skill holder45コメント

1 マトリョ id:P1F2Iz01

2011-10-13(木) 21:49:06 [削除依頼]

「ねーねー!スキルホルダーって知ってる?」

「なにそれ?」

昼。女子高生達は、呑気に会話をしている。

「スキルホルダーってなに?」

「スキルホルダーってゆーのは、超能力者のこと!噂だとねー、毎晩人
に見つからないように悪さをしてるんだって!」

「ウソくさー」

「ホントだって!」

「おい」

突然呼ばれて振りかえると、後ろに背の少し高い少女が立っていた。

「あ、創院寺さん。また早退?あんまり早退ばっかりしてると留年しちゃ
うよー」

「私とて、早退したくてしているわけではない。貴様らもそんな噂話して
いないで、勉強でもしたらどうだ」

女子高生達は、「あ、聞いてたんだ」と苦笑いをした。

「じゃあまたねー、そーいんじさーん。」

「ああ、また明日」

(急がないと仕事におくれるな)


初心者なので文才が無いことをお許しください。
  • 26 マトリョ id:PDB1G6S0

    2011-10-24(月) 16:56:17 [削除依頼]
    「悪いが此処でおとなしくししていてもらう!」

    伊織が男の前に手をかざすと、結界がはられていく。

    「ここまで弱いものだってとはな」

    「モタモタしてる暇はねえ。次行くぞ」

    「ああ」

    伊織と優一は次の場所へと向かった。


    「反応があったのは此処か」

    二人は森に着いた。

    「こんな所に人がいんのか?」

    「課長によると此処のはずだ」

    すると、上から二つの人影が降りてきた。

    「二人いっぺんに来たな。ちょうどいい、早く片付けるぞ」

    人影の1人が口を開く。

    「片付ける?そんなことができると思ってんの!?」

    続いて、もう1人が口を開く。

    「思ってるんじゃない?奴らは自意識過剰だから」

    よく見ると、先に口をきいた者は少女、後に口をきいた者は少年だった。

    「なんだ、ガキじゃねーか」

    「ただのガキだと、思うなよ!」

    少女はライフルを取り出し、こちらへむけて発射した。

    「なんでこんなモン持ってんだよ!」

    「それはこちらのセリフだ!」

    伊織と優一は間一髪で避ける。

    「へえ。なかなか身軽だね。」

    「ちょっとカイ!なにサボってんのよ!ソーヤから今後のためにも戦っとけって言われてるで
    しょ!」

    「ぼくは戦う必要ないし、声がデカイよアイ」

    少年は木の上に寝そべる。

    「そんな余裕がいつまで続くか見ものだな」

    伊織は腰のホルスターから銃を抜き取り、水の銃弾を少女へ向けてへ発射した。
    少女は銃弾をライフルで防ぐ。

    「そんなヘナチョコ弾、効かないわよ!」

    だが、ライフルは一瞬で熔けてしまった。

    「なっ、なにこれ!」

    伊織は少女の頭に銃を突きつける。

    「その弾はただの水の弾ではない。硫酸を混ぜた弾だ」

    伊織は少女の周りに結界をはる。

    「此処で大人しくしていてもらう」

    「ちょっ!此処から出しなさいよ!」

    「なにやってんのさ、アイ。ぼくがやるはめになったじゃないか」

    「知らないわよ!」

    少年は、木から降りて戦闘態勢にはいった。

    「ぼくのスキルから逃げ切れられるかな?」
  • 27 マトリョ id:PDB1G6S0

    2011-10-24(月) 22:05:56 [削除依頼]
    「次はお前か、ボウズ」

    「まあね。アイもやられちゃったし、ぼくが行くしかないでしょ」

