−人生ゲーム−5コメント

1 祈祷 彗月 id:lRaRRsA1

2011-09-04(日) 17:04:03 [削除依頼]


 「僕は            」
  • 2 祈祷 彗月 id:lRaRRsA1

    2011-09-04(日) 17:33:10 [削除依頼]
     00:僕と貴女様

     頭上に浮かぶ満月が珍しく赤い現時刻、丑三つ時。
     今では荒れ果てた廃墟となった薄暗くいかにも幽霊などが出そうなこの病院。割れた窓、倒れさび付いた車椅子。血の跡がある壁も幾つか。
     懐中電灯で正面を照らし、冷たい風が漂う白い床を歩く。
     よく響く足音は“心霊スポット”という雰囲気をいい具合にかもし出している。
     屈強な男達の先頭を歩く青年は幾つもの部屋を慎重に見て進む。
     
     「わざと、だな……」

     後ろの隊員達に聞こえない声で呟く。どう見てもこれは人工的。そう判断した青年の名は“ウィルクス”。
     真っ赤な髪は存在感を存分に発揮するように風によって小さく揺れる。
     無表情で、退屈そうな顔で進むこと数十分。口元を吊り上げ、にんまりと笑った。
     まるで獲物を見つけたようなライオンだ。

     「これ以上先は来なくていい」

     後ろの男へ素早く告げたウィルクスは男の返事も聴かずに小走りで前へと一人進んだ。
     懐中電灯を口元へ持って行きながら軽い足音で病院内を駆け出す。そのままスピードも落さずズボンの折りたたみ式ナイフを両手に一本ずつ掴んだ。
     手の中でナイフを回転させ、尖った先を背後から進行方向へ向ける。
     
     「……発見」

     空気中に言葉が浮かんだ。無機質な感情のない声。
     幾つもある部屋の一つに光が灯っている。僅かに声も聞こえる。
     何も考えず、勢いに任せドアを蹴り飛ばした。金属音をあげながら吹っ飛んだドアは部屋の壁へと衝突。
     中心あたりにはくっきりと凹んだ跡がある。
  • 3 祈祷 彗月 id:lRaRRsA1

    2011-09-04(日) 17:54:27 [削除依頼]
     何食わぬ顔で部屋へと入るなり、両側にいた黒ずくめの男二人の心臓へナイフを直撃させた。
     迷いなく飛ばされたナイフ。倒れた二人から血のついたナイフを躊躇いなく引き抜く。
     体勢を低くし、銃を発砲する正面の男の喉へと素早く右手のナイフをぶち込んだ。
     ナイフを引き抜けば真っ赤な液体が飛び、男の左を通り過ぎるウィルクス。
     混乱の中、誰一人としてウィルクスの歪んだ笑顔には気づかない。
     真っ赤な血が幾度となく飛び散り、ウィルクスの赤い髪はより色を増した。
     男達はもう死んでいる。ウィルクスの手によって。人数はざっと10人。
     冷ややかな冷たい青を宿した瞳で見つめること数分。遠くからの慌しい足音を聞き取った。
     床に落ちたナイフ、男の心臓へと刺さったナイフを拾い上げ、部屋から出る。
     
     「“来なくていい”といったはずだが……?」

     一歩廊下へ踏み込めば肩を大きく揺らす見慣れた隊員達がいる。
     怒気を含んだ声で突き放すように言えば隊員達は視線を交わし、何やら口々に言う。
     仏でもないウィルクスにそれを全て理解するのは困難だ。
     仕方ないように正面に立つ隊員へ右手のナイフを突きつけるウィルクス。隊員が少しでも首を前へ移動させればナイフの腹が肌へと当たる。
     血が付着するナイフに唾を飲み込む隊員。

     「僕は誰だ……?」

     ナイフを当てたまま正面の隊員へ問う。
     もう18を迎えるというのに未だに変声期を迎えていないウィルクスの声はこの場に不似合いだ。
     ウィルクス本人も自分の声を嫌っているらしく、言った後に顔を顰める。
  • 4 祈祷 彗月 id:lRaRRsA1

    2011-09-04(日) 18:23:23 [削除依頼]
     「ミュ、ミュウアラ様直属部隊、“0(ゼロ)”のウィルクス様、です」

     ナイフに恐怖を感じ、声が途中で切れながらも言う隊員。
     応用に頷くウィルクスはゆっくりナイフを下ろした。
     ナイフを外された隊員は大きく息を吐き出す。
     だがそれもつかの間。再び風を切るように現れたナイフは同じ場所へと当てられた。
     
     「そうだ、なぜその僕がこんな三軍にまで来なくちゃならない! えぇ!?」

     声を張り上げて叫ぶウィルクス。
     首元のナイフを握る手に力を込め、敵意の瞳で睨んだ。
     ここで言葉を返すべきか、黙るべきか迷う隊員。後ろの隊員も二人を心配そうに見つめる。
     
     「わ、我々が未熟なうえにウィルクス様へご迷惑をおかけいたしました」

     声を絞り出して言う隊員。冷や汗が頬を伝った。
     ナイフを前へ押し出し、一度隊員の喉肌へとナイフを押し付ける。
     大きく跳ねた隊員の心臓。目を瞑り、もしかしたら死を覚悟したのかもしれない。
     ゆっくりナイフを外したウィルクスは何も言わず、隊員達の中心を通る。
     全員がウィルクスへと恐怖の視線を向け、完全に見えなくなるまで見つめた。
     本当なら追いかけ、背後に付き添うのが普通なのだろうがウィルクスにそれは必要なかった。
     いや、『0』全員に必要ない。
     ウィルクスがいなくなった後、大きく息を吸い込んだ隊員達。
     誰もがナイフを当てられたような感覚だった……。

    †?†

     「ウィルクス、お帰り!」
     あの後、外へ待機させておいた黒いベンツへ乗ったウィルクスは屋敷へと着いていた。
     門で迎え入れたのは同じ『0』に所属するマッシュだ。
     人懐っこい笑顔でウィルクスに手を振りる姿は昔から変わらない。
     
     「……通行の邪魔」

     中心の赤い絨毯に立つマッシュの脇を通り過ぎるウィルクス。
     左側のドアから現れた一人のメイドはウィルクスへ駆け寄るなり、持っていたタオルを渡した。
     ウィルクスぶっきらぼうに受け取った。
  • 5 祈祷 彗月 id:lRaRRsA1

    2011-09-04(日) 18:24:44 [削除依頼]
    ちょっと訂正と変更。

    †?†⇒†*†。

    最後の行⇒ウィルクスぶっきらぼうに〜
    つけたし⇒ウィルクスはぶっきらぼうに〜
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