トラベリング*ノート21コメント

1 青空模様 id:BIy91Jp/

2011-10-12(水) 21:37:36 [削除依頼]
巡るノート。
それは、僕らの“本音”が綴られている。
そう。誰にも言えない。君にも言えない。
ううん、君だからこそ言えない。
…そんな、想いがーーー
  • 2 青空模様 id:BIy91Jp/

    2011-10-12(水) 21:39:50 [削除依頼]
    ごあいさつ

    初めまして&こんにちは。
    青空模様と申します。
    もう1つ小説を書いていて、掛け持ちとなりますが、精一杯頑張りたいと思います!!
    それでは、人物紹介。
  • 3 藍 id:vt-1/srE5Z1

    2011-10-12(水) 21:41:36 [削除依頼]
    青ちゃんじゃないか!頑張ってね(≧ω≦)
  • 4 青空模様 id:BIy91Jp/

    2011-10-12(水) 21:50:29 [削除依頼]
    小泉 凛花(コイズミ リンカ)
    恋愛事に鈍い高1。
    リーダー気質で、不器用。

    篠 真琴(シノ マコト)
    明るい男子そのまんまな性格。割と真面目な高1。
    凛花の幼馴染。

    清水目 京(スズノメ キョウ)
    高1。チャラ男。しかし、実は一番人の心の変化に敏感。
    真琴の中学時代からの親友。

    稲田 亜子(イナダ アコ)
    高1。ふんわり系女子。優しい。
    成績は学年トップ、運動神経抜群と、文武両道。
  • 5 青空模様 id:BIy91Jp/

    2011-10-12(水) 21:51:18 [削除依頼]
    >3 藍さんだ! はい、頑張ります!
  • 6 青空模様 id:BIy91Jp/

    2011-10-12(水) 21:59:32 [削除依頼]
    *僕らの出会い

    ー凛花sideー
    ずっと憧れていた、赤いチェックのリボンとスカート。
    まだ着るのが少しくすぐったい、真新しいブレザー。
    ピカピカのローファー。
    小泉凛花。今日から高校生。
    「うう〜ん!高校生になったって感じ!」
    仕上げとして、中途半端な長さの髪を高い位置で一つ縛りにした。
    「いってきまーす!」
    高校かあ…。今日から通学路も、校舎も変わるんだよねえ…。
    なんか変な感じ。
    そう思いながら、家の前の道路へ一歩、踏み出した。
    すると、隣から、少し低い声が聞こえた。
    「はよ、凛花。早いな!」
  • 7 青空模様 id:iAv67S0.

    2011-10-13(木) 21:16:39 [削除依頼]
    「あ、真琴。…おはよ」
    その声の主は、私の幼馴染、篠真琴だった。
    真琴とは、私が私立中へ進学し学校が別れた後もずっと仲が良かった。もちろん、今も。
    …ただ、今だに私は信じられない。真琴が、私と同じ高校に入学出来るとは。
    なぜなら、私が入学したのは、県内トップクラスの進学校。
    中学もまた、名門校だった私にとってはごく自然な流れなのだが、…真琴の奴、そんなに成績良かったのか。
    私がじろじろと真琴を見ていたのに気付いたのか、真琴は眉間にシワを寄せた。
    「なんだよ、人の顔ジロジロ見てきて。いくら俺の制服姿がイケてるからって…」
    「鏡見てから言おうか、真琴くん」
    「…ジョークだっつーの!」
    こんな言い合いも、幼馴染の真琴だからこそ出来るんだよね。
    ぶっちゃけ、真琴が一緒の学校って心強いかも。
    私はそんな事を思いながら、初めての制服と通学路を噛み締めていた。
    空から舞い降りてくる薄桃色の花びらが、私と真琴を優しく包んでいた。
  • 8 青空模様 id:6Vqb3bg/