    少年は呆れ顔で続ける。

    「アイったら『スキル使わないで倒してやる!』ってはりきってたくせに、このザマだよ。バカ
    につきあってるとロクことない」

    「お前は余裕そうだな、ボウズ」

    「別に余裕ってわけじゃないよ。ぼくのスキルは戦いに向いていない。ぼくの役目はただの足止め
    さ」

    「足止め?」

    少年は馬鹿にしたように笑う。

    「まだ判ってないんだ。ぼくらがこうしている間に蒼夜さんが街を破壊してる。別に人を襲って
    いるわけじゃないから安心して」

    「貴様・・・!」

    「わかったんなら、早くやろうよ」

    少年が言い終わると、辺りが濃霧に包まれ、少年の姿が見えなくなった。

    「ぼくのスキルは『幻覚』。ぼくを探し出してごらん」

    伊織と優一は辺りを見回すが、濃霧で何も見えない。

    「何が幻覚だ。霧が出てるだけじゃねーか」

    すると、優一に向かってナイフが飛んでくる。
    優一は銃を構え、ナイフに向かって発射する。だが、銃弾はナイフをすり抜ける。

    「・・・幻覚ってのは満更でもねーみてーだな」

    「此処はお前に任せるぞ、優一」

    「ああ」

    優一が手を横に振ると、森全体が炎に包まれた。

    「へえ、やるねえ」

    「火の始末頼んだぞ、伊織」

    「言われなくても分かっている」

    伊織がてを上に上げると、大雨が降ってきた。

    「さてと、観念しな、ボウズ」

    「蒼夜さんに殺されないよう、せいぜい頑張ることだね」

    優一と伊織は少年の周りに結界をはり、街へ戻った。


    「・・・なんだこりゃあ・・・!」

    街は荒地となっていた。
  • 28 マトリョ id:Df9Zyqd1

    2011-10-25(火) 21:42:17 [削除依頼]
    「お、早かったね、感心感心♪」

    「てめえ、一体何しやがった!」

    「ん〜?なにって、ただ街を壊していただけだよ」

    「ふざけやがって!」

    優一は蒼夜につかみかかろうとするが、伊織に止められる。

    「まて優一!奴のスキルが分からぬ以上、無闇に攻撃するのは危険だ!」

    「冷静になったね伊織。さっきはビクビクして怯えてたのに♪」

    「生憎、貴様との記憶は全て消したんでな」

    「へえ。これまた感心♪」

    「話を戻す。貴様、なぜこのような事をしたのだ」

    「ん〜、舞台作り?」

    蒼夜はおどけてみせた。

    「そんな事はいい。さっさとコイツを倒すぞ!」

    優一は、近くにあった鉄くずを刀に変え、蒼夜に飛びかかった。だが、素手で止められた。

    「まーまー。そんな事より、君たちにハンデをあげよう♪僕のスキル、聞きたくない?」

    「なんにもならないよ。でも聞かないよりはいいじゃないか♪」

    「余裕だな。聞いて欲しいのなら聞いてやろう」

    伊織は銃を構えながら言った。

    「まあいいよ。僕のスキルは『コピー』だ」

    「コピー!?」

    「そ♪今のところ100個くらいは持ってるかな♪どう?聞かないよりはよかったでしょ?」

    「なっ・・・・・!」

    伊織と優一は驚くことしかできなかった。
  • 29 c5 id:EAVIrwK1

    2011-10-27(木) 20:45:34 [削除依頼]
    コピー??
    どんなskillなのか
    たのしみww
  • 30 c5 id:EAVIrwK1

    2011-10-27(木) 21:12:21 [削除依頼]
    今日は
    投稿されるかな??


