御伽噺24コメント

1 瑞絵 id:hsqIGsu/

2011-09-05(月) 20:22:17 [削除依頼]

――そうして幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし――

いつもの御伽噺の終わりかた。
全ての物語が『めでたし』で終わる。

そんな幸せな御伽噺を信じたい、と思ったんだ。
  • 5 瑞絵 id:hsqIGsu/

    2011-09-05(月) 20:41:03 [削除依頼]

    え、まさかのミサカさん??

    あ、ちなみに『みずえ』ですよー。

    ずいぶん前に会いましたよね!?
  • 6 御坂紫音@スカneonnkiru id:L8Yx1Dm/

    2011-09-05(月) 20:43:18 [削除依頼]
    うにゃ、お名前間違い申し訳ありませんorz

    はい、ミサカですb
    そのときは紫音(ミサカ)でしたかね?
    瑞絵さん、おひさしぶりですノ
  • 7 瑞絵 id:hsqIGsu/

    2011-09-05(月) 21:08:40 [削除依頼]

    俺のうちは、3年前、族に襲撃された。
    位だけは高い家だったから、そんなことはよくある事だった。
    ……でも、その時は違った。
    その時襲撃してきたのは、王の刀と言われた『紅風』だったからだ。
    何故、かはだいたい察しはついた。
    襲われた時に父と母は死.に、多くいた使用人達も逃げていった。
    残された俺と弟達は、一緒に殺されかけた。
    が、その時、どういうわけか、その族の長が俺たちを切るのを止めた。
    「おい、少年。弟達を救いたかったら、明日、王の下へこい」
    暗く何も見えない空間から膝をついて両手広げて、弟を庇っている
    俺の喉仏に剣を突きつけ、声を発した。
    雷鳴が俺の耳を貫いた。
    その稲光で一瞬だけ部屋が照らされた。その時、初めて知った。
    この族の長は、女だ、と。
    「いいか、言ったぞ」
    それだけ言うと、剣を鞘に収め、身を翻し、手下達を連れて
    俺たちの家を後にした。

    「行くの、ですか?」
    1つ、襲撃されなかった部屋に弟達を寝かせ、廊下へでた。
    その時に、横から声がした。
    「蘭……か」
    そこには自分より少し年上の少女が立っていた。
    俺は苦笑し、口を開いた。
    「生きていたか」
    「はい」
    風が俺と蘭の間に吹き抜ける。
    吹き荒れる風と、響く雷鳴に木々が唸っていた。
    俺は鉄の匂いがしみわたる邸を見渡して言った。
    「もう、ここには住めないな」
    「私の質問に、お答えください」
    ……強い。
    俺は観念して、答えた。
    「行くよ。決まってるだろう」
    蘭はふう、と息を尽いた。
    「一緒に参りましょうか」
    「いや、翔飛と光狼を頼む」
    その時、蘭がどんな表情だったかは、わからない。
    けれど、鼻をすする音だけは聞こえた。
    「無事に、帰ってきてください」
    「……わからない」
    俺は、懐から鍵をだして、蘭に握らせた。
    「ここから少し行った所に、うちが管理している小さい邸がある。
    必要なものと2人を持って行け」
    約束は、しない。
    蘭は俺の言葉に頭を下げ、部屋に入っていった。
  • 8 瑞絵 id:hsqIGsu/

    2011-09-05(月) 21:10:35 [削除依頼]

    ミサカさん
    わぉ、お久しぶりです!

    相変わらず、キャスフィでは大人気のご様子で^^
    覚えてくださっていて、嬉しいです!

    分けあってアク禁でして……最近解除になったんです。
  • 9 御坂紫音@スカneonnkiru id:L8Yx1Dm/

    2011-09-05(月) 21:12:25 [削除依頼]
    族長が女とかかっけぇじゃないかよー。
    何者!?


    いやいや、そんなこと無いのでorz

    あー、あれですよね。
    多分プロバイダの一斉アク禁。
    私もイツなるかとひやひや;
  • 10 瑞絵 id:hsqIGsu/

    2011-09-05(月) 21:16:02 [削除依頼]

    あー、怖いですよね((汗

    やっぱりですか!?
    こういう女って私、結構好きで……!!

