その日、彼は狙われた37コメント

1 Haru id:QO79TZS0

2011-11-02(水) 20:15:01 [削除依頼]
午後5時13分。

賑やかな街に明かりがともつ。

会社帰り、学校帰りの人々が歩く中、

2つの汚れたスニカーが人の波を逆らう。

真っ直ぐ、真っ直ぐ歩いていく。

スニカーは狙っていた。

「その時」を…。


『その日、彼は狙われた』
  • 18 綾香 id:CVYtdqu1

    2011-11-05(土) 13:47:40 [削除依頼]
    面白い!!
    頑張ってください!!
  • 19 Haru id:JuyjpsD/

    2011-11-05(土) 15:15:21 [削除依頼]
    綾香 様へ。

    コメントありがとうございました。
    頑張ります!
    是非また見に来てください。

    これからも
    『その時、彼は狙われた』
    をよろしくお願いします。

    Haru
  • 20 Haru id:JuyjpsD/

    2011-11-05(土) 15:35:06 [削除依頼]
    011#


    秀典は手を差し伸べた。
    その子は司から離れ、秀典の手を握った。
    司は恨めしそうに秀典を見つめている。
    3人は受付へと足を速めた。

    もうすぐ1階の受付に着く。
    しかし司はまだ秀典を見ている。
    右を向いても、左を向いても、視線はずっとついてくる。
    エレベーターに乗った時、遂に秀典は我慢が出来なくなった。

    「何だよッ!?」
    「え、別にぃ。
     羨ましいとかじゃないからな!」
    「うるせぇな。
     お前はいつ…も…。」

    秀典はもう一つの視線に気が付いた。
    あの子がずっと秀典を見ているのだ。
    司とは違う目つき。
    彼の全てを分かっているような目で…。

    「どうした?」

    その子は首を横に振った。
    しかしまだ秀典を見ている。
    その目を見ると全てを吸い込まれるような気がした。
    秀典は怖くなって目を背けた。

    「そういえば、何て名前なの?」

    司はその子に聞いた。
    その子は小さく答えた。

    「ル…カ…。」
    「ルカちゃん?」
    「そう…。」

    彼女の名前は『ルカ』。
    彼女にはある秘密があった。
    しかしその話はまた後で…。

    秀典たちが受付に着くと、待っていたのは。

    「ルカ様ッ!!」
  • 21 Haru id:JuyjpsD/

    2011-11-05(土) 15:48:51 [削除依頼]
    012#


    如何にも紳士らしい老人だった。
    黒いスーツに蝶ネクタイ。
    綺麗な黒髪はオールバックにされている。
    紳士はルカの元へ走ってきました。

    「ルカ様ッ!!
     お怪我は有りませんでしたか…!?」
    「うん、大丈夫。
     この人たちが助けてくれたから。」
    「そうでしたか…!」

    紳士は秀典たちを見て深くお辞儀をしました。

    「誠にありがとうございました。
     是非ともお礼がしたいのですが…。」

    司は焦って言いました。

    「そんな、お礼なんて!
     ただ連れて来ただけですから!
     ところで…あの…。」
    「はい?」

    司は一拍置いて言いました。

    「ルカちゃんは…どういったお子様で…?」
    「どういったと言うと…?」

    紳士は不思議そうに聞きました。

    「いや!!
     大したことでは無いのですが…。
     ルカ?様?と呼ばれていたので…。」
    「ああ、そのことですか!」

    紳士は笑いながら答えました。

    「ルカ様はある財閥のお嬢様でございます。
     そして私はルカ様の執事を務めさせて頂いている
     『小松田』と申します。
     どうぞ宜しくお願いします。」

    紳士はまた深々とお辞儀をしました。
    司は困った風に笑っていました。
    秀典はルカの頭を撫で言いました。

    「もう迷うなよ。」
    「うんッ!」

    ルカは笑顔で答えました。
    小松田はルカを連れ、局を出て行きました。
  • 22 Haru id:JuyjpsD/

    2011-11-05(土) 15:58:34 [削除依頼]
    013#


    「はい、カットです!」
    「お疲れ様でした〜!」

    此処はドラマ撮影現場の公園。
    スタッフたちがある人に集まっている。

    「秀典くん、お疲れ様〜。」
    「今日のシーンも良かったよ!」
    「流石、監督のお気に入り!!」

    『桜葉 秀典』。
    大人気の若手俳優だ。

    「ありがとうございます!
     また明日もよろしくお願いします。」

    笑顔で答える彼は『オモテ』。
    普段の彼はこうではない。

    「ねえ、マネージャー。」
    「何だ、秀典?」
    「ラーメン食いたい。」
    「はぁ!?」

    『ウラ』の彼は性格が悪い。

    「お前、自分のキャラ分かってんのか!?
     『桜葉 秀典』はラーメンなって食べない!」
    「でも食いてぇんだも〜ん!」
    「カップラーメンで我慢しろ。」
    「嫌だ。
     お店で食べたい。」
    「だぁあああもう!!!」