    まってるww
  • 31 マトリョ id:VyHn0j./

    2011-10-27(木) 22:05:42 [削除依頼]
    「コピー?」

    「そ♪例えばコレ」

    突然辺りが濃霧に包まれた。

    「これは・・・」

    「さっきのガキのスキルだな」

    「そのとおり♪これで分かった?」

    蒼夜は濃霧をといた。

    「これでもハンデは足りないと思うけど、別にいいよね」

    「完全になめているな」

    「・・・」

    優一は何かを考えていた。

    「?どうしたのだ、優一」

    「お前、『水蓮』持ってきたか?」

    「持ってくりはずがないだろう。あれは扱いが難しいのだ」

    優一は真剣な顔つきをした。

    「あれが必要かもしんねえ。課長に頼んで転送してもらえ」

    「おい、人の話をきいているのか!『水蓮』は扱いが難しいと言っているだろう!」

    「聞こえてる。いいから俺の話を聞け」

    伊織は呆れたが、いつものことなので優一の話を聞くことにした。

    「お前とあいつは兄弟だ。もしかしたらスキルの性質も同じかもしんねえ」

    「それがどうした?」

    「つまりだ。『水蓮』は風の性質が使えるようになってる。風は水を切る。こう考えれば『水
    蓮』もつ変えなくはないだろ」

    「なるほど・・・」

    「作戦会議はすんだかい?」

    蒼夜がわって入ってきた。

    「伊織!早くしろ!」

    「言われなくとも分かっている!」

    伊織は荒本にテレパスの通信をした。

    【課長、『水蓮』を転送してください!】

    【『水蓮』!?これまた珍しい注文ね。分かったわ、待ってて】

    すると、伊織の手元に日本刀が現れた。伊織が刀を抜くと、刀身は透明で、中に肉眼で見るこ
    とは難しいほど細い管が通っていた。

    「これを扱うのは久ぶりだな・・・・・・・・・・・・行くぞ『水蓮』!」

    二人にとって最も長い夜が始まった。


    ここで雑談です。
    今日、伊織のイラスト描いてました。顔はともかく、体が超むずいです。
    ではこれにて。
  • 32 c5 id:XOM5X/N.

    2011-10-28(金) 19:27:55 [削除依頼]
    え!!
    伊織のイラスト??
    見たいみたい!!!!!!!