    あ、鬱陶しいですねー。

    ここだとなんですから、『小説雑談』で、でも話しませんか?
  • 11 瑞絵 id:hsqIGsu/

    2011-09-05(月) 21:32:11 [削除依頼]

    「静可。入るよ」
    立派過ぎる建物――城の1番奥のこれまた立派な部屋に、
    その人はいた。
    静可、と呼ばれた人は、不機嫌そうに眉をひそめ、声の主を睨んだ。
    「名で呼ぶなと言っただろう」
    「うるさいな。折角仕事してきたってのに、どんな上司だ」
    静かに扉を閉めると、数段高い所にある椅子に座っている人を見た。
    『仕事』という単語にその人はピクリと反応し、口を開いた。
    「伯家はどうなった。『紅風』長『風狼』」
    「あぁ、長男に、『弟の命が惜しけりゃここへ来い』
    って言っておいたよ。王様」
    その人――王は、『王様』と言われたら言われたで、
    不機嫌な顔をした。全く難しい奴だ、と風狼は思った。
    「どういう意味で言った?」
    「さぁ?それは君が好きに解釈すればいいだろ」
    王は椅子の肘掛に頬杖をついた。そして、目の前の女性を見た。
    王である自分に対して、決して跪かない人。
    敬語を使わない人。この世でただ1人、自分を『王』としてではなく
    『静可』として見ている人。
    その女性をじっとみた。
    「……何さ」
    風狼が怪訝そうに王を見た。
    王はバツの悪そうな顔をして顔をそらした。
    気まずい空気の中、扉が叩かれた。
    「来たな」
    王は入ってきた少年を見て妖しげに笑った。
  • 12 瑞絵 id:hsqIGsu/

    2011-09-05(月) 21:58:59 [削除依頼]
    えっと、>>4 >>7では、一人称で書いていましたが、 三人称に変えたいと思います。 すいません……。
  • 13 のりのり id:XfttPWT1

    2011-09-12(月) 21:07:06 [削除依頼]
    おお〜、やべえですね(*´∀`*)
    いいじゃないっすか( ´∀`)
  • 14 ひな(^_-)-☆ id:sT/DLSn/

    2011-09-12(月) 21:52:54 [削除依頼]
    ひなです
  • 15 瑞絵 id:1RwF7Oi.

    2011-09-14(水) 20:20:48 [削除依頼]

    のりのり
    来てくれてサンクス!
    頑張るぜ!

    ひなs
    こんにちは!
    訪問ありがとうございます。
  • 16 瑞絵 id:1RwF7Oi.

    2011-09-14(水) 20:59:10 [削除依頼]

    少年は真正面から王を睨みつけた。
    なんて無礼な奴だ、王は面食らった。
    「お前、何しに来た?」
    「来いって言われたから来たんじゃないか。そこの女の族長さんに」
    王は少年の氷のように冷たく、鋭い視線を面白がるように。
    口の端を持ち上げながら言った。
    なかなか肝が据わっている少年だ。
    風浪は腕を組みながらかすかに笑った。
    「……お前は生きにきたのか、死.にに来たのか?」
    王は唐突に問いを投げかけた。
    少年は口をポカンとあけ、間抜け面で王を見ていた。
    「え、えっと……」
    言葉が出てこない。
    何か思考が停止してるし。馬鹿俺、こういうときこそ働け俺の頭!
    「た、多分……どっちでもいいデス」
    ……沈黙。
    まだ10歳そこらの少年が、生きたいか死.にたいか聞かれて『どっちでも』
    なんて答えるか普通!
    普通なら『お願いします、殺さないで』って土下座しまくっても殺されそうな
    奴(王)の前でそういうか!!
    でもまぁ、多分、殺.されるつもりでここへきたんだろうが、ここまでアホな回答は
    初めて聞いた。
    「ハ、ハハハハハッ!!!!」
    大理石の空間の冷たい沈黙を破ったのは風浪の笑い声だった。
    王は突然爆笑し始めた風浪を不機嫌そうな表情で見た。
    腹を抱えて笑い転げる女性に、少年も呆気に取られた。
    やがて笑いが収まり、風浪が目尻の涙を拭いて言った。
    「決めた、静可。この子にする。どうせ君のことだから殺.してたんだろ。
    なら、この子に決める。だから殺.すのは無しだ」
    王は目を見開き、風浪が頭を抱き寄せた少年を見た。
    が、それは一瞬で、王はフンと鼻で笑い、口を開いた。
    「……勝手にしろ。こんなガキ、何の役に立つのか知らんがな」
    それだけ言うと、王はシッシと右手で追い払うような仕草をした。
    何、何が起きた!どうする俺!
    戸惑う少年の肩に風浪が手を置いた。
    「弟達を生かしてやる。けど、その代わり、君は私の元で働け。いいかい?」
    少年はコクリと頷いた。
    ……って、何、何の部下!働くって何するの!
    頭を働かせると、少しずつわかってきてしまった。
    (そうか)
    「君、名前は」
    少年は目を瞑り、口の端から言葉を漏らした。
    「魁杜」
    風浪はにっこり笑って魁杜の手をとって部屋を出た。
    そうだ、俺は。
    (もう、今の手には戻れなくなるんだ)
    血塗れた手に。
  • 17 夏風 id:Ld0LAn60

