会いたかった26コメント

1 ほし id:aB57L0z.

2011-12-26(月) 03:14:12 [削除依頼]
「水色」から一瞬抜けて、
ちょっと本人談(結構ある?)もからんだ
短作を書きます(*´▽`*)

次からスタートォ!!
  • 7 ほし id:aB57L0z.

    2011-12-26(月) 09:46:21 [削除依頼]
    3月。合格祝賀会が行われた。山の方の公園で雨の中、
    BBQをした。
    その頃はもう斎藤への特別な想いも全くなく、これから
    の新しい中学校生活への期待を膨らませていた。この時、
    斎藤と喋らなかったことより、校長とろくに話せなかった
    ことがずっと気がかりだった。

    無事、O学院に入学し、念願の剣道部にも入部して、
    初めて竹刀を握ったり、練習に励んでいたりと、満足す
    るほどではないが、それなりの学院生活を送っていた。
    まさか斎藤のことなどは全く考えず、自分のことで必死
    だった。

    中2になり、少しずつ余裕ができた頃。やはり年頃なの
    か、異性にものすごく意識するようになった。例えば、
    電車で女子学生に目がいってしまったり。彼女欲しいとか
    思ったり。同級生で彼女いるやつを冷やかしたり。まだ
    中2だから、高校になってから、そういうこと考えようと
    した。
    けど、まさかだ。約2年ぶりに見てしまった。斎藤を。
    会えるとも思ってなかったのに……。
  • 8 ほし id:aB57L0z.

    2011-12-26(月) 10:18:40 [削除依頼]
    クリスマス直前の、剣道の私学大会。
    俺は選手5人に選ばれずショックだったけど、会場は家
    から結構近いし、友達も出るしと、マネージャーとして行った。
    実は内心、もしかしたら斎藤に会えるかもと期待してい
    た。斎藤も剣道部に入りたいと言っていたからだ。
    今まで、斎藤の行ったS学園は会場で一度も見たことは
    なかったが、今回の私学大会では来ているだろうと踏ん
    だ。話せるかもしれない。

    実際、S学園は来ていた。だが向こうは人数が多く、何し
    ろ共学なので男女たくさんだった。男子校の俺達は、「
    いいなぁ」とひたすら思った。
    配られた大会のしおりを見ていたときだ。
    「うぉ!?」
    衝撃だった。S学園の女子チームの選手登録に、「斉藤
    ゆかり」の名があった。まさかとも思った。夢じゃないの?
    でも現実だった。密かに期待していたことが本当に起こっ
    てしまったようだ。
    とっさにS学園の集団に目を向けた。女子に絞って、垂に
    書かれた苗字を1人ずつ確認した。

    いた…………。

    面もかぶって切り返ししている1人の女子。斎藤だ。
    間違いない。斎藤は1人だけだから。
    音は何も聞こえない。ただただ、ずっと斎藤の存在に
    呆気をとられていた。徐々に昔の感情が蘇ってくるのを
    感じた。
    はなしかけようとも思った。別にちょっと抜け出すくらい
    なら、仕事もないし、よかった。
    でも、俺は斎藤には特別な想いも抱いてたわけで。今でも
    話しかけるのが難しかった。
    いや、それでも、「久しぶり」とか「最近どう?」とか
    話しかけられた。でもずっと男子校にいるせいか、女子
    への接し方というのがわからず、しかも斎藤の周りにも
    友達だっているだろうし。他校の、しかも男子校の俺が
    話しかけると、あっちもあっちで気まずいだろうと思っ
    て、結局話しかけなかった。
    でも、斎藤の試合は見た。やはり女子だから、力強さは
    ないものの、一生懸命声を出して頑張っている斎藤を見
    て、ずっとドキドキしてた。心の中から「斎藤、ガンバ
    !!」と応援もした。
    わざとS学園の集団の前を通ったりもしたが、気づいて
    くれてるのかはわからない。もう2年経っているから、
    多分わからないんじゃないかと思う。
    一回だけ、親からの不在着信があったので、外でかけ返
    していたところ、偶然斎藤が1人の友達と歩いて俺の
    そばを通った。俺はとっさに顔が見えないよう後ろを
    向いたけど、斎藤の視線は感じた。それは、俺に気づい
    たのか、またはただ見ただけなのかは知らないけど。

    結局、この日も斎藤に話しかけなかった。
    だが、来年こそは選手として会おうと思った。
  • 9 ほし id:aB57L0z.

    2011-12-26(月) 10:31:24 [削除依頼]
    その日、昔のケータイを引っ張り出してある人物のメアド
    を探し当てた。谷口晴香。これまた塾の女子だ。
    こいつとは大して何もなく、気軽に話したり、一緒に
    ボケたりした。
    随分前、いきなりメールが向こうからきたのをキッカケに
    度々やりとりをしていたが、最近は全くしない。メアド
    でも変えだのだろう。でも、塾の女子でメアドを知って
    いるのは谷口しかいないし、谷口なら斎藤の連絡先を
    知っているかもしれないという望みをかけて、一応、
    「久」とだけ送ってみた。
    数秒後、返ってきたのは、そのメアドはもうないという
    やつだった。完全に、来年まで会えないことが確定した。

    「会いたい」
    「逢いたい」

    そんな想いを胸に、メールを受信するたび「もしや」と
    思って開いてみても普通に友人からだった、みたいな
    ことがしょっちゅう続いた。
  • 10 ほし id:aB57L0z.

