あ、目、閉じてください95コメント

1 笹かま id:etq0YT1.

2011-10-09(日) 16:41:46 [削除依頼]
(新作です>(^ω^`)<笹かまです)
パパっとアイディアかためて
つくってしまいました

高1女子がメイクでいろいろするって話です
もちろんイケメン登場します
むしろイケメンだけですヾ(∀*)ノ

もしよかったらコメントください
それでは、はじまりはじまりーo(^-^)o
  • 76 笹かま id:/QVKpDO.

    2011-11-19(土) 17:10:48 [削除依頼]
    「今まで早く帰ってた理由って…これ?」
    雅一は目を細めて水那に問いかけた

    「あ、あのね、雅」
    「なあ水那。お前は…なんなんだ?」
    「っ!」
    水那から見た今日の雅一は
    少し怒っているように見えた

    「今まで言わなくてごめん…
     ここは私のお姉ちゃんが建てた芸能事務所なの」
    「それは分かってる」
    「え…?」
    水那は少し驚いて聞き返した

    「オレが聞きたいのは
     水那がここで何をしているのかだよ」
    雅一は、なぜか少し哀しそうな顔をして言った

    「雅…?」
    水那が雅一の方へ近づこうとした。すると

    「水那はここで
     事務所のタレントのメイクを担当してるんだ」
    今まで黙っていた奏が
    水那の腕を掴んで引き止め、こう言った

    「メイク…?」
    「うん。2年前くらいからずっと…」
    水那が少しうつむいて言うと

    「……んだよそれ」
    「え?」
    「お前、まさかずっと…それ、やんのか?」
    雅一の声は
    怒りと戸惑いを混ぜあわせたようで

    でも少しだけ震えているのに水那は気づいた

    「うん。ずっと」
    「そ…れでいいのか?ほんとに。
     普通の女子みたいに、遊んだり…したくないのか?」
    雅一は訴えかけるように水那に問う

    「うん。私から言い出したことだから」
    だけど水那の力強い目には敵わない

    「……っ」
    雅一は唇を噛んでその場から逃げるように走った

    「雅っ」
    「水那」
    追いかけようとした水那を奏が止めた

    「奏さんっ!」
    「今は何を言っても聞ける状態じゃない
     あっちが落ち着いてから、ちゃんと話せばいい」
    奏の正論に水那は何も言えなかった

    「…はい」
  • 77 笹かま id:/QVKpDO.

    2011-11-19(土) 17:44:10 [削除依頼]
    ―次の日
    「それでこの公式をー…」
    これで4時限目になる
    意外にも雅一は水那に何も言ってこない

    「……」
    水那としては何も問題はないのだが、
    雅一は水那にとって大事な幼なじみ。
    ちゃんと話したいという思いが強い

    「…よし」
    水那はコッソリ机の中でケータイを操作して
    雅一にメールを送った

    『昨日のことについて話したいから
     昼休みに屋上に来てくれないかな』
  • 78 笹かま id:/QVKpDO.

    2011-11-19(土) 21:10:51 [削除依頼]
    ―昼休み
    「雅一」
    いつものように香織が雅一を呼んだ

    「……」
    いつもならすぐ気づいて弁当を持っていくのだが
    今日の雅一は違く、じっとケータイを見ていた

    「どうしたの?雅一」
    香織は不思議に思い、雅一の近くに来て肩をたたいた

    「わっ、香織!…すまねぇ、弁当だよな!弁当!」
    雅一はケータイをポケットに入れて
    カバンからお弁当を出して立ち上がった

    「……」
    「雅一?早く屋上行こ」
    雅一は教室を見渡した
    教室には男子が3人しかいなかった

    「なぁ香織。今日はここで食べてもいいか?」
    「え?別にいいけど…」
    香織は何かひっかかりつつも雅一の隣の席に座った
  • 79 笹かま id:ygld.eV/

    2011-11-20(日) 11:40:17 [削除依頼]
    ―屋上
    「はー…来ない」
    昼休みに入って20分が経つ
    水那は屋上の壁に寄りかかって雅一を待つ