    2011-09-14(水) 21:23:16 [削除依頼]


    題名にひかれてやってまいりました!!
    と思えば、瑞絵さんではないですか!!

    私的に、心にキュッとくる話だと思います。
    なんとなく悲しげです。
    あっ、そういう話じゃなかったらごめんなさい!!
    あくまでも、個人の感想ですから!!

    更新、頑張ってください^^
  • 18 瑞絵 id:0Pabh8//

    2011-09-15(木) 20:50:02 [削除依頼]

    夏風さん

    わぁ、来てくださいってありがとうございます!!

    私が書きたいと思ったことをわかってくださって嬉しいです!
    頑張ります!
  • 19 瑞絵 id:0Pabh8//

    2011-09-15(木) 21:12:08 [削除依頼]

    魁杜はその後、小さな紙切れに書いてある地図をもらい、弟達のいる邸
    へ戻った。
    玄関まで来ると、自然と足が止まってしまった。
    足が動かない。
    しばらく立ち往生していると、中から騒ぎ声が聞こえてきた。
    「ちょ――!!光狼様……光狼!!止まってください!!」
    「うるさい!!兄様の気配がしたんだ!」
    「何!本当か!」
    どたばたと玄関に向って足音が聞こえてくる。
    近づく。
    ガラッと玄関が開いた。
    「あれ?」
    その時には魁杜の姿は無かった。
    光狼は首を傾げ、翔飛は不機嫌そうに光狼の頭をポカリと叩いた。
    蘭は、2人を追い掛け回し、体力が底尽きてしまい、やっと声を出し、
    「ほら、気のせいじゃない。いきますよ、2人とも。
    1人1部屋掃除しないと、夕食抜きです」
    蘭の言葉にブーブー言いながら、2人は中へ戻っていった。
    それを見届けた後、蘭はすぐそこの大木の裏側に向った。
    「おかえりなさいませ、魁杜様」
    木に寄りかかっていた魁杜の体が跳ねた。
    そして声がした頭上を見ると、いつものように笑っている蘭がいた。
    蘭は魁杜の横に黙って座り込んだ。
    その蘭に魁杜は安堵し、詰めていた息を吐き出し寄りかかった。
    「全く、変によく気づく弟だよ」
    ははっと魁杜は笑った。
    けれど、そのとき蘭は、笑わなかった。
    「何をされてきたのですか?」
    「あ、そういえば、この邸の勝手、わかった?」
    「魁杜様」
    誤魔化さないでください。
    と蘭は魁杜を見つめた。
    ……全く、蘭には叶わない。
    「……紅風に、なるんだ。そう、契約してきた」
    「紅風ってまさか、王の刀のとか言いませんよね?」
    魁杜は苦笑いをした。
    「そんな!だって……魁杜様はまだ、11歳じゃないですか!
    どうして!どうしてですか!」
    寄りかかった魁杜の体が離れる。
    魁杜は空を仰いだ。
    「……私達のためですか」
    何も答えない魁杜に蘭は疑問を投げかけた。
    眼には涙がたまっていた。
    意地でも流すものかと、寸前で止めている。
    「私達のために、生かせるために、こんな……!!」
    「違うよ」
    魁杜は近くの葉を一枚取って、風に乗せて飛ばした。
    「俺のためだ」
    水を飲むように、魁杜は綺麗に嘘をついた。
    その綺麗な優しすぎる嘘が、蘭にはとてつもなく辛かった。
    何も、できない。自分は何も。
    魁杜は1人立ち上がり、邸へ戻っていった。
    その背中は、いつもの魁杜よりもとても重いものを背負っているように
    見えた。
    「なんでいつも……!!」
    無力な自分に、蘭は腹が立ち、涙が溢れた。
    そして、大木の裏側で、1人で、声を殺して泣いた。
    涙をみせたら、きっと魁杜はまた嘘をつくから。
  • 20 瑞絵 id:MaC./Fv0

