トキシック‐toxic21コメント

1 ユイ id:oqNFSvN.

2011-10-16(日) 13:43:51 [削除依頼]



綾「なつー、今月の雑誌買ったー?」

後ろの席の友達の綾香(あやか)の声で私は目を覚ました。

「ぅん・・・っえ?あ!」

綾「もしかして、寝てたの?もう帰りの会終わったよ?」

「・・・そうみたい。もうおわったんだ。」

綾香は私を指差して笑ってる

「そんなに笑わないでよー・・・もぅ・・・。」

綾「だって!だってだって!あはは・・・あっ!」

笑っていたと思えば、いきなり真剣な顔になって聞いてきた

綾「なつ・・・もう一度聞くけど!もう雑誌買ったのっ?」

・・・・・・あーっ!!!

そうだった、忘れていた・・・

「まだだった!」

綾「でしょー?もう!ったく・・・あれ人気なんだからー。」

「まだあるかな・・・」

綾「うーん。売り切れてる可能性のが高い・・・」

「どーしよー・・・。今月のふろくは
逢川 依(あいかわ より)くんの特大ポスターなのにっ!」

焦っている私を見て綾香はまたもや笑いながら言った。

綾「あはは、なつ、より君大好きだもんね(笑)」


そう・・・依くんとは、
世間一般に有名な
今を輝くアイドルグループ『toxic(トキシック)』の
最年少 逢川 依(あいかわ より)くんだ!

「大好きすぎるよー!今からダッシュで駅前の本屋行ったら間にあうかな?」

綾「わからないけど・・・だめもとで行ってみる?ほら、行くよ!」

綾香はかばんを取って私の手を引っ張り教室から出て行く

ダッシュで校舎を出て行く私たちを、先輩たちも後輩たちも、

そして同級生たちまでもが見ている

でもそんな視線も気にならないほど私はビックリでいっぱいだったのだ

「あ・・・あやかー(泣)!一緒に行ってくれるのーっ?」

感激!あの面倒くさがりの綾香が一緒に行ってくれるなんて!
しかもダッシュで!(笑)

綾「そりゃいくわよ、そんだけ、依くん依くん言われたら(笑)」

「すいません・・・。」

綾「なんで売り切れ分かってて昨日買わないのよー。」

「すいません・・・。」

綾「私を走らせるなんてー!」

「すいません・・・。」
  • 2 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 13:48:30 [削除依頼]
    私たちが駅前の本屋につくと
    外の雑誌のコーナーには3年の女の先輩たちがいた

    綾「げ。あれって、3年の松下じゃん。」

    「松下先輩?・・・あれ、となりにいるのって平石先輩と河合先輩?」

    綾「そうみたいだね、ガラ悪いので有名な3人か。・・・で雑誌、なんて名前だっけ?」

    少し離れているから私にはどれがどれか全然わからない・・・

    「『冥星』・・・だけどみえないでしょ・・・?」

    綾香をみると必死になって遠目で探していた。

    綾「冥星・・・冥星・・・夏!アイドル雑誌だよね?冥王星の『冥』に『星』だよね?」

    「う、うん!表紙に『meisei』って英語でかいてあるやつだよ。」

    綾「あったよ!」

    その言葉で私は叫びそうになった

    「ほんとっっ??この距離で見えるってすご!」

    けど・・・

    綾「あったんだけど・・・それちょうど今先輩たちが読んでる・・・。」

    ・・・・・・さいあく・・・

    松下先輩をみると、他の二人とギャーギャー言いながら雑誌を読んでいた

    「・・・あれか。」

    綾「それに、ちょうど今見ているページが依くん!」

    綾香の目・・・恐るべし

    「よ・・・よりくーん(泣)」

    はっ!
    そうだ!

    「依くんのポスター!!」

    気がつくと私は大声で叫んでいた

    綾「ちょっ!ばかっ!」

    綾香の声ではっとした
    やば・・・

    もちろん三人の先輩たちは話すのをやめて振り返った

    綾「夏、いくよ!」

    またもや綾香に引っ張られて、私たちはそのまま本屋をあとにした
  • 3 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 13:50:38 [削除依頼]
    はぁっ・・・はーっ・・・

    「あやかぁー(泣)」

    綾「もぅ、ばかじゃないのー?はぁっ・・・ったく。」

    「だってー!」

    綾「松下たち、依くん&陣くんファンらしいよ。A組の子が話してるの聞いたって。」

    えっ!初耳!

    「じゃあ私・・・やばいんじゃ・・・」

    綾「だからーさっきからいってるでしょ!もー疲れた。」

    「ごめんねー!もうあれ一冊だった?」

    綾香は息を切らしながら、頭だけ、うんうんとうなずいていた

    「そっか・・・もうポスターはあきらめるしか・・・」

    綾「なにいってんの!まだ探すよ!たしか近くにもうひとつあったでしょ。」

    「あやか、さっきから、なんでそんなについてきてくれたりするの?」

    不思議に思って聞くと、綾香はひとつ、咳払いをしてから

    綾「陣くんがみたいから。」

    と・・・あたりまえのように言い切った

    (説明しよう!)
    陣くんとは、
    さきほども言った、アイドルグループ『toxic』の
    一番人気 水瀬 陣(みなせ じん)くんだ!

    「そうだったのー?・・・てっきりいきなり優しくなったのかと。陣くんが好きだったのね。」

    綾「もともと優しいでしょ!正確には、「好きになった」ね。」

    びっくりだ!今日いちばんの『Bigりニュース』(注:Bigとびっくりをかけてます)だ!