    マネージャーの司は秀典に1000札を渡した。

    「これで食べてこい!
     でも変装して行けよ!?」

    秀典は笑顔で受け取った。

    「サンキュ!」

    そしてそのままラーメン屋と向かった。
    眼鏡をし、帽子も深くかぶり。
  • 23 Haru id:JuyjpsD/

    2011-11-05(土) 16:08:15 [削除依頼]
    014#


    「おじさん!
     醤油ラーメン頂戴。」
    「あいよ!!
     ちょっと待っときな!」

    秀典は店の一番奥の席に座った。
    誰にも見られないように。
    誰にもばれないように。
    誰にもと言っても、店の中には店主とその奥さんしかいない。

    「はい、お待ちどうさん!」
    「ありがとう。」

    わずか10分程度でラーメンはやって来た。
    白い煙を出し、チャーシューメンが2つのっている。
    すると…。

    ガラガラッ

    「いらっしゃ〜い!
     あら?
     お嬢ちゃんじゃない!」
    「こんばんは。」

    客がやって来た。
    秀典は更に深く帽子をかぶった。

    「いつものかい?」
    「うん、お願い。」
    「はいはい!
     お父ちゃん!
     お嬢ちゃんのいつものね〜。」
    「はいよ!!」

    秀典は気が付いた。
    聞いたことのある声に。
    店主でも奥さんでもない。
    今入ってきた客の声。

    「あっ。」
  • 24 Haru id:JuyjpsD/

    2011-11-05(土) 18:15:17 [削除依頼]
    015#


    「ああッ!!!!」

    秀典はいきなり大声を上げた。
    店主と奥さんは驚いて秀典を見る。
    さっき入って来た客は全く動じずに秀典と離れた席に座る。

    「何だい、あんた!
     いきなり大声出して〜。」
    「あいつ…あの女…!!!」

    秀典はあの客を指差して言った。
    店主の奥さんは不思議そうに厨房へと入っていった。
    あの客は何も無かったかのようにラーメンを待っていた。
    秀典は懸命に顔を見ようとしたが、
    帽子を深くかぶっておりよく見えない。
    秀典はあの客に話しかけた。

    「な、なあ…。」

    しーん…。
    客は秀典を無視している。
    秀典は続けた。

    「お前、ソラ…か?」

    ピクッと客の手が動いた。
    秀典は確信した。

    「ソラだろ。」
    「…。」
    「おい、返事しろよ。」
    「…。」

    遂に秀典の堪忍の尾が切れた。

    「違うのかって聞いてん「はい、お待ちどうさん!」

    タイミングよく店主の奥さんが入ってきた。
    彼女は何も言わずにラーメンを受け取った。
    秀典はもう爆発寸前だ。

    「なあ、何で無視すんだよ?」
    「ズズーッ。」
    「おい、返事し「ズズーズーッ。」

    秀典の声がラーメンをすする音で消えた。
    もう我慢の限界だ。

    「このッ!!」

    秀典は彼女の帽子を無理やり取った。
    帽子から出て来たのは…。
  • 25 Haru id:JuyjpsD/

    2011-11-05(土) 18:31:43 [削除依頼]
    016#


    「やっぱお前だったか。」

    帽子から出て来たのは、深緑色の髪を持つ美少女だった。
    無理矢理帽子を取ったせいか、
    彼女の髪は乱れ、顔が見えない状態だった。
    秀典は髪を直そうと彼女の髪に触れようとした。

    「お、おい…。」

    ピチンッ!

