屈折角89度16コメント

1 三枝 涼雅 id:fr55w1f/

2011-09-18(日) 18:26:03 [削除依頼]
だから僕は。
  • 2 三枝 涼雅 id:fr55w1f/

    2011-09-18(日) 18:35:52 [削除依頼]
    題名に意味はありません。
    短編予定ですし、すぐに終わるかと。


    …っと申し遅れました。
    ま、小説準備・会話掲示板でほんの時たま、見かける程度にしか来ていませんので、きちんと自己紹介。
    三枝涼雅です。読み方は、さえぐさりょうがです。覚えなくても一向におーけーです。覚えていただくほど大層なお人サマではございませんので。
    あ、こんな奴いたんだー、程度に記憶の端っこにでも。いや、覚えなくていいです。

    …多分騒がしい人だと思われてるでしょうね、私。

    暇つぶし程度だと思って、一寸読んでいって下さいな。


    この時点で私のキャラが苦手だと思った方、早急に戻るボタンを押してください。連打して戻り過ぎないようにご注意ください。
  • 3 三枝 涼雅 id:fr55w1f/

    2011-09-18(日) 19:04:14 [削除依頼]
    彼女と僕はいつの間にか一緒に『居た』という感じで、馴れ初めがどうだったかなんてもう記憶の彼方に流されていた。そもそも、彼女と僕は仲がいいというわけでもないのだ。ただ一緒に居て、互いに刺激しあうということもなく、黙っているだけのこの空気が好きだから、僕は彼女と一緒に居る。彼女がどう思っているかなんて興味はないし、考えたってしょうがない。一回だけどことなく聞いてみたけれど、返事は「ノーコメント」。ふざけてるのかと思ったけれど、多分彼女はそれ以外に返事を知らなかったんじゃないかと思う。普段言葉を使わないから、言語が退化しているんだ。多分、そう。
    僕らはいつも、適当に道をぶらつく。行き先なんて考えたことも無い。つかず離れずの位置で、ただし方向は同じで。僕らは、速かったり遅かったり、あるいは走ったり座ったりして、不規則に歩く。他人からすれば気持ち悪いペースで、僕らはおおよそ、団体行動なるものが苦手なのだ。否、不可能なのだ。僕らがいつも一緒なのは、ただ単に周波数が合うからに過ぎず、合わない日は別行動。偶然にそれが合う確率が常人よりも高いだけで、別に合わせようとして合わせている訳じゃない。とりあえず一つ言っておくと、僕らは恋人などというものとは程遠く、友達以下の存在である。
    今日は、どこを歩こうか、などと考える僕は本当は塾があったりするのだけれど、僕がまともに塾など行ったりするとセンセイが卒倒してしまうので行かないことにしている。勉強などとうの昔に無駄なことだと割り切ったことで、とりあえず白紙でも紙を出しておけば何とかなってしまう。とかなんとか言っているのは嘘で、僕の紙は必ず文字で全て埋まっている。必ず全て丸で帰ってくる。僕はいつも裏の白紙をテストが終わるまで見つめ、僕はいつも五分でそのくだらない問題を解く。だから親も何も文句を言わないし、教師は僕を気持ち悪い目で見て紙を返してくる。問題を解くということは僕にはただ単に『思い出す』という行為に過ぎず、それは彼女にとっても同じらしい。
    僕らは似たもの同士で、似ているのかも知れないけれど絶対的に違う面が、僕らに距離を与えていた。
  • 4 三枝 涼雅 id:fr55w1f/

    2011-09-18(日) 20:04:18 [削除依頼]
    だから、僕らは決して一緒ではない。四六時中一緒だったらそれはもう鬱陶しいし、僕も気持ち悪いからその距離はありがたかった。僕と彼女は、他人と距離を置くことをずっと昔から望んでいた。距離を置こうとして、僕と彼女は出会った。それは悲劇だったかもしれないけれど、彼女は他人と違って鬱陶しくもなんとも無かったから、むしろ歓迎だったことは確か。いつの間にか僕は、その沈黙を愛するようになっていた。ただの沈黙ではなくて、彼女の居る沈黙だ。ある意味では彼女を好いていたかもしれない。けれど僕は、それを表現する言葉を持っていなかったし、そうする必要性も感じていなかったから、沈黙を破るようなことはしなかった。
    彼女は、必要以上に喋るようなことは絶対にしなかった。というよりも、自分から話しかけなければ絶対に話すという行為を起こそうとはしなかった。だから、学校でもかなり浮いていたし、むしろ何故学校に来るのかということが一番不思議だった。
  • 5 三枝 涼雅 id:v1fQnAy.

