冷酷少女と人形少女、29コメント

1 藍名 id:nKFL0ux1

2011-10-12(水) 17:52:24 [削除依頼]
一度、前生徒会長に聞かれた事がある。

「あなた、何で生徒会に入ったの?」

その時、俺は上手く答えられなかった。
本当に俺が生徒会に入った理由はあまり大声で言えない内容で、それを説明し出すとキリがなかった。
如何言えば良いのか、悩んだ末出した答えは、

「さ、さぁ?気が付いたら入ってましたね」

言った後、前生徒会長に殴られた。
自業自得だった。
  • 10 藍名 id:uRSvgJ/1

    2011-10-14(金) 21:01:22 [削除依頼]
    >9 最後の、 如何言う意味がさっぱりだった。 が、 如何言う意味かさっぱりだった。 です。
  • 11 藍名 id:uRSvgJ/1

    2011-10-14(金) 21:12:38 [削除依頼]
    午後の授業も終わり、放課後となった。
    ちなみに生徒会役員や委員会の委員は別に部活動に参加しても良い様にはなっている。
    だが、その代わり、仕事が遅れたりして、周りの人間から責め立てられるが。
    その為、特に生徒会役員は部活動に入っていない。
    ま、乃木坂は武道系の部活の助っ人要員らしいが。

    「マスター、いい加減、柏木を如何にかしないか?」

    仕事中。
    乃木坂が机をバンッと両手で叩き、パイプ椅子から立ち上がった。

    「何がだよ?」

    「鬱陶しい。会長、アイツを辞めさせてくれ」

    「やっだなー、乃木坂センパイ、知らないんですかぁ?会長の権限にそんなのありませんよ。任期が終わるまで、辞められませんって。まあ、本人が辞表出すんだったら別ですけどぉ」

