<ルビーの一目惚>54コメント

1 海原 ハナ id:uIquClI1

2011-08-24(水) 10:35:13 [削除依頼]
違うサイトからの移行版です。
素人で何もわかっていない部分もありますので
何かいけないことがあれば、
どうぞご自由に言ってください。

※荒らしする人は他でどうぞ??
☆喧嘩は買っても他の場で。
  • 35 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 11:47:06 [削除依頼]
        21話、気持ち
    「それじゃ、
    ライトの手伝い行ってこよっか」

    <ガタッ>

    「もう行くの?」
    「ライバルのユーシュリアが
     先にティークタウンにいそうでね。
     急がないと・・明日の朝、出発するから」

    いさぎよく立つ彼女に声をかけてみた。

    「私に出来ることがあれば―――」
    「あるかも。ついてきて」
    「はい」

    体が勝手に動いてきた。
    前まで、外の世界が怖かったのに
    楽しくて楽しくてたまらなくなってきたのだ。

    「それじゃ、叔母様! また今度」
    「ハイョ」

    私とランサーさんは、
    おばあさんの家を後にして、
    ライトさんの所まで行くことにしました。


    彼は、アルミデックスの
    被弾部の所に10数人で立っていた。
    額に汗をかいていて、袖を肩まで
    めくっていて腕の筋肉が見えていた。

    「出来ることだぁ?ソフィアも一緒だしなぁ」
    「私、頑張ります!!」
    「ニッ」
    「?」

    ライトが私に顔を近づけてこう言った。

    「機嫌いいじゃねぇの。
     死んで死んでしてんのに」
    「!!」
    「ライト!! ぶつよっ」
    「へーへー」

    一瞬だが、血の海が私の頭をよぎった。

    「んじゃ、ラッツに洗濯は
     任せてあるしー・・食料も任せたか」
    「私がいるから、
     被弾したとこの修理でもいいけど?」
    「んじゃ、頼むかな。これピース」

    銀色のガラクタがダンボールに
    たくさん入っていた。それを、
    ランサーさんは受け取ると
    黄色のサラッとした髪を
    なびかせてその場をさった。

    私達は、右尾の所を直しました。
    小さく被弾した部分でしたが、
    ここは誰もいないし2人で
    話せるから、とランサーさんは
    ここを選びました。飛行船が影を
    作っていて涼しいしね、
    なんて後から笑った。
    私は力仕事ができないので、
    ピースを渡す係りに任せられ、
    ランサーさんはピースを被弾部に
    打つ係りをしました。

    <ガンガンガン>

    分厚い手袋をはめ、トンカチで
    ピースを打ち続ける彼女の
    手つきはとてもなれているように思いました。
    男にまじって仕事をしているから、
    出来るのかもれません。

    「アンタさぁ・・」
    「はい!」
    「ライトのこと好きでしょ?」
    「あぁ。また聞いてる」
    「ん? あ。本当だ。仲間なら教えてよ」
    「・・・・そうですねぇ」

    私は、空を見ながら言った。

    「内緒ですね―――――・・・・」
    「あっ。お姉さんちょっと心配!」
    「!!」

    バレてたっ!!?
  • 36 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 11:50:19 [削除依頼]
        22話、体の匂い
    午後4時。
    差し入れということで、この
    ダークフォレストタウンの住人が
    オレンジ味の炭酸を持ってきてくれた。

    ランサーさんが、グラスを
    2つ受け取ってニッコリ笑いながら、
    座ってる私に1つ渡す。
    シャンパンみたいな物だろうと、
    影の中、炭酸を喉にゆっくり通す。
    喉に流れる感触が冷たくて、
    シュワシュワ・・ッと何かが
    はじけるので、とても面白い飲み物でした。

    「どお? ここの炭酸は」
    「美味しいです!!」

    小さなグラスに口をつけて、
    もう一口を喉に通す。

    「ありゃ、ボロボロ」
    「へっ!! ファイブクローンズだ。
     下手にやられたなぁ。
     ちょっと行ってきます」
    「行ってらっしゃい」

    地平線まで雲が1つもない青い青い空に、
    たくさん被弾された黒色の
    飛行船がポツリと現れた。
    私には、ただの鳥にしか見えなかったが
    差し入れに来た男の人は
    大変目がいいようだった。

    「ランサーさん。目いいんですか?」
    「あぁ、私は、鼻がいいの。
     あれ、すごく煙の臭いがするの。
     ちなみに、アンタはハーブの匂い」
    「ハーブ?」

    自分の胸元の匂いを
    かいでみるが、そんな匂いはしなかった。
    あっても・・・・・・、血の臭いがした。

    「よーし!! 被弾部は修復できたっ!
     今から、作戦を練る!!!
     ベリーローズ、集会所に集まれェ」
    「オゥイ」

    ライトの大きな声が私達の耳に入り、
    男共の何だかダルそうな返事が聞こえた。

    「ほら、行くよ。ソフィア」
    「はい」

    たっと立ち上がって
    ランサーさんの後ろについて歩いた。

    「あの・・、私。
     作戦会議に出られるんでしょうか?」
    「裏切らないなら出てもいいわ」
    「そんな!! 裏切るつもりなんて・・」
    「じゃあ、でたら? 1回でも、
     裏切ったら・・・・覚悟しといてよね」
    「・・・・」

    彼女のポシェットから
    小さなピストルが見えた・・。
    撃つ気なのは、どうやら本当のようだった。


    「んで、これが今回。
     強盗にいく所の地図なんだけど――――・・」

    土よごれがついた地図を木の上に広げた。
    それを、80をも超える人で
    囲んで順調に作戦を囲んだ。

    「今まで作戦を組んできた方法じゃ、
    このティークタウンの博物館、
    トゥモダウンの鳥の羽とも
    言われるダイヤモンドは奪えそうにねぇ」
    「私がいます」
  • 37 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 11:53:43 [削除依頼]
        23話、ソフィアの活躍
    「私がいます」

    どよめきの中に、凛とした1つの声を出した。

    「!?」

    ライトの険しくなった顔は、
    ソフィア1つに向けられていた。

    「実は、トゥモダウンには
     もう1つの入り口があって、
     このトイショップから行けば・・・・」
    「ソフィア。それは本当?」
    「はい」

    ランサーは、カンカンに
    入った鉛筆を一本とりだし定期を
    あてて線をトイショップと
    博物館にひきはじめた。

    「トゥモダウンの設計図は書けるかな?」

    ランサーは、真っ白い紙と
    鉛筆をソフィアの前に
    大雑把にほおりなげると、
    すぐに自分の作業に取り掛かり始めた。
    ソフィアは鉛筆を手にとり、
    ゆがんで置かれた紙をさっと元に戻した。