    …優一は??
  • 33 マトリョ id:103het8/

    2011-10-29(土) 22:08:44 [削除依頼]
    優一・・・っていうか、男が描けないんです!
    では本編です。どーぞ。


    スキルホルダーは、スキルの元となる種が植え付けられることによって才能が開花する。

    スキルの種は、悲しみ、怒り、恐怖に呼び寄せられる。

    その感情が大きければ大きいほど、呼び寄せられる数は多くなる。

    伊織や優一も、その1人である。


    伊織が刀に力を注ぎ込むと、細い管に青い光が通っていく。

    「このくらいか・・・」

    伊織は準備が終わると、優一に声をかけた。

    「優一!準備ができた!」

    さっきまで蒼夜と戦っていた優一は、返事をする。

    「わかった!さっさとコイツ倒せよ!」

    優一が後ろにさがると、伊織は蒼夜の前にでた。

    「刀なんか持っちゃって、僕と至近距離で戦えるかな?」

    「すぐに終わらせる」

    伊織は、刀を蒼夜の腹に突き刺した。だが、血は一滴も流れておらず、蒼夜の表情も歪まない


    「なーんだ、ただのボンクラ刀じゃんか」

    「それはどうかな」

    すると、蒼夜の体から白い煙のようなものが、伊織の刀に吸い込まれていった。

    「!これはっ・・・!」

    蒼夜は伊織から少し距離をとった。

    「驚いたか?お察しのとおり、これはスキルを吸い取る刀だ」

    「3つくらいとられちゃったか・・・」

    蒼夜は伊織に刺された場所をさする。

    「本気でいったほうがよさそうだね」

    すると、蒼夜の元に一本の刀が現れた。

    「僕も昔剣道をやっていたことがあってね。まあかじった程度だけど」

    伊織と蒼夜の刀がぶつかり合い、キンッ! と音をたてる。

    「どこがかじった程度だ・・・」

    蒼夜は次々と攻撃を繰り出すが、伊織はそれを華麗によける。その姿は少し苦しそうだった。

    「この短時間でかなり疲れてるね。その刀のせいかな?」

    「くっ・・・!」

    そして、また二人は刃を交える。
    そのとき

    ピシッ

    「なっ!」

    伊織の刀にヒビがはいった。
  • 34 マトリョ id:103het8/

    2011-10-29(土) 22:31:56 [削除依頼]
    「優一、鞘」

    「ほれよ」

    優一は伊織に刀の鞘をなげて渡した。
    伊織はその鞘に刀をしまい、また抜いた。すると、先程のヒビが消えてい
    た。

    「どうやら、その刀はかなり特殊なようだね。その細い管に通す力の量が
    多くてもだめ、少なくてもだめって訳か」

    「正解だ。そこまで見抜くとはな」

    「まあね。ここれでも・・・」

    次の瞬間、蒼夜は一瞬で伊織の隣に移動した。

    「かなりの才能がある」

    蒼夜は刀を伊織の左肩に振り下ろした。
    伊織は少しよけたが、刀があたり、血が流れていた。

    「ぐ・・・!」

    「大丈夫か、伊織。治癒で治しとけよ」

    「あまり力を使いたくない。それに、この程度の傷問題ない」

    「まあいい、俺が行く」

    優一は腰のホルスターから銃を抜いた。

    「今度は俺だ」

    「へえ、銃か。じゃあ僕も♪」

    蒼夜は刀を銃に変えた。

    「お前は相手のマネをするのが好きらしいな」

    「まあね♪じゃあ開戦といこうか」
  • 35 マトリョ id:crjz5PR0

    2011-10-30(日) 13:36:15 [削除依頼]
    優一が撃つ銃弾を蒼夜は華麗によける。

    「なかなかやるな」

    「僕だって、弱くはないさ♪でも・・・」

    蒼夜は優一の背後にまわり、背中に銃を突きつける。

    「近距離戦のほうが好きかな」

    「・・・少し気があいそうだな」

    優一は後ろ手で蒼夜の腕をつかみ、背負い投げをする。
    だが、蒼夜はひらりと舞い、よける。
    また銃撃戦が始まる。

    「ところで、君たちは一緒に戦わないのかい?」

    「随分なめてくれるじゃねーか」

    「別になめてなんかないよ、見下してるだけ♪」

    この発言にブチ切れた優一は、伊織をよんだ。

    「伊織!来い!二人で戦うぞ!」

    「本気で言っているのか!」

    「あちらさん完全になめてやがる」

    「まったく、しょうがないな・・・」

    伊織は木から降りて優一の元に向かう。傷口からは、血が滲んでいる。

    「・・・傷は?」

    「今さら何を言う。問題ないと言っただろう」

    「お、結局二人で戦うんだ」

    「・・・」

    二人は蒼夜の言葉を無視して、戦闘態勢に入った。

    「ま、いいや」

    すると、蒼夜にテレパスの通信が入った。

    【蒼夜】

    「あ、ボス」

    「ボス・・・?」

    【いつまでやっている】

    「しょうがないでしょ、相手意外と強いんだから」

    【早く連れて来い、それが無理な場合は・・・】

    「わかってるよ、ボス。早く終わらせる」

    蒼夜は話を終わらせると、二人に向き直った。

    「悪いけど、これで終わりだ」

    蒼夜が指を鳴らすと、伊織と優一は動けなくなった。

    「っ・・・!またこれか!」

    蒼夜は優一の前に立った。

    「バイバイ♪」

    そして刀を振りかざした。
    そのとき

    「ああああああああああああ!!!!」

    優一が苦しみだした。

    「ん?」

    「どうした、優一!」

    「ハアッ、ハアッ、」

    優一の息はどんどん荒くなっていく。

    「なにか、過去にトラウマがあるのかな?」

    「トラウマ・・・?」

    「見てみよっか。伊織にも見せてあげる」

    「私は・・・」

    蒼夜は優一の頭に手をかざす。

    「どんな過去があるかな」
  • 36 マトリョ id:wWcDLVl/

    2011-10-31(月) 21:43:28 [削除依頼]
    今回は優一視点の話です。
    ではではどうぞ。


    8年前、俺には家族がいた。
    妹の名は香代。当時6歳。
    父の名は優造。政治家だったが、金銭問題で政界をクビになったあと酒浸りになり、アルコ
    ール中毒になった。
    母はそんな父を見損ない、家を出て行った。
    父はそれから姿を消した。
    その頃から香代はこんなことを聞くようになった。

