Beach Girls!6コメント

1 Roxy id:fKETsMS.

2011-09-22(木) 01:06:27 [削除依頼]
どんなに辛い夜も
どんなに幸せな時も
いつだって私を受け入れてくれた
たった一つの「味方」。
それは、海だった。
ぽかぽか暖かな春の昼下がりも
眩しい日差しが照りつける真夏も
なんだか切ない秋の夕時も
そして、アイツと手を繋いで帰った
あの真冬の寒い日も。
いつも、いつも、
私を包み込んでくれる。
それが「海」。
今の子たちが聴くような
ギラギラした音楽なんか、いらない。
ザー…、ザー…
さざ波の音と、かすかに聴こえるラジオの音。
これで十分だ。
普段の、あの喧騒から解放される瞬間。
それはとてつもない快感だ。
「夏香〜、今日も遊べないの〜?」
「カラオケ行こうよぉ」
こんな誘いも最初の頃はよくあった。
しかし、魔法の言葉「ごめん」。
これを使えば、当たり障りなく断れる。
おかげで今は、お誘いゼロだ。
友達…か。
「友達って、何だろう」
これは夏香が今最も抱いている疑問であった。
「あたしにとっちゃ、海が友達なのかな」
そう思えるくらい、夏香は海が好きだった。
(続きます)
※コメントはしないでROMって下さい><
  • 2 Roxy id:fKETsMS.

    2011-09-22(木) 22:32:23 [削除依頼]
    「起立、礼」
    「さよならー」
    心のこもっていない挨拶が交わされる。
    夏香は、帰宅部だ。
    一回、幼なじみの梨子に
    「一緒にバスケ部入ろうよ」と誘われたが
    夏香は運動なんて専ら興味なかったので
    入らなかった。
    梨子は今もバスケをやっている。
    夏香が入ろうが入らなかろうが
    どっちみちやる予定だったのだろう。
    夏香は学校が終わると
    そそくさと帰って
    秋の澄み渡った空の下、せっせと自転車を走らせる。
    そして、FMラジオを付け、
    決して綺麗ではない砂浜に
    腰を降ろし、海をぼけ〜っと眺める。
    向こうには江ノ島の灯台がくっきり見える。
    ラジオから聞こえるDJの陽気な声。
    ザー…ザー…と押し寄せては消えていく波。
    澄み渡った秋の空。
    カラッと爽やかな秋風。
    夏香は、その全てが好きになれた。
    気持ち良い風が吹き、
    夏香はいつの間にか暖かな黒い砂浜で
    眠りについた。
  • 3 Roxy id:tXF1HFR1

    2011-09-23(金) 22:09:35 [削除依頼]
    ハッ、と瞳を覚ますと
    辺りが夕闇に包まれていた。
    どうやら、今日も太陽は山に帰ったようだ。
    「う、やば」
    ケータイをぱちっと開いて時間を見る。
    そこには「18:34」の文字。
    どうりで暗い訳だ。
    夏香はラジオを片付け、
    落ち着いた様子で砂浜を後にした。
    海沿いの国道には
    夕日を惜しむように見つめる
    20代そこらの女の子の集団や
    手を繋いでこれから家に帰るであろう
    カップル等、色々な人達がいた。
    そんな寂しげに照らされた道を、
    ポニーテールを揺らしながら夏香は赤い自転車で走る。
    海沿いから一本中の道に入ると、
    美味しそうな匂いがしてきたり
    居酒屋の暖かな光が灯してあったりする。
    夏香は、そんな湘南の気取らない街並みが好きだ。
    「今日も、穏やかな1日だったな。」
    夏香はそう思った。
    しかし次の瞬間、それは嘘になった。
  • 4 Roxy id:O/2aV49.

    2011-09-24(土) 17:06:29 [削除依頼]
    夏香の瞳に、一匹の何かが映ったのだ。
    それは、
    この世で一番夏香が嫌いなアレだった。
    「うぃっ」
    夏香は異様にひきつった声を上げ、
    自転車のハンドルを切った。
    夏香の持ち前の素晴らしい動体視力で
    何とかアレは逃れた。
    しかし、よけた拍子に自転車の
    バランス感覚を失い、次の瞬間には
    アスファルトに叩きつけられていた。
    すてーん。
    「痛だっ」
    もう、夏香を初めて見る人からしたら
    ただのドジだとしか思われないであろう。
    そして、3つ目の災難。
    あろう事か、クラス1の
    おふざけ男子である優に一部始終を
    見られてしまったのだ。
    「ギャハハハハwww」
    優は、まだまだ声変わりしないであろう
    高いキンキンした声で笑い始めた。
    そして、そのままガハガハ笑いながら
    自転車に乗ってどっか行ってしまった。
    まったく。腹が立つったらありゃしない。
    つか、男だろー。
    まず「大丈夫?」とか聞いてくれよっ。
    って、ガキに期待する方が馬鹿げてんな。
    あ、打ったショックで頭壊れたかな?
    とりあえず、帰って消毒しよう。
    夏香は、すりむいた足を
    痛そうに引きずらせて、自転車にまたがった。
    「あ痛てててて…」
    こんなひどい怪我をしたのは
    何年ぶりだろう。
    運動もしないし。
    「どこが穏やかな1日だよ…」
    夏香はそう思いながら、
    オレンジ色に染まった小道を自転車で飛ばして帰った。
  • 5 Roxy id:O/2aV49.