    「まさか、綾香がアイドルを?・・・あんなにありえないって言っていたのに!」

    綾「陣くんは別!かっこいいじゃん。」

    たしかに・・・
    ビジュアル的にはtoxicのなかでも陣くんはダントツなのだ

    ただ少し・・・いえ、とても・・・

    「女性関係でのスキャンダルが多く、テレビでは口数が少ない。
    生放送中でも不機嫌なのかと思われるほどの笑顔のなさと、
    toxicの冠番組内での無邪気な笑顔の、いわゆる『ギャップ』が激しい。
    自由奔放で、世間では『自由陣(人)』とまでよばれている!!」

    綾「な・・・なに、いきなりー!」

    「あっ!つい声に・・・(汗)」

    綾「陣くん悪く言ったら許さないよー(笑)」

    綾香の目つき、笑ってるけどこわいよー!

    「そ、そーぃぅ意味じゃ・・・」

    綾「ま、いいや!はやく次行くよ!」

    そのとき、綾香のケータイが鳴った


    『♪〜』

    あっ!綾香の着メロが、toxicの『哀しみの歌』になってる!

    ピッ
    綾「はい、もしもしー?お母さん?何?」

    お母さんか、そういえばもう暗くなってきてる

    いま何時だろ!?

    ケータイを開くと・・・現在7:30

    「はやっ!」

    綾香のほうを見ると、話は終わったらしくケータイは閉じていたが、
    もうしわけなさそうにこっちを向いて言った。

    綾「ごめん!もう帰らないといけなくなっちゃった。」

    「いいよ、いいよ!こんな時間になっちゃってるし。」

    綾「全然きづかなかったよね。夏ももう帰るの?」

    「うーん・・・私は近くの本屋で探してから帰るよ!みつけたら明日学校であやかにも陣くんみせるね!」

    綾香は、
    わかった、またあしたね!といって手を振りながら帰っていった
  • 4 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 13:54:04 [削除依頼]
    7:30・・・

    「8:00までには帰らないと!お母さんうるさいしなー・・・」

    私はひとりで近くの本屋にダッシュで滑り込むと、雑誌コーナーに
    お目当ての『meisei』はなかった

    「ここもだめかー・・・んーもうぃいっ!かえろ」

    帰り道、
    わたしは、さっき大声で叫ばずに松下先輩たちが帰るのを待っていたら
    あの雑誌を買えたかな、とか、
    いや、でも三人の中の誰かが絶対買ったはず、とか、
    そんなくだらないことばかり考えていた

    「・・・!!」

    くだらないことを考えていたおかげかもしれない

    いつの間にか、
    いつもの帰り道から外れていたルートで小さな本屋をみつけたのだ

    「・・・雨?」

    ぱらぱらと頭の上に水滴が落ちる
    そらを見上げると
    小雨が降っていた

    私は、急いで本屋の中へ入り雑誌コーナーを探した

    「あっ!あった!」

    つい声を上げてしまった
    もちろん!さっきみたいな大声ではない!

    雑誌コーナーの片隅に一冊だけ残っていた
    たぶんみんなよく見ないでないと思ったんだろう

    隅のほうの売れ残りの山になった雑誌と雑誌の間に
    一冊だけかくれているなんて、まさかとはおもったけど・・・

    嬉しくて嬉しくてしょうがなくて

    「依くんの特大ポスター♪」

    つぶやき?ながらその雑誌を手に取ろうとしたそのとき・・・

    「あ!」


    目の前に背の高い男の人が・・・
    私のお目当ての雑誌を手に取り、なんとそのままレジへ持っていったではないか!

    しばらくのあいだ、放心状態・・・

    「っえ?なんで・・・え、なんで男の人が?え?だって私いまこーやって・・・」

    ひとりでさっきの様子を再現していると

    ?「ふっ!はは(笑)」

    笑い声・・・??

    とっさに振り返ると、さっきの男の人がレジでお会計をしながら
    一瞬こっちをみて笑った・・・ような・・・

    そのまま男の人は会計をおえて店を出て行った


    男の人でも男性アイドルが好きな人ほんとにいるんだ・・・

    誰のファンかな、もしかしてー依くん?まさかね

    堂々とアイドル雑誌まで買ってくひとがいるなんて、

    「ちょっと感動・・・って!そうじゃない!なに、今の!!」

    今あの人私が必死になってるのみて笑ってた?
    ・・・というか!私がほしいの知ってて・・・もしかして、わざと??

    まさかそんなことはー

    頭の中ぐるぐるなまま、わたしはふらふらした足取りで店を出た

    カランカラン〜

    「つめた・・・」

    忘れてた、雨降ってたんだった

    さっきまでの小雨は、いまは大雨になっていた

    「どうしよー、もう今日ほんとについてない・・・」

    さびれた商店街のようでこの時間でもひとはいないし、車のとおりも少ない

    それどころか、この書店以外ほぼシャッターがおりて閉まっている

    「とりあえず、どこかで雨宿りでも・・・」

    近くに屋根を見つけた

    もちろんそのお店は閉まっていたけど・・・その下には
    もうすでに先客がいた
  • 5 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 14:04:15 [削除依頼]
    「あ・・・」

    暗くてよく見えないけれど、たしかにいる

    屋根の下の人がこっちを向いて言った

    ?「逢川依」

    ・・・・・・?・・・・・・!

    あの人!さっきの!なんでわざわざより君の名前?

    背の高い男の人だった

    そのひとはいきなりさっき買ったばかりの雑誌を袋から取り出して
    屋根の下で読み始めた

    「・・・あの」

    私はその人に近づいていって声をかけた

    ?「・・・・・・〜♪」

    その男の人は私の呼びかけは無視して鼻歌なんか歌っちゃってる・・・

    暗いしフードを深くかぶっていてよく顔がみえない

    なにこいつ。さっきから・・・人が苦労してやっと見つけた一冊を当たり前のように。
    まるで私に見せびらかしているような・・・

    わざわざここで読んでるし。雨降ってるからって雨宿りのついでのつもり?

