キミに捧ぐセレナーデ235コメント

1 狐 id:MCn70wi.

2011-12-18(日) 20:19:29 [削除依頼]

〜A thought of KANAME〜


―『恋は突然落ちてくるもの』

どこかで誰かが言っていた。

でも、僕には絶対に当てはまらない。
なぜなら僕は女が嫌いだから。

ふわふわしてて、背丈が小さくて、すごく細い。
男とは比べ物にならないほど弱いんだ。
だから嫌い。それなのに・・・・・・

どうしてなんだろうね?
女の中でもすごく弱い部類に入る君のことを
どうして好きになったんだろうね。

僕にもわからないさ・・・。


―『恋は突然落ちてくるもの。誰にも予想はできない。
  まるで、枝から地面に向かってひらひらと舞い落ちる
  桜の花びらのように・・・・・・』

どこかで誰かが言っていた・・・・・・―
  • 216 狐 id:It3zFVx1

    2012-09-10(月) 16:58:14 [削除依頼]
     調理場に着くと、すでに材料を準備している人たちもいる。
     先生たちは生徒の調理に参加しないらしく、自分たちは自分たちで調理を開始していた。
     
     
    「えーと、私たちは一組の三班だから……あった、向こうの調理場だ!」
     
     
     むんずと腕をつかまれて、半ば引きずられるように私は調理場へと歩いて行った。
     そこにはもう班員皆が来ていて、どうやら私たちが最後に着いたらしい。要君はというと、端のほうで口を結んで佇んでいる。
     私がぼうっとしてたせいだから、なんか皆に申し訳ないなぁ。
     
     
     
    「お待たせー! いやー、遅れてごめんね」
     
     
  • 217 狐 id:It3zFVx1

    2012-09-10(月) 17:01:30 [削除依頼]
     頭をかきながら謝る香苗ちゃんの横で、私もぺこりと頭を下げる。
     だけど待っていたことなんてこれっぽっちも気にしてないよ、とみんな笑い飛ばしてくれた。要君は視線が合うとすぐにそっぽを向いてしまった。でも、怒ったりはしなかった。
     こんなにやさしい人たちを待たせてしまって本当に申し訳ない気持ちになるけど、そうする暇もなく、
     
     
    「よし、さっそく調理開始!!」
     
     
     向かいの真ん中にいたショートヘアーの女の子の一声で、私たちは調理に取り掛かった。
     
     
     
     
     調理場には野菜やお肉など、必要な材料が人数分だけ置かれていた。
     もしや、私たちを待っている間に準備してくれたのだろうかと思って一緒に洗い場でジャガイモの土を洗い流しているさっきの女の子に声をかけると、「元から置いてあったんだよ」と教えてくれた。
     
  • 218 狐 id:It3zFVx1

    2012-09-10(月) 17:12:04 [削除依頼]
     班員が決まった時、改めて全員が全員に自己紹介をしたから、彼女の名前はよく知っているけど……。
     そう簡単に呼ぶことが出来ずにいる。
     なんというか、タイミングが掴めないんだ。
     
     
    「椎名さんってお人よしだよね」
     
     
     不意に話しかけられて思わず持っていたジャガイモを落としそうになった。
     いきなりっていうのは、やっぱり慣れないなぁ。
     
     
    「あ、変な意味じゃなくてね、優しいっていうか、和むっていうか……」
     
     
     私が彼女の言葉を悪い意味にとってしまったから驚いたと思ったのか、慌てて言い直していた。
  • 219 狐 id:It3zFVx1

    2012-09-10(月) 17:19:33 [削除依頼]
     
     
    「あ、ありがとうございます」
     
     
     突然褒められたことに思わず赤面してしまう。
     心の奥がじわーっと熱くなる。こういうのって、嬉しいなぁ。
     
     
    「お礼を言われるようなことじゃないよ。思ったこと言っただけだからさ。ほんと、同じ班になれてよかったなあって思うよ」
     
     
     日に照らされて、少し茶色いのがオレンジっぽく見えるショートヘアーを揺らしながら、彼女は屈託のない笑顔を作ってくれた。
     その表情を見るだけで、そう心の底から思ってくれているんだと思うことが出来る。
     
     
    「ありがとう」
     
     
     私も微笑みながら、精一杯の思いを込めてお礼の言葉を言った。
  • 220 狐 id:ZJ28JSD.