    「う、煩い。でも、お前もそう思わないのか?」

    「まあ、そうですけどねぇ。副会長は如何思います?」

    「柏木裕太は仕事が速いので、まだ使える人間かと思います。しかし、あの意味不明な性格は見ていて鬱陶しいと感じる事が多々あるとは思いますが」

    「だよな。天野もそう思うよな」

    「乃木坂愛理と綾波未礼と意見が一致したのは初めてですね。取りあえず、本人に辞表しろと命令する事から始めれば良いのでは」

    とか何とか言ってた時だった。

    ガチャッ

    生徒会室のドアが勢いよく開いた。
    そして、入って来たのは当人の、

    「どうもーって、あれ?皆、何で睨むわけ?」

    柏木裕太だった。
  • 12 藍名 id:uRSvgJ/1

    2011-10-14(金) 21:25:30 [削除依頼]
    校則違反ギリギリと思われる茶髪の頭を掻いて、柏木は生徒会室に入って来る。

    「ちっ」

    乃木坂は小さく舌打ちし、

    「あーあ、何で来ちゃいますかねぇ」

    綾波は大きく溜め息を吐き、

    「本当はしたくないですが、一応挨拶はして置きます。こんにちは」

    葵は一礼した。
    3人それぞれ、変な迎え方だ。

    「何で休んでいたんですかぁ?」

    「ちょっと、捜しててな。見付からなかったけど。でも、天野なら知ってんかも」

    柏木は俺を見た。

    「如何言う意味だ?」

    「分かってんだろ?由衣だよ、由衣っ」

    その時、生徒会室の空気が少し張り詰めた気がした。

    「お前の彼女だろ。お前、知らね?アイツの転校先」

    「……、」

    「あはは、無視?それか、ノーコメントって奴?天野って、逃げてばっかだよなー」

    「知らねーよ」

    「あっそ。お前等って、別れたの?」

    この質問には答えられなかった。
    別れようと言った覚えも、言われた覚えもなかった。
    でも、連絡先を知らない時点で、縁を切ったとも言える。

    「別れたのでは?」

    俺は驚いて葵を見る。

    「妹として、兄の代わりに答えます。と、言うより、生徒会室で話す会話ではない様な気がするのですが」
  • 13 藍名 id:uRSvgJ/1

    2011-10-14(金) 21:37:36 [削除依頼]
    「葵ちゃん、別に俺は葵ちゃんに聞いてるわけじゃねーんだけどな」

    「正直、あなたの登場によって、この部屋の空気がだだ下がり状態なので、早く退室を願えたいのですが」

    「おお、今日の葵ちゃんは言うねぇ」

    「鬱陶しいです。あなたに補佐をして貰うほどの仕事が沢山あるわけでもないので帰って下さい」

    意外だった。
    まさか、葵が俺を庇ってくれるとは。
    ってか、兄として、情けない。

    「何か葵ちゃん、暫く見ない内に可愛くなったよなー」

    柏木は葵に近付く。

    「如何?俺の付き合わない?」

    柏木の右手が葵に触れようとした時、

    パシッ

    葵は柏木の手を払い退けた。

    「……っ」

    心底嫌そうな顔をする。
    葵がこんな風に感情を表に出したのを見るのは初めてだった。

    「何?触れられるの、嫌とか?」

    「さてさてぇ、柏木センパイ、付き合うなら、私と付き合いましょうよぉ。ねぇ?」

    ずっと薄っすら笑みを浮かべて見ていた綾波がパイプ椅子から立ち上がり、柏木の背中を押して生徒会室から出て行った。

    「天野、大丈夫か?」

    「乃木坂愛理、大丈夫です」

    「本当に大丈夫なのか?葵」

    「会長、夕飯の食材を買いに行こうと思いますので、先に帰ります」

    葵は鞄を持って生徒会室から出て行った。
    明らかに俺のせいだ。
    全然、葵は大丈夫じゃない。
  • 14 藍名 id:jA6hXKM0

    2011-10-15(土) 12:17:36 [削除依頼]
    結局、生徒会室に残っているのは俺と乃木坂だけとなった。
    乃木坂も、葵の言い分に納得出来ないのか、そわそわとしていた。

    「なあ、マスターは勿論、天野の番号とか知ってるよな?」

    「一応な」

    「だったら」

    電話しろと言う事だろう。
    言われるままに葵に電話する。
    が、コール音が続くだけだった。

    「出ないのか?」

    俺は頷く。

    「触れられるのが嫌だとは分かるが、何でだ?何かトラウマとかあるのか?天野には」

    「残念ながら、さっぱり。俺と葵が初めて会ったのは高校の入学式のちょっと前くらいだったし。はっきり言って、俺と葵はまだ兄妹になって2年しか経ってないしな。だから、葵が何が好きとか、嫌いとか、全く知らねーし、向こうも、俺の事、会長とか他人ぽく呼んでるし。今の俺等は多分、兄妹って言えないんだろうな」