    2011-12-26(月) 11:03:39 [削除依頼]
    年が明け、年賀状がたくさん送られてきた。
    親友や友人、小学校時代のやつ、剣道部の仲間、先輩、
    後輩、担任、小学校の担任、塾……いろんな所から送ら
    れてきた。その中で、見慣れない……というか、普段なら
    来ないような人物から年賀状が届いた。斎藤だ。
    ボールペンで書かれた、実に女の子らしい優しい文字で
    俺の名前が書かれていた。あの時の文字と似ている。
    間違いない。斎藤だ。
    裏面にはこう書かれていた。
    「久しぶり。突然年賀状が来て驚いた?お元気ですか?
    私は元気ですよ(^^)
    この間、私学大会で見ました。ずっと制服だったようだ
    けど、試合に出なかったの?もし私の試合見てたりした
    らヤダなぁ〜(笑)あの時、よく私たちのそばを歩いて
    るのを見てホントに驚いたよ。実は話しかけようとも
    思ったんだけどね。いろいろ忙しくてできなくて……
    ゴメンね。
    また今後ともよろしくお願いします!」

    そして、真ん中には、斎藤の家族の写真が写っていた。
    もう中2だからか、大人っぽい顔になってて、小学校の
    ときよりも可愛い……というか、美しくなっている気が
    した。
    折角くれたのに返さないのは失礼、むしろこれはチャンス
    とばかりに、すぐさま年賀状に向かって書いた。
    「A Happy New Year!年賀状ありがとう!
    俺も大会で斎藤を見てすごく驚いた!残念だけど、試合
    はちゃんと見てたよ(笑)ちょっとストーカーじみた事
    してゴメンな。でも、斎藤の一生懸命な姿見て感動した!
    俺の方こそ、ずっと話しかけられずに……申し訳ない(笑)
    話しかけた方がむしろよかったんや……(納得)
    こちらこそ、どうぞよろしくお願いします」
    そして最後に、思い切って俺のメアドと連絡先を書いた。
    斎藤がケータイを持っているのか、多分持っているはず。
    年賀状を丁寧にポストに入れ、何か返信が来ることを
    願った。
  • 11 ほし id:aB57L0z.

    2011-12-26(月) 19:18:46 [削除依頼]
    年明けのスキー合宿を終え、久々に家に戻ってメールを
    確認してると……
    「お、あった」
    斎藤からのメール、それも3通。すぐに斎藤のメアドを
    登録すると、一件目……4日前のものだった。開いてみる。
     
    「久しぶりー……ではないかσ(^◇^;)
    年賀状、返してくれてありがとう!
    まさかメールアドレスも書いてくれる
    とは思わなかったなぁ。
    私のメールアドレスも、ぜひ登録を☆」

    やっぱ男子にメール送るのも慣れてるなぁ。俺でもなじ
    みやすく文章を作っている。さすが斎藤だ。
    2件目……一昨日だ。

    「おはよー(●´∀`●)
    今日は雪らしいね。でも寒いのはヤダなぁ……。
    そうだ。村上ってO学院行ったんだっけ?
    村上は賢いなぁ……いいなぁ(´・ω・`)」

    2日連続……実は斎藤も俺のことを……なんて思ったり。
    でも期待はしたい。
    3件目……昨日だ。もうそろそろ返信が来ないことに
    疑問を持つはずだけど……

    「もしかして合宿行ってるの?O学院っていいなぁ。
    私の学校なんか夏に一回しかないし……
    でも合宿が多すぎるのも大変だね(´・ω・`)」

    あっさりとわかっている。こっちが合宿が多いのも調査
    済みか……。なんだか斎藤の凄さが逆に怖くなった。
    そして、最後。今朝だ。

    「あのさ……一回ゆっくり話したいんだけど……。
    明日、大丈夫かなぁ?多分村上も今日帰るはずだから、
    返信待ってます」

    単刀直入に会うのを申し出てきた。斎藤って大胆なところ
    もあるんだ……。
    俺も斎藤のことをもっと知りたくなった。あっちも俺に
    対して好印象を持ってるだろう。ここまできたならもう
    当たって砕けろだ。直に話そう。

    「ゴメンゴメン(;´Д`)
    その通り、今日までずっとスキー合宿やった。
    明日の件、了解しました(*´▽`*)
    それで、細かいことなんやけど……」
  • 12 ほし id:aB57L0z.

    2011-12-26(月) 22:25:12 [削除依頼]
    日本に強い寒波が襲っている中、俺は寒さに負けずに自
    転車をこいでいた。この道を真っすぐ行けばI駅だ。待ち
    合わせ場所は、駅に隣接するデパートの中のとある喫茶店。
    斎藤が決めた場所だった。I駅は、俺ん家と斎藤の家の
    中間点ぐらいだろうか。喫茶店にしたのは、そこが斎藤
    のお気に入りだからだそうだ。無事デパートに着き、
    言われた通りの場所を探す。

    喫茶店は案外すぐに見つかった。時間は待ち合わせ40分
    前。早すぎた。いや、張り切りすぎた。
    まさかもう来ていたり……はないようだ。
    先に入るかどうか迷ったけど、外でずっと立つのもしん
    どいし、緊張しながらも喫茶店に入っていた。喫茶店に
    入るのは初めてだった。斎藤ってこんな趣味があるんだ
    と知った。なかなか渋い。
    喫茶店「YOU」。デパートの中にありながらも、中は
    まるで昭和を感じさせる、テレビでよくあるような店だ。
    カウンターと6つのテーブルには、わずか3人しか埋ま
    っていなかった。マイナーな喫茶店だ。
    しばらくすると、客も次々と店を出ていった。店にいる
    客は俺1人だけになってしまった。なんとも耐え難い気分
    だ。

