絡恋Lovers34コメント

1 Lito id:JDBH6ce/

2011-10-27(木) 20:18:11 [削除依頼]


「私のこと好きになったって、きっといいことないよ」

涙声、切なげな声で少女はそう言い放った。
考え抜いた末に実行したシチュエーション。
真っ赤に燃える夕暮れをバックに気持ちを伝えたんだ。

呆然とする僕を残して、少女は慌ただしく去ってしまった。
少女の言葉が頭の中から何度もリピートされていく。
僕はうまい具合に振られてしまったのだろうか……?

だったらわざわざ、自虐してまで断ることなんてないのに。
優しさなのか、諦めさせるためなのか、
涙声だったのはどうしてですか……?

人生初の失恋に、僕は疑問ばかり浮かばせている。
  • 15 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 12:21:18 [削除依頼]

    秦坂薫はピアノにギターを立てかけ、鞄から紙を取り出す。
    黙って僕に差し出した。僕はその紙に見覚えがあった。

    「あ……」

    僕の頬はもうこれ以上ない程真っ赤になってると思う。
    秦坂薫が差し出しか紙は、とあるコンテストの受賞作だった。

    『小中学生 創作詩コンテスト』

    僕は誰にも言わずに去年これに参加していた。
    かなり中二病臭い歌詞だったが、僕は佳作賞を取った。

    「未来へ進むのを戸惑って 僕はただ地面を擦り減らす
     共に踏み出してくれる仲間がいなくては
     僕は何もできない臆病な虫けら……」

    「勘弁してください」

    秦坂薫は受賞した僕の詩の冒頭を暗唱した。
    今となっては消してしまいたい過去でしかない。
    詩なんて自分に酔った自己中しか作るわけがない。
    でも、秦坂薫は思いがけないことを口にした。

    「好きなの……」
    「え」
    「椎名君の詩……」
    「……え」
  • 16 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 12:23:09 [削除依頼]
    綾香さん

    男の子の名前はそのうちでてきます^^
    文章力向上に努め中です^^

    カケラkt☆さん

    良かったです^^情景不足が心配だったので><

    遙さん

    更新がんばります!ありがとうございました^^
  • 17 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 12:30:22 [削除依頼]

    「凄く言いづらいんだけどね」
    「うん」
    「椎名君の作った詩でね」
    「……うん」
    「勝手に作曲してみたりした」

    秦坂薫は「勝手なことしてごめん」と頭を下げた。
    僕はあまりの偶然に呆然とするしかなかった。
    そういえば昨日聞いた歌詞がなんとなく懐かしいような気がしたのも、僕が作った詩だからだと今になって気づいた。

    「じゃあさ、もう一回聴かせてよ」

    秦坂薫はギターをとりだし、僕の前に胡坐をかいた。


    #01.僕の言葉と君の音色
    (こんな形で絡んでいたなんて)
    (もっと早く君の存在を知りたかった)
  • 18 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 12:40:40 [削除依頼]

    せっかく秦坂薫が僕に歌詞を覚えさせてくれたのに。
    僕等のクラスは残念ながらパフォーマンス部門最下位に終わった。
    原因は知れてる。あのナルシストのエレキギターのやかましさ。
    歌詞を覚えても、あの騒音で歌なんてこれっぽっちも聞こえなかった。

    もしもあれが、秦坂薫のアコギ(アコースティックギター)なら間違いなく賞入りだったのに。
    って、本人に言ったら彼女は困ったように笑った。

    「でも私、エレキギター嫌いじゃないよ」
    「何か以外。ロックってイメージないから」
    「聞きたい?」
    「聞きたい!」

    放課後、自然に僕たちは音楽室に残って話したり演奏したりするようになっていた。
    吹奏楽部はいないのかといえば、彼女たちは去年新しく学校内に建てられた専用施設で練習している。
    ろくに掃除もされないここは、穴場と言っても良かった。