    やっぱり・・・私、雨宿りはやめよう。
    こんな人の側にいたくない、どうせもうぬれてるし、ダッシュで帰ればきっと・・・

    ?「あのさ」

    その人は雑誌から目をはなして私に声をかけた

    ?「これ、ほしいの??」

    そのひとは私のほうにより君のポスターを広げて見せてきた

    「・・・・・・はい。」

    ?「ふっ(笑)」

    「??」

    正直に答えたんだけど・・・

    ?「あげようか?『依くんの特大ポスター♪』だっけ(笑)?」

    な・・・にこいつ!
    もしかしてさっきの聞こえてたの?
    あーもういらいらする!いい大人の男が女子校生を挑発して!

    私はいらいらを抑えて言った

    「・・・はい・・・。」

    やっぱり、依くんのポスターを前にしては、このいやみ男にも屈するしかなかった

    ?「けっこう正直じゃん♪そんなにほしいの?」

    「はい。」

    その男はしばらくうーん、と考えていたがぱっと顔を上げて

    ?「じゃああげない♪」

    ・・・と言った

    ・・・(怒)頭の血管が切れる音が響いたが、小さく深呼吸をして
    自分を抑えるようにつぶやく

    「…ほんとこのおじさん性格悪くてやだ。」

    本当はそのまま走っていくつもりだった
    でも・・・

    ?「冗談だったのに・・・」

    「あの、何なんですか?さっきから我慢してるけど!

    初対面の割には態度悪いんじゃない」

    もう我慢できない!
  • 6 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 14:13:06 [削除依頼]
    ?「んー…まぁ、よく言われるけどーそれって君もおなじだよね?」

    「私は『ほしい?』って聞かれたから正直に答えたんですけど。」

    ?「『ほしい?』じゃなくて『ほしいの?』って聞いたんだけど。」

    「そんなの、どっちでもおなじです!いちいち嫌味っぽいですよ。」

    ?「だって、嫌味言ってるんだからあたりまえだよね♪」

    こっちが反論すれば、言った分だけイヤミで返してくる

    なんで今日はじめて会った人に、ほしい雑誌買われちゃって、
    挙句こんなことまで言われなきゃなんないの?

    なんで?

    もう最悪・・・。

    次から次へと涙があふれてくる。

    こんな見ず知らずの男に・・・

    「・・・・・・」

    ?「・・・・・・。」

    私が何も言い返さないからだろうか、首を傾げてる

    あぁー悔しい!

    こんなとき、
    依くんが助けに来てくれたら・・・

    なんて妄想に浸っていると、
    隣の性悪男は、


    雑誌と付録の依くんのポスターを私に投げてきた

    「!わっ、あぶな・・・」

    ぎりぎりでキャッチすると

    ?「はい

    ・・・悪かった・・・ほんとに。大人気なかったって」

    とその男が謝ってきた

    え?
    さっきまでイヤミ言ってたのに今謝って

    雑誌って・・・あれ?

    驚いて何も言えずにいると
    その人は顔をあげた

    ?「ほんと、めんどくせぇ女。なんで泣くかなー・・・」

    「・・・ぅるさい。」

    泣いていたからしゃくりあげてしまう

    ?「言っておくけど、お前も悪いんだからな!性格悪いとかいって・・・」

    このひと・・・ほんとにほんとに初対面?

    「だってほんとのことっ…だし」

    ?「あと俺はまだおじさんじゃない!」

    「いまっ、いま歳いくつ?・・・おじさんじゃないなら言ってみなさいよ。」

    またもやしゃくりあげながら聞くと
    その人はボソッと小さい声で言った

    ?「23」

    「よ、より君のひとつ上・・・」

    ?「お前さーそんなに依のこと好きなの?」

    お前お前、って年下でも初対面でお前はないでしょ!

    それに・・・

    「依くんのこと・・・呼び捨てにするなー!
    とし上でも、依くんのファンでも、
    どっちでもいいけど、『依くん』って呼びなさい。」

    ?「・・・はいはい(笑)依くんね!」

    「・・・で、依くんのファンなの?」

    ?「・・・いや、べつに。」

    ってことは、やっぱり!

    「最初から私をからかうために、わざわざこの雑誌を!?」

    ?「・・・ちがくて!俺は、」

    その人はすばやくフードをとって、軽く髪の毛を整えていた

    「・・・?」
  • 7 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 14:15:14 [削除依頼]

    ?「こーいうものです・・・ってホントはばらすつもりまでなかったのに!」

    ・・・・・・?誰?

    涙をもう一度拭いてからその人をまじまじと見つめる

    「・・・あっ!」

    最高にかっこいい!・・・というか、彼は・・・

    陣「どーも♪水瀬 陣でした。」

    ・・・・・・!!
    えっ!えーーーーーー!!

    このイヤミが?toxicの陣くん・・・?

    私、今・・・ずっと陣くんと口論になってたの??