    待ち合わせ時間きっかりに斎藤は現れた。久しぶりに
    会えた。
    「あれ?早かったの?」
    直に会うのはもう2年ぶりだ。やはり2年も経つと印象
    も変わるものなのか、斎藤の雰囲気がすごく変わって
    いた。なんとなく、洗練された感じを受けた。もしかし
    たら、斎藤も俺に対して同様なことを思ってたりするの
    だろうか?
    「直接会うのは久しぶりだね」
    座りながらにっこり笑う。そんな行動にも心を動かされ
    ているほど、俺は惹かれてるのかもしれない。
    「身長何センチ?前より大きくない?」
    「うーん……まぁ180あるかな。詳しくはわからないけど」
    大抵身長のことを聞かれる。背の高い俺にとってそれは
    もう面倒くさいことだった。
    「斎藤もさ、雰囲気変わったよな。なんか……大人って
    感じ?」
    「やめてよ〜。それは村上も同じだって」
    「あ、認めるんだ」
    「ふふっ」
    なんだか結構いい感じになってるのを自分でも感じる
    ことができた。できれば、ずっと他愛のない話も続け
    たかったが、本題を聞かなければならない。もうすぐ
    実力テストなのに、こうして抜け出して来たのだ。でき
    れば早く家に戻らないといけない。でも、それを悟られ
    ないようにしないといけない。
    「それでさ、斎藤」
    「なに?」
    「……話ってなんだ?」
  • 13 ほし id:aB57L0z.

    2011-12-26(月) 23:00:19 [削除依頼]
    たま〜に、大阪弁になってることがありますが、
    気にしないでください。舞台も俺も大阪ですが、
    言語はなるべく標準語でいきます。なるべく。

    「会いたかった」&「水色」を応援してください!
    よろしくお願いします!!
  • 14 ほし id:bossNb61

    2011-12-27(火) 01:28:55 [削除依頼]
    「話ってなんだ?」
    「えっ……いきなり?」
    斎藤が戸惑いを見せた。どうやらゆっくり話たかった
    らしい。俺も困ってしまった。
    「あ、でも……別にイヤなら…」
    「話す」
    「えっ?」
    斎藤はもう真剣な顔になっていた。大抵、こういうのは
    告白するのだと予測はついている。でもだからこそ、
    困ってしまう。急に「好き」と言われたら、流石に俺も
    戸惑う。嬉しいのに、はっきり返事ができないのはイヤだ。
    「なんでここを選んだか、わかる?」
    「……え?いや……わからないなぁ……」
    予想外の質問にも困る。やはり、斎藤も奥手なのだろうか?
    「ここ、私が泣いた場所なの」
    「泣いた……場所?」
    「ここの店主、お父さんの友人で、両親が共働きのお姉
    ちゃんと私はよくここに預けられてた。受験の時も休日
    はずっとここにいた。家よりもずっとここが落ち着くの、 
    今でも」
    「そんなことが……」
    もう時間がどうとか忘れてしまった。あまりに可哀想な
    斎藤にできることは、ただ話を聞いてあげることになっ
    た。今回は俺の都合で逃げてはいけない気がした。
    そう。逃げるのは反則。
    「R中に落ちちゃったとき、すごく泣きたかった。でも、
    まだ別の入試受けなきゃいけなかったし、泣いたらそれで
    終わる気がしたから泣かなかった。最終的に今の学校に
    受かったから、その祝いで家族でここに来たんだけど、
    泣いてしまったの、私」
    「そう……つらかっただろうな……」
    「ううん。もう慰めなんかいらないから。私決めたの。
    もう絶対に後悔しないって」
    「後悔、かぁ……」
    後悔なんか、俺は経験したことなかった。全部合格した
    俺にとって、その時はそれまでの苦労が報われた時で、
    人生でも最大級の幸せを噛みしめていた。後悔してる人
    なんて、全く気にもしなかった。
    「よかった……村上に話せて。私のライバル」
    「あ、そう思ってたんだ、斎藤も」
    「だからこそ、かもしれないね」
    「何が?」
    「ずっと、会いたかった」
  • 15 ほし id:13kVfm/.