    「埃かぶってるなー」
    秦坂薫は楽器置き場からエレキギターを取り出した。
    触れた場所にはくっきりと埃の跡が残り、秦坂薫は丁寧にタオルで拭き取った。

    「お、立つのか」
    「エレキ久しぶりだから下手くそでも笑わないでね」

    いつもアコギでは胡坐をかいていたため、立っての演奏は新鮮だった。
  • 19 奈々 id:xNA50.C/

    2011-10-29(土) 12:42:58 [削除依頼]
    いいですね
  • 20 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 12:45:50 [削除依頼]

    「秦坂さんって何でもできるんだな……」
    演奏が終わり、僕はあっけにとられた。
    無駄のない指づかいと、ナルシストが使ってた楽器と同じ楽器だとは思えないほどに心を掻き立てる音楽。
    額にうっすらと汗が浮かび、弾き終わった秦坂薫は満足げに笑った。

    「ちょっと失敗した、かも」
    「全然!すげぇよ……」

    おとなしい雰囲気に似合わない彼女がエレキを操るのを見て、僕も憧れた。


    「僕にも弾かせて」


    今思えば。
    なんで、こんなこと言ったんだろう……。
  • 21 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 12:46:17 [削除依頼]
    奈々さん

    いいですか?
    ありがとうございます!
  • 22 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 16:48:19 [削除依頼]

    肩からストラップ(立ちながらギターを弾くための固定具)をかけたが、僕はピックの持ち方すら知らない。
    「こう?」と秦坂薫に確認したが、彼女は首を横に振った。
    そして、僕に正しく持たせるために僕の手にひんやりとした手が触れた。
    当然僕は内心血液が沸騰してしまいそうな程に緊張していた。
    彼女は僕に正しくピックを持たせ、手を離した。

    そして僕は緊張していたことを誤魔化すために、勢いよく弦をピックで弾いた。


    ――瞬間。


    バチンッという不快な音が響き、6弦――ギターの中で一番太い線が勢い良くはじけた。
    時の流れがスローモーションになった。
    千切れ、弾けた弦はまず僕の手の甲を叩き、その後宙を泳ぎ秦坂薫の顔を叩いた。
    僕の手の甲にみみずばれが浮かぶと同時に、彼女の右目が流血した。

    古いギターだった。弦が錆びて、脆くなっていたのだ。
    もしも、僕が冷静に楽器を扱っていたならこんな事にはならなかったのに。

    数分後、秦坂薫は病院に運ばれた。
  • 23 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 16:58:45 [削除依頼]

    僕は抱えきれないほどの後悔を抱え、眠れない夜を過ごした。
    右手の甲に浮かび上がったみみずばれをただ眺めていた。
    食事も食べられなかった、どうやって家に帰ったのかもわからなかった。
    夜9時を過ぎた頃、下の階のリビングで電話が鳴った。
    数分後、母さんが僕の部屋をノックした。

    「今秦坂さんっていう子のお兄さんから電話があったんだけど……。
     瞼が少し切れただけだから大丈夫。気にしないでって。
     あまり気に病まないでね。起っちゃったことはしょうがないんだから」

    「ごめん、独りにして……」

    母さんは黙って階段を下りていった。
    僕は長い安堵のため息をついた。
    目に当たってなくて良かった、酷いことにならなくて良かった。
    だけど……やっぱり僕は最低だ。
    制服のズボンにはあのピックが入っていた。
    僕はそれを握りしめ、悔しさに声を殺して泣いた。
  • 24 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 17:09:01 [削除依頼]

    次の日、秦坂薫は眼帯をつけて学校に来た。
    もともと目立つような生徒ではなかったとしても、誰も彼女にどうかしたのか何て聞かなかった。
    僕もなぜか足がすくんで話しかけることはできなかった。
    席に着くと彼女はいつもと同じように机にうつぶせた。

    ――昼の休憩時間。
    廊下で他のクラスの男子と話す僕の前を、トイレかどこかへ向かう秦坂薫が通った。
    僕は気まずくて、友達との話に夢中になってるふりをした。