    「お前等って、親の連れ子同士なのか?」

    「ああ。俺が父の方で、葵は母の方な。それで、俺は名字が変わらなかったけど、葵は遠坂から変わった」

    「再婚に反対とかしなかったんだな」

    「してもしょうがないだろ。完璧に決定してたし。結局、再婚して直ぐに両方とも、転勤が決まって離れ離れになってしまったが」

    「じゃあ、マスターの父親と天野の母親は一緒に暮らしてないのか?」

    「ああ。ぶっちゃけ、再婚する意味、ないと思うけどな。で、俺と葵が残されたってわけ」

    俺は大きく溜め息を吐く。

    「結構、大変だったんだな。マスター」

    「葵の方が大変何じゃないか?何となく、だが」

    コールし続けるケータイのボタンを押し、俺はケータイをポケットにしまう。
  • 15 藍名 id:jA6hXKM0

    2011-10-15(土) 12:30:47 [削除依頼]
    天野ツバサside→綾波未礼side

    あーあ、副会長、大丈夫かな。
    適当に柏木センパイを追い出して見たけど。
    でも、私、結構良いキャラしてると思う。

    「なあ、綾波」

    「何ですか?」

    「お前って、空気読むよな」

    「えへへ、褒めてますか?」

    「で、俺等、付き合うの?」

    何、この人、信じちゃってるんだろう。
    ちょっと焦る。
    私はただ、この場からセンパイを追い出す為に言ったのに。

    「違いますよぉ。全く、何、真に受けちゃってるんですか。私が愛しているのは二次元なんで。三次元には興味ありません」

    「二次元、ね」

    「はい。最高ですねぇ、ホント。じゃ、センパイ、もう生徒会室に来ないで下さいね」

    軽く手を振って、帰ろうとした時だ。

    ガシッ

    と、センパイに左腕を掴まれた。
    嫌、何で引き止めるんだろう。

    「何、ですか?」

    「前から思ってた。何か俺とお前って、何処か似てるよな」

    「……そうかも知れませんね。で、それが何なんですか?」

    「何も。ちょっと、お前に興味が持てたってだけ」

    「それは光栄な事何ですかね?相変わらず、私は三次元に疎いです」

    早く帰りたかったけど、センパイが私から手を離す様子は全くない。
    このまま、またダラダラと話すつもりなのだろうか。

    「センパイ、私、今日発売のBLマンガ買いに行きたいんですけどぉ。離してくれません?その手」

    「腐女子かよ」

    「別に良いじゃないですかぁ。良かったら、センパイも腐男子になりません?」

    「なりたくもないな。大体、お前のその腐女子はただ、すがり付いている様にしか見えねーけどなー」

    「すがり付く?」

    「ああ。何も生きている意味ねーから、そっちの世界に無理矢理入り込もうとしてるだけって事。その点が俺等、似てるんだよ」

    「なるほどぉ。センパイが軽い性格を演じている事と同じ何ですねっ!!」

    飛び切りの笑顔で私は言った。
    まあ、もう嫌味の言い合いだ。

    「面白いなー、お前って。マジで付き合わない?」

    「結構です。じゃ」

    センパイの手を無理矢理振り払い、私は走った。
  • 16 藍名 id:ZxUbPJd.

    2011-10-16(日) 14:10:53 [削除依頼]
    「おかえり。未礼ちゃん」

    家に帰ると、叔母がいた。
    私は叔母と2人で暮らしている。
    私の両親は亡.くなった。
    で、身寄りがいない私を引き取ってくれた叔母には感謝している。
    そう、感謝はしているが、

    「ご飯にする?お風呂にする?」

    何か鬱陶しい。
    叔母は私の事を姪だとか思ってないだろうな。
    娘に対する扱いの様に思われる。

    「えっと、ご飯にします」

    「そう。じゃ、早く着替えておいでね」

    叔母は嬉しそうに言って、リビングの方へ行った。
    何だかな……
    私は小さく溜め息を吐く。
  • 17 藍名 id:ZxUbPJd.

    2011-10-16(日) 14:20:58 [削除依頼]
    次の日。
    生憎、公立校なので、土曜に授業はない。
    生徒会に入ってるから、帰宅部だし、正直休日は暇で仕方がない。
    かと言って、ずっと家にいると叔母の趣味でのお菓子作りの試食をさせられる。
    だから、理由をつけて適当に外出して見たのだけど。

    「暇過ぎるっ!!」

    大きく溜め息を吐いて、公園のブランコに座る。
    土曜の午前中の公園はそれほど人がいない。
    皆、休みだし、どっか遊びに行くんだろうな。
    やっぱ、家に帰って勉強でもするか。
    ……でも、また叔母のアップルパイとか、チーズケーキとかを食べさせられるし。
    ブランコから、降りて暫く考える。
    すると、公園の向こう側の道路に柏木センパイがいた。
    センパイの横には2人の女子がいて、女子達は言い合っている様だった。
    そして、2人はセンパイの殴って、それぞれ違う道を歩いて行った。
    ん、フラれた?
    首を傾げていると、不運にも、センパイがこっちに気付いた。
  • 18 藍名 id:ZxUbPJd.