    2011-10-16(日) 12:15:17 [削除依頼]
    〜真琴side〜
    「…すげえ」
    俺は到着した学校を見て、唖然とした。
    さすが県下No.1高校。半端なく校舎が美しい。いやいや、素晴らしい。
    なんせ受験は何故か別の会場で行なったから、学校をお目にかかるのは今日が初めてだ。
    「何よ。校舎くらいで驚いて。」
    俺の隣で凛花が颯爽と歩く。
    「いやいやいや!だって、これからこの学校に通えるんだぜ!?興奮くらいするよ!!」
    俺が思わず力説すると、凛花はふっと鼻で笑った。
    「そんなに興奮するのは単純なアンタくらいでしょ。…それよりも真琴、良く合格出来たね。」
    「…失礼だな!確かに中学受験をして、中学から名門校だったお前とは違うけどな。だけど俺だって、地元中でトップから落ちたことないんだぜ!」
    「…えっ」
    凛花が小さく驚きの声を漏らす。
    ふん。どうせ俺なんて、部活ばっかりに打ち込んでいたバカだとでも思ってたんだろ。
    「とにかく!お前とは同じ場所に立てたって事だからな!」
    俺は凛花に向けてそう言い放つと、にっと満面の笑みを見せつけてやった。
    …そう。俺が中学から、ずっと勉強を頑張ってきた理由。
    それは…凛花と同じ場所に立ってみたかったから。
    いつも凛花は、気付くと俺の前にいる存在だった。
    幼馴染としての憧れと、男としての悔しさが、いつも俺の胸の中ではごっちゃになっていた。
    だからこそ、凛花と同じ景色を見てみたかった。いつまでも、凛花の下にはいられないと思ったんだ。
    そして…実は、もう一つ理由がある。
    凛花が変わった訳が知りたかったんだ。
  • 9 青空模様 id:6Vqb3bg/

    2011-10-16(日) 12:32:17 [削除依頼]
    >8 凛花は…何か、心から笑う事が少なくなった気がする。 中学時代、何があったのだろうか? そのヒントを掴みたくて、俺はこの学校に来たのだ。 幼馴染として、凛花が心配だから。 凛花と共に生徒玄関前に行くと、誰かが「真琴〜!」と俺の名を叫びながらピョンピョン跳ねている。 周りからの痛い視線にも、絶対に気づいていない。 この高校で、そんなバカなことする奴…一人しかいないに決まってる。 「はあ〜…何やってんだよ!京!」 「だって、真琴おせーんだもん!!」 ヘラヘラと笑いながら俺に駆け寄ってきたコイツ…清水目京。 俺の中学からの親友。 バカだけど、一番頼りにしている奴だ。 「…って真琴!?このお美しいお方は誰っ!?」 京が凛花を指さして声を上げた。 「…俺の幼馴染。小泉凛花。」 「ああ〜!!この子が凛花ちゃんなんだ!どーもっ!清水目京です☆真琴から話は聞いてるよ〜☆あの難関校青峰中に行った優秀な可愛い子だって!
  • 10 青空模様 id:6Vqb3bg/

    2011-10-16(日) 12:51:51 [削除依頼]
    よろしくねえ☆」
    そう言って、京は一方的に凛花と握手した。
    しかし凛花は…。
    「あ、ああ…。よろしく…。」
    …やっぱり。完全に引いてる。
    凛花は、京みたいなチャラいタイプが嫌いだ。
    その瞳には、引きと同時に、侮蔑が混ざっている。
    「…俺、可愛い子とは言ったことないけどな。」
    「えっ?そうだっけ?じゃあ、さっきのは俺の本音みたいな?あははっ!」
    勝手に1人で盛り上がる京。
    「ははは…」
    凛花、苦笑いって、モロバレですから。面白くないなら、笑わない方がいいから。
    その時、『新入生は、体育館に移動してください…』というアナウンスが流れた。
    「え、えと…とりあえずいこうぜ!」
    俺はこの微妙な空気を振り切るべく、二人に声を掛けた。
    「OK☆じゃ、行こう!」
    「うん。早めの方がいいしね。」
    …返事に温度差がありすぎる。
    凛花、京とぶつかった場所を払うのは京に失礼じゃないかい?
    今、「うわっ、触っちゃったよ」って顔したよね?真琴くんは見ましたよ。
    …そんなこんなで、俺らは体育館へ向かった。
  • 11 青空模様 id:E.5o28E.

