薄霧の街【produce is mine】40コメント

1 善寺 梅雨ヒロ id:yGoPxXL/

2012-01-06(金) 08:34:31 [削除依頼]
早くこのおとぎ話から抜け出さなければいけない

君は何も知らない

だけど全部知っている

僕と君の間に流れる全てを断ち切って

全てを終わらせたい

だって君は神だから
/薄霧の街 詩板「produce is mine」より
  • 21 善寺 梅雨ヒロ id:ppPfmrS/

    2012-01-15(日) 13:13:37 [削除依頼]
    >優陽さん
    では改めて……
    コメントありがとうございます!

    やっぱり、タイトルって作者の色が出ちゃうものなんですかー
    本当にセンサーとか付けてないですよねw?
    まあ、自分らしい作品ではありますけど。

    あぁ、書き方……
    自分で書いてて、いつもと感覚違うなぁって思ってましてですね。
    出来ればですけど、どこら辺がいつも違うのか教えて欲しいです。

    詩まで読んでくださるとは!
    めっちゃ感激です。
    詩のほうはまだ初心者ですけどw

    まあ、変な話ですよ。これ。
    突然思いついたもので……
    読んでくださり有り難うございました。
  • 22 善寺 梅雨ヒロ id:ppPfmrS/

    2012-01-15(日) 14:58:51 [削除依頼]
    小説、だが言ってしまうと変な文章の集まりだった。
    ニッヒルは黙ってそれを読み始める。クーテは再び机に向かい文字を書き出した。
    一枚、もう一枚、また一枚…………
    体中にどっと冷や汗が流れる。心臓の鼓動が鮮明に体に浮き上がった。
    この世界の話とは思えない変な物語だ。舞台がどこであるかも定かでないような物語。
    未来か。過去か。はたまた別世界。
    この街の衆には到底想像できないような世界での話が描かれている。
    読む度に怖い、読み進めていたくない、などと思うが紙をめくる手は止まらない。脳の感覚がぐるぐる回って自分の意志じゃ制御できないのだ。
    ここじゃないどこかの国が。
    今じゃないどこかの時代が。
    僕や君ではない登場人物が。
    クーテが書く紙には刻まれていた。
    「何……これ?」

    「プロデュース・イズ・マイン」
    クーテの口から、というより体中から声がする。
    「この物語は私によって生産される」
  • 23 善寺 梅雨ヒロ id:ppPfmrS/

    2012-01-15(日) 15:09:15 [削除依頼]
    ふぅ。一息ついた。
    やっと一段落まとまりましたね。
  • 24 善寺 梅雨ヒロ id:GaI9ftt/

    2012-01-16(月) 16:51:49 [削除依頼]
    毎日、クーテのところへ通い続けた。
    雨が降ろうが、足が痛もうが関係なかった。ニッヒルの中の『何か』がそれを求めていた。
    果てしなく沸き上がる欲望に戸惑いを持ちながらもプロデュース・イズ・マインという名の物語を読み進めることを躊躇しようとは思わない。
    相変わらず掴みどころのない話ばかりだが、ニッヒルはそれには隠された答えがあるのだと思っている。何かの答え、漠然とした問題の答え。人が一生探しても見つからない答え。
    恐い、だけど日を追うごとに溺れてしまう。
    嫌な感覚を背負いながらもニッヒルは曖昧なものを掴もうともがいていた。

    クーテはそんなニッヒルには目も向けずに日々、虚ろな目で物語を書き続けている。
    水しか口にしないばかりか、一睡もしていない。彼は日に日にやせ細っていて、いつしか中から崩れてしまうのではないか、と心配してしまう。浜辺に描いた絵にように脆かった。波が来ただけで消えてしまう。
  • 25 善寺 梅雨ヒロ id:k/PoxH4.

    2012-01-17(火) 16:31:36 [削除依頼]
    朝露が草木に滲む朝。ニッヒルはいつものように教会へ向かう。
    街を包み込んでいた薄霧がなぜか徐々に濃くなっていった。ニッヒルの視界が不安定になってくる。道が霞み、ここでどこに位置するのさえ分からなくなるのではないか、という心配をしたくなってるだろう。
    (霧の色が変わった?)
    錯覚かもしれない。霧が一瞬鉛色を浮かべた。
    その時、ニッヒルは強い目眩を感じると共に突如頭痛に苛まれた。
    ありとあらゆる場所から汗が吹き出て、足元も安定せずにとうとう道に体を丸めてうずくまるような状態で倒れてしまった。助けを求めないといけない。しかしニッヒルは声どころか息さえも苦しくて可能な状態ではなかった。
    視界が真っ黒になる。
  • 26 善寺 梅雨ヒロ id:k/PoxH4.

