魚と彼と下半身 酒宴にもお茶会にもならないよ☆3コメント

1 赤十字ラン姫様 id:NkvbPkz0

2011-09-07(水) 00:12:32 [削除依頼]
 私は水槽で二匹の魚を飼っている。何ヶ月か前、数年付き合っていた彼とも別れ、独身で安いマンションの一室で一人暮らしをしている私にとって、ペットというのはこの三十路の近づいた言いようのない孤独感の慰めになる存在。癒しと愉しみ、……そして支配欲の充足。猫も一匹飼っているのだけれど、水槽で飼っている2匹の魚の中の大きい方の魚の方が、なぜか猫より気になってしまう。暖かい哺乳類より、冷たい魚類の方が気になっている、それは私の孤独が行くとこまで行ってしまったことを暗示しているのかもしれない。とにかく大きな魚の方ばかり意識が奪われるのだ。愛している、可愛がっているのは、どちらかといえばやはり、ふわふわした毛の長い白い猫の方かもしれない。でも、この魚のほうが、どうしても気になり、家にいて起きている時間の半分くらいは、この魚を眺めているのだ。丁度腰骨くらいの高さの台の上においた120センチの水槽で、最低限以上にはある程度きれいな環境、ポンプにより水中の酸素だけでなく水流までつくり、淡水に水草が彩られている私の心の水中箱庭空間……、そこで飼っている40センチくらいのこの魚の、尾鰭は、かなり大きくて体長の1/4を占めていて、その10センチくらいの尾びれには、古代エジプトか何処かにあった象形文字のような模様がある。この魚を眺めていると、不思議なことがよく起こる。正確にいうと未だれっきとした事件として起こったことはないのだけど、何かが起こりそうな漠然としたでも強い直感を伴う予感がするのだ。それに、白昼夢を見ているときか今から眠ろうとしているときの夢と覚醒の間にあるような意識によく迷い込み、不思議な印象がまるで外からたぶんこの魚からこちらの脳髄へ侵入してくるような感覚も、この魚を眺めているときによく起こる。
 そして何より不可思議なのが、この魚を眺めていると、何故か一緒に飼っている一回り小さい魚の顔が目の前に見えたりすること。他にも、水の中にいるような水流が肌を打つような印象がしたり、エアーポンプの音が耳元すぐ近くで聞こえたり、水草が肌に触れる感覚がしたり。

 今日は、さっきからご飯も食べずに5時間くらい私は、一人でほとんど冥想しながら……このエジプト的な魚を眺めている。なんて痛い女……。今はたぶん午後の9時くらいだろう。たまに、なにか懐かしいような太古の印象がするような変な感覚が襲ってくる。この感覚はきっと、尾びれの象形文字と関係しているらしい。なんとなくそんな気がする。マンションの4階のベランダから見える風景、外では月も星も見えない雲空のもと、生暖かい大雨が降り続いている。でもその風景と雨の音が意識されることはないくらい、ずっと、この哀れな三十路寸前女の脳内はこの魚の世界だけが占めていた。
 突然、窓が青白く光ったかと思うと、そんな魚の世界への耽溺さえもかき消してしまうくらいの、大きな雷鳴が轟いた。ほとんど同時だから近くに落ちたらしい。その光と音が激しかったからか、私は気絶した。

……………
………
  • 2 赤十字ラン姫様 id:NkvbPkz0

    2011-09-07(水) 00:13:30 [削除依頼]
    (つづきは下品です。不潔です。性糞尿有。)


     下半身がぬるぬるする。上半身には冷たい感触。私が私ではなくなったような気がする。呼吸には何故かコツが必要らしく、苦しい。前を見ると、小さい方の魚の顔がある。ヒレを微妙に動かし口をパクパクさせながら、同じ位置を保ちつつ、こちらを縦長い顔の左右についている目で凝視している。またあの不思議な感覚、なんとなく目の前にうちの大魚の子分が見えるあの現象かな、て思ってみたけど、なんどかいつもよりリアル。怖いほどに。怖いものなんて、この私になんてあるはずない、私はそれほど気の強い女だったのに。今の私は女? とりあえず後ろを振り返るとエアーポンプの気泡が鮮明に見えた。呼吸にはやっと慣れた。肺や食道が冷たい。常になにかが流れ込んできている。……そう、つまり私は水槽の中でエラ呼吸していた。下半身を見てみると、例の象形文字みたいな模様のある尾びれが見える。私は目の前の小さい魚や水槽の大きさから推測するに、40〜50センチくらいらしい。下半身は、大きいほうの魚のもので、上半身はエラ以外は私のもので、胸が露わになっている。人魚……幼いころに童話の中で見たあの人魚に私は変身したの? この哀れな独身女にうってつけの皮肉じゃない。それともロマンティックな気持ちになってみるべきなの? 遠くにいってしまった彼、夢の海で逢えるというの?
     そんなおかしな幻想はやめにして、とりあえず水槽の外を見てみると、茶色いフローリングの床の上には、私の着ていたグレー系のグラデーション服や黒い下着が落ちていて、水に濡れて湿っていた。あたりは水たまりのようになっていて、水の足跡みたいなのが見える。その足跡を辿っていくと、冷蔵庫や食器棚があるほうへ続くようだ。そして食器棚の手前あたりにいた白いチンチラ猫のほうに目をやると、猫はなにか見てはいけないものをみてしまったように驚いたらしく、詳しく言うと、背中をアーチ状に丸くして垂直に飛び上がり、全身の毛は逆立ち、尻尾は立った毛のせいで2倍くらいの太さになっている、そんな感じで別の生き物になったような格好で驚いて、ちょっと開いていたガラス窓からさっと逃げていってしまった。一体何があったのだろう? ほかにもいろいろと水槽の中から自分の部屋を眺めていると、突然、……気持ち悪い生き物が、冷蔵庫の方からこちらへやってきた! キモチワルイ。さっきのロマンティシズムは撃沈した。夢の海は干からびてヘドロだけが残った。この生き物、前がちゃんと見えないらしく、壁にぶつかりながら、よろよろと、でもすごい勢いで、こちらへ向かってくる。がに股の、細い人間の脚。でもがに股であることを除けば、いつも見ている脚だった。見慣れた脚。下腹部には恥毛がある。この部分もいつも知っている、色と形と陰影。そこを見ていると、見られているような恥ずかしい感じがした。うずくほどに。そんな下半身の上、おへそから上は、大きな魚。だから、上を向いていて、なかなか前は見れないらしい。
  • 3 akemi id:b97931X1

    2011-09-07(水) 14:46:00 [削除依頼]
    な・・・ながい・・ね。
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