    2011-12-28(水) 01:06:13 [削除依頼]
    真っすぐな眼差しで俺を見つめる斎藤。そんな視線につい
    目を逸らしてしまう俺。
    でも、それがどういう意味なのか、斎藤だからこそ分から
    ない。本気なのか、それとも何か思惑があるのか。
    「えっと……どういうこと?」
    「ううん。別に特別なことじゃないって。ただ会いたか
    っただけ」
    「あ、そうなんだ……」
    「えっ?もしかして私が村上のこと、好き、なんだと
    勘違いしてた?」
    「い、いや。まさか……」
    なんて嘘をつくんだと自分に呆れた。斎藤のことだ。
    もう彼氏もいるかもしれない。今、俺なんかがアタック
    しても、受け入れてくれるはずもない。無駄だ。「会い
    たい」なんて思った俺がバカだった。
    忘れよう。
    「んじゃ、そろそろ行くよ、俺は」
    「えわ、ちょ、ちょっと待って!」
    席を立とうとする俺の手を、斎藤は掴んでいた。
    温もりが、俺の手のひらにじんわりと伝わる。同年代の
    女性に触れたことなど、ここ最近ほとんどなかった。
    「別に好きじゃないよ、村上は」
    「だったらなおさら…」
    「今はね」
    はっきりと強調していた。この4文字に。
    さっきよりも強く手を握りしめて、斎藤は深呼吸した。
    数秒、目を閉じる。
    こんな状況に俺はただ立つことしかできず、本当に頭が
    真っ白になっていた。
    斎藤が目を開ける。目が合う。目を逸らすこともできず、
    その目に吸い込まれていくようだ。
    「今はそうじゃなくても、今からでもいけると思う」
    「い、いや……それじゃなんで俺?」
    「はい」とか「うん」と言えばそれで終わる問題なのに、
    わざわざ焦らしてしまう。でも、たしかに簡単にそう言
    ってしまえば、後々が大変なことになるだろうから。
    「うぅ……なら、単刀直入に。私ね、小学校のときから
    ずっと憧れてたの」
    「えっ……」
    言葉を失った。まさか斎藤も同じような立場だとは……
    そんなことがあったらなぁと妄想しても、実際にそんな
    ことに直面したら、どうしたらいいのか分からなくなっ
    てしまう。だけど、「好き」じゃなく、「憧れ」という
    のに、なんだか安心したような、残念だったような、そ
    んな気分だ。
    「憧れねぇ……」
    「うん……」
    それ以降、また沈黙が蘇った。お互い、何を話せばいい
    のか分からないのだろう。いや、ただ話せないだけかも
    しれない。俺みたいに。
    そういえば、俺たちと店主以外、誰もいないということ
    に気づいた。そして気づいた。
    もしかしたら、わざとここを、こんな時間帯に選んだの
    かもしれない。常連の斎藤のことだ、人の出入りを熟知
    しているはずだ。つまりは、最初からこんな話をするつ
    もりで……。
    もしかしたら、こっちから話して欲しかったのかもしれ
    ない。俺みたいに素直に話せないから、俺から話して
    ほしかったのかもしれない。
    なら、俺は逃げちゃだめだ。俺だって素直じゃないけど、
    実際嬉しかった。こうやって斎藤と会えて、話せて、憧れ
    てくれて。俺だって惚れてたのだ。これはチャンスなん
    だ。斎藤は逃げないのに、俺が逃げちゃだめだ。
    「……俺も」
    「…………」
    「俺も、斎藤に憧れ……というか、惚れてた。うん、マジ
    で。ゴメンな、なかなか素直じゃなくて」
    「ううん。私も同じだから。うん、よかった……」
    「これで相思相愛?」
    「ふふっ、どうだろ」
    斎藤にも、俺にも笑顔が戻った。
  • 16 ほし id:13kVfm/.

    2011-12-28(水) 02:11:49 [削除依頼]
    なんか話したいこと(誰も見てくれないけどσ(^◇^;))。

    こんな話書いてる俺って、なんかすごく中二病な気が
    するけど……決してそんなことはないです!
    ただ、この話は、半分本当で、半分は創作です。
    どこがどう創作なのかは複雑すぎるので言えないけど。

    ただ、俺の話を読んでもらって、何か感じてほしいなと
    思います。それが、「いい話だ」とか、「クソみたいな
    話だ」とかでも。
    本だって、読んだらそのような、何か感想を持ちません?

    つまり、何が言いたいのかっていうと、結局は「感想
    欲しいな」っていうことなんです。
    すみません。なんか前置きがバカみたいで……

    でも。1人でもいいんです。何でもいいんで、何かしら
    感想をもらうと、作品を通して自分を見つめ直すことが
    できるんだと思います。
    何事でも、1人だけじゃなく、みんながいれば素晴らしい
    アイデアが浮かぶはずです!

    なので、話は戻ります。
    本当に!何か感想をください!お願いします!!
    罵倒しちゃっても、誰でもかまいません。
    遠慮なしに感想ください!

    心から待ってます!!(><@)
  • 17 有様 id:ZKY2DXO1

    2011-12-28(水) 11:24:58 [削除依頼]
    頑張れーー!
  • 18 ほし id:13kVfm/.

    2011-12-28(水) 15:04:23 [削除依頼]
    有様s、ありがとうございます!(@^▽^@)
  • 19 ほし id:F9/BKlf0

    2011-12-29(木) 01:01:57 [削除依頼]
    ゆかりと外出…というか、デートするのはもう3回目に
    なる。今の関係は多分良好だろう。はっきり言って、
    幸せだ。
    公立では普通のことかもしれないが、私学の、特に俺
    みたいな男子校生徒にとっては珍しいものだ。

    この2ヶ月、いろんなことがあった。まずは一緒に会っ
    たり、名前で呼び合ったり、手を繋いだり、時には言い
    合いもしたり、チョコもくれたり。そういえばもうすぐ
    ホワイトデーだ。ゆかりへのお返しも考えないといけな
    い。
    でも、まだしてないのが、キスだ。してみたいとは思う
    けど。まだ早いのか、よく分からない。いきなりしても
    嫌がるだろうし。

    今回は、「初心を忘るべからず」ということで、市内の
    T動物園に来た。休日ということあって家族連れが多い
    けど、カップルだって少なからずいた。

    俺たちは、人から見たらカップルに見えるのか?