    「お兄ちゃん、お父さんとお母さんはいつかえってくるの?」

    その言葉に、当時14歳の俺は何も答えることができなかった。


    父が姿を消してから5日後。

    「ただいまあ」

    俺は学校から帰ってきたとこだった。

    「香代〜?どこ行った?」

    台所に目をやると、香代が横たわっていた。

    「香代!」

    俺は慌てて香代を抱きかかえると、香代は冷たくなっていた。

    「香代!おい香代!!」

    「なんだ、帰ってたのか」

    振り返ると、父が立っていた。

    「父さん、香代が!」

    「俺がやったんだよ」

    「!」

    俺は衝撃のあまり言葉を失った。

    「酒代がたりなくてよお。お前たちに保険かけといてよかったぜ」

    父は不適な笑みを浮かべた。

    「次はお前だ」

    「なんっ・・・で・・・!」

    「さあなあ!!!」

    父は手に持っていた包丁を振りかぶった。
    俺の中で、香代を殺された怒りと悲しみ、自分が殺されるかもしれない恐怖が入り交ざり、

    「うああああああああああああああ!!!!!!!」

    感情が、爆発した。
    一瞬で父は燃え上がった。

    「なん・・・だよ・・・!・・・これ」

    俺は香代を守りたかった。
    それなのに守れなかった。


    俺は


    無力だ・・・・・・・・・・・・・。
  • 37 マトリョ id:XpFSuf7/

    2011-11-05(土) 11:10:42 [削除依頼]
    「へえ、面白半分で見てみたけど、かなりビックリする内容だったね」

    優一は何もしゃべらない。

    「優一・・・」

    「あれほど強力なスキルを野放しにしておくわけにはいかない」

    蒼夜は手に持っていた銃を優一に向けた。

    「最初はそのスキルをもらうつもりだったけど、ボスから呼び出しがきちゃったし、仕方がないけど君を殺す」

    「やめろっ!」

    「バイバイ♪」

    ガン、という音と共に、銃弾が優一を貫いた。

    「優一!」

    「じゃあね♪」

    一瞬で蒼夜は消え、金縛りがとけた。

    「優一!しっかりしろ!」

    伊織はすぐさま優一のもとに駆け寄り、治癒の結界をはる。
    傷は癒えていくが、優一は目を覚まさない。

    「優一!起きろ優一!」

    荒地に伊織の声が響く。
  • 38 マトリョ id:XpFSuf7/

    2011-11-05(土) 20:34:57 [削除依頼]
    数週間後、

    「伊織ちゃーん!朝食もってきたわよー!」

    都内の病院の一室、荒本は勢いよく扉をあけた。

    「・・・伊織ちゃん?」

    部屋に伊織の姿はなかった。

    「まさか!」

    荒本は隣の病室に入った。名札には『原野 優一様』とかいてある。

    「伊織ちゃん!ちゃんと寝てなきゃだめでしょ!」

    病室には、ベットの隣に伊織がいた。伊織はベットに治癒の結界をはっている。中には優一がいた。

    そこに医師がはいってきた。

    「診察にきました」

    「あっ、先生、おはようございます。ほら、伊織ちゃん、病室にもどろう?」

    だが、伊織は動こうとしない。その姿は抜け殻のようにも見えた。

    「すみません、先生。・・・優一君、どうですか?」

    「お嬢さんの能力で、ここまで回復したものの、意識は全くもどりませんね。なんともいえない状況です」

    優一はあの戦いから目を覚まさない。伊織が毎日治癒の結界をはっているものの、ピクリとも動かないのである。

    「では、私はこれで」

    「ありがとうございました」

    医師は病室からでていった。

    「伊織ちゃん、私、仕事あるからもういくね」

    荒本も病室から出て行った。

    「・・・優一、私はお前のために何をすればいい?お前はどうしたら起きる?教えてくれ、・・・優一」

    伊織は震える手で優一の手に触れる。

    「私は・・・」

    突然ノックがして、病室の扉が開いた。
    伊織が振り向くと、数人の警官と刑事が入ってきた。

    「原野優一、お前を、原野優造氏殺人の容疑で逮捕する!」

    「なっ・・・!」

    警官は優一を抱える。

    「何をする!優一はまだ」

    「邪魔だ、小娘」

    警官は伊織を押さえつける。

    「スキルホルダーだか何だかしらねぇが、あまり粋がってんじゃねーぞ」

    「くっ!離せ!」

    「静かにしていろ!」

    「離せと言っているのが聞こえぬのか!」

    伊織は警官を突き飛ばした。

    「公務執行妨害で逮捕しろ!」

    警官は伊織を取り押さえ、手錠をかけた。

    「離せッ!」

    「話を聞かせてもらう。来いっ!」

    伊織は刑事たちに連れて行かれた。
  • 39 マトリョ id:OPl0Spp.