    「もちろん」

    皆、唖然としてソフィアをみつめていた。
    汗が流れていても拭く様子がなく、
    まばたきもしていなかった。

    「今まで、爆発してしか
     進んでこなかったからね・・。
     今度は、誰に
     気づかれず盗みを成功させる。
     そんな盗賊のロマンを
     叶えてみせましょ、ライト」
    「おう・・・・よ」

    女のテキパキすること、
    ・・・・彼も皆と同じく唖然している
    雰囲気がただよっていた。
    煙草を片手に持っていながらも
    口につけようとしないのだ。

    「多分、小鳥の羽は3階の
     クリスタルルームにおかれますね」
    「お―――っっ!!
      スゲェ、ソフィアちゃんっ」

    男共から気持ちのいい歓声をあびているけど、

    「・・・・」

    集合場所の人ごみのはしくれで、
    ラッツは狼のコートを身にまといながら、
    棒つきキャンディーをなめているようだった。
    周りと違う氷のような冷たい目で
    私を見ていたことは、今の私に
    知るよしもありませんでした――――。


    午後10時―――。
    星が何億と見える外の甲板で、
    ライトは1人煙草をすっていた。
    中では、ワイワイとお酒を
    飲んでいる男達と女達と
    群れるのは好きな彼だったが、
    老いている母を見た瞬間に
    外に飛び出していったのだった。
    ランサーは、ライトの居場所の元に
    遠慮あり勝ちで行っていた。

    「ライト」
    「? お前か・・・・」
    「ねぇ、ライト」
    「んー?」

    ライトは、煙をはいて星空を見上げていた。

    「ソフィア、今。お風呂入ってるよ。
     のぞいちゃう?」
    「アホッッ!!!
      今の俺のムード分かってんのかよっ!」
    「真っ赤にならないの。
     ・・・・作戦の話なんだけど―――」
    「あぁ」
  • 38 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:00:42 [削除依頼]
        24話、盗賊の男女関係
    「あぁ・・。やっぱ、話に来たか」

    やっぱりな、そう言う気持ちはあったようだ。

    「あの子・・、アンタの事、好きみたいよ。
     ま、アンタの気持ちは知らないけど」
    「何だよ、恋話? 作戦は?」
    「うぅん。やっぱよしとこっ。
     本題に入るとさ――――。
     私、あの子に笑っててって言ったの。
     笑ってたら、これからもずっと笑える。
     そう約束するから・・、
     ただし、私達の仲間に
     なってもらう・・ってね」
    「だろうな。お前、あの宝が
     欲しいがために嘘つきやがって」
    「最後には撃っちゃう。
     利用価値がなくなったらね」
    「ヒデー女だ」

    ライトは煙草をフェンスでねじると、
    ランサーの体を力強くひきつける。

    「あと少しなんだ・・・・、
     私の10年の想いがあの子の
     利用価値で終わるんだ―――」

    彼と彼女の赤い唇は、激しくぶつかりあう。

    「行くなよ」

    ライトの唇がスーッと降りてきたが、
    彼女は彼の唇を指で押さえる。

    「元々、アンタが約束したことでしょ?
     “アンダーファースが手に
     入るまで俺といろ”って」
    「忘れてくんねーかなぁ」

    彼女の手首をつかみ、
    もう一度唇を合わせはじめる。

    <ガラガラガラ>

    「ライトさぁん、
     一曲お願いしますよぉ!!」
    「はいよっ!!」

    ライトは、ランサーの手首を
    放すと中にむかって歩き始めた。

    「暗闇で見えてねーみてぇだ」
    「別に。私、怒ってないから」

    <ガラガラガラ>

    「・・・・」

    腕を組んで彼が中に入っていく
    ことをただ、見ていた。
    やはり、彼は母の方をむかなくして
    ステージに上がっていた。

    「はぁ・・」

    <ガラッ>

    「ランサーさんっ」
    「あっ、ソフィア。どうしたの?」

    表情をころりと変えて、
    高い声を出したズルい女は笑い続けた。

    「いいお風呂でした!ありがとうございます。
     パジャマもピッタリでした」
    「そう、良かった。今晩、
     私の部屋に泊まりにおいで」
    「あら。いいんですか?」
    「今夜、作戦大活躍だったしね」

    ランサーさんの隣で
    フェンスにもたれ、話はじめました。
    夜空をバックに空賊団の
    テラス集会所を見ていた。

    「メンバーの名前は覚えた?」
    「ほとんど。ルクラさんも覚えました」
    「ルクラは、女好きだから
     注意しなきゃねー。
     ま、尻にしいちゃったら軽いもんだけどっ」
    「あははっ、そんなこと出来ませんよぉっ」

    この夜、ランサーさんに
    ちゃかされっぱなしで、私は笑っていました。
  • 39 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:06:14 [削除依頼]
        25話、ランサーの涙
    午後12時。
    ランサーさんの小さな机を
    かりて私は日記を書いた。
    帝王学の本のように
    分厚い本のように見えるが
    500ページもあるノートの
    ような物だった。

    「明かり、まだなの?」
    「はい・・。あと、3行で終わります」

    カラスの羽の先にインクをつけ、
    紙につけてしみらせた。
    このジワリ、とした感じが
    ソフィア好きだった。

    「あの、ランサーさん。
     ライトさんと2人でいませんでした?」
    「あぁ、いたよ。幼い頃から一緒にいたからね」

    彼女はそう言ってベッドに背をつけ、
    枕を宙に投げて遊んでいた。
    ソフィアの表情が少し硬くなって
    いるのに気づく様子はもちろんなく、
    傷つけている感情ももちろんないようだった。

    「幼い頃、ブルーの腕にぶらさがって、
     よく遊んでたんだぁ。本当、いい男でさ。
     いっつも真っ黒な体してた。
     日焼けしてたのは私達のために、
     被弾部の応急処置してくれたり、
     上手くもまずくもないご飯を
     日の照ってる窓側で作ってくれたり、
     あとブランコも作ってくれたんだぁ。
     本当の娘や息子じゃ
     ないんだけどね――――」
    「・・・・」