    2011-09-27(火) 16:33:39 [削除依頼]
    彼女はいつも長い黒髪を重そうに垂らし、夏でも冬服のまま学校に来る。まだ誰もその顔を見たことは無い(というよりも、髪の毛で顔が見えることが無い)が、垣間見える顔の整ったパーツは、きっと美人なのだろうという想像を容易にさせる。でも、まとっている空気は同年代とは程遠く、大人みたいな、そんな感じ。一人だけ先に育ってしまって、どうしたら良いのか分からない、迷い子のような。
    分からないなら人との係わり合いを無くせばいいと、彼女はそう思って一人になったのかもしれないと、時たまそう思う。僕は一人が好きで、それは一人が気楽だからで、結局それは人との係わり合いを避けているということになる。根本的には同じ考えかただ。もっとも、僕が愛するのは『一人』であって、『独り』ではない。彼女は、徹底的に人との係わり合いを避ける。つまり、『独り』。そこが、僕と彼女の徹底的に違うところ。
    ただ、彼女は一緒に居る僕に対して、嫌な顔も見せず、淡々と無視する。そうしていれば僕も静かなまま。僕もそれで十分だった。
    周波数が合ったときだけ会話をするけれど、意味も分からないすれ違った話ばかりで、それはただただ彼女の意識が僕と全く違うということだ。本質的に違うもの同士で話し合ったところで気分が悪いだけだし、何の意味も無い。世の中ではそれが大事なのだという人々が居るけれど、僕は逆ではないかと思う。気分を悪くしたくないから、僕もあまり喋らない。
  • 6 三枝 涼雅 id:v1fQnAy.

    2011-09-27(火) 17:02:48 [削除依頼]

    「……私は」

    そんな彼女が、一度だけ、自分から口を開いたことがある。

    「私は不要物、かな?」

    僕はそのとき隣で座っていて、突然言葉を発した彼女に少し、驚きながら、ゆっくりと彼女の横顔に視線を移したのだ。
    当然のようにその横顔は長い髪に隠れていて、ただいつもと違うのは彼女の前髪が少し割れて、綺麗な鼻筋と唇が覗いていたことだった。僕らは秋に向けて葉を散らしだした桜の木の下にいて、彼女は木の枝の先、少し上を眺めていた。だから、顔が見えたのだ。

    「なんで?」

    抑揚の少ない彼女の声は、普通の人と比べて意図が掴みにくい。低いようで高い、不思議な残響をもつ響き。

    「私は必要とされている?」

    彼女は話すとき、一度も僕のほうを見ない。
    でも彼女は、僕の反応をじいっとうかがっているのだ。
    見ないけれど、見えているのだ。

    「なら、僕は?」

    「分からない」

    「それと同じだよ」

    衣擦れとともに、彼女は立ち上がる。軽く土を払うと、かばんを持ち上げて言った。

    「質問してるのはこっちなのに」

    僕も立ち上がった。空が茜色で、もう帰らなければならないかと思ったのだ。制服の端々から覗く白い彼女の手が、同じ茜色に染まっていた。起こられるかもしれない。なんとなく思う。
  • 7 三枝 涼雅 id:lEc4gNH/

    2011-09-30(金) 13:46:39 [削除依頼]
    ああ……訂正。 >6 起こられるかもしれない。→怒られるかもしれない。 すみません。
  • 8 三枝 涼雅 id:lEc4gNH/