    「嫌われちゃったかなー…」
    水那は哀しくなりうつむいた。すると

    「なーにブツブツ言ってんだ?」
    横から知ってる声がした

    「高橋くん」
    「よ。昨日ぶりだな」
    music,noonで初めて会ってから
    水那と高橋はだいぶ仲良くなった

    「あ、これ。おにぎり」
    「おっ!サンキュ」
    水那にとってはペット感覚らしいが…

    「あー…いってー」
    おにぎりをペロっと食べ終えた高橋は
    なぜか自分の腕をさすった

    「どうしたの?」
    「トレーニングきつすぎて腕がヤバイんだよ」
    「そっか。アイドルだもんね」
    「いや…あれは尋常じゃない…」
    「え?」
    突然高橋の顔色が変わった

    「あいつは…陸上選手でも
     育ててるんじゃねーかってくらい…ヤバイんだ」
    「き、厳しい先生なんだね」
    AM事務所にはアイドルが所属していないので
    水那にはイマイチピンとこなかった

    「ま、結局のところ高1の女なんだけどな」
    高橋がサラっと言った

    「え?」
    「知佳。仲瀬知佳。ほら、オレらのプロデューサー」
    「えっ…もしかして仲瀬さんが全部やってるの?」
    「ん?プロデューサーって普通そーじゃねーの?」
    高橋は当たり前のような顔で言った

    「普通じゃないよ。そういうのは振付師さんとかが…」
    「あいつ、かわってんだよ
     私が責任もって全部やる!って言い出してさ」
    高橋が水那の言葉をさえぎって
    どこか優しさをもってこう言った

    「…そっか。すごい」
    「オレらは、あいつのためにも頑張んなきゃなんねー」
    その時の高橋の目は
    なんだかとてもたのもしかった

    「で?冴島はなんか悩み事か?」
    「えっ?」
    「お前がここ来る時は大体そんな感じだろ」
    図星をつかれた水那は、少しうつむきながら話す

    「友達と、ちょっと気まずくなっちゃって」
    「ふーん…」
    「私がその人に隠してたことがあって
     それを嫌な感じで知られちゃって…それで」
    「へー…」
    高橋は、それしか言わない
    自分から聞いといて何だよと水那は思った
    すると

    「大丈夫じゃねーの」
    高橋から返ってきたのはこんな言葉だった

    「え?」
    「そこまで考えなくても、意外と片付くもんだぜ?」
    「他人事のように…」
    「大丈夫大丈夫」
    確かに、高橋の気まぐれな笑顔を見ると
    自分の考えてることがバカらしく思えてくる

    「そだね、ありがとう」
  • 80 笹かま id:ygld.eV/

    2011-11-20(日) 12:21:33 [削除依頼]
    ―放課後
    「大丈夫大丈夫…」
    水那は決めた。雅一とちゃんと話そうと

    「だから違うって!」
    「ウソゆーな澄也!」
    雅一はまだ自分の席で流と喋っている

    「…よし」
    水那は雅一に近づいた

    「雅…っ」
    「おー!じゃーな澄也!」
    「?お、おう」
    雅一は水那をムシして立ち上がり
    教室を出た

    「水那ちゃん、あいつと何かあったの?」
    「……雅っ」
    「ちょっ、水那ちゃん!?」
    水那は流の言葉を聞かずに雅一の後を追う
  • 81 笹かま id:ygld.eV/

    2011-11-20(日) 12:49:06 [削除依頼]
    「雅っ!!」
    学校を飛び出してけっこう経った
    だが雅一の姿は見つからない

    「はぁ…っはぁ…」
    こんなことになるなら初めから
    言っておけばよかったと水那は強く思った
    その時

    プルルルルル…

    水那のケータイが鳴った
    『新着メール1件』

    「誰だろ…」
    『ごめんね水那。急に麻衣に仕事が入って…
     水那にも来てほしいんだけど、大丈夫?』
    メールの相手は水那の姉、明日那だった

    「仕事…っ」
    『助かるわ。じゃあFスタジオに直行で!』
    水那はケータイをポケットに入れて
    Fスタジオに向かって走った
  • 82 笹かま id:gm5PO8.1