    クスリと笑いながら、彼女はそう話してくれた。

    「最後は――――」
    「?」

    彼女の方をチラリと向くと、
    一筋の涙が流れていた。

    「ごめん、私。もうねるよ」
    「お、・・おやすみなさい」

    きっと、悲しい最後だったんだろうと、
    深く思いながら、
    私は最後の一行を書いていました。

    “私は、ランサーさんの涙を見た”
    って・・・・。
    明かりを消して、床にしかれた布団の
    上に足をつけた。

    「ふぁ―――・・・・」

    生あくびを1つついて、私は眠りにつきました。
  • 40 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:10:41 [削除依頼]
        26話、朝食時間
    午前3時。

    <バシャン>

    私は、ふと目が覚めた。
    理由は分からないが音で起きたんだ。
    何の・・音か分からないけど。
    私は、目をこすりながら
    立って机の左側にある、
    甲板が見える窓に顔をのぞかせた。

    「あれ?」

    男と女が立っている。
    あの金髪と髪型は・・・・、ルクラだろう。
    あのナデシコ色の頭、
    あの白色のズボンは・・・・、サイディ。
    サイディの長い髪は、
    私と同じ様に切り落としたようだった。

    「何を話してるんだろう?」

    ガラスごしに見えるだけで、
    2人の話し声はなにも聞こえなかった。
    ただ、最後までひそかに
    見ていると、最後にハグをした。
    そして、サイディは酒タルの上の
    リュックサックを背負うと
    フェンスをくぐり抜け、地面に降りた。

    「??」


    午前、8時。
    私はライトさん達がいるテーブルへ、
    叔母様が作ってくれた朝食を運びました。
    ピザと、グラタンを全員に1つずつ
    作ってくれたみたいで、

    「腰が痛いねぇ・・・・」

    なんてつぶやいていました。
    誰にも気づかれずに朝早く起きて
    誰にも気づかれずに作ってくれて、
    やはり、叔母様は凄い人でした。

    「夜のことでしょうかね。
     サイディさんとルクラさんが・・、
     あの・・、ハグをぉ・・・・」

    少し赤くなりながら
    ライトさん達に話してみますと、

    「あぁ」

    と、当然のようなトーンの声が返ってきた。

    「無理もねぇよ。
     サイディとルクラは、兄妹だから」
    「そうなんですかぁっ!?」
    「一部の人間しか知らねーけどなぁ・・」
    「は、初めてしりました・・」

    全然似てるところがないから、
    意外だと目が話していた。

    「サイディは、
     ダークフォレストタウンから
     4kmくらい離れた街に行って
     サファイアを泥棒しに行ったのよ。
     彼女、腕だけはピカイチだから」
    「へぇ・・」

    ランサーがグラタンを
    頬張りながら行った言葉に
    ようやく納得が出来た。

    「でもよ、ルクラとか操縦と
     喧嘩しか出来なくねーか?」
    「ん。いえてらぁ」

    緑のバンダナが、
    ライトの右腕のウィンドー、
    茶髪の黄色服が、
    ルクラの弟子のアルトだ。

    「サイディは、運動神経いいけど
     喧嘩できないもんねぇー」

    <サクッ>

    「あ」
    「トゥーバッド」

    よそみしてたら、マカロニを
    ライトさんとランサーさんにとられた。

    「んじゃっ!! 出発するぞっ!!!」
  • 41 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:14:05 [削除依頼]
        27話、闇森の街を去って
    4月21日、午前9時。
    私だけ叔母様の家に呼ばれ、
    エスニックティーをよばれました。
    あと5分で出発ということで、
    私は少しだけ焦ってたため
    ランサーさんがくれた紫色の
    リュックサックを背負っていました。

    「急に呼んだ理由・・・・、分かる?」
    「い、いえ・・」
    「そうね。無理もないわよねぇ・・。
     時間がないから、一言でいうわね。
     貴方は、アルミデックスに
     いない方がいい。私は未来が見える」
    「・・・・私、死ぬ気でいます。
     過去をすて、私は脳でライトさん達を
     飛行船に立っていますから。
     悪いですが、叔母様の言うことは断じて」

    <ガチャ>

    「ソフィア。行くぞ」
    「はい!!」

    ドアが開いて、ライトさんが
    隙間から顔を出した。

    「カァチャン、行って来る」
    「あいよ」

    叔母様は、無表情で私とライトさんが走って
    出て行くところを見ていました。

    「はぁ・・・・」

    そして、行った途端に1つ、
    大きな溜息をついて
    ロッキングチェアに腰を下ろしました・・。
    もう飛び立ちそうな飛行船のフェンスに、
    ライトは腕をかけ

    「遅いよ」

    と、ランサーがそうライトに
    呟いて行ってしまった。

    「そうかよ」
    「んー・・っ」

    私は、ライトさんに手を
    つかまれて、ひきあげられました。

    「よっと」

    フェンスからはみ出ている甲板に右足がついた。

    「ありがとうございます」
    「ったく!!
     なんでリュックなんか背負ってやがる!」
    「ワクワクしてるからですっ」

    ニコニコ笑顔でフェンスをまたぎ、
    ライトさんの背中についていきました。

    「あ・・、ありゃ?」

    彼は左ポケットに手を入れ黒色頭をかしげた。

    「ライトさぁぁんっ!!!」
    「煙草忘れてますよぉっ」
    「おっ、悪ィ」

    ライトさんの後ろにつくように、
    左側のフェンスまで歩いて
    地上を見下ろし飛んでくる煙草を見ていた。

    <パシッ>

    「あんがとよ」
    「またのお越しを―――っ!!!」

    地上が小さくなって遠くなった。

    「ってか・・、ついてこなくていいよ」
    「ついてくるのは私の勝手ですよ」

    煙草をくわえ、ライターの火が
    つきやすいように 手で風をふさいで
    ・・・・息をはく。

    「んじゃ、ついてこいよ。
     面白いモンみしてやる」
    「面白いもの?」
    「今まで見たこともねぇ光景になるだろーよ」
  • 42 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:17:26 [削除依頼]
        28話、ライトの想い
    通常、この世界の
    空賊団は空の下、を舞う。
    飛行機といえば、分かりやすい
    だろうが空賊団は、
    その飛行機よりも上を飛ぶのだ。
    飛行機と同じ高さを走っていれば
    目撃されてしまい、
    逮捕されるのがオチだからだ。
    しかし、今回は用心深く、雲の上を舞った。

    「うぅわぁぁ・・」
    「綺麗なモンだろ?」
    「はいっ!」

    雲の上は、白いフワフワした綿の
    じゅうたんの上にいる気がしました。
    だーれもいないし、鳥1匹とんで
    いなければ、他の空賊団もいない。
    そんな景色がずーっと広がっていた。
    上を見上げれば、
    太陽の光に照らされている小さな星が
    ポツポツと散らばったビーズのように見えた。