    2011-10-23(日) 22:09:48 [削除依頼]
    ー凛花sideー
    …何コイツ。
    私は体育館に行く間、この清水目とかいう奴を嫌悪の眼差しで見ていた。
    絶対に染めたとしか思えない天パがかった茶色い髪。今日は入学式だというのに、だらしなく着崩された制服に、明らかに校則違反のアクセサリー。
    そして何より馴れ馴れしい。チャラい。軽い。
    誰でも笑顔で受け入れる真琴の事だから、別に二人が仲いいのは不思議ではない。
  • 12 青空模様 id:16pwOPN1

    2011-10-24(月) 11:24:59 [削除依頼]
    >11 けれど私は、さらさら受け入れる気にはならなかった。 壇上には立派に生けられた花と、頭の固そうな本校教頭。 「ーー…それでは新入生を代表して、稲田亜子君。」 「……はい…」 教頭が偉そうに学年代表の名前を呼ぶと、聞こえるか聞こえないかぐらいのか細い声がした。 その稲田さんと思われる女の子が、トン、トンと静かに壇上に上がっていく。 その子はペコリと頭を下げ、原稿用紙を開いた。 「春を彩る薄桃色の桜が、まるで我々の新たなスタートを祝ってくれているかのようなこの日に、私たち新入生は、ここ、桜ヶ丘高校に集いました…」 小さく儚げな声で言葉を述べる少女を、私は拍子抜けしながら見ていた。 あ、あの子が入試トップの子なんだ…。 なんていうか、もっと厳しそうでキリッとした人だと思ってた。 けれどそんな私の予想を覆すくらい、あの子は正反対。 肩よりほんの少し短いショートカットの髪は、微量の髪を残して後ろで縛っている。 クリっとした目が印象的な、全体的にちまっとした感じの可愛らしい女の子である。 「…一年代表、稲田亜子」 いつの間にか話は終わり、稲田さんは始まりと同じように丁寧に頭を下げた。 すると隣から、例のチャラ男と真琴の話し声が聞こえてくる。 「なあなあ真琴〜。この学校の女子ってレベル高くねぇ?」 その顔には、イヤらしい笑顔が広がっている。 「あの稲田って子も可愛いし!なんか、守ってあげたくなる感じ♪」 私はコイツの頭をかち割りたい衝動を、必死で抑える。 「あっそ。ていうか式の最中なんだから、もっと静かにしろって。」 真琴が清水目を注意した。そうだ、それが普通である。 「ええ〜真琴つれな〜い」 注意されたにも関わらず、清水目はなおも真琴にちょっかいを出している。 さすがに隣の私も我慢出来なくなり、思い切り清水目の足を踏んでやった。 「痛っ!!」 清水目が悲鳴をあげた。おかげで、周りの視線は一斉にこちらへ集まってしまった。 清水目の隣にいる真琴まで、驚きの表情で私を見つめている。 私は自分でも結構大げさな事をやってしまったと思い、急いで清水目の口を手で覆った。 「はにふんはよ、ほいふみはん」(何すんだよ、小泉さん) 私に口を塞がれているため、何を言っているのか分かりにくい。当然だ。 「うっさい。アンタはキーキーとサルか。人間なら、もう少し周りの事も考えなさい。」 私は悪態をつきながら、そっと手を外した。 清水目はというと、いきなり説教をされびっくりしたのか、目を見開いて私を見ている。 しかしそのほんの5秒後には、懲りずにこう口にしたのである。 「いや〜小泉さんみたいな強い女も好みなんだよね〜!俺Mだからさあ」 ヘラヘラと妄言を吐くコイツの腐った頭を私が殴ったのは言うまでもない。
  • 13 青空模様 id:16pwOPN1

    2011-10-24(月) 12:46:17 [削除依頼]
    ー亜子sideー
    「―綺麗…」
    誰にも聞こえないように、小さくため息混じりに言葉をこぼす。
    この学校、先生に進められるままに来てしまったから知り合いの子なんていないけど、この窓から見える景色はゲンキンな私を一瞬にして虜にした。
    薄桃の花びらが春空の優しい青を彩る。
    窓の外は春光に包まれた夢色だ。
    「……」
    美しいその景色に見入っていた私の耳に、バタバタと廊下を走ってくる音が入ってきた。
    すると、教室のドアだ勢い良く開き…。
    「ま〜ことォ〜!!」
    突如聞こえた大きな声に、私は思わず肩を揺らした。
    見ると、派手な男子が黒髪の男子に抱きついている。
    「何だよ!!お前はホモか!!は・な・せ!!」
    黒髪の男子が必死にその腕を振りほどこうと足掻いているけど、簡単には外れないみたいで…。
    「いいじゃ〜ん♪せっかく同じクラスになれたんだから、もっと喜べよ〜」
    派手な男子は余計にちょっかいを出している。
    いいなあ…入学式の日から、ああやってじゃれ合う事が出来る友達がいて。
    私はその男子たちを、心の中で羨ましいと思った。
  • 14 青空模様 id:16pwOPN1