    2012-02-23(木) 15:41:04 [削除依頼]
    「はぁっ…、疲れたっ」
    雅一は後ろに水那がいないことを確認して
    その場に座り込んだ

    「ほんっと…何してんだ。オレは」
    少したってから雅一は立ち上がった
    すると

    「あれ?君って昨日の…」
    雅一の目の前に奏の姿があった

    「あ!え!?どうして奏が…!?って、ここって!」
    水那から周りを見ずに必死で走っていた雅一は
    自分がAM事務所の前にいることを今知った

    「あ、俺のこと知ってたんだ」
    「当たり前じゃないっすか!テレビけっこーでてるし…」
    「昨日は気づかれなかっただけってこと?」
    「いや…気づいてたんすけど……」
    雅一はしばらく黙りこんだ

    「水那とは今気まずいんだ?」
    「…まぁ」
    「そーかー…」
    奏は腕を組んで何やら考えごとを始めた

    「よし。ついてきて」
    「えっ、ちょっ!」
    強引に雅一の腕を引っ張り歩き始めた
  • 83 笹かま id:gm5PO8.1

    2012-02-23(木) 16:13:39 [削除依頼]
    ―Fスタジオ
    「いい加減はなしてください!」
    「まーまー。あとちょっとだからさ」
    奏はそのまま中へ入っていき
    1つの部屋の扉の前で止まった

    「植草麻衣楽屋…?」
    「そ。中に水那もいる」
    「っ!あんたまさかっ」
    「別に強引に話させやしないよ。まあ見てなって」
    「…?」

    奏は楽屋の扉を静かに少しだけ開き
    雅一に中をのぞかせた

    「ん?」
    「なに、見えない?メイク中だと思うんだけど」
    「いや…鏡の方見てるからあんまり良く……っ!」

    鏡に反射された水那の表情が
    雅一の目にハッキリと映し出された

    それはとても楽しそうで、嬉しそうで
    真剣で、なにより美しかった

    「昨日も水那言ってただろ?
     あれはやりたいことなんだって。水那のさ」
    奏の言うことは正しかった
    でも雅一は

    「…っ」
    まだうなずけなかった

    「昔話、してあげよっか」
    「え?」
    奏はとても優しい表情で
    ある昔話を話し始めた
  • 84 笹かま id:gm5PO8.1

    2012-02-23(木) 17:26:18 [削除依頼]
    ―2年前
    「ねぇあなた!私の事務所に入らない?」
    それは本当に突然だった

    夜の駅前で
    ギター片手に歌っていた奏にしがみつくように
    水那の姉、明日那が声をかけた


    ―AM事務所
    「ちっちゃ」
    「うるさいわね!」
    この時のAM事務所はコンビニエンスストアの上に
    ギリギリおかれている小さな事務所だった

    「とりあえず座って」
    「ども」
    「まず自己紹介からね
     私は冴島明日那。23歳よ。よろしく」
    「えー、浪川奏。18。高3です」
    明日那はそれを聞いて少し驚いた

    「大学受験は?」
    「なんかめんどくさいなーと思って」
    「それでストリートライブを?」
    「そんなところ」
    「すごいわねあなた…」
    明日那はもっと驚いた

    「でもまあ、歌は好きだったしね」

    この言葉に明日那は今度は心を打たれたように
    目を輝かせた

    「やっぱり私の目に間違いはなかったわ!」
    こう言うと明日那は1枚の紙とペンを出した

    「まずオリジナルの曲を作って歌う!
     それでそのデモテープを
     来月のmusic,noonのEDコンペに出すの!」
    「これはまた具体的な…」
    明日那のペンを動かす手は止まらない