    ・・・・・・どうしよう、どうしよう私。

    「あの・・・」

    陣「ん?(笑)」

    「私、どうしたら・・・。」

    陣「なにが??」

    「どうしたら許していただけるでしょうか(泣)」

    もう一度、泣いてしまいたくなった・・・

    陣「(爆笑)っ!あはははは!(笑)今更何言ってんの!!」

    最悪・・・。

    これが私と陣くんの
    ・・・出会いでした。
  • 8 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 14:18:25 [削除依頼]
    次の日・・・

    キーンコーンカーンコーン♪

    『現在学校です。今6時限目が終わりました。』

    カチカチカチ・・・パチッ

    メールを送ってケータイを閉じる

    「あーまだ帰りたくないなー・・・。」

    そういって振り返ると、綾香が帰りの用意をしながら言った

    綾「昨日あのあと雑誌なかったんでしょー??」

    そう、綾香には『なかった』ことにした

    「うん。ごめんね、陣くんみせてあげられなくて!」

    綾香ごめーん・・・ホントは昨日、あの男・・・じゃなかった、陣くんにもらった雑誌マジ読みしてました

    特大ポスターも部屋に飾ってありますー・・・なんて、言えるわけもなく。

    綾「あーあ・・・陣くんみたかったなー!」

    「わ、わたしも依くんみたかったな!!」

    昨日陣くん本人に会って口論になったなんてとても言えるわけもなく。

    綾「というか本物に会いたいっ!」

    「わ、わたしも・・・」

    今日もこのあと会うことになってるなんて・・・とてもとても言えるわけはなく。
  • 9 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 14:27:10 [削除依頼]
    そう、実は昨日・・・。

    「なんで陣くんがこんなとこに…」

    陣「別に。この辺でダチと待ち合わせしてたのに
    ドタキャンされたから、本屋寄ったらこの前撮影した雑誌がでてたんで」

    陣「『依くん』って呼ぶんだっけ?言っちゃおうかな、
    昨日こんな最悪なオンナに会いました、って〜♪」

    「・・・『依』でいいです。ちくりだけは、やめてください・・・お願いします。」

    陣「そんな態度変わるなんてねー・・・信じられないなぁ♪」

    「・・・・・・。」


    陣「じゃー俺、そろそろいかないといけないから!」

    そういって後ろを向いたまま軽く手をあげて走り出そうとしている陣くんの手を
    しっかり掴む

    「あの、まってください・・・もともとはあなたが・・・。」

    陣「いや、俺はべつに・・・」

    !!!いいこと思いついた!!!

    「実は私・・・これに、今の会話録音してたんですよね・・・。」

    私はカバンからボイスレコーダーを取り出す

    今準備している文化祭のお化けやしきの効果音と声を録音するため預かっているものだった

    もちろん今、音声は何も入っていない

    陣「・・・・・・。」

    唖然としてる、こんな簡単に引っかかるんだ・・・。

    「これ、どこの局に渡そうかな・・・
    『水瀬 陣の実態!女子高生に挑発行為!?』とか、記事になっちゃったりして・・・」

    陣「ばっ・・・お前、やめろって!」

    「じゃあ、条件があります・・・。」

    陣「・・・なんだよ。」


    「とにかく依くんには私のさっきの行動については秘密にすること。」

    陣「わかってるよ。」

    「以上です・・・。」

    陣「え、そんなもんでいいの?」

    なんて目をキラキラさせてるこの人なんかつめたそう(まぁ、つめたいけど)なわりには、子どもっぽいところもあって・・・
    世間の評判とかマスコミで言われてる人とは、まったく別人・・・。

    陣「じゃー、俺からもひとつ。」

    「はい??」

    陣「明日学校が終わったらこれでメールして!」

    陣くんはケータイを取り出して私に渡す

    「なんですか?これ・・・」

    陣「ぃゃ、ケータイ。」

    「そんなん分かりますよ、じゃなくて!」

    陣「さすがに君のプラベのケータイにアイドルのアドレスあったらやばいでしょ。」

    「ですね。でもなんで。」

    陣「いいから。これ、俺のアドレスと番号しか入れてないから、友達のとかいれるなよ。」

    「・・・はい。ケータイふたつもってるんですか?」

    陣「5つくらいはもってる。プライベート、仕事、事務所、仕事仲間、共通。」

    「あの、わたしがこれもってていいんですか?」

    すると陣くんは少し考えてから言った

    陣「・・・だめだね。」

    「ですよね。」

    陣「でもこれ、俺名義だからいいの。あんま使いすぎるなよ。あと、絶対に友達に教えんな。」

    「まぁ、はい。」

    陣「じゃあちゃんと授業終わったらメールすること!以上。」

    「・・・はい。」

    陣くんは屋根の下から出て、少し歩いてから振り向いた

    陣「あ!あともうひとつ。」

    「なんですか?」

    陣「子どもは早くお家に帰れよ、じゃあな。」

    そういってまた前を向いて、

    さっきのように片手を挙げて走っていった

    「・・・じゃぁな。」

    って、あの人アイドルだよね・・・?

    何で私、話してたんだろ。普通ならありえないことだ・・・。

    「なんか・・・変なの、陣くんって。」

    …ってなんでケータイ受け取ってんの私!
  • 10 RED:: id:.RAguHg.

    2011-10-16(日) 14:30:30 [削除依頼]
    失礼ですが、虹色のクレヨンさんで
    いらっしゃいますか?

    書き方が似ているもので。

    違ってたらすみません。
  • 11 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 14:31:09 [削除依頼]
    現在