    「なんか・・・・、俺達が小さい見てぇだろ?」
    「とても小さいみたい・・」

    <ビュウ>

    「風がふいてきた!!
    もうすぐ、強風に変わるな。中に入ろう」
    「はい、分かりました」

    私とライトさんは、はしごを降りて
    集会所まで行きました。
    行く途中、こんな話をされた。

    「俺は、お前をスカウトしに来た意味、
     まだ言ってなかったな」
    「あぁ、そういえばそうでしたね?」
    「ランサーがお前と会った時、牙むけてたから
     ちょっとは分かってるだろうが・・・・、
     ベリーローズしかしらねぇ。

    “パブワード”。

     スワンの洞窟ってのがあるんだけどよ。
     そこに、すげー宝があるっていうじゃん」
    「洞窟があるのは、知ってます。
     父上から、小さい頃に話はされました」
    「なら、“パスワード”。言ってくれねぇか?」
    「・・・・その時がきたら」

    私は、そう言ってパスワードを言わなかった。

    「あの。ランサーさん、
     私はこれが欲しいんだ、って
     言ってましたが貴方々も
     欲しいんじゃないですか?」
    「えあ・・・・・・、いや」
    「?」

    彼は、ためらいを出して首をかいていた。
    なんだか悲しそうな雰囲気もあったと、
    今に深く考えればそう思う。

    <ガチャ>

    集会所のドアを開け、一歩入ると、

    「総長、さっきポスト確認したら。
     こーんなにラブレター入って
     ましたよっ! 総長宛で」
    「!!」

    1人の男が何十通もの手紙をかかえて
    ライトさんの前まで駆けてきた。

    「あら。ライトさん、もてるんですね」

    彼は息がつまったような仕草をみせると、
    手紙を受け取らないと手で合図して
    いつものテーブルへ向かった。
    当然、私もついていった。
  • 43 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:23:21 [削除依頼]
    五章  29話、ラッツの恋人
    4月22日、午後2時。
    ティークタウンにつき、私達は
    誰もいない海に飛行船を置くことになった。
    子供も、大人もいないから、
    目撃証言なんて1%もないだろう。

    「それじゃ。博物館の下見でも行って来い」

    と、ライトが笑いながら言うが、
    私の身分のことを考えると息がつまった。
    ここは、まだ私の顔を知ってる人が多いし、
    もし見つかれば大惨事になるだろう。

    「どうしよっかなぁー」
    「どうしましょう?」

    ランサーさんと、私はライトさんの
    座ってる席から離れた所で首をかしげていた。
    今回は、ランサーさん、ラッツさんと私が
    博物館に行って様子を伺う当番となっているのだ。
    私は、椅子に座って彼女の顔を
    伺っていると、隣の席のラッツさんが、

    「ナス色に髪を染めちゃったらぁ?」

    と言った。
    彼女は、爪をみて、足をのばして
    リラックスしてる体勢に入っていた。
    赤い服に狼のコートを身にまとう姿は、
    私と同じ世界の人の気がした。
    彼女もきっと、昔は私みたいな
    お嬢様だったに違いない。

    「どう、ソフィア。染めちゃう?」
    「ナス色かぁ・・」

    つまり、紫だ。顔もメイクして
    もらえれば、きっと別人みたいになる、
    そう思ってランサーさんに
    髪色を紫色に染めてもらった。
    服も白色のワンピースをかしてもらい、
    耳にピアスの穴もあけてもらった。

    「眼鏡してく??」
    「い、いえ」

    ランサーさんは、真顔でヒゲ眼鏡を
    さしだしてきたのでちょっと私は戸惑った。

    「しゃっ!!」

    ランサーさんも、髪をくくって
    目の色をカラコンで黒い目に変えていた。
    水色の綺麗な目だと、すぐに
    彼女はバレてしまうだろう。

    「道案内、できる?」
    「はい!! よく、写真は見せて
     もらっていますので」

    チラリ、後ろを見ると悲しい顔をした
    ラッツさんがうつむき、歩いていた。

    「あの、ランサーさん。ラッツさんが」

    気分悪そうですよ。

    <ドンッ>

    「シッ。・・・・彼女のことを、
     ここで話しちゃダメ」

    後から話を聞けば、ラッツさんは、
    この街の海で恋人をなくなしたんだと言う。
    私の予想、お嬢様は正解で、
    ここで恋人と遊んでいたところ、

    ・・・・・・射殺・・、死んだ。

    元々、その恋人は低い身分だったから―――。
    ラッツさんは「私が彼と離れていれば・・」
    と、日々泣いているらしい。これは、現実。
    きっと、この空賊団の人達は皆、
    悲しみがつまってるんだ―――。
  • 44 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:26:37 [削除依頼]
        30話、2つの夢
    夢―――、それは、
    二種類ある架空の世界である。
    寝ている時に見るもの、
    将来こうなりたと思うものの、二種類のうち、
    私がみているものは、将来の方である。
    ライトと結婚し、幸せになってやる。
    結婚して、2番目に大きい地位についてやる。
    そんな気が生まれたのは、
    彼から空賊団に入れ、
    と言われた時だっただろうか?
    お父様に反抗し続けた罰として、
    大事な恋人を失い、泣いてる私を
    地獄から連れ出してくれた彼の声が
    耳に入った瞬間から。運命とは、
    自分の価値で決まると思う。
    考え、思考、目つき、容姿―――、
    それがそろえば成りたいものになれる。
    絶対、私は生まれた時からそう決まっている。
    世界中の宝石より、私は幸せ、
    が欲しいんだろう―――。
    どんよくに言うと、私は世界1の
    幸せ者になりたいんだ、これから。

    <ズガン>
    <ガッグン>

    「!!」

    馬車が右に大きく傾いた。
    その衝撃で、私は目がさめる。

    「きゃああっ!!」
    「うおおっ」
    「何よォっ!!」
    「ヒヒーン」
    「ぐほぉっ」

    運転手、私達、馬、本体と全部こけたようだ。
    その原因は、3人のボーリングの
    玉のような物を持つ男だ。

    「へへ、可愛い姉ちゃんが3人もいるっぺよ」
    「しゃーしゃー(オーケーオーケー)。
     捕まえて売っちまうか」
    「けっこー金になんだろ」

    ラッツさんのコートのおかげで、
    地面にすりむかずに済んだ。
    だが、ソフィアは彼女の
    逆鱗にふれてしまったようだ。

    「重たいんだよ!! 早くおどきっ」
    「あ、ハイ!」
    「イタタ・・・・」

    馬は前へ逃げてしまい、
    街の人々を混乱におとしいれていた。
    運転手は、頭から血が流れていたが、
    フラつく足取りで馬を追っていた。
    ランサーから、傾いた馬車に降りて、
    ソフィアはランサーに
    腕をかしてもらい、ひきあげられた。