    2012-09-12(水) 20:11:13 [削除依頼]
     蛇口から流れ出る水でジャガイモを洗いながら、ふと顔をあげてみる。
     私たちが使っている洗い場は細長い形状をしていて、蛇口が所狭しと並べられている、いかにも野外学習で使いそうな感じの洗い場だった。
     もちろん、その蛇口はたくさんの生徒でにぎわっている。
     みんな班員の子とか仲の良い子と話しながら作業しているはずなのだけど……。
     
     
    「いやー、二人とも仲がいいね」
     
     
     目の前の水道を使っている女の子に声をかけられた。
     その子の顔はよく知っていた。斜め前の席の子だったからね。
     そんな彼女に声をかけられたことにも驚いたけど、誰も先刻のやり取りを聞いていないと思っていたから、聞かれていたことに、正直驚いた。
     
     
    「そうでしょそうでしょ。だって私たち運命の赤い糸で結ばれてるもん」
     
     
     にやっとしながら冗談を言う、右隣にいる班員の女の子。
     彼女の言葉に、目の前の女の子はふはっと吹き出していた。
  • 221 狐 id:ZJ28JSD.

    2012-09-12(水) 20:18:36 [削除依頼]
     
    「なんか楽しそうだねー」
     
     
     彼女たちの話を聞いて、辺りに居た同じく野菜を洗いに来ている女の子たちが話に入ってきた。
     たまたま全員クラスメートだったこともあって、話に自分の事が挙げられていても、あまり緊張はしない。
     ま、間接的に話に挙げられてるからなのかもしれないけれど。
     
     
    「いやー、私たちがどれだけ愛し合っているかという話ですよ、一組のみなさん」
     
     
     調子を変えず、ハイテンションなまま答え続ける班員の女の子。
     いきなりとんでもないことを言い出したにもかからわず、嫌味は全くなかった。
     それが辺りに居た皆にも伝わったのか、時にツッコミを入れながら笑っている人が多い。
     
  • 222 狐 id:ZJ28JSD.

    2012-09-12(水) 20:26:42 [削除依頼]
     私も彼女に振り回されながら、みんなと笑い合っていた。
     一通り笑いが収まったところで、隣の女の子が声をかけてくる。
     
     
    「ごめんね、いきなり巻き込んじゃって。でもやっぱり、あそこはボケるべき場所でしょ」
     
     
     自分なりの笑についての思いを語りながら、微笑を浮かべて話しかけてくれた彼女。
     私は巻き込まれたことが全然嫌じゃなかった。むしろ楽しかったと言っていいぐらいだ。だから……。
     
     
    「気にしないで。私も楽しかったもん」
     
     
     素直な気持ちを口にしただけだった。
     つまり私自身、気を使って言ったわけじゃなかったんだけど、
     
     
    「椎名さんって優しいよね」
     
     
     辺りにいた女の子たちの内、数人の声が重なって聞こえた。
  • 223 狐 id:ZJ28JSD.

    2012-09-12(水) 20:32:54 [削除依頼]
     彼女たちに乗っかるように、他の子たちも頷いているのがわかる。隣にいる面白くて明るい女の子も、目の前にいる話しかけてきた子も、そろって頷いていた。
      
     
    「私なんか、全然優しくないよ!!?」
     
     
     焦りすぎたからなのか、思わず声が裏返ってしまう。
     私のその行動に微笑みながら、一人の女の子が言ってくれた。
     
     
    「なんていうか、醸し出してる雰囲気が優しい人そのものだよね」
     
  • 224 狐 id:RgyzyiF/

    2012-09-13(木) 17:07:30 [削除依頼]
     
    「そうそう、椎名さんになら何でも相談出来ちゃいそう」
     
     
    「いつも周りをきちんと見てるから、細かいところまで気にかけてくれてるよね
     
     
     口々に発せられた褒め言葉に、頭が混乱してしまう。
     私はなかなか人前に出ることが出来なくて、自分から話しかけることもできなくて、ただそれだけなのに……。
     どうして皆はこんなに優しいのだろうか。
     ぐるぐる回る疑問符で頭がいっぱいになりかけたとき、隣にいた女の子に話しかけられた。
     