    そんなこんなで今です

    綾「本人に会うなんて夢のようなお話だけど・・・さっ!そろそろ帰る?
    帰りにミスドでも寄って話さない?」

    「うん・・・でも今日、私・・・」

    そういいかけたとき私の『第二のケータイ(陣くんからもらったやつ)』が鳴った

    ♪〜着信:俺

    綾「わぁっ!びっくりした・・・、あんた、なんて着うたにしてんのよ・・・。」

    私もおどろいていた

    なんたって音量最大の『ポニョ』だったのだから

    急いでカバンからケータイを取り出してでんわにでる

    「も、もしもし・・・。」

    陣「あー俺。」

    「知ってますよ、着信画面に『俺』って・・・」

    みんなに聞こえないように少しはなれたところに行って静かに話す

    陣「しょーがねーだろ。もし俺の名前が登録してあってまわりにばれたらどうすんだよ。」

    「まず私がただの『妄想野郎』に思われるだけ。」

    陣「じゃあ今から、このまえの本屋のちかくの屋根のトコ、来れる?」

    わたしは綾香のほうを見る

    別の女友達と話しているようだった

    ・・・大丈夫かな・・・

    「15分後なら、何とか・・・」

    陣「じゃーその辺にいるから、こいよ。」

    ・・・・・・なんて偉そう・・・

    「・・・はい。」

    私が返事をすると、プツッと電話が切れた

    もう、一方的だなぁ・・・

    私も電話を切ると綾香やまわりの友達のほうへ戻った

    「ごめーん・・・今日用事できちゃってミスド行けないや。」

    綾香は不思議そうな顔をして言った

    綾「いいけど・・・そのケータイ、夏のじゃないよね。誰の?」

    「や、私のだよ?」

    私は手元の黒いケータイをみつめて答えた

    綾「あれ?夏のってピンクじゃなかったっけ・・・しかもその着メロ・・・」

    「私、ケータイ二つ持ってて、これは親戚のお兄ちゃんがくれたから・・・」

    綾「あんたの親戚のお兄ちゃん、どんなだよ!あってみたいよ。」

    みんな笑ってる よ、よかった・・・なんとか

    「ほ、ほんとだよねー(汗)」

    はー・・・あぶない、あぶない・・・

    「じゃ、わたしそろそろ帰るから」

    綾「はーい!じゃあ気をつけてねー!」

    「うん、みんなもね!」

    ばいばいと手を振って教室を出る

    はー・・・これから陣くんに会うのか・・・。

    昨日も会ってるけど、なんか無駄に緊張する

    そのとき・・・

    ?「よー夏!いま暇?」

    あー・・・来た

    ほんとタイミング悪い・・・
  • 12 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 14:38:18 [削除依頼]

    「京ちゃん。」

    京「今日、お前の家寄っていい?まんがみせてー!」

    これが私の幼馴染の『高杉 京輔(たかすぎ きょうすけ)』

    幼稚園から一緒で家も近く、

    私の…仲の良い?いや、腐れ縁の幼馴染。

    通称:京ちゃん

    「またー?今日私、用事あるんだけど。」

    京「じゃあ俺お前の家の前でまってるよ!」

    「いや、けっこうかかる可能性も・・・。」

    京「お前ってさ、彼氏いたっけ??」

    深刻そうな顔でみつめてくる

    「いない・・・ですけど。」

    京「なんだー!デートかと思った!」

    声が大きい!

    まわりのひとみてるじゃん!

    「ちょっとー、もっと声のボリュームさげてよ!」


    京「しょーがないだろ!で、他の用事って?」

    「なんでもいいでしょ・・・。」

    もういかないといけないのに・・・

    京「じゃあ、俺ほんとに夏の家で待ってるから!」

    「……知らない。じゃあもう行くね!」


    京「おい、ちょっと待てよー!」

    走り出すとうしろから京ちゃんの声が聞こえた

    ・・・でも、無視(笑)

    もう!間に合わないじゃんー(泣)
  • 13 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 14:45:31 [削除依頼]

    ぜいぜいいいながら、私はやっとあの『本屋の近くの屋根の下』へ着いた

    はー、はー・・・

    「私、毎日走ってるな・・・。」

    そんなことをつぶやくと、後ろから車のクラクションが聞こえた

    ・・・!

    びっくりして振り向くと

    やっぱり私の後ろには、黒の外車に乗った

    アイドル、陣くん・・・。


    私は車にかけよる

    陣「はい、2分遅刻ー!」

    「・・・これでもダッシュで来たんですけど、さすがに年上待たせちゃいけないと思って・・・。」

    陣「って、待たせてんだろ!2時間も!」

    ・・・・・・??なに言って・・・

    「私は2分しか待たせてませんよ!あとの1時間58分はあなたが勝手に、」

    陣「・・・もういいから早く乗れ」

    陣くんは呆れ顔で助手席を指差した

    まったく、この人は!こっちがあきれたいくらいだよ・・・

    ぶつぶついいながら助手席にまわると、ドアがタクシーみたいに自動で開いた

    「わ・・・あ、すごい!」

    この車、すごい高そう・・・

    「運転席と助手席の位置が逆・・・」

    しばらくボーっと車を見ていた

    陣「・・・?おい。」

    その声ではっとした

    「あ、すいません・・・外車に乗るのは初めてなんで。高そうだな、って。」

    何言ってるんだ、自分。

    実は・・・外車でデートって、密かに憧れていたんだよなー

    ・・・なんて。

    陣「・・・今日はデートじゃないんですけどー・・・。」

    「・・・・・・。」

    なんで分かったの今?
    透視されたー!!

    陣「ふっ(笑)あははは」

    なんで爆笑・・・??

    「ぇ・・・あの」

    陣「冗談だよ(笑)」

    えー?・・・冗談、だったの・・・意外と当たってたんだけど。

    陣「・・・その顔、もしかして図星?」

    「何言ってんですか!なわけないでしょ!で、なんで呼び出したんですか?」

    陣「・・・ですよね、っさ、行くか!」

    車がエンジンの音ともに走り出す


    いま受け流した?

    「あの、どこに行くかを聞いてるんですけど・・・。」

    陣「ん?ぁー・・・内緒♪」

    はぁ・・・もう!

    この人と会ってから、私何回ため息ついただろう・・・
  • 14 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 14:57:59 [削除依頼]

    車が高速道路に入ったところでいきなり

    陣「はい!質問!」

    「・・・なんですか?」

    私が陣くんのほうを向くと、陣くんはじーっとこっちを見ていた

    ・・・・・・おい。

    「ちょっ、なんでよそみしてるんですか!ちゃんと前見て運転してくださいよ、あぶないです!」

    陣くんは小さく、はいはい、と気だるそうにつぶやいて前に向きなおって続ける

    陣「あのさー、なんだっけ?」

    ・・・・・・なにが?