    「うぅ・・痣になっちゃうかしら」

    ラッツは、ヒールをはきなおし、出た。
    すると、男3人のうち、
    ノッポで出っ歯の男が何かに気づいたのか、
    ん。という。
  • 45 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:30:13 [削除依頼]
        31話、危機感
    「アイツ・・、隣国のお嬢様だよねぇ」
    「5年も姿がみあたらねぇんだ。
     友達と一緒だったっぺかぁ」
    「死んだとばっかり・・よぉ」

    よく見れば、
    ダーブ二ア(ラッツの故郷)の者だ。
    いや、見なくても、独特の訛りが
    あるから気づく。

    「チッ・・・・」

    ラッツは舌うちを一度すると、
    混乱していない道(左手)に歩き始めた。
    男の影をふんで、男をとおりすぎる。

    「はぁ・・」

    土ついたコートを脱ぎ、地面に捨てた。

    「これ、貴方達3人にあげる。
     だから、私に会った、なんて事は
     言わないでくれる?
     こっちからも、貴方達に撃たれた、
     なんて通報しないから」

    喧嘩っパチなラッツの事だから
    飛びかかると思っていたが・・、
    気持ちをむき出しにしないで冷静さを
    強調していた。その姿に、彼女達も息を飲み、
    小さな事件を水送りにしておいた。
    暴れたらどうなるか―――、
    分かっていたみたいだ。
    ラッツさんは、空賊団であり、お嬢様だ。
    バレれば、城(地獄)へ送り込まれ
    盗賊に手をかしたことにより、
    いくつかの罰を受ける。
    そして、私達は盗賊とばれ、・・・・。
    そうならない、賢い手段だった。

    「ぐうぅぅ・・」
    「ランサーさんっ」

    一端おさまったハズだったが、
    ランサーさんは奴等の顔をふと見てしまい、
    猟犬のような顔をして
    敵意をむき出しにしていた。
    3人の男は、お化けでも見たかのように
    気がぐんっと冷め始めていた。
    私は、ランサーさんの腕をとり、
    強引にラッツさんの後をつけていきました。

    「あっちで、馬があばれてるってぇ」
    「新聞に載せちゃお」

    博物館付近では、新聞記者達が
    ウジャウジャいました。
    とられないかと不安でしたが、
    こんだけ人がいるんだから、大丈夫。
    という気持ちもありました。

    「ねぇ、君どこの子?俺、
     暇なんだけど、デートしない?」
    「・・・・」

    ラッツさんは、何度かナンパをくらっており、
    困った顔をしていました。

    「あ。ここが、トイショップです」
    「へぇ」

    左手にある、小さなおもちゃ屋さんには、
    5歳くらいの子供達で
    あふれかえっていました。
    中で、風船を作ってるトムさんの顔には
    たくさんのシワがついていました。
    4年前の誕生日に出席されて以来、
    見たことがありませんでしたが、
    元気いっぱいの笑顔は変わっていませんでした。

    「・・・・」
    「あの玩具、可愛いなぁ」
  • 46 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:35:58 [削除依頼]
        32話、小鳥と鳥の羽
    午後4時45分。
    私達は、盗賊団とバレることなく
    3階のクリスタルルームに入れた。
    ラッツが鳥の羽を見てまた、
    悲しい顔を浮かべていた。
    私は、その理由を聞いちゃいけない気がした。
    彼女の悲しい過去を引っ張り出したら、
    こらえている涙を出してしまう気がして
    聞けなかったんだ。

    「これが、今回の標的。小鳥の羽と鳥の羽よ」
    「へぇ」

    ランサーが、私の耳元でポツリとつぶやいた。
    写真でみた小鳥の羽より青く
    澄んでいて光っていた。
    それに、繊細に作っていて羽の
    やわらかな感じもでるクズも
    かけてあったので、何億とかかるような
    費用をつぎこんだに違いなかった。

    「ラッツさん。次は、5階に行って
     ベランダに行きましょう。
     4階には窓があるハズなんです」
    「鳥の羽はね―――」
    「えっ?」

    ラッツさんが、右手を自分の胸に
    あてて血管をうかびあがらせた。

    「私のなんだ」

    力強くつかんだ胸元の右手には、
    涙が落ちてきていた。
    私は、見てはいけない物を見た
    と思ったが、頭が真っ白になってしまい、
    そこから動けなくなっていた。
    彼女は、すぐに私に背を向け部屋を出て行ったが
    もう少しここにいたかったハズだ。

    「・・ソフィア。行こうか」
    「はい」

    奪われた物を取り返すために
    来たのかもしれない彼女に私は、
    はげましの一言も思い浮かばなかった。悲しい。


    午後6時。
    もうすでにアルミデックスでは、
    夕食の時間が始まっていた。集会所で、
    チキンとか、サンドイッチとか、オムライスとか、
    何やらボリュームのある食べ物が動いていた。
    30人の男女が作ったり運んだりしているのだ。

    「で、どんな感じだった?」
    「とても、壊れやすい性質ですかね。
     慎重にしないと・・」
    「そぅか」

    席について、早速スプーンを手にとり、
    スープをすすりはじめた。

    「お前・・俺の横でやる?」
    「別にどこでもいいじゃん」

    ラッツさんは、カラコンを
    とって目薬を入れていた。

    「えっ!?」

    思わず息を飲んでしまう彼女の行動だった。
    エタイも知れない注射器を
    目にさしているのだ・・。

    「うおぅ・・痛そう」
    「うるさいよ、ルクラ」

    彼女は、素早く眼帯をして私には
    血をみせないようにしていた。

    「あの・・、それ。何です?」
    「目ェ洗っただけ」

    背筋がゾワッとした。
    眼帯にしみでる血を見て、
    私もあぁなるのかとビクビクしていた。
  • 47 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:40:30 [削除依頼]
        33話、憎しみの招待状
    4月23日、午前10時。
    ルクラが、小さなヘリコプターを
    出し始め、腕ならしに
    10分ほど急カーブの練習をしていた。

    「ルクラくーん、そろそろ行きたいんだけどー」
    「はいはい」

    ラッツが、彼の乗っているヘリに
    向かってそう叫んだ。彼は、
    宙にハチの字を2,3度描くと、
    ギリギリまでいっきに下がり、
    招待状を持ったラッツの右腕を窓から、
    ぐいっと引っ張りあげた。