    2011-10-24(月) 12:58:37 [削除依頼]
    >13 その時だった。 バコッと鈍い音がしたかと思うと、急に男子たちの声がしなくなった。 そこには、呆気にとられている黒髪の男子と、頭を抑えながら、「うう…痛ぇ…」と呻いている派手な男子。そして、その男子の頭に本のカドをめり込ませている綺麗な女の子が立っていた。 「へ…へへ。小泉さん、手加減ナシだな…」 派手な男子が力なく笑う。 「うっさい。初対面でこんだけ人を殴らせたくなるのは、アンタぐらいだよ。」 小泉さんと呼ばれた女の子は、軽蔑の表情で派手な男子を見下ろしていた。 「ま、まあまあ凛花。これ以上やると、京が死ん…いや、可哀想だからやめろよ。ただ京も、あんまり凛花をキレさせるなよ。」 黒髪の男子が引きつった笑顔でそう言うと、ようやく二人は落ち着いたようだった。
  • 15 青空模様 id:5ZBuNAn/

    2011-10-30(日) 17:37:14 [削除依頼]
    ー凛花sideー
    私は静かに≪小泉 凛花≫という氏名シールが貼られた席に座った。
    はあ…。入学式早々、こんなにうるさくしちゃうなんて。
    清水目京…。アイツは敵だ。天敵だ。なのに同じクラスなんて…ついてない。
    私がはあ、とため息をついたと同時に、教室のドアが開いた。
    その瞬間、クラスの女子が色めき立った。
    なぜなら、教室に入ってきたのは、スーツをびしっと着こなした爽やかなイケメンだったのである。
    「えー?スーツ着てるよ。もしかして…あの人が担任?」
    「マジ!?ヤバいっ!!超カッコイイ!!」
    周りからは、キャーキャーと黄色い声が挙がる。
    この人が…担任?こんなに若いのに?
    私の半信半疑な気持ちは、次の瞬間一瞬にして確信に変わった。
    「1-A担任、冬木颯です。担当科目は古文。26歳と若手で頼りないかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします」
    …どうやら、本当にこの人が担任らしい。
    しかし、そんな若手でこのエリート校の教師になったというなら、この人もかなりの秀才である事に間違いない。
    私はとりあえず、うん、と一人納得していた。
    「じゃ、とりあえず一人一人自己紹介してもらおうかな。じゃ、こちらの席から。」
    「マジか先生ー!?そりゃあねえよー!!」
    急に自己紹介を振られた男子が、しぶしぶ立ち上がった。
    「有田陽です。テンション高くいくんでよろしくーっ!!」
    有田くんのハイテンションに、どっと笑いが起こる。
    「じゃ、次。」
    先生の呼び掛けに、また一人の男子が立ち上がった。
    「…石井空星。よろしく。」
    細い銀縁のメガネを掛けた石井くんは、随分堅苦しい印象だ。
    そしてまた一人、また一人と自己紹介をしていき…。
    「次、篠。」
    呼ばれた真琴は、ガタン、と音を立てて立ち上がった。
    「篠真琴です。クラスの皆と仲良く出来たらなって思うんで!よろしく!!」
    明るい、真琴らしい自己紹介だなあ。
    私の顔からは、自然と柔らかい笑みが漏れた。
  • 16 綾香 id:ssH5mS90

    2011-10-30(日) 17:44:51 [削除依頼]
    久しぶり〜〜
    頑張ってね。をもしろいから^^
  • 17 青空模様 id:5ZBuNAn/

    2011-10-30(日) 17:49:56 [削除依頼]
    綾香さんへ
    お久しぶりです!
    もう片方の番外編も、全然書かなくてすみません…。