    2012-01-17(火) 16:54:07 [削除依頼]
    ニッヒルの足元には虹色の湖が広がっていた。不気味な鮮やかさを浮かべる水面は、見れば見るほどこの世のものとは思えなかった。
    ドレスデンにこんな湖あっただろうか、不思議がってニッヒルは近寄ってみる。途端、湖は濁り、漆黒の闇へと化した。
    「うわっ、なんだこれ!?」
    ニッヒルは思わず反射的に遠のく。

    「久しぶりの迷子かな」

    背後から奇妙な声が聞こえた。
    恐る恐るニッヒル体を反転させる。
    白い長髪の老人立っている。顔の皺は目立つが、背筋は伸びていてどこか芯の通ったイメージを受けた。
    「ニッヒル君だね」
    老人は笑みを浮かべる。
    「なぜ? 僕の名前を?」
    「だって君は読んだだろう? 神が書いた小説を」
    「プロデュース・イズ・マイン」
    苦く表情を引き締めたニッヒルはクーテが書いた小説名を囁いた。
    「神が書いたってどういうことですか?」
    ニッヒルが老人に聞くと、老人は一瞬困ったような顔をした。
    「神はときどき、この世界に小説を書きに降りてくる。しかし、神は神という『虚像』はあっても『実像』はないのだ。だから神は人間の体を借りなければこの世にはいられない」
  • 27 善寺 梅雨ヒロ id:k/PoxH4.

    2012-01-17(火) 17:01:07 [削除依頼]
    「クーテは神に体を奪われたってわけ?」
    「ああ、そうだ」
    「じゃあ、なんで神は小説を書くの?」
    ニッヒルのこの問いに老人はしばらく答えなかった。
    薄ら笑いを浮かべるばかりで口を開こうとしない。
    「それは、一番君がよく分かるはずだ」
    老人はそう言うと役目を果たしたようにニッヒルに背を向け立ち去っていた。ニッヒルは老人を追いかけることなく、彼の後ろ姿を見て黙って立ち尽くしている。
  • 28 善寺 梅雨ヒロ id:7ChT5ua1

    2012-01-18(水) 16:47:39 [削除依頼]
    ニッヒルは独り、湖に残ってしまった。
    奇妙な濃度を持った虹色の湖は時折波打ちを繰り返す。でも、気づけば平坦な水面に戻っているのだ。
    気味が悪い。だけど惹かれてしまう。神が書いた小説みたいだ。

    神は小説を書く。人の体を借りて。
    何故、神は小説を書くのか。正直、これについては何も分からない。でも、分かったら僕は消えてしまう。そんな気がしてならないのだ。

    ニッヒルは遠くを見るような目で湖を見探った。まるで中に何かが隠されているかのように。
  • 29 善寺 梅雨ヒロ id:7ChT5ua1

    2012-01-18(水) 23:51:45 [削除依頼]
    ニッヒルは街の路の真ん中で立ち尽くしていた。
    (あれ? さっきのはいったい……?)
    街はいつものように薄霧が立ちこめる朝を演出している。白い霧のせいで遠くを把握しにくいのは確かだが、道が霞むようなことはなかった。
    勿論、不気味な湖が広がっているわけでもない。普通の街だ。
    ニッヒルは自分が狂しくなりつつあることを心のどこかで察していた。神が書いた小説や虹色に光る湖などは全部自分が勝手に見せた幻覚だと、ニッヒルはそう思いこませる。全部、嘘であって欲しい。人間としての「自分」が押さえているのだ。
    頭痛も目眩ももう感じないことをニッヒルは確認し、再び歩きだそうとする。
    その時
    薄霧の街に一筋の光が差し込み、差し込んだ光の所だけ不自然に霧が晴れたのをニッヒルは目にした。
  • 30 善寺 梅雨ヒロ id:NAZ9NT10

    2012-01-19(木) 00:06:04 [削除依頼]
    早朝のドレスデンの街、クーテの教会の所だけ不自然に霧が晴れてそこに一筋の光が注がれている。空へのびる光の円柱のようだ。
    ニッヒルがいる場所からもその様子がはっきりと確認できた。
    突如現れた光の円柱の中を教会から突き上げてきた目映く輝く像が勢いよく空へと上がっていく。それは空を一色に染めるように激しく混ざりあう。
    世界が揺れ動く、何もかもが同じに見えたり違って見えたり、と視界が狂いだすような感覚に陥った。そして、教会から飛び上がった『何か』は空と一体となる。
    「神が……帰った」
    ニッヒルは呆然とした様子で呟いた。
  • 31 善寺 梅雨ヒロ id:X90.wkf0

    2012-01-21(土) 16:21:16 [削除依頼]
    焦りが足を加速させていた。
    今、クーテはどうなっているのか、ニッヒルは気になって仕方がない。神がニッヒルの体から離れたとするなら……
    ニッヒルの心は不安で満たされていた。冬だというのに頬が赤らめ、汗が滲む。様々なものが混ざりあった汗。苦しくなる呼吸を押さえながらニッヒルは走ることを止めなかった。