    「よっと!」
    「あ!! 行くんですね?
     いってらっしゃあぁい!!」
    「おう、行ってくる」

    ラッツさんの長い髪は
    波のようにゆれていました。
    足場にヒールをかけ、
    中のループを握り、そして飛行船を見ていました。

    「あら、中にのらないんですね」
    「ルクラがいるんだ。
     中にいる必要がねぇから、あぁしているんだ」

    ライトが、ジョウロを持ちながら私の左側に現れた。

    「っつか、甲板に花なんておかなくてもよくね?」
    「これからは綺麗な空賊団になるんです!」

    今日は、青空と一緒にいたのは巻積雲でした。
    こんないい天気の日に、
    盗賊団の招待状が来るなんて
    博物館さんもお気の毒だなぁ――、
    と言いたかったのですが、
    彼に先をこされ、言えなかったので
    「そうですね」と、苦笑いを1つしておきました。


    “今夜9時に空賊団アルミデックスが
     小鳥の羽と鳥の羽を奪いに行きます”

    そうシンプルに一言でつづって
    ある彼の字に、私は溜息をついた。
    うんざり、ではないが、あきれていたのだ。

    「どうしたよぉ、ラッツちゃぁん」
    「ライト、私がこの盗賊団から
     入った時と変わってないわ。
     世界中の凄く価値がある宝を
     集める事だけに力入れてさ・・」
    「しょうがねぇよ。
     ロマンに愛を感じる男なんだから」

    煙草をいつの間にか吸っている彼は、
    溜息まじりで煙をはいた。

    「・・」
    「あ。見えてきた」

    博物館が見えてきて、
    すぐに係員が中がでてきて空を見上げはじめた。

    「今だ」

    合図とともに、招待状を落とした。
    ザワついてる人をみつめ、
    悪の笑みを皆に見せ、博物館を通り過ぎた。

    「ア、アイツ・・アルミデックスのピアスだ!!」

    ピアス、とはラッツの偽名だ。

    「彼は、シンプルすぎるでしょ?
     だから、あの招待状に私が
     憎しみを込めておいた」

    空から落ちてきた招待状を開けた係員は、
    一瞬で体温が下がった。
    彼女の血が・・・・、ついていたのだった。
  • 48 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:45:50 [削除依頼]
        34話、外への恐怖
    4月23日、午後4時。
    ウィンドーから、緊急で発行された
    新聞を手渡されました。
    私とランサーさんは、
    海に沈む夕日を眺め、ゆっくりしていましたが、
    一瞬で慌て始めました。

    「私達も人気者になったものねっ!」
    「ま・・、まぁ。そりゃ」

    ランサーさんは、慌てた手つきで
    新聞のど真ん中を開き、
    メインの文字を読み上げました。

    「警察官

     バーサス

     空賊団アルミデックス !!?」
    「ユーシュリアより先に
     招待状を渡せたんですね」
    「アルミデックスには、
     ベリーローズの娘がとらわれているが、
     無事かも心配です。ソフィア姫を
     利用して馬鹿げた事をせんといいが・・」

    それを読んだ途端、彼女は新聞を床にたたきつけた。

    「私達もなめられたものね!
      汚い真似なんかするもんですかっ!!」
    「見返してやりましょう!!」

    <バシャアア>

    「!!?」

    2人に水がとびかかった。

    「オッツ・・」
    「コラ! ライトかぁぁっ!!」

    10秒足らずで私達は全身ズブぬれになり、
    ライトさんは彼女の逆鱗に
    触れてしまったようでした。

    「何やってくれてんだい!!」
    「いや、花に水やろうと
     思ってたんだけどホースがっ」
    「言い訳ェッ!!」

    <ドッダン バッタン>

    彼女は猟犬になり、彼は子羊になって
    甲板を走り出しました。

    「あはははっ!!」

    私は、ぬれながらも笑っていましたが、
    またしても彼女に変な違和感を
    感じさせてしまいました。

    「・・・・・・」

    私が、ランサーさんと一緒に
    トイショップを見た時のような―――。

    「アンタさぁ」
    「はい!」

    ぬれたついでに、お風呂に
    入っていると彼女がやはり、
    あの違和感のことを聞いた。
    それも、真剣な顔をしているように思えた。

    「あんた、外、怖くないの?」
    「へ?」
    「いや、アンタがここに来る前から、
     色々情報入っててさ。今じゃ、
     外(知らない世界)で笑ってたりするから―――」
    「そういえば・・、そうですね」
    「怖くないの?」
    「―――怖くないですかね。
     過去の私には、考えられない友達が
     せっかく出来たのに・・、中にいたんじゃ
     仲間ハズれにされちゃうでしょ?
     私は、そっちの方が怖い」
    「・・・・」

    そう放った言葉に、ランサーさんは
    少し笑った顔を見せていた。
    理由は分からないけど、多分、
    私が仲間に溶け込んでることが
    嬉しかったんじゃないかな―――?
  • 49 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:50:54 [削除依頼]
        35話、アルミデックスの作戦
    4月23日、午後8時。

    <ヴヴヴヴン―――>

    あと、一時間で決闘になる時刻だった。
    海が黒色に染まり、ライトさんはヘリに乗り、
    灯りで照らされている甲板に影を
    落として遊んでいました。

    「いいかぁ、お前等ァ。
     今から、作戦の最終確認をする!!」
    「ライトさん。ヘリに乗り
     ながら話されても・・」

    ラッツさんは、ガラス窓に
    もたれかかりクスリと小さく笑っていました。
    小さく舌打ちをしたライトさんは、
    甲板まで降り、操縦席に座ったまま、
    私達と目を合わせて話し出しました。

    「今回、俺達の得意技とする爆弾は使わねぇ。
     お宝が敏感なヤローだからだ。
     そこで、ソフィアを中心とした
     チームを3つ作ったハズだ」
    「ライト。もう一回言うけど、
     私との約束忘れてない?
     誰にも気づかれないように盗みを
     成功させるっていう・・」

    ランサーさんが、文句を怒りながら言うと、
    彼は冷静になり手をパンパンと
    2回叩いて彼女の口をふさぎました。

    「―――」

    彼女は、そっぽを向いた。

    「そのチームだが。
     警備の気をひくのが、ルノーとベルタ!
     2人だけに任せたからな!!」
    「ウィース」

    チャラそうな男が酒タルの
    上に座り、手をあげた。

    「俺の横でタイムを計るのが、
     ラッツの予定だったが―――、
     もっと最適な女が現れた。
     おかえり、サイディ」
    「ただいまっ!」