     
    「みんな、何だかんだでわかってるんだよ、椎名さんの気持ち。なかなか前に出ることが出来ないっていう、ね。それに、椎名さんがほんとはすごく優しいっていう事も」
     
     
     彼女は苦笑しながら言葉を続ける。
     それは、私にとって涙が出そうになるほど嬉しい言葉だった。
     
     
    「椎名さんは、私たちの大事な友達だもんね。気さくに話しかけてよ」
     
     
     満面の笑みで言われた言葉。
     周りにいた皆もそろって頷いている。
     
  • 225 狐 id:RgyzyiF/

    2012-09-13(木) 17:15:04 [削除依頼]
     入学して高校に入って、まだほんの三か月足らずだけど、皆がこんなに私を受け入れてくれているっていう事がとても嬉しかった。
     思わず流れそうになった涙を見て、隣の女の子が言ってくれた。
     
     
    「あー、泣かせるために言ったんじゃないんだからね」
     
     
     彼女はまたもや苦笑しながら頭をかいている。
     私はあわてて涙を拭うと、皆に向きなおって言った。感謝の言葉を。これ以上がないくらい思いを込めて。
     
     
    「ありがとう……!!」
     
     
     微笑みながら言った言葉は、無事に皆のもとに届いたらしく、微笑みを返してくれる彼女たち。
     私はもう少しばかりこの雰囲気に浸っていたかったんだけど……、
     
     
    「なーに青春ドラマ的な事をやってるのさ」
     
     
     聞き覚えのある声が耳に響く。
     むんずとジャージの襟首を掴まれるのとその声が聞こえるのは同時だった。

     
  • 226 狐 id:RgyzyiF/

    2012-09-13(木) 17:24:15 [削除依頼]
     
    「香苗ちゃん!?」
     
     
     声の主であろう人物の名前を叫びながら首を後ろに回すと、思った通りの人物がそこに立っていた。
     出来る女といった雰囲気のある、長袖ジャージの上下に腕を通した彼女は、微妙に顔をひきつらせていた。
     
     
    「みこと、こういう場面で言うのもなんだけどさ、あんたたちがジャガイモ持ってこないから調理が進まないんだよね……」
     
     
     香苗ちゃんは言葉の最後に出来た間に、少々の怒りをにじませながら言葉を続ける。
     左手で私の襟首をつかみ、空いた右手で隣にいる班員の女の子の襟首をつかんだ彼女の放つオーラは、誰にも逆らうことが出来そうにないほどのものだった。
     
     
    「さあ、さっさと調理台に戻るよ!!」
     
     
     半ば引きずられるようにしてジャガイモ片手に水道を離れていく私と隣の女の子。
     そんな私たちを見送る水道にいたクラスメイト達は、笑いながら手を振っていた。
  • 227 狐 id:RgyzyiF/

    2012-09-13(木) 20:16:15 [削除依頼]
     
     
    「……あの、香苗ちゃん?」
     
      
     ずるずる、という効果音がぴったりなさまで引きずられてから数十秒。
     ジャージの襟首を掴まれて引きずられて、しかも尋常じゃないオーラを放つ彼女に話しかけるのは、相当な勇気がいることだった。
     正直、このまま黙って連れ去ってほしいくらいだったけれど、そうもいかない。
     だってさ、そろそろ首が閉まってきてるもんね。視線を横に向けると、同じく引きずられている女の子も私と同じ状態だった。
      
     
    「あ、ごめんごめん」
     
     
     さりとて先刻のほんの少しの怒りのオーラを出すわけでもなく、香苗ちゃんは普通に手を離してくれた。
     引きずられていた私たちは同時に肩で息をしながら、彼女に視線を移す。
     
     
    「……ほんと、死ぬかと思いました」
     
     
     ぜいぜい、と息をしながら共に引きずられた女の子が声を上げる。私も隣で首を縦に振っていた。
      
     
    「その件に関してはごめんなさい。しかしね、私たちはおなかすいてるっていうのに二人が皆と話してるからさぁ、ちょいとイラっとしてしまいましてね」
     
     
     にっこりと満面の笑みを浮かべる香苗ちゃんだけど、その笑みが私たちには悪魔の笑みに見えて仕方がない。
     だからなのか、二人とも同時に深々と頭を下げて謝った。そんな私たちを見て、よろしい、なんて笑いながら言ってる香苗ちゃん。
     そして私たちは三人とも顔を見合わせて、無邪気な子供みたいに声を上げて笑った。待ってくれている男の子たちには悪いけどね。
  • 228 狐 id:3uD.oBh1