    「薫、どうした?」

    ――男子の声?
    反射的に顔を声のほうへ向けると、僕から2メートルくらい先に手くびを掴まれ呼び止められた彼女の姿があった。
    身長が高く、わざと無造作にした髪をした他のクラスの奴。
    したしくないから名前も分からない。だけど、秦坂薫に必要最低限のこと以外で話しかけた奴ははじめてみた。
    彼女は俯いていた。

    「どうもしない」

    小さな声でそういうのが聞こえた。
    彼女はその男子の手を擦り抜け、また前に歩き出した。
    しばらく彼女の後姿を眺めたそいつは、前に視線をよこした。

    そしてなぜか、僕の視線とぶつかった。
    でもそいつは何もなかったように自然に目を逸らし、僕の前を通り過ぎていった。
    秦坂薫を「薫」と呼ぶ声が、僕の耳にリピートされた。
  • 25 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 17:22:00 [削除依頼]

    ――放課後。
    僕は音楽室ではなく教室にいた。
    窓を全開に開け、5月のまだ肌寒い風に耐えていれば向かいの校舎の音楽室からギターの音色が聞こえた。
    秦坂薫は音楽室にいるようだ。だけど、まだ僕は躊躇っている。
    まだ謝れてもいないのに……。

    しばらく無心にその音楽を聞いていると、不自然に音が途絶えた。
    気になって視線を流せば、昼に見たあの男子が音楽室にいた。
    僕は何も考えずに音楽室へと向かった。
    扉の前に立ち止まり、僕はふたりの会話を聞いていた。

    「こんなとこで残って何してるの」
    「何も」
    「知ってるよ、椎名修也といつもここにいるの」
    「関係ない」
    「目の怪我だって、そいつのせいでしょ」


    「椎名修也のこと好きなのか」
    僕はそいつの唐突な問いかけに、不覚にも気を引かれた。
    秦坂薫の回答を待つ僕が、扉の前に立ちつくしている。
    でも、彼女が答える前にそいつは言った。

    「あいつに薫は無理だよ。俺が無理だったみたいに」

    秦坂薫は何も答えない。

    「でも、今の俺は前とは違う。今なら薫を支えられる。
     俺達さ……」


    「帰って!!」
    秦坂薫は叫んで、暗譜をそいつに叩きつけた。
    そいつは哀しそうな顔で彼女を見て、「考えておいて」と呟いて俺がいる反対側の扉から出ていった。
    音楽室には両手で顔を覆い、屈みこむ小さな背中があった。
  • 26 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 17:28:30 [削除依頼]

    僕に薫は無理?
    あいつなら支えられる?
    ……理解に苦しむ、あいつに俺の何がわかるんだ。

    気がつけば僕は扉を開け、秦坂薫の目の前に立った。
    彼女は驚いたように真っ赤な左目で僕を見上げた。

    「怪我させて、ごめん」
    「……大丈夫だよ」

    僕は静かに息を吸い込んだ。そして、告げた。


    「秦坂さんのことが好きだ」


    僕は彼女の答えを待った。


    秦坂薫は立ちあがり、片腕で目を押さえ、もう一方の手でスカートをきつく握りしめていた。
    「……よ」
    「え?」


    「私のこと好きになったって、きっといいことないよ」


    涙声、切なげな声で少女はそう言い放った。
  • 27 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 17:36:06 [削除依頼]

    彼女は床に散らばった暗譜をそのままに、鞄を手に慌ただしく音楽室を出ていった。
    風に踊る暗譜を見下ろし、振られたのかとため息をこぼした。

    「私のこと好きになったって、きっといいことないよ」

    どういう意味だ?
    いいことないなんて、まだ分からないのに。
    いや、上手く振られてしまったのだろう。きっと。
    でも、なんとなくその言葉の裏に彼女は何かを隠してる。
    ……そう、思えてならなかった。