    「?」

    陣「だから、お前の名前。」

    「あぁ・・・神崎夏です。」

    陣「そう・・・変わってるねー、『なつ』って。」

    ・・・普通そこは、いい名前だねー、とか言うもんじゃないのかな?

    「あー・・・ですね。」

    ・・・・・・。

    しばらく沈黙が続く

    なにこの間・・・。

    アイドルに名前を呼ばれたらうれしいはずなのに、

    なんか、地味な名前で逆に場を盛り下げてしまって申し訳ない・・・というか、なんというか・・・

    陣「・・・あのさぁ」

    陣くんって、いきなり口を開くから、いちいちびっくりする

    「ぇ、はい…?」

    陣「『なつ』って、漢字でどういう字?」

    首をかしげながら、なにやら考え込んでいるみたい・・・

    「・・・季節の『夏』って言う字、一文字ですけど・・・。」

    私が答えると、陣くんはまたこっちを向いて

    陣「あー!!なるほど!」

    と、まるで何かを思い出したように大声で言った

    「ちょっとー!だからもう、ちゃんと前見てってば!」

    私が少し怒り気味にいうと

    陣くんは少し、シュンとして少し間をおいてから前を向いた

    事故にあったらどうしようって思ったりしないのかなー・・・

    なんかこの人、ぜんぜんそんなこと考えてなさそう・・・

    ちょっと陣くんの車乗るのが怖くなってきた

    陣「あー、俺、基本安全運転だから!」

    陣くんはミラー越しに私に言う

    ほら、また、・・・何も言ってないのに、まるで透視しているかのように

    心が読まれる

    「・・・そうですか。」

    これ以上話してたら、なんでもバレちゃいそう

    「あの、さっきの話ですけど、名前呼びにくかったら、『お前』でもいいですよ!もう、初対面じゃないし。」

    陣「じゃ、遠慮なく『両方』で!」
  • 15 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 14:58:36 [削除依頼]

    陣「使い分ける、みたいな? てかさ、なんで名前『夏』なの?」

    不思議そうに聞く陣くんの目は、やはり前ではなく、私の方向を向いている


    ・・・もういいや、事故にあっても。
    この人の責任だから。
    何度言っても、陣くんはそのたびにこっちを向くだろう

    「・・・それは私の親に聞いてください。」

    陣「え、やっぱり夏に産まれたから、とか?」


    「私、冬産まれなんです・・・。」

    陣「そう・・・。ほんと、なんでだろうね。まぁ、なんでもいいけど。」

    なんでもいいんだ・・・

    ほんとーにコレだけは噂どおりの『自由「陣」』

    陣「気に入った!!シンプルで、潔くて!かっこいいじゃん、『夏』って!!」

    またもやいきなり大声を出す陣くんに戸惑いながらも

    初めて名前を誉められたからか、

    なんとなくうれしくて、自然とにやけてしまう私。

    「・・・(笑)」

    陣「さっきからお前、表情変わりすぎだろ!笑ったり、昨日も怒ったと思えば泣いて・・・」

    「すいません・・・。」

    陣くんは笑いながら、七変化ーとか言って私の顔真似中・・・

    あの、
    今、運転中です!

    陣「なんでも表情に出るって、いいんじゃない?正直でさ。」

    「はぁ、どーも。」

    んー・・・

    なんか調子狂うな・・・

    陣くんだって、

    かなり素直なかんじするけど・・・。


     実際はこんなひとだったんだ。

    綾香が私の立場にいたら、泣いて喜びそう!

    「ふふっ(笑)」

    陣「なんだよ」

    「いや、なんでもないです(笑)」

    たまにはこういうのも意外に

    不思議と楽しい・・・かも。

    変なの。


    そんなこんなでわたしたちは

    陣くんのいう、『目的地』へ着いた(?)らしい。
  • 16 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 15:03:16 [削除依頼]

    陣「はい、到着!」

    そこはどこかの高級ホテルの駐車場だった

    「あの、この駐車場はここに泊まる人専用ですよね?」

    私は看板を指差す

    『当ホテル利用者専用』ってもろにかいてある

    陣「そうだけど?」

    「え・・・ホテルなんか入ったら、それこそ大問題ですよ!」

    この人、アイドルって自覚あるのかな

    陣「大丈夫、大丈夫!これ、あるし。」

    陣くんはそういうと車のダッシュボードの中からサングラスをとりだして

    車のバックミラーで髪の毛を整えながら、サングラスをかけた


    でも長身で髪型ももろにアイドル。

    こんなんでほんとに大丈夫かな・・・

    まぁそのままよりはマシ、かな?

    フロントフロアに着くと、何人かの人が陣くんを見ていたけど、

    陣くんは下を向くこともなく、そのままフロントまで歩いていく

    そして私は近くのソファーに座って待つ

    「こんなところに何の用事があるんだろ・・・」

    周りを見渡すと、けっこうな人の数

    予約とかしてなくても、入れちゃうの?

    こんなに人がいるのに・・・

    ・・・ってことはやっぱり予約済み??

    私の頭の中は『?(ハテナ)』でいっぱいになる

    すると・・・

    陣「なに難しい顔してんだよ。ほら、いくぞ。」

    目の前には差し出された陣くんの手

    ・・・これって、いいの?