    綾香さんにそう言ってもらえて光栄です。
    これからまた頑張ります〜!
  • 18 青空模様 id:5ZBuNAn/

    2011-10-30(日) 18:00:13 [削除依頼]
    ー亜子sideー
    あの、黒髪の男子。
    篠くんって言うんだ。
    何だか、とても明るそうな人…。ここから見ていても、笑顔を絶やさない。
    私がふと目線を外すと、今度はあの小泉さんが目に入った。
    …小泉さんは、篠くんの事を、とても優しい表情で見つめていた。
    その顔が、あまりにも綺麗で…。
    私は思わず見とれてしまった。
    その時、「はいっ!」という大きな声が聞こえて、私は肩を飛び上がらせた。
    「皆さん、ちわっす!清水目京と言います☆特に女子の皆さん、よろしく〜!」
    …あの茶髪の男子が、自己紹介をしていた。清水目くん、って言うんだ。
    何だか外見通りのキャラっていうか…。
    その時、私の脳裏に、さっきの小泉さんの美しい顔がよぎった。
    今はどんな表情をしているのか、気になり、見てみると…。
    …何だか、ものすごく怖い顔をしてる…。
    すっごいキツく清水目くんを睨んでいる…。
    さっきも殴ってたし、よっぽど清水目くんの事が嫌いなんだ…。
  • 19 青空模様 id:5ZBuNAn/

    2011-10-30(日) 18:21:15 [削除依頼]
    >18 「じゃ、次は女子の番。女子は気分を変えて、こちらからいこうか!」 先生はさっき男子が始めた席とは逆方向の席を指した。 この席は、確か出席番号順。私は稲田だから…良かった、最後の方だ! そんな心もちでぼんやりと聞いていると、いつの間にか小泉さんの辺りまで自己紹介が進んだようだった。 小泉さんが静かに立ち上がる。 立ち上がった小泉さんは、スラリと背が高く、とても綺麗な容姿をしていた。 現にクラスの男子の大半は、小泉さんに見惚れている。 その小泉さんは、端正な顔をふんわりと和らげた。 「小泉凛花です。人の悩みとか聞くのが好きなので、相談とかしてくれたら嬉しいな。よろしくお願いします。」 わあ…本当に素敵な人だなあ…。 私がうっとりと小泉さんを見つめていると、針のような視線を感じた。 思わず振り返ると、篠くんが小泉さんを複雑な表情で見つめている。 その表情は、とても歯がゆそうで、とても悲しそうだった。 清水目くんを見てみると、彼もまた、少し辛そうな表情で小泉さんを見ていた。 篠くん…。清水目くん…。 小泉さんに、何を感じたの―――? 私は二人の表情の意味が分かる訳もなく、ただただ二人と同じように小泉さんを見つめるしか出来なかった。
  • 20 青空模様 id:5ZBuNAn/