    「動物園って私、久しぶり」
    「俺も小2の遠足以来だな」
    「ねぇ、動物で一番何が好き?」
    「えーとなぁ……犬が好きかな。特にミニチュアダックス
    フンド。足が短いとこがまたいいんだよなぁ」
    「動物園の中で」
    「あ、動物園?ゴメン。全く勘違いしてて……」
    「私はねぇ……コアラとか、ナマケモノが好きだなぁ」
    「うわ、意外なとこ……なんで?」
    「だってさ、ずーーっとだらだらしてて、そこも可愛い
    けど。逆に、ずーーっと何考えてるんだろうと思うの。
    誰にも邪魔されない、自分だけの時間。私もほしいなぁ
    って」
    「へぇ……まぁゆかりの学校もレベル高いからなぁ」
    「剣道の練習もあるし、宿題も多いし、もう休む時間も
    ないくらい」
    「頑張ってるなぁ……俺ももっと頑張らないとな。勉強の
    やりがいってのも感じとれてるし。ゆかりには負けない
    ようにしないと」
    「ふふっ」
    恋人みたいな間柄でも、まだライバル意識は残っている
    のだ。学校は違えど、レベルはだいたい一緒。まだこれ
    からもライバル関係は続いていく。
    実際、ゆかりと親しくなってから勉強が苦にならなく
    なっていた。毎日が充実しているようだ。
    このまま高校まで続くのから全く分からないけど、ずっと
    こんな日々が続いたらなぁという、おっさんくさい思考
    になってしまった。

    「で、結局さ。しょーは何なの?好きな動物」
    「うーん……犬じゃムリ?」
    「それじゃあ私が深く語ってたのが恥ずかしくなるから
    ムリ」
    「犬だって、俺にとっては心の癒やしだって!俺んち、
    母さんが動物ムリだから何も飼ってなかったからか、や
    っぱり犬を飼いたいっていう気持ちも強くて、だから犬
    が可愛くて、それで……」
    「はい、しゅーりょー。何言ってるかさっぱりなので
    もういいよ。ちゃんと国語勉強しましょう」
    「はは……」

    ずっと動物を見て回った。まるで初めて来た幼稚園児の
    ように。本物の幼稚園児たちと一緒になったりもした。
    今までこんな時間がなかったぶん、全然素直じゃない
    ぶん、こんなふうになってまでもはしゃぐのが楽しかっ
    た。
    でも、まだ手をつなぐのには慣れなかった。

    「あー。楽しかった」
    「俺は疲れた……」
    「疲れるの早っ!」
    「ゆかりは疲れてない?」
    「私はぜーんぜん!ダテに練習してるわけじゃないから」
    ゆかりは自慢そうに話す。最近気づいたけど、ゆかりは
    自慢そうに話すとき、必ず指を立ててくるくる回す。
    最初は俺も心の中で面白がってたけど、だんだんそんな
    仕草にもドキドキするようになってしまった。
    ゆかりも何か俺の仕草とかに気づいてるのだろうか?
    「そういえば、しょーの学校ってこの近くだったよね?」
    「うん。ここからちょうど1キロ。もしかして見たい?」
    「折角だし見たいなぁ。最近建て替えたんでしょ?私、
    見たことないから」
    「うーん……まだ3時だし、歩いて行こっか」
    「よしっ!」
    ゆかりのこの笑顔が、俺はずっと見たかったのかもしれ
    ない。そして、ずっと大切にしたい。
  • 20 ほし id:/.U3sVX.

    2011-12-30(金) 01:31:25 [削除依頼]
    かれこれ年の終わりが近づいた。
    今日は私学大会の日。
    去年の今日、俺とゆかりは直接ではないけど、出逢った。
    「来年こそは選手として直接話そう」という目標はすで
    に半分達成したが、今日、それも全て達成できる。
    俺は副将として、ゆかりは中堅としてそれぞれの試合に
    臨む。
    会場は今年も家から近いH中学校で行われるが、去年とは
    違い俺も選手なので、学校で集合だった。
    無事会場に着き、早く着替えを済まして、ゆかりを捜した
    ……が、まだS学園自体来てなかった。
    一応仲間でアップをしてもう一回探すと、S学園の生徒が
    少しずつ着替えを終えてきているようだ。ゆかりはまだだ。
    去年も今年もレギュラー入り出来なかった松本が近づいて
    来た。
    「なぁ村上。お前の彼女の名前、ここに載ってる」
    「うるさい、なつみ」
    実は、ずいぶん前にゆかりと学校まで歩いたとき、不運
    にも松本とはち合わせしたのだ。それだけだったらよか
    ったものの、松本は学年全体に広めやがった。
    それも、俺が2年のとき、松本の彼女の名前を言いふら
    した上、松本をずっと彼女の名前の「なつみ」と呼んだ
    からだけど。

    「なぁ、彼女どこ?」
    「別に見なくていいだろ、向こう行け」
    「えー?なんで?」
    「もういいってきのこ!ジャマだから」
    でしゃばりな上にしつこい松本。いじるのは面白いけど
    、ひっついてくるのがすごくうざったい。
    離れそうもないので、俺から逃げた。