    わたしがアイドルの手を触っても・・・

    つい時々忘れそうになるけど、この人はアイドルだ。

    陣「おい!?」

    私ははっとして陣くんの手に自分の手のひらを重ねて、立ち上がる

    ―緊張する・・・

    やっぱりこういうときになるとダメなんだよね

    「ありがとう・・・ございます・・・。」

    陣「?なにが?」

    「いや、だから・・・」

    陣「大人気アイドルが手をつないでくれて?(笑)」

    「そ、そんなこと言ってないじゃないですか!」

    もうー!

    陣「あー、はいはい。じゃ、行くよ!」

    エレベーターに乗り込むと、陣くんは一番上のボタンを押した

    ・・・最上階?

    「あの、予約してたんですか?じゃなきゃ最上階なんて・・・」

    陣「うーん・・・予約してた、というか・・・」

    ??

    陣「どうせ、今から行くんだからさ、それで分かるんじゃない?」

    「そう、ですね・・・」

    あのこれ、ほんとに大丈夫だよね?

    なんか心配・・・そういうことじゃない、よね?ね?

    しかも今、まだ手つないだままだし・・・
  • 17 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 15:10:18 [削除依頼]

    ちらっと横目で陣くんを見ると

    もう片方の手をポケットにつっこみながら、エレベーターの回数を目で追ってる・・・

    こっちは手をつないだことで緊張してるのに・・・

    当の本人は全然なんともないような顔してる

    こういうの、なれてるのかな・・・

    やっぱり女性関係多いのかも・・・

    私なんて小さい頃に京ちゃんとしか手つないだ経験ないのに!!

    陣「あ!」

    「わぁ!」

    またまた いきなり大声出すからビックリした・・・

    陣「・・・何?」

    ・・・こっちのセリフだよ

    「え・・・どうしたんですか?」

    陣「あのさー、言ってなかったんだけど・・・」

    ごくっ

    「はい」

    陣「たぶん、すごいことになってるから部屋着いたら、お前先に入れよ」

    「あの、言ってる意味がよく分からない」

    なんのこと?なにがすごいことになってるの?


    陣「いーから、とにかく頼んだ」

    ??

    そのときやっとエレベーターが最上階に到着した

    ガラガラ・・・

    扉が開くと長い廊下が続いていた

    すごい・・・ホテルの最上階なんて初めてかも

    広い。

    私たちがエレベーターから降りると、数人の従業員がそのエレベーターに乗り、
    一礼してからとびらをしめた

    そのまままっすぐ進むとひとつだけ部屋があった

    陣「入って入って、ここはまだ平気だから。」

    陣くんは部屋の扉を開けて私を中に入れる

    扉の先はちょっとした廊下になっていて曲がり角があった

    「あの角曲がったところから、部屋になってるから前どうぞ。」

    陣くんは声のボリュームをさげてささやくように言う

    私が陣くんの前に移動すると、陣くんはOKサインを出した

    まだ部屋は見えない

    「ホント、広いですね・・・」

    陣「あたりまえだろ!スイートなんだから・・・」

    (↑もちろん、ささやき程度の小さい声で話してます。)

    えっ?

    「スイート・・・ってスイートルーム?」

    陣「そう、最上階の最高級(笑)」


    た、高いよ・・・値段も、階数も。

    さすが芸能人

    陣「あたりまえだろ、最上階はこのスイートルーム一部屋だけなんだから。」

    「そうですよね・・・」

    陣「ってか、早くその角曲がれよ。」

    ・・・だって

    「だって、『すごいことになってる』なんていわれたら、なんかこわいじゃないですか!」

    陣「いいから行けって!」

    「・・・はい」

    手をつないだまま縦に一列に並んでるから、私が陣くんを引っ張ってるみたいな格好になってる・・・

    おそるおそる角を曲がると、

    『最高級スイートルーム』が広がっていた

    外国のお城の中の部屋みたい・・・

    そんなことを思いながら一歩進んだところで・・・
  • 18 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 15:13:30 [削除依頼]
    「HAPPY BIRTHDAY DEAR JIN♪」

    バーン

    バーン

    バーン

    っ鼓膜が!

    ぇ…なにこれ!?

    突然聞こえた大声に戸惑う私。

    とにかくいま、バンバンバンバンいってるこのクラッカーの音を誰かとめて!!

    ビックリしたのと、音がうるさくて耳がやばいので大変な状況(汗)


    「まさか・・・」

    私が後ろを振り向くと陣くんは

    なぜかさっきまでなかったはずの耳栓をはめていた

    「やっぱりそーゆーこと・・・!はめられた!!」

    陣「♪〜」

    こいつー!

    ってか、いまの・・・なんだったの?私たちのほかに誰か・・・

    陣「怒ってないで、もっと喜べよ。」


    「なに言って・・・」

    言いかけると、陣くんが前を指差した

    私は前に向き直った瞬間、持っていたカバンを床に落としてしまった

    目の前には・・・

    私が常日頃 口ぐせのように会いたいと言っていた、『逢川 依(あいかわ より)』くん(と、その仲間たちもね♪)が立っていた
  • 19 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 15:17:58 [削除依頼]

    ……依くん?

    …??

    陣「俺にちゃんと感謝しろよ、夏!」

    「・・・・・・。」

    いきなりのできごとに驚きすぎて言葉が出ない

    陣「・・・?」

    依「・・・あの、大丈夫?」


    ・・・・・・


    依くんだ・・・本物・・・

    しゃべった、今・・・

    私に話しかけてくれた!!(泣)


    よ・・・

    「・・・依くん」

    より君の声を聞いて初めて対面した実感がわいてきた私は、

    つい、つぶやいてしまう

    涙があふれてきそうだった

    「っっ!」

    いままで生きてきて今日が一番のサプライズ

    感動ー(泣)

    陣「もしかして・・・泣いてんの?」

    「・・・。」

    私が無視して鞄を拾うと、

    陣くんはつけていた耳栓をはずして言った

    陣「いや、悪気はなかったんだよ!お前がどういう反応するか見てみたかっただけで・・・」

    ??

