Justice -正義-3コメント

1 chero id:YSQOwtn.

2011-09-08(木) 19:29:31 [削除依頼]


僕にはわからない。

犠牲を払った正義は、
果たして称えるほどの価値があるのか。


Justice -正義-
  • 2 chero id:YSQOwtn.

    2011-09-08(木) 19:55:11 [削除依頼]

    男が、長い石段を昇っていく。
    ジリジリと照りつける炎天下の下で、砂埃が舞った。
    何万人もの民が、男を見上げて歓声を上げた。

    手錠をかけられ、粗末な布に身を包んだ男は空を見上げた。
    一筋の涙が頬をつたい、燃える太陽に照らされた。
    大きく息を吸い込み、男は民へと振り返った。


    「俺がっ、国の未来を繋ぐ!!世界の平和を……俺は願う!!」


    生贄。
    そう呼ばれた男の最後の言葉だった。
    国が彼から奪ったものは名前と肉体、そして未来。
    与えたものは一瞬の名声と、苦痛ばかりの矛盾する心。

    男の首はあっけなく飛んだ。
    民は涙を流して笑い、「ありがとう」と叫んで抱き合った。


    「馬鹿……」


    喜び合う民を目の端に、狭く湿った通路にしゃがみこんだ。
    「馬鹿、馬鹿っ!!許さない……!!」
    詰まる喉から声を絞り出す。涙が溢れて止まらなかった。
    男は、何のために生まれてきたのだろうか。
    国の未来を繋ぐため?そんなのおかしい。
    人は、未来を生きるために生まれたと国歌は歌ったはず。
    「嘘つき……」
    狂ってる。この世界は、狂ってる!!

    どうして死を喜べるの?
    ひとりの犠牲の重みはそんなに軽いの?
    馬鹿も馬鹿。何、死に際にかっこつけてるの。
    嗚呼、なんてくだらない終わり方。ダサいにもほどがある。


    真っ赤な夕暮れが広場を照らした。
    シン、と静まり返った世界に取り残された気分がした。
    昼間あれだけ賑わってたのに。用が済めばそれはもう過去のこと。
    彼の最後の場所へと私は歩んだ。
    長い石段を、ゆっくりと登っていく。
    頂上につけば、血液で錆びついた処刑台と赤黒く広がる水たまりがあって。
    私は手のひらに彼の血液を握って、深呼吸して、天に腕を掲げた。
    指の隙間から滴る彼の一部は私に力を与えてくれる。


    貴 方 を 犠 牲 に し て 落 ち 着 く 世 界 な ど

    存 在 さ せ て た ま る か。 壊 し て し ま お う


    気づけば分厚い漆黒の雲が天を閉ざして涙を流した。
    雨雲に誓った。貴方の心を晴らしてあげると。
    その日まで、二度とこの地に太陽は姿を現さない。


    国の民に告ぐ。


    お前らが殺したのは……、


    #00.序章
    (神殺し)
    (その裁きを受けろ、罪を知れ)
  • 3 chero id:EsOlXOk.

    2011-09-09(金) 17:51:19 [削除依頼]

    あれから2週間が過ぎた。

    私は、立ち入り禁止のテープを無視して処刑台の頂上へと登って座った。
    こんなことしても、誰にも注意されない。叱られない。
    なぜって……。

    「なぜ、晴れない!?」
    「生贄をささげたのに……」
    「このままでは飢え死にするしか」

    なんて、良い眺めなんだろう。
    くったりとした収穫は目の前だったはずの稲が風になびいた。
    湿気を含んだ暑さは、人々から気力を奪っていく。
    ただ深いな蒸し暑さに汗を滲ませてるだけで、太陽は現れなかった。

    漆黒の雲は動かない。分厚い雲はこの国を世界から切り離したのだ。
    処刑台の上で、私は足をふらつかせながら鼻歌を歌う。
    なんていい気分。これこそが、腐った国のあるべき姿なの。

    政府は不作に悩み、焦る民の相手で精いっぱい。
    私がたったひとり禁止されたことをしたって相手にはしない。
    やっと、笑えるようになった。笑顔を曇天に向けてみた。

    「シャイン、見てる?良い眺めでしょ」

    私は軽い足取りで処刑台を下りテープをまたいで越した。
    奴らと同じように空腹だった。でも、こんなにも満たされている。
    奴らはみんな殺人者だ。全員で私の大切な人を殺したんだ。

    雨は降らない。
    水不足という問題も発生した。
    日に日に高価になっていく水に国の終わりを垣間見た。
    そう、ゆっくりゆっくり苦しんで死んでいけばいいの。
    一瞬でなんて終わらせてあげない。人として生まれたしぶとさを恨めばいい。

    「シャイン……」

    私の親友。世界で唯一大切な人。私の生きる意味。
    太陽のような笑顔が私のエネルギーだった。
    恵みの雨のような涙が私の強さに変っていった。


    嗚 呼、ま た 子 供 が 死 ん だ。


    弱いって、哀しいこと。
    誰よりも強くならなきゃと誓った夏を思い出した。


    #01.序章?
    (それはまだ、これからはじまる絶望の途中)
    (民が、貴方の死に跪き後悔に狂うその日まで)
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