    ゆかりは見つけたものの、去年と同じような状況で、
    松本もいるし、試合の前に声をかけたかったけど、その
    まま開会式が始まってしまった。
    こうなってしまった以上、ゆかりのことを考えるのは
    よくない。副将として、チームに貢献できるようにしな
    いと。
    ゴメン、ゆかり。今だけはゆかりを忘れて、試合に集中
    する。ゆかりも頑張れよ!
    そのまま俺の頭からゆかりが消え、試合に関することしか
    残らなくなった。

    たまたま同じグループの他のチームがそんなに強くなか
    ったからか、どうにか決勝トーナメントに進出できた。
    もう1時をまわる。昼飯を食べないといけない。
    「なぁ村上、飯食おうぜ」
    「あーあー。なぁ福島。飯食おう」
    「おぅ、いいぜ」
    「ちょ、村上?」
    「うるさいなつみ」
    「うるさい、きのこ」
    部内で一番仲のいい福島と飯を食う。
    「お前、おにぎり2個でいけるか?図体デカいのに」
    「いや、食いすぎたら体重くなるから」
    「あ、そうかなるほど……。さっすが福島!俺もちょっと
    残そうっと」
    さすが剣道バカだ。なるほどと思える。
    「あっ、ちょっとトイレ行ってくる」

    トイレ行く途中で貼ってあった男子の決勝トーナメント
    表を見た。O学院の名前がある。
    あまり強くないのに、決勝トーナメントに行けるという
    のは名誉なことだ。
    だが、他には10年連続優勝のU中学校がいる。流石に
    優勝はできないだろう。
    S学園もいた。
    「あっ、そういえば女子の方はどうだろう?」
    ゆかりのことを思い出した。今まで思い出せなかった自分
    がバカに思えた。なんで呑気に飯を食えたんだ?

    女子の決勝トーナメント表にはS学園の文字はなかった。
    つまりは、ゆかりは予選リーグ敗退ということだけど、
    S学園がいないことさえ俺には理解できない。
    なんで?ゆかりは一生懸命頑張ってたのに……。
    ゆかりだけじゃない。他の人だって、ゆかりと同じ目標
    を持って練習してたはずだろ?
    そうだ。ゆかりは?ゆかりはどこだ?
    悔しいに違いない。泣いてるかもしれない。
    俺がなんとかしなきゃ……って今、何ができるってんだ。
    俺を見ただけでゆかりは泣くんじゃないか?
    そんなことさせたくないし、俺だって見たくない。

    ゆかりは見つからずだった。
    時間は待ってくれない。もうすぐ決勝トーナメントが
    始まる。流石に諦めて、トイレを素早く済ましてから
    俺も戻った。
    「遅かったな。弁当、片付けてあげたぞ」
    「あぁ、ありがとう松本」
    「三回戦は多分U中学校かな」
    「マジで!?ヤバいなぁ。そこで終わりか」
    「終わりっつっても、ベスト4だけど」
    「あ、それでもいいか……とりあえず、負けはナシで
    いこうな、福島!」

    ゆかりも、もしかしたらどこかで見てくれてるかもしれ
    ない。そう信じよう。まだ男子の方は残ってるんだし。
    今は集中。
    俺の頭はまた、試合だけになった。
  • 21 ほし id:/.U3sVX.

    2011-12-30(金) 02:17:47 [削除依頼]
    ベスト8。
    M学園に負けた。弟が通う中学校だ。確かにあそこは
    強い。
    でも、O学院がベスト8までいったのはスゴいことだと
    思える。顧問も「よぅ頑張った」と言うし、先輩らも
    「今年の中3は強いなぁ」とか言う。
    着替えの時は散々からかわれた。
    「村上、なんか熱かったな」
    「なぁ、そうだろ?途中《はいぃっ!!》とか叫んで
    たし」
    「マジで!?全然覚えてない……」
    「それだけ集中してたってことだな」
    「あっ、そうかもしれません」
    なぜか俺は集中しすぎると自我を忘れるらしい。
    先輩には誉めてもらえたけど、なんか恥ずかしい。
    ゆかりも何て言うのか……

    ……あれ?ゆかり……?


    校門にもゆかりはいなかった。
    太陽が西に傾き、だんだんオレンジ色に変わる。
    今日は晴れだってこと、全く気づかなかった。

    仲間の話にも入らず、ただ1人でずっとゆかりを心配
    していた。
    あそこにはもういなかった。んじゃあ、もう帰ったのか?
    朝も話せなかったのに、試合後も話せなかったんじゃ
    俺の目標が……
    いや何言ってんだよ。ゆかりは試合に負けてショックな
    んだ。俺のことなんてどうでもいい。ゆかりの好きに
    させないと。
    でも……こんなことしかできないのか、俺は……

    「なぁ村上」
    「……何?」
    「彼女はどうした?」
    ……俺らのことも知らずに、このキノコが。
    「……それより、なつみのこと心配しろや、ボケ」
    「うるさいなぁ」

    ゆかりのことで口が悪くなるなんて。
    ほんっとに最低だな、俺。


    最寄りのK駅に着いた。このまま家に帰った方が近いけ
    ど、荷物を学校に置いておかないといけない。
    面倒くさいと思いつつも、駅舎の階段を昇る。

    下のロータリーからバスのクラクションが聞こえた。
    思わずそっちに向いてしまう。

    その時だ。

    視界の片隅に、見覚えのある人影……竹刀袋が目についた。
    ……ゆかり?間違いない。ゆかりだ。
    「ふじっちょ!」
    「なに?」
    「ちょっと俺、向こう側の散髪屋で髪斬れって言われて
    たから、今行ってくる!先戻ってて!」
    「おぅ、分かった。じゃあな!」
  • 22 ほし id:/.U3sVX.