    2012-09-14(金) 17:00:04 [削除依頼]
     
     
     
     
    「おーそーーーい!!!!!」
     
     
     調理場に着くなり、男の子たちに空に轟くような大声で叫ばれた。腹減った、と自身のお腹をさすりながら訴える彼達は、本当にお腹が空いて死にそうっていう顔をしている。
     ところが要君はというと、ただただむすっとした表情で調理場の木で作られた椅子に腰かけている。一瞬、彼はそこまでお腹が空いているわけでもないのかと思うけれど……。
     放つオーラは明らかに怒りのオーラだった。
     お腹空いてるのに私たちが早く来ないから、怒ってるんだろうな。
      
     私ともう一人の女の子は同時に頭を下げながら、皆に謝った。そして、手にしていたジャガイモをまな板の上に置いて、急いで調理に取り掛かる。
     その行動を見て他の班員たちも、一斉に動き出した。
     と言ってもすでにご飯は炊き始めていたし、他の具材は調理を終えていたので、私たちが手にしたものを調理し終えるまでは、することもなかったんだけど。
     
     
    「……椎名」
     
     
     鍋に入った炒め終えた豚肉の上に切り終えたジャガイモや他の野菜を入れようとしている時、不意に要君に声をかけられた。
     何か手順でも間違えたのかと慌てるが、そういうわけでもないようだ。
     私の隣に立つと要君は、
  • 229 狐 id:3uD.oBh1

    2012-09-14(金) 17:11:57 [削除依頼]
     
     
    「来るの遅い。僕だって腹減って死にそうだったんだから」
     
     
     こつん、と私の額に握り拳を当てると、ふっと微笑んできびすを返して歩いて行ってしまった。
     私はその場で放心する。
     今、何が起こったのだろうか。要君が隣に来て、それで来るの遅いって言われて、それで……。
     
     額をこつんって…………。
     
     今しがた起きた状況を理解するのに、数十秒ほどかかってしまった。それぐらい今の行動は、今までの要君の行動を考えると眼が飛び出そうになるものだった。いや、最近は何か親しくなってきてると思っていたけど、まさか、こんなことをされるとは。
     私たちの使っている調理場は教室半分ほどの広さで、野外ということもあったのか、他の班員たちは今の出来事に気づいていない様子だった。
     これはこれで幸いだったかもしれない。もし香苗ちゃんに見つかったりしたら、どうなっていたのだろうか。冷めた目を向けられてしまうのだろうか。そう考えると怖くなるけど、不思議と今の要君の行動は嫌ではなかった。というより、むしろ……。
     
     気が付いたら、私の視線は要君の後姿を追いかけていた。
  • 230 狐 id:3uD.oBh1

    2012-09-14(金) 17:43:19 [削除依頼]
      
     それから、野菜に火が通ってルーを入れてカレーが出来上がるまで、そう時間はかからなかった。
     ご飯が炊きあがるのとカレーが出来上がるのは同時で、辺りに良い匂いが立ち込める。それはこの広場にあるほとんどの調理場も同じらしく、所かしこからカレーのにおいが立ち込めていた。
     
     
    「おお!! っしゃ、昼飯できたぜ!!」
     
     
     要君とは違う二人の男子が手をたたき合った音を合図にしたかのように、私たちはカレーをよそった。
     お皿の上に盛られるカレーライスはそれぞれが自分の食べる量を入れるという方法でよそったため、その量には個人差がある。要君のお皿には以外にも、相当な量が入っていた。ま、男子としては普通なんだろうけれどさ。私よりははるかに多い。
  • 231 狐 id:N64CY9b.