    2011-10-30(日) 19:08:22 [削除依頼]
    ー京sideー
    …分かった気がする。
    真琴の言っていた意味が。
    『俺の幼馴染でさ、凛花っていうんだ。…そいつ、中学になってから、笑顔が全部嘘のような気がするんだ。
     いつも無理して笑ってる。そんなような気がして…。でも俺、違う中学だから何も分からねえし…』
    さっきの小泉さんの笑顔、何だかすごく悲しそうだった。
    心からの笑顔じゃなかった。
    何か…遠い過去の辛い記憶を呼び戻しているような。
    そんな笑顔だった。
    俺はそんな事を思いながら、また一人、自己紹介を始める子の方を向いた。
    あ、あの子!
    学年代表の子じゃん!同じクラスだったんだ!!
    「あー。あの子、入試トップだった子でしょ?」
    「ホントだ!何かイメージと違うけど、結構可愛くない?」
    周りもザワザワと騒ぎ始める。
    「……」
    その子は自己紹介したみたいだけど、声が小さすぎて周りにかき消されてしまった。
    「あ…あの…」
    その子もあまり強く言える方ではないみたいで、眉を下げてオロオロしている。
    「おい…」
    俺は周りを静かにさせようと口を開いた。…と、その時、俺の斜め前の女子が立ち上がった。
    そしてなんと…。
    バンッ!!!
    机を蹴った。その弾みで、激しく音が響きわたる。
    小泉さんだった。
    「ちょっと。あの子、困ってるじゃん。静かにしてあげなよ。」
    自分でぶっ飛ばした机を元に戻しながら、小泉さんがジロリと皆を睨んだ。
    当然、皆は驚きの表情で小泉さんを見つめている。
    しかし、数秒してやっと状況が飲み込めたみたいで、静かに今だオロオロしているあの子の方に向き直った。
    その子は最初こそ戸惑っていたが、小泉さんがその子に向かってニコッと笑うと、ようやくホッとしたように自己紹介を始めた。
    「稲田亜子です…。同じ中学から来た子がいないので、少し不安ですが…どうか、よろしくお願いします…」
    消え入りそうな声。弱々しい態度。
    まるで、小泉さんと正反対だなー。
    俺は思わずぷはっと吹き出した。
    そんな俺を見て、小泉さんも思わず笑ったようだった。
    その笑みは、だんだんと広がっていく。
    稲田さんは何故皆が笑っているのか分からず、相変わらず困っていたが、そんな様子が、皆としては可愛いようだった。
    うん。確かに素直そうで…。
    「かっわいい〜♪」
    俺が思わず声に出すと、すかさず小泉さんのペンケースが飛んできた。
    そのペンケースは、弧を描きながら俺の頭に当たり、床に落ちる。
    「痛ええええ!!」
    俺がその痛さに思わず悲鳴を上げると、またもやどっと笑いが起こった。
    みんなも。小泉さんも。真琴も。稲田さんも。
    皆が笑っていた。
    それが、俺ら4人の出会いだった。
  • 21 青空模様 id:5ZBuNAn/

    2011-10-30(日) 19:35:34 [削除依頼]
    *図書室のノート

    ー凛花sideー
    「ねっ!小泉さんってどこ中出身!?」
    「ヤバい!!めっちゃ美人だね!」
    「ていうか、篠くんと幼馴染なんだって!?美男美女でいいねえ!」
    …私は、自己紹介が終わった休み時間、様々な人に話しかけられていた。
    私も一つ一つ笑顔で答えていくけど、ぶっちゃけこう…たくさんの人に囲まれるのは好きじゃない。
    …あの時の事を、思い出してしまうから――。
    「ゴメンっ…私、トイレっ」
    話しかけてくれるのはありがたいけど、私は逃げるようにして教室を出た。
    「はああ〜…疲れた…。」
    盛大なため息と連なるように重い足取りでトイレに向かう。
    …その時、隣のクラスのドアが静かに開いた。
    私はそこから出てきた人物を見て…思わず足を止めた。
    その人物とは…望月日代里。
    ウェーブのかかった茶髪に…人形のように可愛らしい顔に施された派手な化粧。
    このギャルっぽい女の子こそ、私の中学時代を一番知っているであろう人物だった。
    「あれぇ〜?凛花ちゃぁん。こんな所でどうしたのォ?」
    わざとらしい…甘ったるい声。
    …本当はすべてを知っているくせに。
    「…別に。アンタには、関係無い」
    私は冷たく言い放つと、その場を去ろうとした。
    すると日代里は、そんな私の腕を掴んで言った。
    「ふふっ。何よ、その態度。高校に入ったからあの事を忘れられるなんて思ったら、大間違いなんだからね!」
    「…!」
    私は掴まれた腕を強く振り払った。
    しかし態度だけは強気だが、体は震えている。心は正直だ。
    そんな私を見て、日代里はさも楽しそうに笑うと、じりじりと近付いてくる。
    「あ…い、いや…」
    私は一歩、後ずさりをした。
    そして…。
    「いやァーーーーー!!!」
    叫びながら、私は走り出した。
    どこへ向かっているかなんて、自分にも分からない。
    ただただ、脳裏に蘇るあの記憶を振り払いたくて。
    ボロボロに破られたノート。びしょ濡れにされたカバン。
    離れていく友達。殴られる痛み。
    「イヤあアアアあぁ!!!」
    やめて。やめて。ヤめて。やメテ。ヤメテ。
    「やめてええ!!!!!」
    私は絶叫しながら、恐怖で溢れる涙を拭う事もなく、ひたすら走り続けた。
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