    2011-12-30(金) 03:40:54 [削除依頼]
    ベンチに座って呆然としている竹刀袋などを持った女子
    学生……ゆかりに、後ろからそっと近づいた。
    人通りも多いので、変に思われないよう、そっけなく
    近づく。
    俺が後ろに立っていても、ゆかりは気づかない。
    どこを見てるのかと、ゆかりの向く先を見ると……
    マンションしか建っていない。

    肩を触ろうにも、なぜか今のゆかりに触れてはいけない
    気がした。全然かけてあげる言葉が思い浮かばない。
    じゃあ何をすればいいんだろ?それさえ分からない。

    ……とりあえず、何かきっかけを作らないと。
    お茶でもあげたらいいかな?


    コンビニでペットボトルの温かいお茶を買い、ゆかりの
    所へ戻った。まだマンションの方を見ている。

    首筋にこれをあてるといいんじゃないか?温かいし。
    でも、マフラーをしている。
    なら、ちょっとアレだけど、頬にあててあげるのは?
    温かいし。そうしよう。


    後ろからそっと近づき、お茶を頬にあててあげた。

    「わっ!?なに!?」
    「あ、ゆかり?俺だって」
    「しょー……」

    泣いてはいなかった。それだけでも良かった。
    でも大丈夫なのか?

    「あー……しょー、おめでとう。ベスト8いけて」
    「見てた?」
    「うん。なんか叫んでたね、しょー」
    「あ、それ?なんか……俺はよく覚えてなくて……」

    こんな話じゃダメだ。まずは謝らないと。

    「あの…さ……。ゴメンな」
    「え?何が?」
    「その……声、かけられなくて。実は、試合も全然見れな
    かった……」
    「いや、別にいいよ。ていうかさ、見られた方が恥ずか
    しかったもん。見てくれなくてありがとうだよ」

    これには驚いた。なぜか俺は怒りを覚えていた。
    見てくれなくてありがとう?
    俺はゆかりにとってそんな認識だったのか?

    「それはないだろ?ゆかりだって、他の人だって頑張っ
    ただろ?そんな悲しいこと、俺に言うなよ!」
    「ううん、そうでもしないと、私……」
    「ゆかり……」
    「私のせいで……!」

    その瞬間、ゆかりはベンチから立って走った。

    「あ!ゆかり!!」

    俺も荷物を置いて……お茶だけ手にして走った。
    冷たい冬の風が顔に吹きあたる。
    気づけばゆかりは踏切を渡っていた。その時、踏切が
    鳴り始めた。ここからじゃ間に合わない。
    ゆかりは踏切を渡って右……駅舎の方に曲がった。
    そこなら俺も駅舎を横切っていける!
    二段飛ばして階段を駆け上がる。
    俺も全速力で走る。
    荷物なんてどうでもいい。奪われはしないだろう。
    とにかくゆかりに追いつかないといけない!

    反対側に渡り階段を降りる時、ゆかりが前の道を走って
    いくのが見えた。どうやらこっちが速いようだ。

    「ゆかりぃ!!」

    叫んでも止まってくれない。何か切羽詰まったものを
    ゆかりの背中から感じた。
    試合に負けただけじゃない……?

    ゆかりは道から外れた坂道を下る。そこは路地になって
    いて、行き止まりなはずだ。
    追いつける!
    案の定、ゆかりは行き止まりで止まってくれ、俺も追い
    ついた。
    電車の音と、風の音と、2人の息切れだけが聞こえる。

    息も落ち着いた俺は、早速ゆかりに話しかける。
    「ゆかり……なんで?」
    ゆかりは後ろを向いたまま、何も答えない。
    まだ肩が上下に動いていた。
    「あ、大丈夫?まだなら……」
    「なんで私の心配ばっかりするの?」

    いつもより語尾が高くなっていた。
    「しょーはずっと私に気遣ってくれて……なんか私自身が
    情けなくて……」
    「いや、そんなことは……」
    「うそ!私もだけど、しょーも素直じゃないの、知ってる
    から!」
    内心焦った。まさか俺がそういう風に捉えられてたとは
    思いもしなかった。
    確かに、最初は女子にどう付き合えばいいのか分からず、
    ネットの掲示板で聞いたりもした。
    でも結局、こんなんじゃ何も意味ないし、本当の自分の
    ほうが気が楽だし、ゆかりだってその方がいいだろうと
    思って素の自分で接するようになった。
    よもや、それが裏目にでてるとは思わなかった。
    ゆかりがそれほどまで気にしてたなんて……
    俺は……なんて……

    「……ごめん。本当にごめん。ゆかりがそうやって思って
    たなんて。俺、本当に何て謝ればい……」

         ギュッ

    「えっ……!?」
  • 23 ほし id:/.U3sVX.

