ホルマリン6コメント

1 初楼 id:fc9zb6E.

2011-11-02(水) 19:51:02 [削除依頼]
初めましてッ。
初楼という者です。

へたくそですが、見て頂けるとうれしい限りですッ。

題名は「ホルマリン」でっす!!
  • 2 初楼 id:fc9zb6E.

    2011-11-02(水) 19:52:58 [削除依頼]
    午後2時。
    晴天なり。
    彼の家は南向き。
    日当たり最高。風通し最高。

    私はいつものように彼のお気に入りのソファーの上で寝転ぶ。
    すると、彼がキッチンから顔を出した。

    「美羽はイチジクのタルトとかぼちゃのモンブラン、どっちがいい?」

    彼は丸いキレイな眼をこちらに向けながら言った。

    「絶対、かぼちゃのー」

    「了解」

    数分後、彼は私が手土産に持ってきたケーキと、紅茶のポットをお盆に乗せて、ソファーの前のテーブルに置いた。

    彼の淹れた紅茶は絶品だ。
    市販のものだけど、彼が淹れると味が一変する。

    彼は家事も出来て、顔もカッコイイ。
    かと思えば、勉強も出来る。
    それに、中3とは思えないくらい優しくて、気遣いが上手い。

    私とは大違いだ。
    家事は大の苦手だし、顔に自信もない。
    勉強に関しては言うまでもない。
    通知表は1と2のオンパレードだ。

    なんで、そんな私が彼と付き合えているのか?
    不思議だ。

    中1の春、ダメ元で告白したらOKをもらえたからだ。
    当時、私はドッキリだと思って、かなり本気でカメラを探した。

    私が本気でカメラを探したように、彼も本気でOKしてくれたみたいだった。

    だって、カメラはどこにも無かったから。
  • 3 初楼 id:fc9zb6E.

    2011-11-02(水) 20:15:09 [削除依頼]
    「美羽?」

    彼に呼ばれて我にかえる。
    彼の瞳が心配そうにこちらを見ている。

    いけない。いけない。
    彼との出会いを思い出していたせいで、ボーっとしていた。

    「ごめん、ごめん。ちょっと考えごと」

    あんたとの出会いを思い出していたんだよ。
    とは言えなかった。

    「さっ、食べよ!紅茶冷めちゃうし!」

    不思議そうな顔をする彼にそう言った。

    「そうだね」

    彼はそこから追及するようなことはせず、イチジクのタルトの方へ向き直った。

    にっこり笑って、いただきます、と言った。

    やっぱり、この笑顔好き。
    私が好きなのはこの笑顔。
    純粋でますっぐな、この笑顔。

    「へへッッ」

    そんなコトを考えていたら、思わず笑ってしまった。

    「どうしたの?」

    彼がキョトンとした顔で言う。

    「いやぁ、紅茶がおいしいなぁーって」

    また、本当のコトは内緒にした。
  • 4 初楼 id:fc9zb6E.

    2011-11-02(水) 21:02:31 [削除依頼]
    ケーキを食べてから、意味のない雑談をしてから、今度出掛ける約束をした。
    彼の家は両親が海外に居るので、遅くまで居ても差し支えないのだが、今日は4時過ぎには彼の家を出た。

    彼はよっぽどのことがない限り、私を自宅近くまで送ってくれる。
    外は、少し寒かった。
    私は上着の前を閉める。

    「高校、どこいくの?」

    彼の家を出てすぐ、こんな質問をしてみた。

    「僕?」

    あんた以外に誰がいるのよ、という言葉を必死に飲み込んで、コックリ頷いた。

    「そうだなぁ・・・」

    彼は夕焼けに照らされて、きれいだった。
    さらさらの髪がオレンジ色になる。

    中3の春なら、ちょっとは進路について考えている時期であろう。
    彼は、成績良好。
    公立じゃなくて、どこか私立を受験するに決まってる。

    私は彼の言葉をじっと待つ。

    「美羽は?」

    「えっ」

    まさかの質問返し・・

    しばらくの沈黙。
    風の音がよく聞こえる。
    風は二人の間を通り過ぎていった。

    「美羽は?」

    また聞かれた。

    「私は公立・・・かな」

    「そっか」

    「僕は、理科が好きだから、理科が強い高校に行きたいな」

    私は少なからずショックだった。
    僕も同じく公立に!・・なんて言うとは思ってなかったけど・・・

    彼は、私と高校が別でもいいのだろうか?

    彼は私の気持ちを察してか、
    「美羽が行くなら、公立も良いかもね」
    と付け足した。

    私を気遣っていたのは分かっていたけど、嬉しかった。
    それと、同時に悔しかった。
    彼の言葉にここまで敏感な私。
    どれだけ好きかを思い知らされる。

    せめてもの抵抗と思い、この彼の言葉には何も返さなかった。
  • 5 初楼 id:fc9zb6E.

    2011-11-02(水) 21:13:21 [削除依頼]
    月曜日。
    私は月曜日が大嫌いだ。
    また学校に行って授業を受けないといけないと思うと、自然と足が重くなる。
    私は今、彼に会うために学校に行っているようなものだ。

    学校に着いた。
    月曜日はいつも思う。
    無くなればいいのにって。
    月曜日の私は、破壊願望の塊だ。

    しょうがなく靴を履き替え、しょうがなく教室へ向かう。
  • 6 初楼 id:fc9zb6E.

    2011-11-02(水) 21:21:29 [削除依頼]
    ガラッ

    「おはよー」
    何人かの声が飛んでくる。
    私も同じように返す。

    彼はもう来ていた。

    私の斜め前の席で難しそうなカバーの本を読んでいる。

    彼は私に気付くと、振り返って、
    「おはよう」
    と言った。

    私は小声でおはよう、と言った。
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