    2011-09-16(金) 19:19:04 [削除依頼]

    その夜、4人で夕食を食べた。
    昨日、あんなことがあったから、夜になるとしんみりとしていた。
    無言でかちゃかちゃと食器が箸と当たる音だけが響いていた。
    「……翔飛、光狼」
    魁杜は箸を置いて、声を発した。
    「はい?」
    いきなり呼ばれて驚いたようだったが、2人は顔を魁杜に向けた。
    「これから、少し家を空けることがあると思うんだ。
    だけど、しっかり蘭の言う事を聞いて、おとなしくしてるんだよ」
    突然の事に戸惑いながらも、「はい」と翔飛は返事をして、
    光狼はコクコクと何度か頷いた。
    それをみて魁杜はにっこり笑い、また食事をはじめた。
    「ごちそうさまでした」
    蘭は一足先に、席を立った。
    「どうしたんだろう、蘭。いつもなら、「おかわりは?」
    って聞いてくるのに」
    不思議に思う弟達とは別に、魁杜は少し沈んでいた。

    「蘭、入るよ」
    夜中、魁杜は蘭の部屋を訪れた。
  • 21 瑞絵 id:jkV.gpQ/

    2011-09-17(土) 19:33:00 [削除依頼]

    蘭の部屋に入ると、蘭は寝台に魁杜に背を向けるようにして、
    横になっていた。
    「蘭?」
    返事がない。
    寝ているフリをしてるのは一目瞭然だ。
    けれど、魁杜は何も言わずに、蘭の部屋を出ようとした。
    「どうしてですか」
    呼び止めるように、蘭の声が魁杜の耳に届いた。
    魁杜は足を止め、取っ手に手を掛けたまま蘭の声に耳を傾けた。
    「どうして、1人で決めるのですか。
    翔飛も光狼も……私もいるではないですか」
    その問いに、答える事はできなかった。
    『どうして』
    自分にも分からない。
    でも、絶対に断る事はできないことだった。
    1人で決めるべきではないと分かっていても、決めるしかなかった。
    あの場で、あの瞬間に。
    「そうだな……絶対に駄目って言われるのをわかってたからかな」
    「言うとは限らないじゃないですか」
    「そう?
    じゃあ、君に言ったら『いいよ』なんて言う?言ってくれるの?」
    蘭はそのまま押し黙った。
    もちろん頷く事はなかったろう。当たり前だ。
    だって、守らなければならない主人なのだから。
    わざわざ危険にさらすことなんてしない。
    「言わないだろ?
    だから、1人で決めたんだよ」
    蘭は、体の向きを仰向けにして、目を腕で覆った。
    「……もし私が魁杜様と同じことを言われたら、魁杜様は……」
    「殺.されるの覚悟で講義しに行くかな」
    即答だった。
    魁杜は取っ手から手を離し、蘭の寝台の横にある椅子に腰掛けた。
    キシッと椅子が軋む音がした。
    その音に蘭の体がピクリと動き、また魁杜に背を向けた。
    「あからさまに、避けられてる気がして傷つくなぁ……」
    「……知りません。勝手に傷ついてください」
    「……何か不機嫌?」
    「私はね、魁杜様。怒ってるんですよ。
    どうしようもないくらい。だから、この位のこと我慢してください」
    魁杜は苦笑いをした。
    自分より1歳年上の蘭だけれど、今は何故か年下に見えた。
    仲間はずれにされていじけているような子供みたいだった。
    「何ですか。いつもいつも貴方たち兄弟は私を振り回して。
    少しは私のことも考えろってんですよ。身勝手すぎますよ」
    「なんで、この位のことでそこまで怒るのさ」
    「何ででしょうね?わかりません。
    だからほっといてください。私のほうがね、年上なんですよ。
    生きてる年数上なんです。年上の話はちゃんと聞くモンですよ」
    訳のわからない講義を魁杜はだまってその後、聞きつづけた。
    関係ないだろっていうような話まで引っ張り出されたけれど、辛抱強く。
    「蘭」
    「なんですか」
    「俺の事、嫌いだろ」
    「えぇ、大嫌いですよ」
    蘭は迷うことなくそういった。
  • 22 瑞絵 id:jkV.gpQ/