    2011-10-16(日) 14:29:01 [削除依頼]
    逃げようかと走って見るけど、流石に私は陸上部のエース並みの速さで走れるわけもなく、あっさりと捕まってしまう。

    「何で逃げるのかな?綾波」

    「嫌、巻き込まれたくないなって思いましてぇ」

    「別に巻き込む気とかないんだけど」

    「そうですか。じゃ」

    「嫌々、待て待て」

    グイッと、パーカーのフードを掴まれる。
    流石に呼吸が出来なくなるのは嫌なので、逃げるのは止める。

    「あれって、フラれたんですか?よく分からなかったんですけどぉ」

    「二股がバレてなー、ホント、殴られるとは思わなかったぜ」

    「そうですかぁ。お大事に」

    「だから、行こうとするなよ。何となく、綾波も暇何だろ?」

    「暇と言えば、暇ですけどぉ。私はただ、暇だから家に帰ろうとしていただけです」

    「じゃ、デートしよう」

    それから、どうやってその結論が出るのかが分からなかった。
    ホントにセンパイの感覚はおかしい。

    「しませんよぉ。大体、デートって言うのは付き合っている人同士が外出する事ですし。この場合はお出掛けじゃないですか?」

    「じゃあ、俺等って如何言う関係?」

    「センパイと後輩に決まってるじゃないですか。あ、後は生徒会関係者、ですかねぇ」

    「なるほどね。じゃ、行こっか」

    「え?な、な……ちょ、ちょっと、待って下さいってばっ」

    無理矢理、私の手を握って、センパイは歩き出す。
    完璧に巻き込まれてるし、私。
  • 19 藍名 id:ZxUbPJd.

    2011-10-16(日) 14:42:14 [削除依頼]
    連れて行かれたのはファーストフード店だった。

    「あの、何ですか?食べるんですか?」

    「嫌、もう11時30分だし、良いだろ?」

    「奢ってくれるんですか?」

    「分かった分かった。奢るって」

    冗談で言ったつもりなのにホントに引き受けてくれた。
    ま、お昼代が稼げて良かったと思って置こう。

    「何か綾波綾波言ってるけど、何で俺、綾波の事、名字で呼び捨て何だろ」

    ハンバーガーとポテトを受け取り、適当に空いた席に座ると、不意にセンパイが言った。

    「嫌、知らないですよぉ」

    「葵ちゃんに乃木坂さんだろ?で、綾波。ちょっとおかしくね?」

    「だったら、綾波さん、で良いですよ」

    「何でだよ。未礼ちゃんだろ」

    「寒気がするので止めて下さい」

    「じゃあ、未礼で」

    「あ……呼び捨て何ですね」

    私はアイスティーにガムシロップを入れる。

    「うわ、甘党?」

    「別に良いじゃないですか。何か気持ち悪いんですよ。ストレートの紅茶って」

    「だったら、コーヒーで良いじゃん」

    「まあ、それは何となく。今日はコーヒーが飲みたくなかったんです」

    「あっそ」

    ストローをさして、アイスティーを飲む。
    で、何で、

    「凝視しないで貰えませんか?正直、鬱陶しいです」

    「あ、悪い。未礼って、近くで見ると可愛いなって」

    「遠くで見ると可愛くないんですね」

    「嫌、そう言うわけじゃないって」

    「結構です。自分の顔に期待とか全くしてないんで」

    「冷めてるね」

    「そうですかね」

    って、何か私、完璧に素で喋ってないか。
    キャラが崩れかかってる。
    築き上げてきたキャラが。

    「今の未礼、結構良いと思うけどな、俺」

    「何がですか?センパイの言ってる事、あまりよく分かりませんけどぉ」

    「それだよ、それ。母音をえらく強調させて喋るの、わざとでやってるんだろ?」

    「そうですかねぇ。結構、素でやってますよぉ」

    「何かわざとらしくやり出したな。さっきまで、普通に喋ってたのに」

    う……
    痛い所を突いて来る。

    「そう言う設定なんで、あまり指摘しないで下さい。ちょっと、きついんで」

    「設定って……自分で言うかよ」

    「センパイだって、設定、あるんじゃないですか?」

    「ま、あるっちゃあるけどさ」

    「……」

    「……」

    終始無言になる。
  • 20 藍名 id:ZxUbPJd.