    「痛ッ!!」

    秀典は自分の手に痛みを覚えた。
    ソラが彼の手を叩いたのだ。
    手を見てみると真っ赤に腫れていた。

    「おい、これどうしてくれんだよ!?
     明日もまだ撮影あんだからなー!?」

    彼女は鼻で笑った。
    そして店主の奥さんに言った。

    「おばさん。
     この人あの『桜葉 秀典』だよ。」

    ドスドスドスッ!!
    秀典は店が揺れるのを感じた。
    次の瞬間…。

    「ぎゃあああああッ!!!!」

    秀典の目の前に店主の奥さんが現れた。
    その目はまるでハートの形。
    彼女の頬は真っ赤に染まっていた。
    その後のことは言うまでも無い。
    秀典はサインと握手と写真を迫られ、挙句の果てには抱きしめられた。

    「おばさん。
     お金此処置いとくよ。」
    「は〜い!
     また来てね〜。」
    「あッ!
     ちょっと待てよ!!」

    秀典は急いでお金を置き、ソラの後を追いかけた。
  • 26 Haru id:dB4SAmS/

    2011-11-06(日) 18:15:30 [削除依頼]
    017#


    秀典は深緑色の髪の少女を追いかけた。
    彼女の足の速さは段々とスピードを増してゆく。
    秀典は追いつくことが出来ない。
    彼女は繁華街の中へと入っていった。
    しかし人混みの中へ消えていく…。
    秀典は必死に追いかけた。
    そして…。

    「おい、待てよッ!!」

    ソラの手を掴んだ。
    掴んだと言うよりも、
    捕まえた、と言う方が良いだろう。
    彼はソラの腕を掴んだまま人混みを抜け出した。
    すると彼女は秀典の手を振り解き、何処かへ走って行くではないか。
    彼女は細い路地へと入っていった。
    秀典が追いかけると、そこに待っていたのは…。

    「い゛ッ!!?」

    短刀を構えたソラの姿。
    彼女はそれを秀典の喉元に近づけ言った。

    「お前、何なんだ?
     此処までしつこく追ってきて。」

    彼女は更に剣先を秀典に近づける。

    「ま、待て待てッ!!!
     悪かった!!
     だ、だから早くそれを下ろしてくれッ!!!」
    「チッ。
     お前、それでも男か?」
    「はぁ!?」
    「野郎のくせに女に媚びるなんて…。
     やっぱりお前は弱いな。」

    彼女はそう言いながら短刀を下ろした。
    そして大切に鞘へと収める。

    チンッ

    短刀は綺麗な音をして自分の場所へと帰っていった。
    ソラはそれを切なそうに眺めていた。
    目線の先には『龍』の一文字。
    彼女は強く強く鞘を握りしめた…。
  • 27 Haru id:dB4SAmS/

    2011-11-06(日) 20:01:44 [削除依頼]
    018#


    秀典はソラの表情に何も気が付かなかった。
    自分の状況で背一杯だった。
    それも仕方が無い。
    少女に殺されかけたのだから。
    少女を追って路地に入ったら、刀を持った少女に出会い、
    その少女に殺されかけたのだから。

    「…おい。
     いつまでへたばってんだよ?」
    「お、お前なぁ…。
     殺されかけたんだぞッ!?
     そりゃあこうもなるだろ!?」
    「フンッ。」

    ソラは秀典に背を向け、街へと歩き出した。

    「何処行くんだよ!?」

    秀典もソラを追い、街へ歩き出した。
  • 28 Haru id:N8NMpPK/

    2011-11-07(月) 19:15:04 [削除依頼]
    続き。


    彼女は何も言わずに歩き続ける。
    秀典も何も言わずに彼女の背を追っていた。
    街の灯りが静かに彼らを包み込んでいった。

    「何時までついてくるんだ?」

    ソラが静かに問う。

    「お前の正体が分かるまで。」

    秀典ははっきりと答えた。

    「はぁ?」

    ソラは真っ直ぐと秀典を見た。
    秀典は不意にも彼女にときめいてしまった。
    しかし秀典は我に返り、気が付いた。
    彼女の目に焦りがあることに…。

    「もうついて来るな。」

    ソラは秀典に背を向け、走り出した。
    その時だった…。
  • 29 Haru id:/dtC16N0

    2011-11-08(火) 12:42:04 [削除依頼]
    019#


    「ソラ姉ッ!!!」

    誰かがソラを呼んだ。
    その声と同時に…。

    ドスンッ!

