思い出す。

    「そういえば、あんた優介のこと
     兄ちゃん、って言ってなかった?」
    「・・・兄ちゃんだよ。」
    「どういうこと?」

    めんどくさそうにため息をつくと、
    平嶋はこう言った。

    「俺の、本当の兄だ。」


    嘘――――――・・・!?
  • 30 いちこ☆ id:M9aSVCE.

    2012-01-27(金) 18:10:25 [削除依頼]
    ふらふらと、狭い階段を下りる。
    そんな、まさか、平嶋が・・・。

    「優介・・・。」

    すぐに携帯を取り出し、
    優介に電話をする。
    すぐに電話にでた優介は
    質問攻めだった。

    「優介?ねぇ平嶋って男知ってる?
     どうして教えてくれなかったの。
     平嶋夏木だよ、平嶋夏木!」

    ふぅ。

    携帯の奥で、吐息がきこえる。

    「気づいたか。夏木が、俺の弟だってこと。」
    「・・・違うの。あいつが自分で・・・」
    「おー、夏木のことあいつ、って
     言うのか?仲いいんだなぁ。」

    すると、あの日――――
    勇気を振り絞って告白したあの日のことが
    よみがえってくる。

    「どうしてそんな言い方するの・・・!」
    なおも萌恵は続ける。

    「私は優介が好きなのに!そう言ったのに・・・。」
    「・・・ごめん、萌恵」

    何も聞かず電源を切る。

    頬に、光がつたう。

    「優介・・・。」

    私は今も、『小さな世界』で
    優介の意志を受け継いでるよ。
  • 31 いちこ☆ id:M9aSVCE.

    2012-01-27(金) 18:19:50 [削除依頼]
    歩いていると、風にあたって
    泣きはらした目が涼しい。

    今日は帰ろう。
    そう思って鞄をとりに教室まで
    戻る萌恵。


    外に出れば雨。
    傘はなく、雨にうたれて家まで。

    少し歩いて、誰もいないような
    ところの道ばたに座り込む。

    すると、横に誰かが座り込む。

    桐田だった。

    「・・・。」
    無言で立ち、そのまま帰ろうとする。

    「優介って、誰?」

    「・・・聞こえてたんですか・・・。」
    もう最後は、蚊の鳴くような声だった。
    「ああ。泣いてただろ、奥田。」

    もう嫌。
    何にも合わせたくない。
    私は私なの。
    素でいちゃ、いけないの・・・?

    こたえることもうざったくなり
    走って帰ろうとする萌恵。
    すると――――・・・


    「・・・俺じゃ、だめか?」


    抱きしめられていた萌恵。
    平嶋のことを思い出す。

    「やめて・・・下さい」
    「だめか・・・?」


    先生の優しい言葉がじんわりと
    温かい。

    私は、心が空だった。


    「・・・・・・先生」


    雨の中。
    2人は、抱き合っていた。
  • 32 いちこ☆ id:TGGC00x0

    2012-01-28(土) 15:23:09 [削除依頼]
    翌日のこと。

    教室は、色ばかり。
    その中で私は真っ白な空気。
    真っ白じゃない。
    透明といっても良かった。

    誰も私を気に掛けない。
    ぶつかっても知らないふり。

    こんな状態は初めてじゃなかった。
    だからもう慣れっこ。
    そのままゆっくりと屋上へ進む。

    「平嶋、おはよう。」
    「あぁ・・・。奥田。」

    2人は、まだあまり親しくはなかった。

    「昨日のことなんだけど。」

    聞けば、平嶋は優介が萌恵と知り合い
    だったなんてこと、知らなかったらしく・・・。
  • 33 いちこ☆ id:TGGC00x0

    2012-01-28(土) 17:41:48 [削除依頼]
    なんとなく私に冷たい態度。
    まぁ別に何の支障もないけど・・・。

    「・・・知ってたのか?」
    突然声がふってくる。

    「知ってたらあんなに驚かない。」
    そう。
    私にとっても、この事実は予想外で。

    「そういえば、なんで名字・・・。」
    「あぁ、親が離婚して。」
  • 34 いちこ☆ id:TGGC00x0

    2012-01-28(土) 17:45:26 [削除依頼]
    親、離婚してたんだ、優介。
    私そんなことも知らなかったんだ・・・。

    優介のことを何も
    知らなかった自分自身にショックを
    受ける。
  • 35 いちこ☆ id:UNO0LI00

    2012-01-29(日) 17:11:50 [削除依頼]
    何も知らなかったのに、
    知ったかぶりして優介の隣にいた。
    そんな自分を想像して、とたんに
    恥ずかしくなる。

    何も知らなかったのに、
    優介のことを好きって言った。
    そんな自分が嫌になる。

    私・・・
    優介の半分も知らなくて。
    優介にとっては、「ただの幼なじみ」に
    すぎない。

    薄々、気がないんじゃないかとは
    思ってた。

    ―――でも、こうやって
    思い知らされて、初めて自分が
    優介のことを好きだったということが
    自覚できるのだから、皮肉だ。

    「俺・・・何も知らないのに
     兄ちゃんの弟で・・・なんか、恥ずかしいな。」

    平嶋・・・。
    平嶋も、同じ気持ちなんだ。


    優介は強かった。
    だから、みんなに弱さを見せないように
    努力してたんだ。

    それを、実の弟にまで・・・。


    優介を想うと、涙が出る。

    いやがらせだってあった。
    嫌なこともあった。

    なのに優介は弱音ひとつ言わないで、
    真っ正面から立ちむかってた。

    「強いよ・・・。」

    強すぎるよ、優介。
    そんなに強かったら、あなたには
    誰も必要ないんじゃないの?