    2011-10-16(日) 14:54:08 [削除依頼]
    12時15分。
    ファーストフード店を出た。

    「じゃ、センパイ、ご馳走様でした。失礼しま……だから、フード掴まないで下さいってば。私の生命活動を止めさせる気ですかっ」

    上手く帰ろうとしたが、またもやフードを掴まれて帰れない。
    何でパーカー、着て来たんだろ。

    「生命活動って……ウケる」

    センパイは笑う。
    私は何もウケない。
    何処が面白いんだろう。

    「何なんですか。早く帰らないと、親が心配するので帰らせて貰いたいんですけど」

    「親、ね。俺、未礼の友達から聞いたよ。親、いないんだってね」

    「う……誰ですか。人の個人情報バラしたのって」

    「まあまあ。何でも、叔母さんと暮らしているんだとか」

    「そうですよぉ。で、それが如何したんですか?」

    「嫌、大変だなって」

    同情か。

    「そうだ。俺のとっておきの場所を紹介しよう」

    思いついた様にセンパイは進行方向を変えて歩き出す。
  • 21 藍名 id:ZxUbPJd.

    2011-10-16(日) 15:07:48 [削除依頼]
    「って、学校じゃないですか。しかも、私服で来て、良かったんですかねぇ」

    連れて行かれたのは高校の屋上だった。
    意外にも、入学してから結構経つけど、行った事がなかった。
    それに鍵が開いているとは思わなかったし。

    「此処さ、結構、凄い場所なんだ」

    センパイは笑う事なく、真顔でフェンスに凭れ掛かる。

    「ある奴が此処から飛び降りた場所」

    「飛び降り?そんな事、ありましたっけ?去年ですか?」

    「ああ。去年にな。でも、この事、知ってんのは俺と天野ツバサと天野葵と教職員くらいかな」

    「え、会長と副会長ですか?」

    「ま、葵ちゃんはあんま関係ねーけど、天野は関係大ありだ」

    「そう、ですか」

    「飛び降りたのは櫻井由衣。天野の幼馴染で、クラスメイトで、彼女だった」

    櫻井由衣。
    何か聞いた事があると思えば、去年、生徒会庶務をしていた人の名前だ。

    「でも、櫻井センパイって、転校しただとか」

    「ああ。助かったんだ。丁度、この下、花壇でさ」

    「良かったですね」

    「あまり良くねーよ。アイツは引越し先の住所も何も連絡をよこさずに行っちまったんだからな」

    「それで、昨日、捜してるだとか言ってたんですか?」

    「物分り良いと助かるわ。その通り」

    じゃあ、この言い方だと、
    センパイは、

    「センパイは櫻井センパイの事が好き何ですね」

    つい、口に出してしまった。

    「ああ」

    躊躇も、間が空く事もなく、センパイは即答した。
    こんな迷いもない真っ直ぐな気持ちなのに、櫻井センパイは会長の事が好きだったのか。

    「会長は櫻井センパイの事、好きだったんですよね?」

    「嫌、全く。ただ、断ると由衣を傷付けると思って付き合っていただけだ」

    もう聞かなくても分かる。
    櫻井センパイはそれで、飛び降りたんだ。
  • 22 藍名 id:ZxUbPJd.

    2011-10-16(日) 15:25:14 [削除依頼]
    デートとか言って、あんまりデートな気がしなかった。
    勿論、お出掛けとも言えない。
    最後は櫻井センパイの話で凄く暗くなった。

    「一応、送るわ」

    「いえ、結構です」

    「ま、そう言うなよ。なるべく、俺は外出していたいんだ」

    「え、何でですか?」

    「由衣に会うかも知れないだろ」

    それは凄い確率じゃないかと思ってしまう。
    何かセンパイが可哀想に思えて来た。

    「柏木センパイ」

    「ん?」

    「友達ぐらいにはなってあげても良いですよ」

    「……、それはどうも」

    「何かもっと喜んでくれません?私がおかしいみたいじゃないですか」

    「おかしいだろ」

    「あれだけ付き合え付き合え煩かったのにいざ、友達になってやるって言ったら、喜ばないとか。何かもう良いです。友達解消です」

    「嫌、俺としては一足飛びにカレカノになりたかっただけ何だけど。俺さ、友達から始めるとか嫌何だわ。めんどいし」

    「別に私の言う友達は普通に友達ですから。そこから進展なんてないですからね」

    一応、言って置く。
    変な誤解を招きそうだし。

    「ちなみに何で彼女を欲しがるんですか?櫻井センパイが好きなのに」

    ずっと矛盾に思っていた事を聞いて見る。

    「ぶっちゃけ、無謀だなとは思ってるんだよな。どうせ、由衣が俺の事を好きになるわけねーし」

    でしょうね。
    と、言おうとしたが、何とか堪える。

    「ま、頑張って下さい。後輩として、応援してます」

    「後輩として、ね」

    「じゃ、月曜日です。さよなら」

    「ああ」

    そうして、私とセンパイは別れた。
  • 23 藍名 id:ZxUbPJd.