    2011-09-30(金) 14:32:59 [削除依頼]
    「あなたにとって、私は不要物?」

    けれど、彼女の声は不思議になるほど感情を含まない。声自体が無なのだ。
    脈絡も何も無視した質問は、捉えようによっては告白のようにも聞こえたかもしれないけれど、無のまま繰り返される会話の中にそのような感情が含まれることは一切無い。彼女にしても、ただはっきりとした答えが欲しかっただけで、質問の形を変えれば答えが返ってくると思っただけだろう。
    僕らが会話に極力感情を混ぜないのは、ずっと前から決められていたルールのようなものだったけれど、本当なら何の拘束力も無いそのルールに、僕らは縛られているのだ。いや、自ら縛られている。だから、僕が彼女に感情を向けても、届くことは無いし、返ってくることも無い。
    僕は何も答えず、黙った。感情が混じってしまう気がしていたのだ。届いても、望む答えは帰ってこない気がした。

    それから季節が変わり目を越え、僕と彼女が話したことは一度も無い。

    ただただ、『一人』という空気に包まれ、僕は時間を消費し続けている。
  • 9 三枝 涼雅 id:90KTbAq1

    2011-10-13(木) 17:41:18 [削除依頼]
    今日も、そんな風にして消費されていくはずだったのだ。
    そうならなかったのは、僕の所為、でもあるのだけれど。

    闇夜に散り、煌くその液体を見て、僕は思うのだ。
    ああ――

    なんて、美しいのだろう。




    満月だった。夕方の頃水平に浮かんでいた月が赤銅色に染まっていて、僕は珍しく一人で、その月が白くなるまで眺めていた。かなり遅い時間だったけれど、それが気にならないほどに僕はぼおっとしていた。とりあえずという風に立ち上がって帰路に着いたのは人もまばらになった頃だった。
    そんな時間に街中を通り抜けるのは初めてだったけれど、何が起ころうが、無関心で居られる自信が僕にはあった。そう思ってちらつく外灯の下を通り過ぎたときだ。彼女に会ったのは。
    突然だった。何かが右から飛んできて、僕の足元に倒れたのだ。僕よりも全然大きい男で、腕や足についている筋肉は自衛隊みたいだった。その身体から、赤い液体が飛び散って、今もまた流れ続けていた。動かない。濃い血の匂いに思わず顔をしかめて、それを避けて通ろうとすると、足元で何かが跳ねる音がした。金属同士が跳ねるような音に似ている。続き、パン、という、銃声らしき音。かわいい音量ではなくて、かなり大きかった。同時に、背後の男が、跳ねた。鈍い、地面と柔らかい物が衝突する音。水溜りに足を突っ込んだ音。違う。血溜りに、血溜りを、誰かが踏みにじっている。
    ゆっくりとした動きで、僕は右方向を向いた。一見、何も無い路地だ。けれど、明らかに空気が別物だ。凍るような空気と、濃い血にまみれた別世界だ。
    そこから足をゆっくりとこちらに向ける、人影が居た。
    僕はただ、その血にまみれた姿を直視した。

    パン、ともう一発。

    背後でうめき声。

    容赦なく、彼女は銃を連射し、それが地面に倒れ付す音がするまで、穴だらけにする。何かの恨みのように、けれど無表情で。
    グチャリという液体音がして、僕は彼女がこちらへ来ていたことを、ようやく知った。

    「何故」

    真っ赤に濡れた白い指が、初めて僕の頬に触れた。

    「あなたは此処に居るの――」
  • 10 三枝 涼雅 id:E4y2qVq1

    2011-10-18(火) 15:27:12 [削除依頼]
    あげ。
    なんか、自己満足の文章でごめんなさい。
  • 11 マヨ(。・_・。)ノ id:SQzCVUG0

    2011-10-18(火) 15:30:37 [削除依頼]
    いえの!!

    モノスッゴクリアルでイイよv(。-_-。)v

    アドバイスするなら・・・。

    間、かな〜??