    人生初の初恋、人生初の失恋。
    心臓が締め付けられる感覚は、本当のことだと知った。
    本当なら秦坂薫が胡坐をかいてギターを弾いていた位置を見つめ、彼女の影を探した。
    もう、前のように戻ることもできないだろう。
    どうせなら後一作くらい僕が書いた詩に音を吹き込んで欲しかった。

    男なら泣くな。なんて、父さんによく言われてたけど。
    静まり返った音楽室の中、疑問を抱えながらも僕は失くした恋の痛みに涙を流した。


    #02.告白と傷
    (どんな意味で、その言葉を選んだの)
    (中途半端に想いを残したくはなかったのに)
  • 28 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 17:49:14 [削除依頼]

    僕の友人は、"束縛"する彼女にやがて嫌気がさし別れた。
    友人の愚痴を聞いているうちに、僕もそんな女は嫌だなと思った。

    自分だけを愛してほしい。
    他の女を見ないでほしい。
    何度も「好き」と言って欲しい。
    毎日電話したい。
    毎日メールして欲しい。

    数えだしたらきりがない、欲求と飢えた愛。
    彼氏のことが大好きだからこそ生まれる感情ではあるが、度を過ぎるをその大好きな彼氏の首を絞める。


    僕の告白から数日後、秦坂薫におかしな噂が流れ始めた。

    「知ってる?秦坂さんって去年まで夏目君と付き合ってたんでしょ」
    「知ってる!それでそれで、確か凄い束縛魔だったんだよね」
    「あの噂って本当だったの?あんなにおとなしそうなのに?」
    「まさか夏目君ほどのイケメンを……意外とたらし?」

    噂、悪口……身の程知らずな馬鹿な女子たちの言葉に僕は反応した。
    秦坂さんとは秦坂薫のことなのだろうか?
    夏目君とは、夏目龍斗――なつめ、りゅうとのことか?
    夏目龍斗……秦坂薫に話しかけたあの男子の名前だとこの間知った。

    付き合ってた? 別れた? 束縛魔?
    誰のことを話している、いい加減なことを言うな。

    秦坂薫は黙って教室から出ていった。
  • 29 綾香 id:4rOpFiW1

    2011-10-29(土) 17:57:15 [削除依頼]
    おおっ!!
    進んでいる!!
    とっても楽しみです^^♪
  • 30 Lito id:fz9A06k0

    2011-10-29(土) 19:20:30 [削除依頼]
    綾香さん

    はい、頑張りましたよ^^
    楽しみにしててくれると嬉しいです!

    読み返してみたら修也(主人公)ヘタレすぎですねー……。
    今後いろいろ展開させていくので楽しみにしていてください。
  • 31 Lito id:gFrhFrW1

    2011-10-30(日) 22:54:22 [削除依頼]

    こんな噂が飛び始めたのも、全部あの男――夏目龍斗のせいだ。
    あの日以来、奴は何かにつけて秦坂薫に付きまとい始めた。
    廊下でもよく彼女に話しかけているのを見かける。
    女子が話していたあの噂は本当なのだろうか。
    事実を知りたい衝動に駆られたが、僕は告白の日以来彼女とは一言も話していない。
    彼女のほうももう音楽室には行ってないようで、下校のチャイムが鳴ると同時にすぐに帰るようになった。

    僕は度々どうすることもできないあのピックを手に頭を抱える。
    ――私のこと好きになったって、きっといいことないよ。
    あの言い方はきっと、過去に何かあったんだ。
    秦坂薫を好きになった誰かのことを不幸な目にでも合わせてしまったのだろう。
    それは事故か、人間関係か、……酷い束縛か。

    もう彼女のことで頭がいっぱいで、何も手がつけられなくなった。
    授業中に見える彼女の横顔はいつも哀しげで、唇をきつく結んでいる。
    誰かが馬鹿をやってクラスを湧かせても、彼女だけは笑うことはなくなった。