    2011-09-24(土) 21:48:52 [削除依頼]
    家に辿りついた時には、
    既に19時を回っていた。
    「ただいまー」
    玄関のドアを開けると同時に
    光の速さでママが飛んできた。
    「お帰り!夏香!遅かったじゃない、
    しかもその傷!どうしたのよ?
    ささ、夕飯できてるから着替えてらっしゃい♪今日はママの手作りキッシュ〜!!」
    なぜか、いつも以上に張り切るママ。
    そしていつも以上にハイテンションなパパ。
    いつも以上にニコニコ笑顔のお姉ちゃん。
    なぜ?なぜ?
    「なんかいつも以上に気合い入ってんね」
    夏香は遠まわしに聞いてみた。
    「そりゃあ気合いも入るわよ〜
    だって夏香が初めて数学で30点台
    取ったんですもの〜♪
    盛大にお祝いしなくちゃね、
    ハイ、乾杯〜」
    つか、なんで知ってるんだよ…
    私のテストは鍵付き引き出しに入れてる
    はずなのに。
    「いや〜、たまたま部屋に鍵が落ちてて
    どこのだろーっ?って探してたら
    夏香の引き出しの鍵だったんだよー。
    私、夏香の点数全科目見たけど
    やっさし〜い夏芽様が
    数学以外見なかった事にしてあげる♪」
    「どこが優しい夏芽様だよ。
    いつも私のハーゲンダッツ食べるくせに。」
    「まぁまぁまぁそれはおいといて」
    「はぐらかすなー!(笑)」
    そう。
    家族…、特にお姉ちゃんには自然な自分で
    接する事ができる。
    お姉ちゃんと私は3つ年が離れている。
    だから、私にとっての良き相談相手。
    でも、これがクラスメイトとなると
    うまく行かないのだ。
    女子ならではのあの空気に触れるだけで
    吐き気を催すくらいだ。
    暗黙の了解とか知らないし
    グループとか派閥とかめんどいし
    表では友達面してても
    裏では嫉妬にまみれてたり。
    梨子はそういう女子特有のものが
    無いからつるんでいられる。
    たまに面倒くさいけどね。
    それに、友達って何なんだろう。
    ベッドに寝転がりながらそんな事を
    考えてたらいつの間にか
    眠ってしまっていた。
  • 6 Roxy id:Z1ZuSf..

    2011-09-26(月) 21:07:58 [削除依頼]
    〜♪
    ラジオから音楽が流れてくる。
    夏香はその音楽で、起きた。
    「あ…」
    この音楽…
    私が好きな曲だ。
    別れ際にアイツがくれた曲。
    ♪〜突然の 転校で
    どうしようもなくて…
    手紙書くよ 電話もするよ
    忘れないでね 僕の事を
    いつまでも 2人の基地の中〜♪
    嘘つけ。
    手紙なんか届いてないよ。
    電話もきてないよ。
    結局…、私だけの片思いだったのか。
    ま、そうだよね。
    アイツにだってアイツの生活がある。
    忘れなきゃね。
    さーて、起きて支度しなきゃ…
    って今日土曜日だ!
    ん〜…、もうちょい寝るか。
    「夏香〜!」
    「お姉ちゃん!今寝るとこだったのにっ」
    「え?起きたばっかじゃないの?
    また寝るの?」
    「ん。今日休みだし」
    「そう…。お姉ちゃん出かけるんだけど
    夏香も一緒にどうかなーって思ったんだ」
    熱々な2人の後をついてくなんて
    私の趣味じゃないし。」
    「熱々だなんてそんなぁ///」
    イヤ、別に誉めてないし。
    「あっ!時間が!行ってくるね?!」
    はいはい。早く行って下さい。
    こっちは早く寝たいんです。
    ドンドンドン…カコッ、ガチャン
    ドアを閉める音がしたと同時にまた
    夏香は眠りについた。
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