    2011-10-16(日) 15:40:02 [削除依頼]
    すっかり日が暮れてしまった。
    ま、時間潰せたし、良いか。

    ピピピピピピピピッ

    住宅街を歩いていると、ケータイが鳴った。
    何故か、会長からだ。

    『もしもし、綾波か?』

    「え、あ、そうですけどぉ。会長、如何したんですか?」

    『嫌、葵が綾波と柏木が一緒に歩いてるのを見たって言うから、何かされてねーかなと思って』

    「あ、副会長、大丈夫でしたか?」

    『ああ。あの後、家に帰ったら、普通に夕飯作ってた』

    夕飯作らせてるのか。
    ま、当たり前だろうけど。

    「綾波未礼さん」

    声がした。
    電話越しの会長の声じゃない。
    声は女の高い声だ。
    振り返ると、

    「くす、私、誰か分かる?」

    茶髪で、ピンを2本ずつ、両方で留めている女子がいた。

    「だ、誰かって」

    「分かってるんでしょ?さっきまで、裕太と一緒にいたじゃん」

    『もしもし?綾波、どうかしたのか?』

    私はケータイを持っている手を下ろす。

    「櫻井センパイ、ですか?」

    「ん、なあに?」

    「な、な、何で、そんなモノ、持ってるんですか」

    「そうだな。ツバサ君と話したから、かなぁ?」

    か、会長と?

    「今もツバサ君と話してたんでしょ?ツバサ君の番号知ってるし、ツバサ君と同じ生徒会に入ってるし、ツバサ君と毎日仲良く生徒会で話してるんでしょ」

    こ、この人、大丈夫なのか。
    私は退く。

    『おーい、綾波』

    そ、そうだ。
    電話、繋ぎっ放しだ。

    「か、かいちょ……」

    助けてと言う前に、

    「くす」

    ケータイを取られ、通話終了ボタンを押される。

    「櫻井、先輩。わ、私、何かしましたか?私、先輩に何もしてないと、思うんですけど」

    「したよ。ツバサ君と関わった」

    「そ、それだけで」

    「それだけ?でも、私にとっては大きな事何だよ?綾波未礼さん」

    「……っ」


    …………、


    「くす、あなたが悪いんだよ?ツバサ君と関わるから」
  • 24 藍名 id:ZxUbPJd.

    2011-10-16(日) 15:46:54 [削除依頼]
    2章 生徒会書記の消失

    綾波未礼→天野ツバサ

    月曜日の放課後。
    生徒会室に行くと、葵と乃木坂と柏木がもう来ていた。

    「綾波は如何したんだ?」

    「それについて、今、話し合っていた所です」

    「マスターも知らないんだな」

    「未礼、欠席だってさ。俺、土曜は一緒にいたんだけどな。風邪か?」

    「柏木裕太が何かしたのでは?」

    「おいおい、葵ちゃん。俺がそんな事するわけないだろ」

    綾波が休みとは珍しい。

    「BLマンガでも、買いに行ってるんじゃないかと思ってしまうが。アイツは意外に時間厳守な奴だし、サボる様な人間に思えない。何かあったのだろうか」

    「乃木坂愛理、そんなに気になるのなら、お見舞いに行っては如何でしょうか?」

    「そうだな。どうせ、仕事もない事だし。皆で行かないか?」

    「乃木坂さんに賛成。で、未礼の住所、誰か知ってんの?」

    柏木の問いに答えた奴は誰もいなかった。
    結果、お見舞いを理由に教師から住所を聞きだし、俺等は綾波の家まで行く事となった。
  • 25 藍名 id:ZxUbPJd.