    2011-09-17(土) 20:32:01 [削除依頼]
    「大嫌いです。
    そんな我儘で人のこと振り回すような人なんて、大嫌いですよ」
    日頃のグチを一気に聞いた魁杜の心は結構メタメタだったが、
    魁杜は何も言わなかった。
    それだけのことを、今日は蘭に、弟達にしたんだから。
    また、蘭には重荷を背負わせる事になる。
    兄弟という荷物の他に、『紅風』という大きな荷物を。
    だから、魁杜は聞いた。
    一度にいろんなことが起きて、混乱するのも、無理ない。
    実際魁杜も、頭の中が大変な事になっている。
    黙っているのも、怒った蘭をどうするか、対処法を思い出している
    というのもあった。
    どうする、俺。今までどうやってきたっけ。
    (あ――)
    『ごめんなさい』
    これしかない。
    魁杜は姿勢を正し、頭をさげた。
    「ごめん、蘭」
    「ごめん、じゃすみません。
    そんなんで済むような用件じゃないです」
    「何でそこまで怒ってるんだよ!」
    「……わからないって言ったじゃないですか!」
    しん……と部屋が静まり返った。
    思わず魁杜は怒鳴って立ち上がった。カタンと、椅子が倒れた。
    「……わからないんです。どうしてこんなに不安なのか。
    こうして怒ってでもいないと」
    一度言葉を切って、また続けた。
    「泣いてしまうかもしれないじゃないですか」
    魁杜はハッとした。
    俺は馬鹿だ。蘭は女の子なんだ。

    いつか、父が言っていた。
    『人前で泣くのはやめなさい。変な同情をかうからね』

    不安じゃないはずない。
    そんなことはわかっていたはずなのに、目をそらした。
    魁杜は蘭に背を向けた。
    「ほら、好きにしろよ。俺は見てないから。
    泣くでも、当り散らすでも、好きにしていい」
    蘭はさっきとは違う、魁杜の態度に少し戸惑った。
    嘘をつく優しさはとても辛かった。けれど、この不器用な優しさは、
    とても温かかった。
    蘭の目から自然と涙が零れる。
    (私ってこんなに涙もろかったっけ……?)
    いつ以来かの涙を、その日は、流した。
  • 23 瑞絵 id:jkV.gpQ/