    音楽室のギターにうっすらと埃がかぶるほどの時が流れた。
  • 32 Lito id:gFrhFrW1

    2011-10-30(日) 23:08:44 [削除依頼]

    もうじき夏休みがやってくる。
    制服も衣替えし、男女ともにあたたかなブレザーを脱いだ。
    女子は全員同じ服を着ているというのに、僕の心を揺らすのは今になっても同じ人の存在だった。
    昼休み、2回の窓から見下ろせば大きく咲いた向日葵が太陽を向いている。

    僕の学校では放課後の掃除の時間に生徒がリクエストした曲が放送部によって流される。
    大抵今流行りのアーティストとか、最近ではK-POPなんかが放送されていた。
    あまり華やかな曲には興味がないから、今日もいつものように黒板消しを片手に聞きながしていた。

    「さて3曲目のリクエストですが……、
     アーティスト不明で、『remember the season』?』

    僕は危うく粉まみれの黒板消しを落としてしまいそうになった。
    一方で背後では長箒を落としてしまった秦坂薫がいた。

    やがて、泣けてくるほどに懐かしい旋律が教室を満たした。
  • 33 Lito id:gFrhFrW1

    2011-10-30(日) 23:18:37 [削除依頼]

    僕は掃除当番を放り出して教室を飛び出した。
    廊下を走っている間も四方からあの音楽が心に流れ込む。
    全速力で階段を下り、僕は一室へと駆けこんだ。

    「はぁっ、はっ……この曲のリクエスト者……教えろ」

    息も絶え絶えに放送部員に僕は食いかかった。
    その剣幕にビビり気味の後輩部員はしどろもどろで答える。

    「えっと……3年生ってだけしか書いてないです。
     でもこの曲投稿サイトからのダウンロードですよ。
     ほら、Youtubuとかでもあるじゃないですか、
     一般の人の『弾いてみた』ってやつです……はい」

    「嘘だろ……」

    後輩の肩を離し、僕の脳裏にひとつの記憶が浮かび上がった。

    ――なぁ、僕たちの合作投稿しようぜ。
    ――えっ……恥ずかしいよ。
    ――大丈夫だって!俺録音機あるから明日投稿な!!
    ――いいけど……合作って『remember the season』?
    ――当たり前。んじゃ、明日な。

    彼女と話さなくなってから僕は一度もあのサイトを見ていない。
    放送室を後にし、僕はパソコン室へ向かった。
    検索欄にタイトルを入力すれば、すぐにヒットする。

    再生回数8000回。高評価200、低評価0。
    そして寄せられた数々のコメント……。


    言葉もなかった。
  • 34 Lito id:I8ZWqp4.

    2011-10-31(月) 18:00:15 [削除依頼]

    偶然が重なって、僕はまた彼女への想いを強くしてしまう。
    あまりに時間が空きすぎて、薄れてきた思い出がまた鮮明に浮かび上がる。

    初めて同じクラスになって、
    ギターという意外な特技を見つけて、
    一生懸命歌う姿が僕の心を波立たせて、
    僕が作ったくだらない詩を色づかせてくれて、
    初めての恋をして、初めて恋を失った。

    数ヶ月前の告白は、今思えばあまりに中途半端すぎる。

    『未来へ進むのを戸惑って 僕はただ地面を擦り減らす
     共に踏み出してくれる仲間がいなくては
     僕は何もできない臆病な虫けら……』

    あの詩の続きを、君は歌ってくれた。
    ほら今丁度、スピーカーからその部分が流れ出す。
    僕がこの歌の主人公にならなくては、彼女の前に出す顔はもうない。

    パソコンの電源なんか付けっぱなしで、僕はまた教室に戻った。


    『だけど僕は光を見つけられた 擦れた地面から踏み出すことも
     今ならできそうな気がする その光がその未来(さき)で待ってる
     祝福してくれるだろう 栄光だって掴めるだろう
     もう虫けらの僕はどこにもいない その光が未来で待っている』
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