    2012-09-16(日) 09:32:39 [削除依頼]
     カレーライスは、皆で騒ぎながら作ったからなのか、とても美味しかった。
     どうでもいいような世間話をしながら昼ご飯を食べ終わったころには、すでに時刻は午後となっていて、すべての班が片づけを終えて集合し終えたころには、おやつ時となっていた。
     
     
    「次の行動は知ってのとおり、宝探しだ」
     
     
     よく見れば口の周りにカレーを付けている先生が、生徒全員を集合させたど真ん中で話している。
     ついさっきまで騒がしく昼ご飯を作ったり食べたりしていた面影などこれっぽっちもなく、話を聞く生徒は静まり返っていた。
     
     
    「班の中で男女一組になってもらう。つまり、班全員で6人だから、一つの班につき3チーム出来るということだな。そしてそれぞれのチームが分かれて宝探しの場所である林に入って、“宝”と書かれた紙を拾って帰ってくるという訳だ」
     
     
     すでに配られたしおりにもルールは書かれているので私たちはやり方を知っているのだが、あえて先生は説明していた。といっても、軽く流して説明したくらいだけど。
     簡単な説明が終わると同時に、腰を下ろしていた生徒は我先にと立ちあがって、班のメンバーで固まりだす。私たちも班員で集まって、どういう組み分けにしようかという話をし始めていた。
  • 232 狐 id:N64CY9b.

    2012-09-16(日) 09:42:29 [削除依頼]
      
     
    「さて、どういう風に分かれる?」
     
     
     少しの間、私たちは頭を唸らせる。
     でも、こういう時はやっぱりせーのでぐっぱーで決めたらいいのではないだろうかと考えていると、香苗ちゃんの一言に、一人の男の子が答えた。
      
     
    「んじゃ、ぐっぱーで決めたらいんじゃない?」
     
     
     私はもちろん賛成。他の班員も全員口々に、肯定の意を示していた。
      
     
    「んじゃ、そいうことにしましょうか」
     
     
     香苗ちゃんの言葉に私たちもそれぞれ頷き合って、せーので手を出した。
     その結果――、
     
     
     私と要君がグーで、一緒に宝探しをすることになってしまった。
  • 233 狐 id:CpYrl370

    2012-09-17(月) 09:02:33 [削除依頼]
     空は微妙には灰色をした雲に覆われている。だからなのか、肌寒さに拍車がかかって、半袖の体操服を着ていた生徒も長袖ジャージを羽織っていた。
     目の前にいる要君も長袖ジャージを着てるけど、周りにいる誰よりも、格好良く着こなしているのは気のせいだろうか。
     
     
    「……まあ、よろしく」
     
     
     私から視線を外しながら要君が右手を出した。
     その表情はいつもと変わらず無表情だけど、まとっている空気が柔らかい。
     もしかしたら、私と一緒に宝探しをすることを喜んでくれているのかな、なんて、淡い期待を持ってみる。
     ……いや、待て待て。そんな期待をするってことは、私が要君に気があるみたいではないか。
     
     ぼんっと音を立てて何かが爆発したような気がした。顔がかぁーっと熱くなる。
     それを隠すように、いそいそと要君の手を取った。
     
     
    「う、うん。こちらこそよろしく」
  • 234 狐 id:CpYrl370

    2012-09-17(月) 09:15:33 [削除依頼]
     
     「お、二人とも気が合ってそうだね。これで私たちの班は優勝間違いなしだ!!」
     
     
     私たちが握手をしてる間に、いつの間にか背後に回っていたのか、香苗ちゃんが私の背中を押してきた。
     宝探しは班対抗で、班を分けて作った3チームが取ってきた宝の紙の枚数で勝敗が決まることになっている。だから香苗ちゃんは私たちが気が合ってるとみて、そんなことを言ったんだろうけど。
     
     正直複雑な心境でもある。
     
     香苗ちゃんは要君の事が好きだったはずだし、こんな私が仲良くしてるのを見て嫌だったりしないのかな、とか考えてしまう。
     彼女は優しいから、私に何も言わないのかな。
     
     
    「どうしたの……?」
     
     
     にゅっと私の前に香苗ちゃんの顔が飛び出てきた。
     私が考え事してるから心配してくれたのだろうか。
     
     
    「なんでもないよ。宝探し、頑張ろうね!!」
     
     
     私はあわてて首を横に振ると、香苗ちゃんに笑いかけた。
  • 235 帽子屋 id:NrTZJL01

    2012-09-17(月) 10:17:29 [削除依頼]
    またもや参上!!
    少し見ぬ間にいっぱい進んでて嬉しかったですヽ(*´▽)ノ♪
    しかし、僕の中で香苗ちゃんは何故か悪者ってゆうイメージが消えないんですよねーw
    まぁ、そんなことは置いといて更新頑張って下さい。
    このコメントが妨げになってなければいいけど←
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