    2011-09-17(土) 20:57:02 [削除依頼]
    しばらくたち、蘭の嗚咽がおさまった。
    魁杜は背を向けたまま、言葉を発した。
    「父様と母様が昨日、殺.されて……今日俺が、その殺.した奴らの
    手下になって……いろいろ、混乱させたな」
    頭が滅茶苦茶になって不安になったんだろう。
    一度に色々な事がおきすぎた。
    特に、蘭にはとても重いものだっただろう。
    「不安にさせて、悪かった」
    それから、何拍か置いて、呟きが返ってきた。
    違うんです、と。
    「確かに、混乱はしていました。でも、私がここまで不安になったのは
    そうではないんです」
    蘭は寝台の上で膝を抱えてうずくまった。
    「昨日の夜、旦那様と奥様が亡くなって、とても、辛くて……。
    その後、魁杜様が『紅風』の元へいって……生きて帰ってきて
    くださって、とても嬉しかったんです。
    でも、『紅風』の手下になって……とても怖くなったんです」
    「俺の事が……?」
    否――蘭は首を横に振った。
    魁杜は首を傾げ、蘭を振り返った。
    俺が、怖くなったんじゃない。じゃあ何が。
    魁杜は倒れた椅子を起こし、また腰掛けた。
    「今度は、魁杜様が……いなくなってしまうんじゃないかって」
    蘭はうずくまったまま小さい声でそういった。
    その言葉は、とても切実なものだった。
    「光狼と翔飛――もちろん私にもかけがえのない人を2人も奪って
    いった人たちが、今度は、魁杜様まで奪っていくんじゃないか、って。
    そんなの嫌です。嫌なんです!!」
    「蘭……」
    魁杜は、うずくまっている蘭を抱きしめた。
    少しでも不安が和らげば。
    この俺の手は、こんなにも小さいけれど、このとてつもない不安を
    少しでも軽くしてやりたかった。
    「約束する。俺は君達を置いては逝かない。
    絶対ここに戻ってくる。約束するから」
    そんなのは、気休めにしかならないと知っていた。
    けれど、これ以外に方法は知らなかった。
    「今、いいましたよ」
    小さく、かすれた声が自分の胸でする。
    魁杜は小さく頷いた。
    「約束しましたからね」
    「わかってるよ」
    蘭はギュ……と魁杜の服の裾をつかんだ。
    それは、小さな頃、魁杜が蘭によくしていたことだった。
    夜寝るのが怖いとき、『いかないで』と、服の裾をひっぱっていた。
    魁杜は微笑んで、腕を放した。
    「こうやって……するのはこれで最後だよ」
    「どうして……ですか?」
    「わかるだろ、蘭は」
    この言葉の意味を。
    蘭は泣き笑いのような顔をした。はい、と呟いて。
    「ありがとうございました。魁杜様」
    魁杜は微笑み、黙って部屋を出て行った。
  • 24 雛宮紫陽花 id:i-GsX03..1

    2011-09-17(土) 21:33:59 [削除依頼]
    『紫陽花の感想屋、再び』から感想を書きにきました。 物語がまだ序盤だからでしょうか、私はこの小説から感じるものが何もありませんでした。最後まで読んで、いざ振り替えると何も残るものがないんです。故に、感想という感想がありません。 世界観、時代背景、情景、何一つとして読み取れませんでした。言ってみれば、全てにおいて不足している感じです。 なので、要望にあったように私なりのアドバイスを言わせてもらいます。 まず、描写不足。これが全ての原因だと思います。 先にも書いたように、世界観も時代背景も情景も何一つ分かりません。 ファンタジーであるなら、まず世界観を明確にするべきです。突然主人公は「位だけは高い家」の出身だとか、王の刀と呼ばれる『紅風』が現われたり。読んだ瞬間、「位が高いって、何の?」「『紅風』ってどんな組織?」という疑問が出てきます。しかも、その説明がその後もない。まだ出ていないだけなのかもしれませんが、最初に出てきた場所から離れすぎるのはよくないです。 まずはこの話の要であろう『紅風』、その主である王の存在、立場を表すのがいいかと。そして、位の高い家の者である主人公がどんな待遇だったのか、それがあるだけでも、大分世界観を理解する事ができると思います。 次に、情景描写。 周りの景色の描写がなく、書かれている場面がいつなのか、どんな場所なのか、分かりません。まずは、その場面の景色を思い浮かべ、その景色を丁寧に描写してください。そこから削ったり書き直しをすればいいです。 それに、建物や人々の様相だけでも時代背景が伝わります。この小説は西洋風なのか日本風なのか、はたまた中華風なのか、よく分かりません。そこがハッキリ分からないままでは、世界観の想像が膨らみにくいです。 あと、人称が確定していないために、とても読みにくい文章になっています。 突然人称を変更するのは言語道断。三人称になってからも、>>16のようにその場にいる数人の心情がゴチャゴチャと詰め込まれていて、とても読みづらい。三人称は様々な人物の心情を書けるのが利点ですが、誰も彼もと書きまくると、逆に混乱します。やはり、主人公を中心に、他はあまり多く書きすぎないのが一番だと思います。 以上です。もはや感想ではありませんが、今私に言える事はこの程度です。本当にごめんなさい。何かありましたら、感想屋までお越しください。
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