    「デビュー3年目にはレコード大賞!
     それで、うちの事務所を大きくして!」
    明日那は冗談などではなく
    本気で言っていた

    「はは、社長さん、面白いね」
    「そう?」
    「ねえ、なんでAM事務所っていうの?」
    「それはね、私の妹が…」
    明日那が言いかけた時

    「お姉ちゃん、ただいま」

    奏が初めて見る女の子が入ってきた

    これが奏と水那の出会い
  • 85 笹かま id:M4WV6gX0

    2012-02-25(土) 19:44:46 [削除依頼]
    それから1ヶ月後、無事曲を仕上げ
    それを社長さんの計画通りコンペに出したところ
    けっこうな好評価だったらしく
    満場一致で5月のEDテーマに決まった

    そしてその1週間後

    ―楽屋
    「ついにここまで来たわね!」
    「社長さんのおかげって言っとくよ」
    「ほんっと可愛くないわねーあんたは」
    「そりゃどうも」
    music,noonにゲストとして呼ばれた
    AM事務所にとって初めてのTV出演だった

    「あと30分ね」
    「あのさ、ヘアメイクとかって…」
    奏の言葉をさえぎるように
    楽屋の扉が開いた

    「あ、失礼します」
    そこには少し息をきらした水那がいた

    「水那お疲れさま!早速だけどお願い!」
    「うん」
    「え、お願いって…まさかこいつがメイクを?」
    奏の言葉を一切聞かず
    水那は準備を始めた

    「おいまじかよ…素人のメイクで…」
    「黙ってなさい奏」
    「社長さん、あんたもいくらなんでも」
    「いいから黙ってなさい」
    こんな明日那の強い目を見るのは初めてだったから
    奏は少し驚いて黙ってしまう

    「あ、目、閉じてください」
    水那の指示に従い目を閉じる

    「もう大丈夫です」
    こう言われ目を開けた時

    「っ!」
    奏は水那の変化に気づいた
    メイクへの集中力、指の細かい動き

    その表情は、
    とても中2の女子とは思えないほど真剣なものだった

    「…」
    奏はただ、黙るしかなかった

    ―10分後
    「はいできました」
    「ありがとう水那!さ、奏!行くわよ本番!」
    「あ…はい」
    こう言うと奏はゆっくりと立ち上がり
    明日那と一緒にスタジオに向かった
  • 86 笹かま id:M4WV6gX0

    2012-02-25(土) 20:10:00 [削除依頼]
    ―スタジオ
    「白根プロデューサー!
     今回は呼んでいただきありがとうございます!」
    「いやいや、いい曲を出してくれてありがとう」
    この人は白根プロデューサー
    music,noonのプロデューサーをやっている

    「ほらっ、あんたもあいさつ!」
    「今日はよろしくお願いします」
    多少棒読みではあったが奏もあいさつをした

    「うんよろしく。
     にしてもほんとに若いのによくやるね」
    「いえ、好きなことをやるのは楽しいですから」
    明日那の言葉に
    白根プロデューサーは少し驚いてから

    「そうか。僕に手伝えることがあったら言ってね
     多少、力にはなれると思うから」
    優しい表情でこう言った

    「ありがとうございます!」

    明日那が白根プロデューサーと話している横で
    奏は別のことを考えていた
  • 87 笹かま id:Y4xRTtj1

    2012-02-29(水) 15:19:49 [削除依頼]
    「どうしたの奏、ボーっとして」
    「あいつ、今なにしてんの?」
    「あいつ…水那のこと?」
    奏は小さくうなずいた

    「メイク道具の片付けじゃない?」
    「へー…」
    「なに?もしかして気になってるの?」
    明日那がニヤニヤしながら聞く

    「別に。むしろあんまり気に入らない。
     子供がこーゆーとこに来るもんじゃないし」
    奏がこう言うと

    「ほんと、あんたからも言ってあげてよ」
    軽くため息をついて明日那がこう言った

    「え?」
    「あの子ね、メイク、
     自分からやりたいって言い出したの」
    「へー…やらせたくなかったの?」
    「そりゃ…あの子には普通に学校に通って
     普通の中学校生活を送らせてあげたかったし」
    切ない表情を浮かべながら
    明日那はつづけた