    文章の間を少し空けるといいかも!
    (勝手にスイマセン!)
  • 12 三枝 涼雅 id:E4y2qVq1

    2011-10-18(火) 15:45:43 [削除依頼]
    ねっとりとした液体は、頬について滴るほどの量で、彼女の体の至る部分からプール後のように垂れていた。色が変わっていて分かり辛かったが、彼女が着ているのはいつもの制服のようだった。重い色でも軽やかに流れていた髪は繰り返し染まり、乾き、濡れたようで、その顔は黒く乾いた血で汚れている。
    濡れて固まりかけた髪の隙間から、彼女の瞳が僕を見た。至近距離で鼻を突く鉄くさい臭い。

    「……如何して、此処に来たの?」

    ならば何故、君はそのような姿なの。

    その質問は口にすることが出来ずに、僕は少し後ずさった。彼女の指が僕の頬を滑って、細長い赤い線を残した。なぞるべき対象を失って、彼女の指は元の位置に戻ってゆく。
    質問に質問で返す癖がついてしまったと、いまさらながらに思う。
  • 13 三枝 涼雅 id:E4y2qVq1

    2011-10-18(火) 15:49:01 [削除依頼]
    >マヨさん
    わ、今作品初めてのコメント&アドバイス!
    ありがとうございます。参考にさせていただきます。
    ちょっとテンションがあがった(笑
  • 14 マヨ(。・_・。)ノ id:SQzCVUG0

    2011-10-18(火) 15:50:38 [削除依頼]
    よかった~〜(o^-^o) ウフッ

    ガンバレv(*'-^*)bぶいっ♪
  • 15 三枝 涼雅 id:a4icZLH0

    2011-10-25(火) 16:30:03 [削除依頼]

    「月が…綺麗だね」

    ふと、脈絡なく、彼女は呟いた。
    足元を見ると、真っ赤に広がる血溜りに月が写っていた。美しい黄金色が、くれない色に染まっている。

    夕方の月のようだ。

    この月が見えたから、僕は立ち止まったんだと。それを思い出す。

    「もう来る頃かな」

    「何が」

    彼女は写った月を見ていたのではなく、空の月を見上げていた。紅く染まっていない黄金の月。いつもより大きく丸く見える、空に空く真っ白い穴のような。
    僕は彼女の横顔を見つめ、血糊のべっとりと付いた白い頬にそっと触れる。生乾きの血はぬめって、僕の指にまとわり付いた。草木が立てるような音を立てて肩を滑り落ちた髪は、思っていた通りばさばさとした感触。乾いた血だろうか。黒い粕が手にこびりつく。

    「ねえ」

    上を見たまま、彼女は呟く。
    愛しいものを見つけたような、優しい口調で。

    僕が今まで聞いたことの無い声で。

    「君、悲しんでくれるのかな――」
  • 16 三枝 涼雅 id:bNlaVkD.

    2011-11-02(水) 15:43:43 [削除依頼]
    ふわり、と。
    軽やかに、触れていた彼女の髪が風に揺れる。僕の指をすり抜けて。
    その指の間から一瞬、彼女の横顔が覗く。息を呑んだ。美しい磁器に桃色の絵の具で描いたような、小さな唇が。笑っているように見えた。さびしそうでありながら、苦笑めいたものが混じる、諦めにも似た。

    それが、最初で最後に見た、彼女の微笑み。

    どこからか、先ほど聞いた音が響き渡った。パンという銃声、無遠慮に響く足音、ぼたぼたと垂れる液体音、低く押し込められた悲鳴。その声の主だろうか。少し離れた路地から、全身に血を浴びた男が駆け出してくる。白目をむいて、こちらに向かって走って。よく見れば、まだ青年のようにも見えた。狂ったように叫びながら、奇妙に捻じ曲がった足を引きずり、転げるように走ってくる。いっそ、哀れにも見えた。それは、僕がそういった感情に疎いからか、まずこの現状を受け止めていなかったからかもしれない。現状をつかんでいる、という面では、恐らく、目の前の彼のほうが正常だ。
    もう少しで彼が僕と彼女の居る場所までたどり着く、というところで、急に、彼は立ち止まった。水を失った肴のように呼吸を繰り返す彼は、最早汗なのか涙なのか血なのか分からない液体を滴らせ、彼女を見て更に目を見開いた。

    「――っ、お、まえは――」

    ドン。

    鈍い、音。

    舞い散る、鮮血。

    その中心に居たのは、彼女。

    迷うことなく黒光りするナイフを彼に突き立てて、引き抜く。
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