    まるで私には歯がたたなくて。

    やっぱり涙が出るのを、
    寂しそうな風が乾かす。
  • 36 いちこ☆ id:UNO0LI00

    2012-01-29(日) 17:20:33 [削除依頼]
    そんなにも強い優介に比べて?
    今の私はどうなんだ。

    甘えてばかりで、
    泣いてばかりで、
    強がってばかりで、
    他の人のことなんか
    何も考えて無くて。

    優介の想いと重ねたって
    言い訳で、自分が嫌いな世界から
    目をそらした。

    「最低だよ、私・・・っ」

    胸にたまった思いは溢れだして。
    止まらないまま流れては落ち。
    それでも心のつっかえはとれなくて・・・。

    「私・・・優介のこと、
     何にも、知らなくてっ・・・。」
    自然と言葉が紡ぎ出す。

    「なのに、優介はちゃんと受け止めててくれて・・・
     私、人に頼ってばっかなのに、
     ちゃんと受け止めてくれて・・・。
     優介は、強くて・・・。」


    想いの丈を、平嶋のいる前で、話した。
    歯止めがきかなくて、
    恥ずかしいところ、見られてしまった。
  • 37 いちこ☆ id:UNO0LI00

    2012-01-29(日) 17:26:34 [削除依頼]
    ぐるぐるぐるぐる・・・。

    世界は回る。
    誰の思いも、
    誰の行動も、
    誰のことも関係なしに。


    朝が来る。
    学校への道のりは、今までよりも
    とても長かった。

    教室になんか興味ない。
    そのまま屋上へ行く。

    見つめ合う2人。
    先に、平嶋が話し始める。

    「・・・俺、実際嬉しかった。
     奥田の思いの丈、全部ぶつけてもらえて。
     俺は・・・
     奥田の想い、全部受け止める覚悟でいる。」

    「・・・好きだ、奥田。」


    待ち合わせをした屋上。
    いつもよりも暖かな風が吹く。


    「私、で・・・いいなら。」
  • 38 いちこ☆ id:uekVUPi1

    2012-02-06(月) 18:00:30 [削除依頼]
    ふ、っと笑みがこぼれる平嶋。
    それを見て、
    少しだけ涙ぐんだ私。

    でも、思い出してしまった。

    ――――「俺じゃ、だめか?」・・・

    あの日、私の支えとなってくれた
    桐田先生。
    結局YESもNOも言わなかったけど
    先生はきっと・・・・・・。

    支えなんてものじゃないかも
    しれない。
    少しだけぬくもりをくれた。
    ただそれだけだったのかも
    しれない。

    でも、私に一生分の価値を教えて
    くれた人・・・。

    「・・・平嶋、私・・・」
    ケリ、つけなきゃいけないよね。
  • 39 いちこ☆ id:MoeM5UR0

    2012-02-08(水) 17:36:07 [削除依頼]
    何かを察したように、平嶋は言った。
    「逃げるなよ。」

    知ってる。
    今の私は、逃げがどんなに
    恥ずかしいことかを・・・。
    それを教えてくれたのは、
    きっと優介だよね。


    ――――放課後。
    「先生」
    私に気づいた先生は、ゆっくりと
    こちらへ歩いてきた。

    「待って! ・・・そのままで、聞いて。」

    話さなくちゃ、私の思い。


    「・・・あの日、私の支えになってくれて、
     すごい・・・助かったっていうか・・・
     先生がいなかったら、たぶん今も苦しんでいたから・・・
     あの時は、ありがとうございました。」

    息を一旦切った萌恵。
    熱が冷めぬ間に、一気に話してしまいたい。

    「先生に抱きしめられて・・・
     私、先生の彼女になったりしたら楽かなって・・・
     馬鹿なこと思ったりして・・・
     ・・・・・・でも、先生が私の大切な人に
     なったのも本当で・・・」
    あぁ、もうぐちゃぐちゃ・・・。

    「・・・あの・・・
     ありがとうございました・・・・・・・っ」

    涙が頬に光る。
    目の前の景色が滲む。

    先生は、優しく。
    優しく、私を包んだ。
  • 40 いちこ☆ id:TqhSPBX/

    2012-02-09(木) 17:35:45 [削除依頼]
    たくさん、思ってた。

    私は、もういいかな?
    もう、幸せになっても、いいのかな?
    それは許されることなのかな?

    ずっと祈ったのに。
    答えは自分で見つけるしかなくて、
    途中、諦めたのかもしれない。

    「夏木ぃー!!」

    そんな私は、今は高校生。
    あの日から。
    あの頃から、2年もたったんだ。

    「なんだよ萌恵。うるさい!」

    平嶋夏木―――こいつとは、
    中学校からの仲。
    ずっと付き合っている。

    高校でも、「学校」という場所に
    縛られてはいるけれど、
    今は楽しい。
    そう感じられるようになった。


    あの時の青空は、
    まだ心にある。
    小さな世界は決してなくならないけれど、
    青空だけは光る、優しい世界。

    だからこそ、青空は
    今日も輝いている。
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