    2011-10-16(日) 15:56:18 [削除依頼]
    綾波の家に行く途中。
    俺は土曜、綾波に電話した事を思い出した。

    「なあ、俺、土曜の午後に電話したんだが」

    「あ、そうなのですか。わたし、知りませんでした」

    「急に切れたんだよな。何か会長って呼び掛ける寸前に誰かに切られたって感じで。電池切れだと思ってたんだが、何か休んでると気になってきた」

    「天野の言い分が正しかったら、未礼、何かに巻き込まれたんじゃねーの?」

    「何か責任感じて来た」

    「そんなの言ったら、俺もあるじゃん。多分、お前が電話するまで一緒にいたの俺だろうし」

    そんな事を言っていると、綾波の家に着いた。
    乃木坂がインターホンを押す。
    出たのは若い女の人だった。
    綾波の母には見え辛い。

    「もしかして、未礼ちゃんのお友達?」

    「あ、そうです」

    乃木坂は答える。
    だが、葵は、

    「実際には生徒会の者です。乃木坂愛理、わたしは綾波未礼と友達になった記憶はありませんが」

    無駄に訂正する。
    別に友達でも良いと思うんだが。

    「今日、綾波未礼が欠席していた為、お見舞いに来たのですが、本人はいらっしゃいますか?」

    葵がついでに聞いてくれた。
    すると、綾波の母らしき人の表情が曇った。

    「ごめんなさいね。未礼ちゃん、ちょっと今、病院に入院していて」

    入院……

    「一昨日の夕方、誰かにカッターで刺されたのよ」

    「さ、刺された?あ、綾波は大丈夫何ですか?」

    乃木坂は大声を出す。

    「ええ。大事には至らなかったわ。だから、当分は生徒会の仕事も出来ないと思うけれど。あ、お見舞いに行くなら、病院の場所と部屋を伝えて置きましょうか?」

    「あの」

    ずっと黙っていた柏木が言った。

    「何?」

    「警察には言いましたか?」

    「通り掛かった誰かが救急車とパトカーを呼んでくれたから」

    「そう、ですか」

    柏木は引き下がる。
    何だったんだろうか。
  • 26 藍名 id:O1ePsxs/

    2011-10-19(水) 15:50:16 [削除依頼]
    次の日、生徒会役員は綾波のお見舞いに行っていた。

    「お見舞いの品、本当にこれで良いのか?マスター」

    BLマンガを持った乃木坂は俺に問い掛ける。

    「良いって。未礼は腐女子、だろ?」

    お見舞いの品を提案した張本人は暢気そうに言った。

    「柏木裕太、やはり花束の方が良かったのでは?」

    「葵ちゃん、花束なんて、食えねーし、何も面白くねーじゃん」

    「ユリの花束、買いたかったのですが」

    「葵、ユリは何か違うと思うぞ」

    ガラガラッ

    「あのっ、入るなら入ってくれませんか?病室の前でごちゃごちゃと喋らないで下さいよぉ」

    「……綾波」

    パジャマを着た綾波は意外に元気そうだった。
  • 27 藍名 id:O1ePsxs/

    2011-10-19(水) 16:01:12 [削除依頼]
    「個室何だな」

    「はい。その方が気楽ですので。あ、乃木坂センパイ、それ、何ですかぁ?」

    分かってて聞いているのが丸分かりだった。

    「嫌、お見舞いの品をだな……BLマンガなのだが」

    「わあ、乃木坂センパイ、ありがとうございます!!って、これ、完璧に私向けの奴じゃないですか。ホントに嬉しいですっ!!!!!!」

    綾波はマンガを受け取り、早速読み出した。

    「ところで、綾波未礼」

    「何ですか?副会長」

    「あなたは如何してそんな事になったのですか?」

    核心な部分に葵は触れた。
    さっきまで目を輝かせていた綾波は急に無表情になる。

    「あー、だから、刺されたんですよぉ」

    「誰に?」

    聞いたのは柏木だった。
    えらく真面目だ。

    「誰って、分からないです。会長と電話で話してたら、いきなり何かが来て、グサッと行かれましたねぇ。だから、顔も全く見てないんです。これ、警察の人にも言ったんですけどね」