    テラスから現れたのは、
    ナデシコ色の頭をしたサイディさんだった。
    茶色のジャケットに身をつつみ、
    すがすがしい顔でライトさんとハグをしました。

    「早かったな」
    「ええ」

    周りからの壮大な歓声にあおられ、
    2人は手をあわせていました。

    「あ、これお土産ね」
    「センキュー」

    サファイア。見たこともない
    くらいに青色に光り、透き通っていた
    見事なサファイアだった。

    「お兄ちゃんも、ただいま」
    「おかえり」

    楽しい雰囲気は、たったの1分でだけで、
    Sの後はライトが静まらせていたが、
    私達の心は、サイディが無事に
    帰ってきて良かったという
    温かい気持ちで満ちていました。
    ライトさんも、その気持ちが隠せないのか、
    さっきよりやわらかい表情でした。

    「それで、次は、
     ソフィアとランサーのメインチームだが。
     宝石を盗んでもらう!! 1分以内にやれよ!」
    「分かってるってば!」
    「はい!」


    こうして、私達の作戦はスタートしました。

    ですが、――――――。
  • 50 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:55:09 [削除依頼]
        36話、ライバル、現る!!
    ライトさんの作戦、
    というのは、馬鹿々々しいほどの作戦でした。
    だって、警察をなめたようなもの
    ばかりだったから。

    午後8時45分。

    ルノーとベターが何百人も
    はりこんでいる警備の人達の目をひく。
    もちろん、暴力なんてあたり前だったが、
    ・・やはり強かった。
    瞬きしてはいられないくらいの早さで
    警備を殺っていくものだから、

    「まさか、あの2人ロボット?」
    「なぁに馬鹿言ってんのよ」

    ランサーさんにアホらしく思われた。
    私達は、トイショップの鍵穴に針金を
    さしこみ、ドアをこじあけた。
    誰にも目撃証言が入らないように
    目をこらして中に入り、
    トイショップにはっていた警備の
    2,3人共に蹴りをいれる。

    「ふぅ」
    「は、はやい・・」

    もちろん、私は何もしてなかった。

    「この奥ね?」
    「はい!」

    ランサーさんにひっぱられて、
    店の奥の細い通りまで駆け抜ける。

    博物館の上空でライトと
    サイディが時間を計っている。
    だが、緊張しているのは彼女だけで、
    のんきに煙草を吸っているのは
    彼だけだ。暇つぶしにと
    アルトをつれてきたものの、
    何かしらと寝てしまったのだった。

    「32,33,34」
    「ったく・・、なげぇなぁ」
    「喧嘩、混じってくれば良かったのに」
    「アホか。テメー」
    「そうかもね。43,44・・」

    と、そこに小さな爆弾の音が3人の耳に入った。

    <ドカン>

    3人は、何があったのかと
    窓から博物館を見下ろした。
    天井が爆発されたのだ。

    「そんな・・! 私達以外に
     招待状を出した奴がいたのっ?」
    「ライトさん、きっとユーシュリアですよ」
    「クソッ!」

    ライトは、イヤホンとマイクを
    耳につけ通信機の電源を入れた。
    番号を打ち込んでランサーと連絡を取る。
    その繋ぐ時間が、
    3人にはとても長く思えた。

    <ジジジ>

    「ランサー!! ユーシュリアが現れたぞ!」
    「馬鹿なっ!?」
    「ランサーさん、何があったんです?」
    「先をこされちゃマズイね!!
      ソフィア、走れ!」
    「あ、はい!」

    作戦通りにいかなかった。
    スピードも少し早まり、
    鳥の羽と小鳥の羽を盗むのは
    10秒早め、屋上でヘリを下げる予定は、
    4階の窓からはしごを降ろすということになった。
    ユーシュリアも何を考えているか分からないから、
    余裕を持たなければいかなかった。
    きっと、ユーシュリアの者どもはもう―――・・。
  • 51 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 12:59:16 [削除依頼]
       37話、ラッツとピアス
    「へへっ・・、これが小鳥の羽かぁ」
    「アルミデックスより早く物に
     できてよかったぜぇ」

    ユーシュリアの2人組が
    小鳥と鳥の羽を飾っている、
    丸く円になっているガラスに
    刃物をあてた時だった。

    「待ちな!!」
    「?」

    そこに、2階と3階を繋ぐ
    階段から、女の声がした。

    「ハァ、ハァ・・」
    「お、おい!! アレ・・」
    「間違いねぇ!!
     獣狼(じゅうおお)のピアスだ!」

    でも、ユーシュリアの2人には、
    獣狼だとしても息があがっている相手なら
    好都合だった。しとめあげるには
    丁度いい武器も持っている。

    「ピアスか・・。こんな大物の
     首をくれたらボスも喜ぶぜ」

    彼女は、まだまだ息が
    おとろえそうになかったが
    綺麗にとがれたファインティングナイフを
    太もものポシェットから
    とりだして1人の方のライバルと撃ち続けた。

    <カキンカキンカキン>

    「私の物に触らないでくれる!?」
    「へぇ、アルミデックスの人は
     プライドが高いんだねぇ?」

    相手も剣戦にかなりの腕があるようで、
    攻撃が全て受け止められていた。
    1人はこの戦いにおどおどしてすみで震えていた。

    「みきった!」

    彼女の目がするどくなった。

    「うおっ」

    <ドプッ>

    彼の左胸をついた。

    「覚えておきな!
     私の本当の名前は、ラッツ・ダーブ二ア!!
     ファースト(ダーブ二アの帝王)の娘だよ!」

    <ズド>

    「で・・、戦いは済んだの?」

    後ろから、おどおどしていた男を
    手刀でやったのはラッツだった。

    「血・・」

    ソフィアは、こぼれおち、流れていた血を
    見て血の気がひいたようだった。

    「来てると思った。10秒早くに
     予定が変わったんだけど、
     早く走ってきたから2分も早いの」
    「そう」

    ラッツさんは、右手で握っていた
    ナイフで丸ガラスをわり、
    小鳥の羽と鳥の羽を胸にかかえた。

    「やっと・・還ってきた」

    ラッツさんの見たこともない表情が、
    私の心を和ませる。
    きっと、今のラッツさんの表情は
    姫様だった時の表情なんだろうな・・。

    「なに。この宝石。マジ綺麗なんですけどー」
    「おまけに持って帰りま」

    <ズドッ>

    「!!?」
    「あ・・・・、あん!!」

    拳銃の音がした方向を見ると、
    警備の男1人がいた。

    「ラッツさん! ラッツさん!!」
    「クソ女!!」

    ラッツさんの背中から
    大量の血が出てきている。
    そして、言われた言葉はコレだ。

    “逃げて”
  • 52 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 13:03:08 [削除依頼]
        38話、悲しみの涙
    彼女は、拳銃で撃たれても
    宝石を胸にかかえていた。