    陣「だってエレベーターでも『すごいことになってるから』ってちゃんと言ったし・・・」

    ????

    陣「ぃや、でもやっぱり・・・さすがにいきなりあれは驚いたよな・・・ごめん」


    もしかして・・・勘違いしてる?

    ・・・私が泣いてたのは、自分のせいだと思ってる

    「あの・・・違くて、今のはただ・・・」


    陣「え?・・・まさかお前、ただ単にこいつ(依くん)に会って感動してるだけ・・・とか」

    陣くんは依くんを指差した

    「・・・・・・はぃ」

    私が小さい声で答えると陣くんは

    陣「うわー!さっき謝ったの撤回!俺はめたわけじゃねーしちゃんと言ったもん!」

    といって持っていた耳栓をゴミ箱に投げ捨てた(笑)
  • 20 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 15:23:08 [削除依頼]

    「わかってます」

    陣「お前必ず初対面の人の前で泣くの?(笑)昨日も・・・」

    「そんなことないし・・・まずきのうは、理由がちがいますからっ!!」

    すると依くんが口を開いた

    依「えーと・・・陣!この子、どこから連れてきたの?」

    陣「・・・本屋で、お前のポス・・・っ」

    陣くんは途中で口を覆ってブンブンと首を横に振った

    なぜなら私が睨んだからだ

    『それ以上言ったら、ボイスレコーダーどっかの局に売るぞ!』

    という気迫をこめて!!

    伝わったかな!?

    依「俺の?なに?」

    陣「いや、なんでもない。ただの暇つぶし相手さん。」

    (イラッ


    依「名前は?」

    陣「・・・神崎夏」

    すると依くんは私の目の前に来て言った


    依「『夏』って・・・なまえ?」


    「はい・・・」

    陣「だよな、めずらしいの」

    依「そっか、夏ちゃん、か。」

    !!!

    ・・・依君に名前呼ばれたー!

    「はいっ♪」

    依「いい名前だね、夏・・・」

    キャー///

    「ありがとうございます!!」

    そんな新鮮な会話をしていると・・・

    ?「えっと、あのさ、俺らも一応・・・」


    ・・・?

    ・・・・・・。

    !!!!!!


    ?「俺は『toxic』のメンバーの七海 蒼(ななみ そう)!」


    ?2「同じく、早波 奏(さわ かなで)。」


    ?3「沖南 礼(おきな れい)。よろしく。」


    横から三人のメンバーがクラッカーをかたづけながら近づいてくる

    ・・・・・・信じられない、ホント。

    トキシックのメンバーが全員そろった瞬間だった


    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    ここで、ひとまず登場人物紹介!

    次へ↓
  • 21 ユイ id:oqNFSvN.

    2011-10-16(日) 15:46:16 [削除依頼]
    ーーー登場人物紹介ーーー

    ♯ 神崎 夏 (かんざき なつ)

    主人公の高校二年生女子。トキシックの依くんファン。

    ♯ 水瀬 陣 (みなせ じん)

    アイドルグループ トキシックのメンバーでビジュアルはダントツ。
    一番人気で負けず嫌いな俺様男 自由陣(人)。
    低音ボイスで歌唱力は抜群。
    プライベートと仕事でのギャップが激しい。
    ふとしたきっかけで夏と出会う。意外に優しい?23歳。

    ♯ 逢川 依 (あいかわ より)

    トキシックのメンバー。陣とは正反対の性格。
    人一倍頑張る好青年で優しい人。
    ファンサービスがよく、僅差で二番目に人気。
    グループの顔的存在。22歳の最年少。
    夏の憧れの人。

    ♯ 七海 蒼 (ななみ そう)

    トキシックのメンバーでトークが面白いMC担当。
    頼れる性格だけどみんなにネタにされる。
    みんなをまとめるグループのリーダー的存在。
    24歳の最年長。

    ♯ 早波 奏 (さわ かなで)

    トキシックのメンバーで少し天然っぽい性格。
    ファンの間で かわいい/かっこいい と評価が分かれている。
    (両方を持ち合わせている。)
    中性的な整った顔をした24歳の最年長。

    ♯ 沖南 礼 (おきな れい)

    トキシックのメンバー1クールで謎な男。
    最近ボイトレの成果できれいな歌声が好評。
    大人っぽくてまわりに興味がなく、いつも何を考えてるかわからない。
    あまり感情はださないが笑うと優しくみえる。
    陣と同じ23歳。

    (トキシックのメンバーの共通点はみんな運動神経がいいこと。)

    ♯ 高杉 京輔 (たかすぎ きょうすけ)

    夏の幼馴染で高校二年生の男子。面白くてノリがよく
    最近髪を茶色に染めてモテ期が来ているらしい。
    通称:京ちゃん。

    ♯ 冴木 綾香 (さえき あやか)

    夏の親友。後ろの席のきれい系女子。
    アネゴ肌で面倒見がよい高校二年生。
    トキシックの陣くんファン。

    ♯ 松下 加奈 (まつした かな)

    高校三年生のギャル系女子。夏の先輩で後輩からは近寄りがたい存在。
    いつも三人組で行動している。トキシックの陣くんファン。

    ♯ 平石 沙織 (ひらいし さおり)

    高校三年生のギャル系女子。三人組の一人で依くんファン。

    ♯ 河合 みか (かわい みか)

    高校三年生の半ギャル系女子。
    三人組の一人で半ば強制的にグループに入ったので、
    ギャルになりきれていない。
    そこまで好きではないが話を合わせるために、蒼くんのファンと言っている。


    増えたときにはまたつくって紹介します。
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