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綺麗なものを彩るためにはそれ相応の、色が必要だ。
だから多分、色のない俺は醜いものなのだろう。
そう自己完結した。皮肉っぽく見えるがこれでも最大限素直に表現しているつもりだ。 -
「せんせーっ！ 体調悪いんでお茶でも淹れて下さーい」
アホなのか。嗚呼、お前はそういえばアホだったな忘れてた。舌打ちを思い切りしたい。眉間の皺が深く刻まれてゆき、口元がひくついてゆくのが自分でもよくわかる。寧ろこの親友とやらに蹴りのひとつといくつかの罵詈雑言を用意してやってもいいくらいに思った。
バスを利用していた他の生徒と同様に奔って教室まで向かえば間に合わないこともなかったのだが昔からサボり癖と気分屋である親友に流され、足を忍ばせた方向は保健室となってしまった俺は頭を抱えた。引き返すのは今からでも遅くはないのではないかとも思ったが保険医の先生は親友の開口一番をに対して呆れるというありきたりなように見えるが実は教員という立場であるなら適切であるはずの選択はせずに、口元に手を添えてくすくすと上品に笑ったから俺はこの流れならいける、と思ってしまった次第である。
それがまた可笑しな偶然を引き寄せてくるとも知らずに。 -
「あなたたち新入生なのかしら？」
何処か聞いたことのあるフレーズだと思った。嗚呼、確かその言葉を聞くのは二度目だったか。 -
きっかけなんてものはいつだって唐突に無差別に、無条件に手当たり次第降ってくる。
虚勢なんて無駄なだけ。 -
初めましてっ、燈香と申します!
ひーるさんの文章が綺麗すぎて
思わずにやけちゃいました///((
更新頑張ってください!楽しみにしてます* -
「あー、そういや一時間目って体育じゃない」
「こりゃもう遅刻とかそういう問題じゃなくなってきたよね」
かちかち。無情にも誰に教えられなくとも正確に一秒ずつ進み、止まることを知らない時間というものが痛切に恨めしく想える。私たち以外生徒が誰ひとりとしていない教室はがらんとしていて少し広く感じさせる。その光景は何処か非現実的で日常から少し浮きだって見えたことがひどく印象的だった。
秒針がその静寂を裂くようにやけに五月蠅く響く。
意表をつかれたような展開に目を丸くしたものの、息を整えながら自分たちの席へと向かう。まだ買って間もなく、真新しいスクールバックを机上に下すと、その動作により手提げ部分に金具でしっかり引っ掛けられているお揃いのキーホルダーが左右に騒がしく揺れた。そしてひと段落着くと結衣はいつものように前触れなく口を開く。 -
「さて問題です」
「……はい？」
「さて問題です」
一見おどけているようにも見えたが言い出した彼女の表情は極めて真剣で、その声色も平坦で冷静だった。私はこんなときに何を考えているんださっさと着替えて体育館に行くぞなどという言葉を掛けることすら忘れて、憂色とそれとまるで裏表のような存在だが実は近しい心づもりで続きを待った。それが間違いだったのかも知れない。間違いは間違いでも、いい間違いをしたんだって今でもそう、確かに想っている。 -
「お茶うめえ！」
「いちいちオーバーだなお前」
「舜也が無感情すぎるんだろ」
何気なく言ったであろうそいつの一言に押し黙る。焼き付いて離れそうにない過去のことを思い出した。無感情だとか冷静だとか目つきが怖いとか落ち着いてるように見えるけど切れたら恐ろしいだとか。噂はいつだって一人歩きしてあっという間に広がる。だから俺は優等生を演じた方が、気が楽だと想う。人生というものはどううまく他人を己の手のひらで転がすかだ。 -
保健室をまるで自室かのように寛ぐ親友に一瞥を加えながらつられるように目の前で湯気を立たせるカップに口を付ける。
消毒液の匂いがつんと鼻腔をくすぐり、一面真っ白で覆われたその部屋は病院の雰囲気を漂わせていた。中央にある長細いテーブルを囲むように置かれているパイプ椅子に俺たちは正面同士で腰を掛けていた。椅子は錆びており少しの身じろぎだけでもぎしぎし音を鳴らすが、不快感はない。
「それにしても入学ちょっとでサボりなんていい度胸ね」
奥の個室から先生のすらりとした脚が視界に侵入し、こちらへ距離を狭ばせる、そのしなやかな足取りに目を奪われる。
綺麗な人だとは想っていたが動きのひとつひとつまでが繊細で、うつくしかった。
教員という立場、生徒という立場は弁えてはいるしそれは好意を持つ対象ではなく美術的な思考に近いもので、畏敬の念を抱く対象と呼んだ方が相応しいのであるが。 -
すごく、内容が好きです！
これからも頑張って下さい！応援してます！
こんなに上手く文を書く事ができるなんて・・・ -
こんにちわ。簗瀬 弥生です。
よく聞かれるので先に言っておきます。ヤナセ ヤヨイです。
とても綺麗な文章で、内容もいいと思います。
私は好きですよ、貴方の文章。
灰那ちゃんは落ち着いた雰囲気。
結衣ちゃんは可愛さ。
舜也君はクールガイなところ。
親友君は明るいところ。
そこが好きですね。
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1 ひーる id:EUz6iAg0
2011-11-18(金) 17:45:21 [削除依頼]「罰ゲームだろ？」
つまるところ、偽物ってことです。