    「私が事務所を建てるって言った3週間後くらいに
     いきなりメイクさせてって言われてね。
     最初はただの好奇心かと思ってたの。
     でも違った。技術も、表情も」
    明日那は少し前のことを思い出しながら話す

    「どこで練習したのって聞いても
     全然教えてくれないの。
     ただ、お願い、手伝わせてってだけ」
    「へー…」
    奏は腕を組んでうなずきながら聞いていた

    「あんたも感じたでしょ?さっき」
    「…感じた。もう本物だった。本物以上」
    「そーゆーこと。
     水那もプロ意識でここに来てるのよ」
    「そっか。なるほどね」
    奏の表情が少し和らいだ時

    「…私たちは頑張らなきゃいけないの。
     あの時の約束を守るためにも」
    明日那が意味深な発言をした

    「社長さん、今なんて?」
    「あっ水那、こっちよこっち!」
    奏の声が聞こえなかったのか
    明日那は楽屋から出てきた水那に手をふった

    「水那ー、今日はほんとにありがとね
     学校早退までして来てもらって」
    「ううん別に。楽しいし」
    明日那は水那の頭をいっぱいなでた

    「本番10分前です!スタンバイお願いします!」
    スタッフさんの声がかかった

    「じゃ行ってくる」
    「頑張ってきなさい!」
    明日那が奏の背中をトンと押し
    奏はゆっくり歩き出した

    「……」
    何を思ったのか
    奏は5歩程歩いてピタっと止まった

    「奏?」
    「?」
    明日那と水那は気になり、奏のそばによった
    すると

    「っ!?」
    「ちょっ、奏!?」
    突然奏はふり返り、水那の肩に手をのせた

    「俺は最初、お前は軽い気持ちで
     入ってきてんだと思ってた。
     でも違った。さっきので、納得した」
    "さっきの"とはおそらくメイクの時だろう
    奏はこれでもかというくらい水那を見た

    「お前にもプロ意識があるって分かった。
     だから、俺も頑張ってくる。
     頑張って事務所デカくして
     あんたら2人を幸せにするから」
    明日那と水那はポカンとした
    でも

    「はい。よろしくお願いします!」
    奏が初めて見る水那の笑顔がそこにはあった

    「行ってきます」

    その時からだ。
    奏の中で水那の存在が
    特別なものに変わっていったのは
  • 88 笹かま id:zBn3hPx0

    2012-04-02(月) 20:01:41 [削除依頼]
    「これ、ほんとな」
    奏が話し終わり、少し沈黙がつづく

    「…オレは…」
    「ん?」

    「分かってたけど、認めたくなかった」
    「どーして?」

    「認めたら、水那の中の
     オレの存在が小さくなると思ったから」
    雅一は手をギュっと握って言った

    「でも、それは違うって、思ったろ?」
    「…はい」
    その言葉を聞いて、奏は

    「じゃ、行こうか」
    「えっ、入っちゃっていいんですか!?」
    雅一の手を引っ張って楽屋に入った
  • 89 笹かま id:zBn3hPx0

    2012-04-02(月) 20:52:04 [削除依頼]
    ―植草麻衣楽屋
    「やっほー水那」
    「奏さん。…え、雅っ?」
    「…ども」
    「ど、どーしてここに?」
    水那は動揺してキョロキョロする
    すると