    2011-11-06(日) 21:23:40 [削除依頼]
    「警官に暴力を振るったことについてはもういい。原野優一のことについて聞かせてもらおうか」

    「何も話すことはない」

    伊織は取り調べを受けていた。

    「原野優造氏は、娘の原野香代と共に自宅で殺害されていた。優造氏は焼死体で発見され、香代は刺殺されていた。このことは知っているな?」

    「ああ、見たから間違いない」

    「見た?」

    刑事は意味が分からないという表情をした。

    「まあいい。原野優一から何か聞いていないか?」

    「聞いていない。聞いていたとしても言うつもりはない」

    「完全黙秘か・・・」

    すると、部屋のドアが開いた。
    入ってきたのは荒本だった。

    「課長・・・」

    「横田刑事、取調べを私に任せてはくれないでしょうか?」

    「ん?まあいいけど」

    横田と呼ばれる刑事は部屋から出て行った。

    「伊織ちゃん、優一君に何があったか教えてくれる?」

    「・・・」

    「テレパスでいいから。ね?」

    【優一は確かに優造氏を殺しました。でも、あれは正当防衛です】

    【正当防衛?】

    【はい】

    伊織は、あの日見たことをすべて話した。

    【そんなことがあったなんて・・・。杉原課長から聞いてないわ】

    【杉原課長?誰です?】

    【私の前任者、優一君をスカウトした男よ。優一君は杉原課長のことを、よく慕ってた。『俺はあの人に救われたんだ』ってね】

    【あの優一が・・・】

    伊織は少し驚いた顔をした。

    (私も、あの日優一に救われた)
  • 40 マトリョ id:OPl0Spp.

    2011-11-06(日) 21:33:07 [削除依頼]
    来週から期末テスト期間なのでしばらく更新できません!すみません!
    (読む人いないと思いますけど)
  • 41 マトリョ id:Cz.6CTd1

    2011-11-11(金) 19:08:55 [削除依頼]
    時間ができたので、ちょっと更新します。


    2年前の10月、文化祭の準備で帰りが遅くなった伊織は、父、琴則の怒号をくらった。

    「こんな時間までなにをしておった!」

    「父様、これには訳が・・・」

    「言い訳などききたくないわ!」

    伊織は琴則に突き飛ばされ、部屋を出された。

    最近、伊織は外出を禁止され、生け花の修行を強制的にやらされていた。

    (こんな家・・・こっちから願い下げだ!)

    深夜、伊織は家を出て行った。


    伊織は街中を歩いていた。
    もちろん、行くあてなどない。

    「これからどうする・・・」

    と、その時、チャラチャラと着飾った若い男たちにぶつかった。

    「痛っ」

    「なんだよ姉ちゃん、どこ見て歩いてんだよ」

    男たちは伊織をジロジロと見回す。

    「なんだ貴様ら」

    「お!よく見ると美人じゃん!」

    「ちょっとオレらと付き合ってよー」

    男たちは伊織の手を掴んできた。

    「触るなっ!」

    「かっこいいこと言うねー。数珠までしちゃって!」

    男は伊織の手首にかけてあった数珠に手をかけ、引きちぎった。
    その瞬間、地面から水が出てきて、男たちを覆った。

    「うおっ!なんだコレ!」

    「やべえ!逃げよーぜ!」

    男たちは逃げていった。

    「なんだ・・・これは・・・」

    そこに、1つの人影が現れた。

    「お、いたいた」

    「だ・・・誰だ」

    伊織は怯えた口調でいった。

    「んー」

    人影は辺りを見回した。

    「水のスキルか、いいもんもってんな」

    人影は、次に伊織を見た。

    「大荷物のところを見ると、お前家出か?」

    「私は・・・」

    「ウチにくるか?ちょうど人手が欲しかったところだ」

    この人影こそが、原野優一。伊織の救世主である。
  • 42 マトリョ id:bpbbK/k/

    2011-11-12(土) 22:51:42 [削除依頼]
    「伊織ちゃん、あなたは不起訴になるみたい。警察は、優一君のことについてだけみたいだったから」

    「そうですか・・・」

    その時、荒本の携帯電話が鳴った。

    「ちょっとゴメンね」

    荒本は取調室から出て行った。

    しばらくして、荒本が戻ってきた。

    「伊織ちゃん!良いニュースよ!」

    「良いニュース?」

    「ええ!優一君が目を覚ましたらしいわ!」

    「優一が!?」

    「今すぐ会えあるみたいよ。行く?」

    「私は・・・」

    伊織は少しためらった。

    「行くわよ!」

    荒本は伊織の手を無理やり引っ張り、取調室を出て行った。

    (私は、優一と会って何を話せば・・・)