    誰かがソラに抱き着いた。
    その人間の身長はソラの半分弱程度で、黒い長い髪を上で束ねていた。
    そしてその手には大きな兎のぬいぐるみが。
    秀典からその子の顔は見えなかった。
    ソラは何も言わずにその子の頭を撫でた。

    「久しぶり、ソラ姉!」
    「ああ、久しぶり。
     苦しいから、離れてくれない?」

    その子はつまらなさそうにソラから離れた。
    そして秀典の存在に気が付いた。
    彼女は秀典の方にその顔を向けた。

    「あれ…?」

    その子は頭をひねりながら考えていた。

    「どっかで会ったようなぁ…。」

    彼女はボソッと言った。

    (何処かであった?)

    秀典の記憶に彼女の顔は無かった。
    しかし彼女の持っている人形を見ると…。

    「「ああッ!!!」」

    2人は同時に叫んだ。
    何かを思い出したように…。
  • 30 Haru id:/dtC16N0

    2011-11-08(火) 12:54:38 [削除依頼]
    020#


    「秀典兄だッ!!」「ルカッ!!?」

    2人はまた同時に叫んだ。
    息が合ってるのか、息が合ってないのか…。
    ソラは無関心そうに2人を見ていた。

    「秀典兄だよねッ!?」
    「ああ!
     覚えててくれたんだなッ!!」
    「うん!」

    秀典は思い出した。
    局内で迷子になっていた子のことを。
    彼女の名前は『ルカ』。
    目の前に居るこの子のことだ。
    だが、あの時と顔が少し違う。
    喋り方も性格も少し違う。
    しかし持っている人形は一緒。
    秀典は数週間経ったからだろう、と思った。

    「ルカ。」

    ソラが呼んだ。
    ルカは嬉しそうにソラの方を向いた。

    「こいつと知り合いなのか?」
    「うんッ!
     迷子になったところを助けてもらったんだって!」

    (え?)

    秀典は不思議に思った。
    『助けてもらったんだって!』。
    普通は『助けてもらったんだ!』だろう。
    何故他人事のように話すんだ、と。

    「そうか。」

    ソラは素っ気なく答えた。
    そして手を出して言った。

    「帰るぞ。」
    「は〜い!
     じゃあね、秀典兄ッ!」

    秀典は笑顔で手を振った。
    それを見届けると、ルカはソラの手を掴み、街の灯りへと消えていった。
    残ったのは秀典の疑問だけだった。
  • 31 Haru id:/dtC16N0

    2011-11-08(火) 16:30:15 [削除依頼]
    021#


    「そういえば…。」

    秀典は何かを思い出した。
    いや、思い出したと言うよりも、何かが喉につまっている。
    皆様も良くあるだろう。
    何かを思い出せそうだが、その何かが出て来ない。
    喉の奥深くでつまっている。
    しかし秀典は皆様よりも早く思い出せた。

    「ああーーーッ!!!」

    ソラのことだ。
    数分前までは、

    『何時までついて来るんだ?』

    『お前の正体が分かるまで。』

    なんてことを言っていたのに、
    彼女をまんまと取り逃がしてしまったではないか。
    今更追いかけてもしょうがない。
    秀典はその場でため息を着き、自分の家へと帰っていった。
    一部始終を見ていた人影には気が付かずに…。
  • 32 Haru id:l/Se4qb.

    2011-11-09(水) 12:35:30 [削除依頼]
    こんにちは!
    Haruです。

    『シリタガリ。』
    という小説を書き始めました。
    世間知らずのお嬢様と人気者の普通の男の子のお話です。
    皆様、宜しくお願いします。

    あっ。
    勿論、こちらもも宜しくお願いします!

    Haru
  • 33 Haru id:l/Se4qb.

    2011-11-09(水) 13:22:04 [削除依頼]
    022#


    さて。
    あれから3週間後。
    秀典の元へある一通の手紙が届いた。
    手紙よりも脅迫状と言った方が正しいだろう。
    マスコミに嗅ぎ付けられてはいけない。
    だからこの話は事務所内だけの秘密事項となった。
    司はパニックのあまり遂に可笑しくなった。

    「どうしよう、秀典!!
     お前が死んだら、事務所は大変なことになるぞッ!!!」
    「まだ死んでない。」

    ごもっともだ。

    「ボディーガードでも付けとけば良いだろ?」

    秀典はあまり大事とは捉えていない。
    何故なら、芸能人にとってこのような悪戯は日常茶飯事。
    真面に受け取っていたら仕事にならない。
    脅迫状の内容はこうだ。

    『桜葉 秀典に告ぐ。
     3日後の11月12日。
     貴様の命は無いと思え。
     警察に連絡すると、お前の秘密を世間にばらす。』

    といった、在り来たりな内容だ。
    警察にはまだ連絡をしていない。
    事務所も秀典もする気はない。
    この時はまだ何も知らなかったから。
    この事件の大きさをー…。
  • 34 Haru id:l/Se4qb.