    「水那」
    奏が声をかける

    「こいつが話あるらしいから、外で聞いてやって」
    「雅から…?」
    「なっ」
    「…うす」
    雅一は下を向いたままだった

    「あ、でも麻衣についてなきゃだし…」
    「俺がついとくから。行ってこい」
    「はい…」

    パタン…

    静かに扉を閉めて2人は楽屋を出た


    「いいんですか?水那ちゃん渡しちゃって」
    麻衣が微妙な表情で奏に聞いた
    すると

    「別に渡したつもりはないよ。
     それに、水那は鈍くできてるからね」
    奏は自信に満ちた表情で答えた

    「苦労しますね」
    「どーも」
  • 90 笹かま id:zBn3hPx0

    2012-04-02(月) 21:39:53 [削除依頼]
    ―外
    「…話、聞いた」
    「え?」

    「奏さんから、事務所のこととか…」
    「そっか…」
    お互いに下を向いて、長い沈黙がつづく


    「…水那はこれからも、
     やってくんだよな、メイクの仕事」
    「うん」
    水那が答えると
    雅一はまた少し下を向いて

    「もし今よりすっげー仕事忙しくなっても
     前みたいにオレと喋ったりしてくれるか?」
    不安そうに質問した
    すると水那は

    「うん。喋ろ、いっぱい。
     今までより、いっぱい喋ろ」
    優しい笑顔でこう答えた


    その笑顔を見た雅一は
    自分でも知らないうちに涙を流していた


    「どーしたの雅っ?」
    「え?あ…あれ?オレなんで…」
    雅一は自分の服の袖で涙をふいた
    でも涙が次々と流れてきて意味をなさなかった

    「見んな水那っカッコ悪いっ」
    「雅」
    「だから…っ」
    「雅っ」


    ギュッ


    「み…ずな?」
    水那が雅一を優しく抱きしめていた

    「これからは、一緒に帰れるように頑張る」
    「う…ん」
    「もうしない。隠し事とか」
    この時
    水那の抱きしめる腕に少し力が入った

    「…水那、分かってる?」
    「え?」
    「オレはついこないだ水那に告ったんだよ?」
    「うん」
    「好きな女にこんなことされたらオレだって…」
    「…ううん」

    「えっ?」
    さらに水那は抱きしめる力を強くして

    「雅は大丈夫って、分かってるから」
    こう言いながら
    雅一の胸に自分の顔をくっつけた

    「ちょっ、水那…!それはまずいっ」
    雅一は顔を真っ赤にして
    自分の体をおさえた

    「ん?なにが?」
    何も分からない水那は
    下から雅一を見つめた
    すると

    「あーもー見んな!
     今いろいろと恥ずかしいから!」
    こう言って雅一は
    水那の体をもっと自分に引き寄せて
    顔を見られないようにした


    「そんなこと言われたら当分手だせねーよ…」
  • 91 とこやん☆ id:.cn06bO0

    2012-04-02(月) 22:04:46 [削除依頼]
    なんかやっぱり今日書きました!

    よろしくね!
  • 92 笹かま id:Tl1ridS1

    2012-04-03(火) 12:17:52 [削除依頼]
    →とこやんさん
    コメントありがとうございます(*^-^))
  • 93 笹かま id:Tl1ridS1

    2012-04-03(火) 13:11:08 [削除依頼]
    「じゃあ、オレ帰るな」
    「送ってかなくて大丈夫?」
    「大丈夫だって!明日な」
    「うん」
    雅一は大きく手を振りながら
    駆け足で帰っていった

    「戻らなきゃ」
    こう言って水那はうしろをふりかえった
    すると

    「…」
    「わっ、奏さん!?」
    すぐうしろに奏が立っていた

    「…」
    「麻衣についてたんじゃ?」
    「…」
    奏は何も言わずに水那を見つめる

    「水那、あいつと付き合ってるの?」
    「あいつ…?あ、雅のことですか?
     違いますよ。ただの幼なじみです」
    水那が答えると

    「じゃあ何で抱き合ってたの?」
    「!見てたんですか…?」
    「うん」
    「えっと、あれは…っ」
    水那が慌てると

    「水那、前言ったよね。
     そういうのは好きな人とじゃなきゃダメだって」
    奏が不機嫌そうな顔でこう言った

    「だから雅はただの…っ」
    「水那」
    「わっ」

    きゅっ

    奏が突然水那の手をにぎった

    「俺は、水那の中で、何番目?」
    「え…っ?」
    「あいつより、上?」
    「奏さん…?」
    水那は驚いた。
    奏の言葉にも驚いたが、なによりも、
    奏の表情があまりにも切なそうだったからだ

    「…ごめん、なんかヘンだ、俺」
    「い、いえ」
    「帰ろっか」
    「えっと、麻衣は?」
    「1人で大丈夫だって。行こ」
    「はい…」
    歩き出しても
    奏は水那の手を握ったままだった