    2011-12-30(金) 03:58:38 [削除依頼]

    気づけば、俺はゆかりに抱きつかれていた。

    女性特有のやわらかい感触と、ゆかりの温かさが伝わる。
    温かくても、俺の体は思わずこわばってしまう。
    心臓がバクバクする。
    女子に抱きつかれたことなんて初めてだ。

    ゆかりは俺の肩で泣いていた。ずっと泣いていた。
    ずっとこのままで抱かれていたい。

    俺は腕をゆかりの背中にまわす。

    いや、ずっと抱きしめていたい。
    ゆかりの抱きしめる力も、ちょっと強くなった。

    「大丈夫だよ」
    優しく頭を撫でながら囁く。
    「俺は、斎藤ゆかりが好きなんだから。素直じゃない
    ゆかりが大好きだから。気にしなくたっていい。俺が
    守ってあげるから。だから、泣かないで。
    俺がずっと守ってあげる……」

    今はもう、ゆかりの全部が愛しい。例え、それが恋愛の
    域を超えたっていい。
    俺は、斎藤ゆかりが大好きだから。

    「……うん、私も……」

    ゆかりは顔を上げる。泣き止んでいた。
    俺が背が高いせいで、俺が見下げ、ゆかりが見上げる
    状態になってしまっているけど、別にいい。

    まっすぐ見つめ合えればいいんだ。

    言葉では言い表せなくても、目がゆかりの今の気持ちを
    教えてくれる。
    俺の、この気持ちも、伝わってるはずだ。

       守ってあげたい。
       そして守られたい。

    そんな想いで、キスをした。
    ずっと、息が切れるまでキスをした。
    体が温かいゆかりも、唇だけは冷たかった。
  • 24 ほし id:/.U3sVX.

    2011-12-30(金) 11:23:35 [削除依頼]

    epilog.

    「あなた。来週は結婚記念日よ、覚えてる?」
    「覚えてるって」
    そのプレゼントももう用意してある。
    ただ、サプライズなので、まだ秘密にしないといけない。
     
    「もう20年経つのか……」

    現在、俺は検事に、ゆかりは小児科と内科の病院を持って
    いる。2人とも夢を叶えることができた。
    子供もいる。15歳の恵梨と、12歳の祐貴。
    恵梨は難しい年頃だが、2人とも立派に育っている。
    なるべく、俺が子供のときイヤだなと思った親のしつけ方は
    しないようにしている。あまりストレスを与えないよう
    に育ててきた。

    恵梨が中学受験して、いつかは母さんの後を継ぐっていう
    のも、祐貴が勉強が嫌いだから普通の公立に行くってのも、
    理由だけ聞いて何も咎めずに許した。
    理由を聞いたとき、本当に立派に育ってくれてよかった
    と感動してしまったような気がする。

    「でも、私たちが出逢ってからは……もう30年ちょっと
    経ってるのね」
    「あ、もうそんなに……」
    「途中、別れたこともあったわね……」
    「あぁ、そんなこともあったなぁ」

    高2の時、その話はゆかりからもちかけてきた。
    来年は大学入試を控え、勉強でも必死な時期だ。
    2人の目指す大学は同じ。今は勉強に集中したいという
    ことだった。
    俺もそんな状況だし、完全に別れるわけでもないし、
    ゆかりのためになると思って了承した。

    「実は俺以外に男がいたんじゃないか?」
    コップに残ったビールを飲みながら言った。
    「失礼ね。そうだったら浪人してるだろうし、第一私は
    あなたの言葉をずっと……」
    「言葉?俺の?」
    「うん。あなたが忘れてるのなら仕方ないけど。私に
    とっては今も支えの言葉になってるの」
    「うーん……思い出せない」

    俺がゆかりに話した回数なんて星の数ほどある。
    「一体いつなんだ、それ」
    「ちょうど今の恵梨と同じ時かしら。ふふっ」
    「……笑顔が可愛い?」
    「ふふっ秘密。でもヒント。初めてキスしたときに、
    あなたが言ってたわ」
    「ファーストキス!?んなもん、そんなに早くしたっけ?
    ……分からん、教えろ」
    「ふふっ。秘密」

    今日は昔の思い出話に花が咲いた。
    あの頃は本当に輝いていたなぁ。
    でもこうして「今」があるのも、恵梨や祐貴がいるのも
    ゆかりに逢えたからだ。

    ありがとう、ゆかり。

    心の中で礼を言う。
    会いたかった君に、娘に、息子に。

    本当にありがとう。

    いつまでも、俺が守る。
    ……守る?
    もしかしたら、答えはこれかもしれないな。

    俺も、ゆかりと一緒に笑った。


    fin.
  • 25 ほし id:/.U3sVX.

    2011-12-30(金) 11:37:05 [削除依頼]
    短編、と書いたはずですが、一話が膨大な文字数に
    なってしまいまいた。すみませんm(_ _)m

    この話は前にも書いたとおり、半分事実で、半分創作
    です。当然、epilogは創作ですけど……(^_^;
    名前も仮です。本当の名前とは違います。

    以下、言いたいことは、前と同じです。
    「感想ください」ってことです。

    「何か」を感じ取ってほしいな、と思っています。

    感想は頂けなくても、読んでくれたみなさん、
    本当にありがとうごさいました!
    ていうか、読んでない人は読んで、感想ください!

    なお、「会いたかった」が完結したので、
    「水色」が再開します。
    これもぜひ、最初っから読んでくださいな!(●´∀`●)
    長編だけど。
  • 26 ほし id:/.U3sVX.

    2011-12-30(金) 11:42:29 [削除依頼]
    あっそうそう。
    残り36時間余りで2012年。
    来年は辰年かぁ(●´ω`●)

    インフルとかはかからないでくださいね。

    みなさん、
    よいお年を〜〜ヾ(≧∇≦)
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