    「おうりゃあ!!」
    「うおっ」

    とび蹴りで、ラッツをやった警備を
    攻撃したのは、やはりあの2人だった。

    「おい! 兵の数が増倍し
    ・・・・、ラッツ!!」
    「ラッツさん!!」

    ルノーとベターが一瞬にして
    体温を下げると、彼女の肩をゆすり始めた。

    「うう・・ん」

    ラッツさんの意識はかすかにあった。
    ランサーさんは、ラッツさんの
    鮮血の元に口をつけて
    玉を吸い続けていた。

    「死なれちゃ困るんだよ、クソ女!!!」

    <コロン>

    ラッツさんの口から、玉が転がり出た。
    彼女の口の周りを見ると、
    黒色に染まった血、白色に染まった血が
    混ざってついていた。
    私は、頭を重くして涙をこらえ、
    ラッツさんを見ていた。
    何もできない手が、拳を作っていた。

    「私の・・」
    「?」
    「宝・・・・をね、ライトに渡して欲しいの」
    「え?」

    ラッツさんは、口の血すらふかないで、
    私に小鳥の羽と鳥の羽を
    震え、血がついた手で渡した。
    もちろん、私はそれを受け取り、
    ゆっくり胸で抱きしめた。
    目から涙が、自然に出てきた。
    この人との交際は少なかったが、
    人が死ぬことは―――。

    「さよ・・・・なら」
    「ラッツ―――っ!!」

    最悪だ。

    「あそこだ! クリスタルルームにいる!!」
    「!!」

    2階から駆け上がってくる警備隊の音に、
    泣いていられなくなった。
    私達は、我に一瞬でかえった。

    「時間がない・・!!ラッツをおいてくわ。
     4階までいそぎましょ」

    ラッツさんは、涙を見せないつもりで
    いるようだが、かすかに私は涙を
    ふいているところを見た。

    「はい」

    私は、立ち上がりランサーさんの
    後につき、走った。
    胸元でだきしめている小鳥の羽と
    鳥の羽についている彼女の血に
    私の悲しみの涙が混じりあった。
    もうすぐで見えなくなる、
    彼女の面影をみつめ・・、部屋をでた。


    4月23日、午後9時5分。

    「おいおい、どうしたよぉ・・」

    ヘリで飛行船へ帰っている途中、
    ライトが何気に私達にきいた。
    ・・無理もない。ラッツさんは、
    独断で私達の元に来たんだろう。
    ライトさんに、内緒で。

    「ラッツが・・・・死んだわ」
    「!!?」

    私は、涙で血を流していた。
    床には・・、血が。

    ライトさんは、私達が泣いているところを
    見て同情したのでした―――。
  • 53 海原 id:fX6ah.j0

    2011-10-09(日) 13:06:50 [削除依頼]
    六章  39話、彼の決断
    4月24日、午前9時。
    私は、うかない顔をして集会所まで
    足を運びました。
    ラッツさんの死で、大切な人を
    今月に何人亡くしたと思いますか?
    何百人も・・、兵を含めて・・、
    辛いことの方が多いかもしれません。

    <ガチャ>

    集会所のドアを開けると、
    来ているのは10人ほどでした。
    酒を飲んでいる人もいましたが、
    やはり、私のようにうかない顔で。
    右手の南側、一番すみの丸テーブルが、
    私とライトさん達がいつも集まるところで、
    左の北西側のど真ん中の
    丸テーブルには、・・彼女が
    いつも1人、ワイングラスを
    かたむけていた席です。
    彼女の指定席を見ながら、
    私は自分の指定席へ座りました。
    そこには、ランサーさんが1人ポツンといて、
    黒ウサギのコートを着て両手に酒を持っていた。
    彼女のことを、忘れたいのだろうか・・?

    「ウィンドーさんと、アルトさんは、
     今日はお休みだそうですよ」
    「んん・・」
    「あら。いつから飲んでるんです?」
    「夜中の4時」
    「え・・」

    彼女の顔がリンゴに見えるくらい
    真っ赤だったので、私はちょっと
    ランサーさんにひいてしまった・・。

    ライトは、昨晩からずっと眠れずにいた。
    ソフィアから渡された2つの宝石を
    裸の胸でだき、寝ようと寝れないと
    ベッドでうずくまっていたのだった。
    朝がきてしまっても、眠れなかったと後悔せず、
    煙草をよぎなく、のんびり吸っていた。
    辛いことを忘れようと、
    一晩で20箱をもこえる数を吸ったようだった。
    (マジですいすぎ)
    灰皿と、吸皿がそう物語っていた。
    朝のやわらかい風を体にあて、
    吸皿にカスを入れた。

    「フィ――・・・・」

    箱から、次の煙草をとりだし、火をつけた。
    ヤ二くさい部屋の中で輝いていたのは、
    2つの宝石。鳥の羽を左手で持ち、
    朝の太陽ですかせ、
    ラッツをこの空賊団に誘った日のこと、
    入った時のことを
    思い出していたのだった―――。


    あの頃・・・・、
    アイツは1人泣いてて・・、
    この鳥の羽を持っていた。
    入った頃、部屋からでてこなくて。
    でてきたと思えば大人ぶって。
    あんな、真っ黒なカラスみたいな
    格好して・・・・。


    「はぁー・・・・」

    溜息をつき、ベッドに寝た。
    ・・鳥の羽を片手で抱きしめた。
    ・・・・俺は、気持ちを切り替えて
    アイツらに話すことを決めた。
  • 54 ハナ id:QkdIeM80

    2011-10-24(月) 21:16:11 [削除依頼]
    変人中学生こと、海原です。
    どこが変かっていうと・・24時間妄想中人間♪
    アクションを妄想するのが大好きです。
    あと、サウンドトラック考えるために
    時々ギターひっぱりだしてきたりピアノひいたりして
    家の中で快適にくらしてます。以上です。
    続きがみたい人は、

    恋は空に映して 〜NO SUGARY〜

    ということをうってもらえれば作品がでてきます。
    応援メッセージとかあるとビバ嬉しいです。
    アドバイスがあるとつくつくぼーしになります。
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