    「それって、正面からだよな?だったら、顔、見てないのおかしくね?」

    「急だったから、分からなかったです。って、柏木センパイ、凄い突っ掛かって来ますねぇ」

    「……別に」

    「元気そうで何よりです。それでは、わたしはもう帰ります」

    「え、もう帰るんですか?副会長。もっと喋りましょうよぉ」

    「大丈夫です。会長は帰りますか?」

    葵が視線を俺に向けて来る。
    まあ、綾波の顔が見れた事だしな。

    「ああ。俺も帰るか」

    「だったら、私も帰るとするか。で、柏木は?」

    「俺はまだいるわ。ちょっと未礼に聞きたい事あるし」

    そんな事で、俺と葵と乃木坂は病室を出た。
    いまいち、柏木と2人きりにさせた事に若干不安だったが、まあ大丈夫だろう。
  • 28 藍名 id:O1ePsxs/

    2011-10-19(水) 16:09:53 [削除依頼]
    天野ツバサ→綾波未礼

    バタンッ

    会長達が帰ってしまう。

    「柏木センパイ、帰らないんですか?」

    一応、催促っぽく聞いて見る。

    「ああ。聞き出したいからな。お前から」

    「へえ。何ですか?」

    妙に柏木センパイからの視線に耐え切れず、私は乃木坂センパイが持って来たマンガの1巻を手に取り、1ページを捲る。

    「犯人の顔、どんなだった?」

    「だ、だから、覚えてないんですってばっ」

    「しらばっくれるのもいい加減にしろよっ」

    う……

    「ほら、早く話せ」

    完璧にセンパイの性格、変わってるし。
    これが素、何だろうか。

    「と、特徴、ですか?」

    「ああ」

    「え、えーと、お、男の人、だった気がしてはならない様な気もします」

    「男?」

    「そ、そうですよ?背が私より高かった様な感じだった様な」

    「そうか」

    「そうです。そうですよっ」

    私は引き攣る笑顔で頷く。
    何とか信じて貰えた様だ。
    心の中で安堵する。

    「うん。何か脅す様で悪かったな。未礼」

    「いえいえ、全然気にしてませんよぉ」

    「……なあ、未礼」

    「何ですかぁ?」

    「お前、嘘吐くの、凄い下手だな」

    「……、」

    私はベットから立ち上がる。

    「おい、何処行くんだよ?」

    「トイレ、ですよ」

    「嘘だろうが」

    センパイは大きく溜め息を吐いた。
  • 29 藍名 id:O1ePsxs/

    2011-10-19(水) 16:25:29 [削除依頼]
    如何しようもなく、私は再びベットに座る。

    「茶髪でピンを留めた女だっただろ?ソイツ」

    「ち、違います」

    「何で、由衣を庇うんだよ?」

    「か、庇うとか、そう言うのじゃありません」

    もう誤魔化せなくなって来た。
    話してしまおうか。

    「何?由衣に脅されてんの?」

    「じゃあ、逆に聞きますけど、センパイ、死.にたくないですよね?」

    「そりゃそうだろう」

    「だったら、言えませんし、それにセンパイが期待しているであろう櫻井センパイの居場所、私、知りませんよぉ」

    「……、」

    「嘘とかじゃありません。ま、私から言える事は1つだけですね」

    私は薄っすらと微笑を浮かべる。
    何か被害者なのに全然被害者らしくないな。

    「会長とあまり必要以上に関わらない方が身の為です」

    「天野とね」

    「例えば、会長に暴力を振るったり、そう言う事をしたら、あの人は絶対に殺.しに来るでしょうね」

    「だったら、好都合じゃね?由衣と会えるんだから」

    そう来るか。
    私は頭を抱えたくなった。
    この人、本当にしそうだな。

    「センパイ、絶対にしないで下さいよ」

    「分かってる。でもさ、俺の見る所、次にやられるのって葵ちゃんじゃね?」

    私も薄々予測してはいた。

    「かも、知れませんね」

    「あーあ、教えてやらねーのか?」

    「別に。副会長って、案外、勘が良さそうじゃないですか」

    それに教えた所で、如何にも出来ないし。
    って、私、凄い悪役みたいだ。
    何でか、櫻井センパイに刺されてから、ちょっと性格が悪くなった感じがする。
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