    ―植草麻衣楽屋
    「よけいなお世話だったかな。
     まーいっか。頑張れ、奏さん」
  • 94 笹かま id:Tl1ridS1

    2012-04-03(火) 13:32:37 [削除依頼]
    ―約5分前
     植草麻衣楽屋

    「苦労しますね」
    「どーも」
    こう言いながら
    奏は近くのパイプ椅子に座った

    「あ、でも」
    「ん?何」
    「これって言っちゃっていいのかな…?」
    「何、教えて」
    奏が麻衣に視線を向ける

    「水那ちゃんこないだ
     さっきの人に告られたらしいですよ?」
    麻衣は少し笑みをうかべながら言った

    「…いつ?」
    「ついこないだらしいです。
     1回断ったのに同じ日にもう1回告られたって」
    奏は少し嫌な感じがした。
    麻衣はそれを察して更に言う

    「あの鈍い水那ちゃんでも2回も告られたら
     さすがに意識しちゃうんじゃないですかね?」

    「…お前、俺の味方じゃなかったっけ」
    「一応これも情報提供ってやつですよ」
    麻衣が笑顔でピースした

    「…っ」
    奏はもどかしそうに手をグっと丸めた
    すると

    「いいですよ」
    「え?」

    「水那ちゃんのとこに行っても。
     私は1人でできますから。ほら早くっ」
    麻衣が楽屋の扉を開けてこう言った

    「…悪いっ」
    奏はダッシュで楽屋を出て水那のもとへ向かった
  • 95 笹かま id:Tl1ridS1

    2012-04-03(火) 17:25:04 [削除依頼]
    ―帰り道

    「でも、なんで楽屋出てこっちに来たんですか?」
    「うーん、なんでだろーね」
    「?」
    水那が心配で来たなんて奏には言えなかった


    「ついたよ」
    「はい、ありがとうございます」
    水那は奏の手をはなして玄関の扉を開けて
    少し止まり、奏の方をふりむいた

    「水那?」
    「あのっ、さっき奏さん、
     私の中で自分が何番かって」

    「あー…、いいよそれ忘れ…」
    「私っ!」
    水那は奏の言葉をさえぎって
    自分でも驚くくらい大きな声を出した

    「私は…そのっ、
     何番とか全然分からないですっ」
    「うん」
    「でもっ」
    「うん…?」

    「私の中で奏さんは、
     ほんとに、大事な存在だと…思います」
    水那は少し恥ずかしがりながら言った
    すると奏は

    「大事…か」
    少し横を見て目を細めて

    「奏さん…?」
    「じゃあさ」
    「はい…」

    「俺の"大事"はあいつより大きい?」
    こう質問した
    それに水那は動揺して答える

    「なんでまた雅なんですかっ?
     さっきも言ったように雅は…っ」
    「ただの幼なじみ?」
    「はい」

    「それはお前が思ってるだけだよ」
    「え…?」
    奏は水那の目を見て話す

    「あいつにとってお前は、それ以上の存在なの」

    「…麻衣から聞いたんですか」
    「ああ」
    「…」
    長い沈黙がつづく

    「…でも、そのことと
     雅と奏さんを比べることに意味なんて…っ」
    「ある」

    「え…?」
    「あるよ」
    奏は優しく強い表情で言った

    「そんなこと…言われても……」
    水那は考えるために目をつぶった
    そして


    「私は、好きです。奏さんが」
    大きく息をすい、こう言った

    「ほんとに?」
    「え、あ、はい。ずっとお世話になってるし」
    「はぁ…」
    「奏さん?」
    奏はズーンと肩を落としたまま
    また話し始める

    「そんな言い方してたら、
     俺みたいな男が勘違いしちゃうよ?」
    「え?」
    「水那、俺はな、ずっと…」

    奏が真剣な表情で水那に伝えようとした
    けれど

    「…なんでもない」

    「?」
    「今はまだいい。もうちょっとたったら、言う」
    「はい…?」

    「じゃ」
    こう言って奏は冴島家を離れた
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