    しばらく走り続けた後、ニッヒルの目に教会が映るところまで来たらしい。
    ニッヒルは上がった息を止める間もなく教会の敷地に入っていった。錯誤の未来がささやくようにざわめくが、時計の針は進まない。
  • 32 善寺 梅雨ヒロ id:5yUt5fl1

    2012-01-26(木) 18:08:33 [削除依頼]
    体の中心からもさもさと全体に波を立てるかのように揺れた。
    「クーテ!」
    教会の扉をノックすることも忘れ、ニッヒルは会内に飛び込む。その流れを止めることなく慌ただしく奥のクーテの部屋へと向かった。

    クーテは仰向けに倒れていた。彼の表情からは底なしの疲労が伝わってくる。
    その隣には彼の父親がいた。今にも息が途絶えそうな息子の様子に同情の視線を送っている。
    「クーテはもうすぐ逝.く」
    クーテの父は苦い表情を隠そうともしない。
    ニッヒルはゆっくりとクーテに近づき、がっくりと膝を曲げ、彼の手を掴んだ。
  • 33 善寺 梅雨ヒロ id:QnUhYBa1

    2012-01-27(金) 01:20:31 [削除依頼]
    クーテの手にはにわかな温もりしか残されていなかった。瞳の明色が今にも消えそうな程に弱く、段々と温もりが消えていくような感覚さえもすることが何より怖い。まさしく命は蝋燭だ
    「クーテ、クーテ」
    ニッヒルはクーテの名を呼び続ける。それしか出来ない自分をふがいなく思いながらもクーテの名を呼ぶことを止めようとはしなかった。
    ニッヒルの声はやがて嗚咽混じりの鳴き声へと変わっていく。
    クーテの鼓動はニッヒルをあざ笑うかのように少しずつ弱くなり、やがて消えた。
    ニッヒルはそれでもクーテの名を呼ぶことを止めなかった。彼は一生無責任な神と哀れな少年の運命を恨むのかもしれない。
  • 34 善寺 梅雨ヒロ id:4YGXB9e0

    2012-01-27(金) 16:21:17 [削除依頼]

    あの出来事から何年が過ぎたのだろうか。

    ニッヒルは商売をしながら暮らす立派な成人になった。
    そしてニッヒルは生涯を通じてあの奇怪な出来事を誰にも話すことはなかった。
    この物語は誰にも語ってはいけないような気がしてならなかったから。
    きっと、神はいつかプロデュースイズマインを書くためにまた戻ってくる。
    その時に物語が誰かの手によって書かれるに違いない。
    きっとそうだ。
  • 35 善寺 梅雨ヒロ id:wiCJLKK/

    2012-01-30(月) 15:39:51 [削除依頼]
    今日もドレスデンの街に太陽が昇った。
    街は隔たりなく照らされる。快晴の空だった。
    街の中を見渡せば人々は笑い合ったり、喧嘩をしていたり、交渉をしていたり、賑やかでいて忙しそう。でもこの街はいつも通り、普通で溢れている。
    風が吹いた。
    誰にも気づかれることのない囁くような風。街を優雅に賭巡り、やがて世界を廻る。
    この風の音に耳を澄ます人はいるだろうか?

    薄霧の街【produce is mine】
    ーendー
  • 36 善寺 梅雨ヒロ id:wiCJLKK/

    2012-01-30(月) 15:52:47 [削除依頼]
    [あとがき]

    誰か助けて下さい。

    自分を止めることが出来ないのです。

    体が言うことを聞かないのです。

    全てが終わってしまう気がしてならないのです。

    亡くしてしまいたい。亡くしてしまいたい。亡くしてしまいたい。亡くしてしまいたい。亡くしてしまいたい。亡くしてしまいたい。亡くしてしまいたい。亡くしてしまいたい。
  • 37 善寺 梅雨ヒロ id:wiCJLKK/

    2012-01-30(月) 16:07:33 [削除依頼]
    追記[神とはなにか?]
    神は存在するのだろうか?
    そう聞くと今の恵まれない時代だから、きっと「神はいない」と答える人が多いはずだ。
    僕はそうは思わない。
    根拠としては、空間の始まり、ビックバン。あれには何かの意志が働いてるとしか思えないのは僕だけじゃないはず。きっとこの世界は何かの意志によって生まれたのだ。
    人はその『何か』を神と呼ぶ。

    神が小説を書きにこの世にやってくる。
    我ながら変なアイディアだな、と思った。でも変なアイディアであればあるほど現実が際だってくる。小説なんてそんなもの。
    じゃっ、ここらへんで。
  • 38 名作? id:Tul4IUC.

    2012-03-04(日) 16:28:47 [削除依頼]
    あげ
  • 39 名作 id:LU.muCJ0

    2014-02-10(月) 20:07:53 [削除依頼]


    あげまふ
  • 40 雲母 id:i-2y9Rln11

    2014-03-11(火) 13:48:33 [削除依頼]
    良作あげです(*´`*)
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