軍艦アパートと未来人8コメント

1 眼玉焼き id:sPrMYRs.

2011-10-02(日) 01:11:47 [削除依頼]
二作目に挑戦です。
すいません一作目はgdgdになったので途中放棄してしまいました……


今回はせめて終わらせるようにがんばります。
  • 2 眼玉焼き id:sPrMYRs.

    2011-10-02(日) 01:15:04 [削除依頼]

    1章 小学生と未来人

    2章 大人達と未来人

    Ep 軍艦アパートの未来人
  • 3 眼玉焼き id:sPrMYRs.

    2011-10-02(日) 01:17:44 [削除依頼]


     軍艦アパートへ行こう、光一からと誘いを受けたのは昼休みの事だ。
     光一は休み時間に僕の机に寄ってきて、率直にその用件を言った。
    「今日の放課後、軍艦アパートに行こうぜ」
    「軍艦アパート?」と僕が聞き返すと、光一は得意げな微笑を浮かべて、
    「軍艦アパートだ」といった。
  • 4 眼玉焼き id:sPrMYRs.

    2011-10-02(日) 01:18:33 [削除依頼]
    「なんで軍艦アパートなんだ?」と僕は聞いた。
    「まぁいいじゃん。どうせ暇だろ?」
     たしかに僕はその日、塾もないし習い事のピアノ教室も無かった。
    「まぁ、暇だけど」
    「じゃあいいじゃん。行こうぜ」
     僕は少し疑問に思うところがあったが、「分かった。じゃ、行こう」と答えた。
     すると光一は満足気な表情を浮かべて僕の席を去っていった。後でクラスの数人に軍艦アパートについて何か知らないか、と聞くと、最近一つの噂が学校で話題になっている事を知った。
     光一はその噂を聞いて、軍艦アパートに行こうとしたらしかった。
  • 5 眼玉焼き id:sPrMYRs.

    2011-10-02(日) 01:19:32 [削除依頼]


     胸まで伸びた長い雑草を掻き分けて進むと、見えたのは軍艦アパートだった。
     塗装が剥げたコンクリートの壁や、屋根が崩れてむき出しになった鉄骨など、最後に来た小学二年生の頃と何も変わって無い。
     どこか不気味な雰囲気を纏って、静かに軍艦アパートは佇んでいた。
     後ろから続いてきた光一の足音も止まる。光一は細い溜め息をついて、
    「懐かしいなぁ」
     と言った。
    「確かに」と僕も言った。
     光一はガサガサと音を立てて僕の隣に並んだ。
    「久々に見たけど、あんまり変わってないなぁ」と光一が言う。
    「光一は最後にここ来たのいつ?」と僕が聞いた。
     光一はうーん、と一呼吸置くと答えた。
    「小二の時……かなぁ?あの時に流行ってた噂って覚えてる?」
    「あー、あれだろ。軍艦アパートに通り魔が死体を捨てて言ってるって奴」
  • 6 眼玉焼き id:sPrMYRs.

    2011-10-02(日) 01:20:17 [削除依頼]
    「そうそう、それ。その死体を捜しに行ったんだよなぁ。二組の皆で」
    「二年の時の二組って誰がいたっけ?」とい聞いてから、僕は『しまった』と思った。
     そして案の定光一は苦い顔をして、
    「杉田とか佐々木とか」と答えた。
     光一が言った二人よりも、もっと仲の良かった山本という生徒がいた。四六時中一緒にいたぐらいだから、きっとこの軍艦アパートにも山本と一緒に来たのだろう。しかし四年生になった今、山本と光一の仲は悪い。
     そっか、と僕はそっけなく答えた後、「あの通り魔の噂ってなんだったんだろ?」と話を逸らした。
    「さぁ。結局犯人も捕まってないままのはずだけど」と光一もそっけなく答えた。
    「やっぱ死体がここにあるなんてデマだったのかな?」
    「噂なんてそんなもんでしょ。きっと」
     光一は切り捨てるようにそういうと、さっさと軍艦アパートに向かって歩き始めてしまった。
     僕は少しだけ申し訳なさを覚えながら、光一の背中を追いかけた。
  • 7 眼玉焼き id:sPrMYRs.

    2011-10-02(日) 01:20:57 [削除依頼]


     軍艦アパートは、僕達が住んでいる街のはずれにある、建築途中で放棄されたアパートの廃墟の事だ。
     なんで軍艦アパートなんて名前がついているのかは知らない。でもたしかお父さんにそのことを話したら、日本には島そのものが廃墟になっている大きな島があって、そこが軍艦島と呼ばれているから、そこから取ったんじゃないか、と言っていた。それが本当かどうかは知らない。
     崩れやすいところもあるし、夜中は怖い人達が集まるから子供は近寄っちゃ駄目だ、と学校でも家でも言われているが、そんなの誰も守っちゃいない。一人で軍艦アパートに入っていけるかどうか、なんて度胸試しが一年生の間で恒例の遊びになっているぐらいだ。
     でもやっぱり、それなりにアブナイ噂などもよく聞く。通り魔事件の死体の事もそうだし、不良の溜まり場になっていること、凶暴な野犬の集会所になっていることなど、子供のスリルをそそるような噂が絶えない。
     そして今、軍艦アパートについて新しく騒がれている噂がある。
  • 8 眼玉焼き id:sPrMYRs.

    2011-10-02(日) 01:21:27 [削除依頼]
    「軍艦アパートは未来と繋がっている、ねぇ……」
     僕がそう呟くと、前にいた光一がこちらを振り向いた。
    「あれ?なんだ、知ってたの」と光一は落胆したように言った。
    「光一に誘われてからクラスの奴等に聞いたんだよ。そういう噂が流れてるって」
    「なんだ、驚かそうと思ってたのに」と言って、光一は軍艦アパートの入り口で立ち止まった。
     入り口は、大きな観音開きの木製の扉がついているが、右側の扉は気が腐って取れてしまっているし、左側も同じようなもので、扉は扉としての役割を果たしていない。
     ぼんやりと薄暗い通路が、入り口から続いているのが見えた。
     僕は光一の隣に立った。
    「ホントに信じてんの?未来につながってるとか……」
     光一は自信に満ちた顔で、
    「信じてるよ。だって未来だぜ?すげーじゃん」といった。
     はぁ、と僕は溜め息をついた。
    「お前、そういうタイプの奴だったっけ?小四にもなってそんな噂信じるとかさぁ……」
     馬鹿みたいだ、と僕は思った。
    「もちろん本当に信じてるわけじゃないよ。そんな噂」
    「じゃあなんで」
    「いいじゃん別に。ふと行きたくなっただけだって」
     そういうと光一は一人でさっさと中に入っていった。
     僕はどこかに引っかかる違和感を覚えた。光一は思いつきで誰かを巻き込むほど、行動派じゃなかったはずだからだ。
     でも光一は僕の疑いの視線を知ってか知らずか、さっさと僕を置いて薄暗い廊下を歩いていく。仕方なく僕も光一に続いた。
     左の扉をかわすようにして中に一歩踏み入れると、カビ臭く湿っぽい、埃臭い空気が全身を包んだ。廃墟の匂いだ。
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