    ただそのことだけが、伊織の脳内で渦巻いていた。
  • 43 マトリョ id:ly3zSxi1

    2011-11-26(土) 18:03:55 [削除依頼]
    優一は目を覚ました。

    「・・・どこだ、ここ」

    手首を見ると、手錠がかけられていた。

    「そうか、捕まったのか」

    すると、部屋のドアが開いた。

    「原野、面会だ」

    「面会?」

    「優一君大丈夫!?」

    「課長!それと・・・」

    「っ・・・」

    「・・・伊織」

    伊織は優一から顔を逸らした。

    「なんだよ、感じ悪りーな」

    3人は、面会室に連れて行かれた。


    「優一君、体、大丈夫?」

    「ええ、まあ。見てのとおり」

    「伊織ちゃん、面会に来たんだから、何か話さないと」

    伊織は顔を上げた。

    「優一、・・・すまなかった」

    「なにが?」

    優一の予想外の返答に、伊織は目を丸くした。

    「いや、それはその・・・過去にあんなことがあったなんて、・・・察してやれなかったというか」

    「喋ってもないのに、察することなんかできねーだろ」

    「そうよ、伊織ちゃん。あたしだってわかんなかったんだから!」

    荒本は、笑顔で伊織を励ました。

    「ま、この話はいいとして、伊織ちゃんのお兄さんのことなんだけど」

    「なんであんなトコにいたんスかねえ。おまけにスキルも持ってたし」

    「あれは、私の兄ではない気がします。別の人格にみえたというか・・・」

    「別の人格?」

    優一と荒本が、声を合わせて言った。

    「兄は勝手に家出をするような人ではありませんでしたし、第一、あんなに身軽ではありません」

    「・・・結局なにも分からないわね。あ、もういかなきゃ。伊織ちゃんは病院にもどるわよ」

    「あ、はい。優一、元気でな」

    「おう」

    このあと、優一の刑は禁固3年になった。


    久しぶりの更新です。次回からは、伊織の日常編がスタート!
  • 44 マトリョ id:SOt9tJk0

    2011-11-27(日) 19:53:39 [削除依頼]
    あの事件から、2ヶ月後。学校がようやく再開した。

    「あ、伊織ちゃん。『水連』持ってって」

    「?なぜですか?」

    「優一君がいなくなって、ウチの戦闘要員は伊織ちゃんだけになったし。まあ、しばらくはスキルホルダーもでないと思うけど」

    「はあ・・・」

    伊織は部屋に戻って、『水連』の入ったケースを取ってきた。

    「では、行って来ます」

    「あ!ちょっと待った!」

    荒本はスーツのポケットから、鎖のネックレスを取り出した。

    「・・・それは?」

    「力を抑えるためのネックレス。まあ外ではスキル使わないと思うけど、一応、首にかけてて!」

    「わかりました。では、改めて行って来ます」

    「いってらっしゃーい」

    伊織はビルを出て行った。

    (でも、傷治さなくていいのかしら・・・)

    荒本はそんなことを思いながら、伊織を見送った。


    「それにしても、学校に行くのは久しぶりだな」

    廊下を歩いていると、他の生徒が伊織のことを見ている。
    頭と首には包帯、顔には絆創膏を貼っているのだ、無理はない。

    (やはり、傷は治しておくべきだったか・・・)

    伊織が教室に入ると、さっきまで騒がしかった教室が、一気に静まりかえった。

    「なあ、創院寺って超能力者だったんだよな。しかも、激強の」

    「ホントに超能力使えんのかな」

    あちこちから聞こえる話し声を無視して、伊織は席についた。

    「ねーねー、そーいんじさーん!超能力使えるってホント!?」

    「見せて見せて!」

    (ややこしいことになった・・・)
  • 45 マトリョ id:3LJYGqL.

    2011-11-29(火) 21:36:34 [削除依頼]
    「見せて見せて!」

    「断る」

    「えー、なんでー?」

    「教える理由もない」

    「いいじゃん、ちょっとくらーい」

    「しつこい!」

    伊織は大声を張り上げた。
    教室は一瞬で静寂に包まれた。


    昼休み

    (気晴らしに屋上にでも行くか)

    伊織は屋上に向かった。

    屋上には誰もいなかったが、フェンスの向こう側に人影が見えた。

    「おい、貴様!そんなところに居たら、落ちるぞ!」

    伊織が声をかけると、人影は驚いてこちらを振り向いた。
    その反動で、足を滑らせ、屋上から落ちてしまう。

    「この・・・!」

    伊織は、首にかけていた鎖のネックレスをはずし、瞬間移動で屋上の真下に向かった。
    人影の体は、そのまま落ちてくる。

    「間に合ったか・・・」

    伊織はほっとした。
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