    2011-11-09(水) 22:04:16 [削除依頼]
    023#


    「でもさ〜!!
     でもさ〜、秀典ぃ!!」
    「はぁ〜…。」

    司は秀典の後について回って、
    何度も何度も同じことを繰り返す。

    「やっぱり警察に通報しようよ〜。
     何かあってからじゃ遅いんだぞ〜!」
    「だ・か・ら!!
     あんなのただの悪戯だっつーの。
     何度も言ってるだろ?」

    秀典は更に足を速めた。
    しかし司はまだついて来る。

    「SPとか呼ぼうよ〜。
     ほら、あれだよ!」

    司は秀典の前に走って来た。
    そして何かのポーズをとった。

    「ダッダッダッ!
     ダダッダッダッ!
     タ〜ラララ〜ラ〜
     ラ〜ララ〜ラ〜ラ〜ラララ〜
     ズドーンッ!!」

    銃を構えるポーズだ。
    何処かの映画のワンシーン。
    秀典は頭を抱え、傍にあった椅子に座り込んだ。

    「悪い、悪い!」
    「お前はガキかッ!?
     大人にもなってそんなSPゴッコやっててッ!!」
    「あはは。
     悪い、悪い!」

    司は頭を抱えながら言った。

    「でも秀典?
     念には念だ。
     何か起こってからじゃ遅いんだぞ…?」
    「…いきなり大人ぶって。」
    「大人だもん!」
    「はいはい。」
    「だからさ。
     ボーディーガードだけでも頼もうよ!」

    秀典はふてくされて言った。

    「…分かった…。」
    「よっしゃー。
     じゃあ早速連絡しよーっと。」

    司は上機嫌に走っていった。
    秀典はそれを不機嫌そうに見ていた。
  • 35 Haru id:QTz3.HW1

    2011-11-10(木) 12:34:36 [削除依頼]
    024#


    秀典が司の元へ行く頃には、もう電話は終わろうとしていた。
    司は事務所内の電話機に向かって、ペコペコとお辞儀をしていた。

    「それじゃあ、お願いします。
     あっ。
     くれぐれも内密に…。
     マスコミに嗅ぎ回れると本当に大変ですから。
     明日から宜しくお願いします。
     それでは。
     はーい。」

    ガチャッ

    「ふーう。
     一先ず安心〜。」

    そう言うと、司はソファに深く座り込んだ。
    秀典も離れた場所に座った。
    長い沈黙…。
    2人は何も言わずに窓の外を見ていた。
    今にも雨の降りそうな黒い雲は、何かを知っているようだ。

    「…明日から来るんだよな。」
    「うん。
     家を出てから家に帰るまでついててくれるってさ。」
    「…ん…。」

    秀典は言葉を吐き捨てると、事務所から出ていった。
    司はその後ろ姿を小さく見ていた。
    そしてその目には黒い影が…。
  • 36 Haru id:QTz3.HW1

    2011-11-10(木) 14:45:25 [削除依頼]
    025#


    次の日。
    秀典はいつもより無性に腹が立っていました。
    何故かと言うと、今日から秀典にボディーガードがつくのです。
    彼は人一倍プライドの高い人です。
    誰かに守られる、誰かに教えられることを最も嫌っています。

    「まあ、秀典。」

    司は秀典の方に手をのせました。

    「そう怒るなって!
     水曜日が終わるまでの辛抱だ。」

    秀典は司の手を払い除けました。

    「五月蝿いッ!!
     別に怒ってなんかねぇっつーの。」
    「いや、怒ってる。」
    「怒ってねぇッ!!」
    「そこが怒ってる〜。」
    「こ…この野郎…ッ!!」

    秀典が司を殴ろうとしたその時。

    トントンッ

    「お、ボディーガードじゃないか〜?」

    司は弾む足取りでドアの方へ向かいました。
    秀典はそっぽを向いてブツブツと文句を言っています。

    「あれぇ!?
     君、あの時の!」
    「はい。」

    (あ…れ?)

    聞いたことのある声でした。
  • 37 Haru id:QTz3.HW1

    2011-11-10(木) 15:12:09 [削除依頼]
    間違い訂正。


    司は秀典の方に手をのせました。 …誤
    司は秀典の肩に手をのせました。 …正
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