ことはあそび13コメント

1 柚子 id:1xSwn1r/

2011-08-23(火) 22:03:21 [削除依頼]



大好きな彼が紡いだのははどう考えても拒絶の言葉。


      
  • 2 柚子 id:1xSwn1r/

    2011-08-23(火) 22:08:56 [削除依頼]

    1、コーヒーはぬるく、甘く。
  • 3 柚子 id:w2MCkJM.

    2011-08-24(水) 08:31:33 [削除依頼]

    「あんた分かってんの、綺夏」

    唐突にあたしを指さしたのは美月ちゃん。学校の教室でお弁当をつついていた箸の先をくるりとあたしに向けたところをみると、彼女はご立腹な様子。や、怒られる意味分かんないんだけど。
    外はむしむし暑く、あーもう、夏ってやだなーって思うくらいで。あたしはだらんとつっぷしていた体をあげると美月ちゃんを頬杖付いてみた。

    「うーん」

    みーんみーん、と蝉の鳴き声がうるさくて、あたしはまた横になりたい衝動に駆られて欠伸を一つ。眠いから話早くねっていうメッセージ、きちんととどいてるといいけど。

    「伊川くんのこと」
  • 4 柚子 id:w2MCkJM.

    2011-08-24(水) 22:25:57 [削除依頼]
    ぴーぴーっ。受信失敗です。この話題は長いって。

    「ちゃんと考えてあげな、ね」

    ね、だけ半音あげてあたしを上目遣いで見る。ツヤツヤ黒毛ロングがゆれた。う、可愛い、反射的に頷きそうになる。反則だよ、その顔ー。危ない危ない。

    「伊川君ねぇ。うーん、でも別にあたしあの人のこと好きじゃないよ」

    「はんぁっ。勿体無いっっ。学園の王子様だよ。それがあんたをすきっていったんだよ。本来ならあんたが土下座してたのむ立場でしょおおおおおお」

    あたしは昨日隣のクラスの伊川正吾君に告白された。彼は美月ちゃんの幼なじみで、美月ちゃんは、伊川君のことを応援してるんだろう。きのうからかなりプラス補正され、歪んだ彼情報があたしの耳にはいる。
  • 5 柚子 id:YAT4Vzr/

    2011-08-25(木) 15:19:23 [削除依頼]
    ただ、まぁ王子ってのは本当で。伊川君は結構、というかかなり告白される。らしい。ただ、一度も彼女をつくったことが無く、男が好きなんじゃないかって噂がある。らしい。
    と、自分で言っても悲しくなるくらいにあたしは彼のことに対して興味が無かった。ただ、有名人だから、たまにきかなくても噂が耳にはいるだけ。なんで彼はこんなあたしを好きになったんだか、頭の隅々まで見渡したって思い当たる節なんかない。

    「でも、もう断っちゃったし」

    あたしがどうでもよさそうな声で言うと美月ちゃんはいちごみるくの紙パックをずずーっとすった。そして45度首を傾ける。

    「何でよ。もしかして綺夏まだ……」

    あたしがよほど怖い顔していたせいか、美月ちゃんは口を噤んだ。そうそう。それは禁句だよ美月ちゃん。
  • 6 柚子 id:YAT4Vzr/

    2011-08-25(木) 16:08:23 [削除依頼]
    あたしが暫く黙っていると、美月ちゃんは急に手をあわせてきた。

    「ごめんっっ」

    本気で悪いと思っている顔だった。

    「…………」

    でもあたしはいいよとも言えず曖昧に笑う。ごめん美月ちゃんと心の中で謝る。声に出さないと伝わらないってこと痛いほど知ってる筈なのに。
    もう、一年。まだ、一年。彼の隣にいれなくなってからあたしの毎日は色あせて。気づけばもう長いような短いような一年がいつの間にかすぎていたんだ。目の前にあったコーヒーパックをぎゅっと潰す。濁ったコーヒーが机に垂れ、甘苦い香りがした。いつものんでるよね、それ。と美月ちゃんが少し強ばった笑顔で言う。あたしはやっぱり曖昧に笑うことしかできなかった。

    ショックだったんだ。無意識に彼の好きなコーヒーをのんでいる自分が。それに今更気づいた自分が。
  • 7 柚子 id:YAT4Vzr/

    2011-08-25(木) 19:29:33 [削除依頼]
    2、彼の忘れ物。
  • 8 柚子 id:YAT4Vzr/

    2011-08-25(木) 19:43:17 [削除依頼]
    そのまま美月ちゃんとは微妙な感じで別れた。喧嘩してる訳じゃないのにどこかいびつな隔たりがあって、一番面倒なタイプ。ただ、あたしたちの間にはよくあるっちゃあることで今回みたく美月ちゃんが禁句をもらしたり、あたしがへましたりしてその度にどちらかが歩み寄っていた。うん、今日はあたしから美月ちゃんにメールで謝ろう。
    夏休みの補習授業は一時半で解散。帰り道は海の近くにすんでいるせいで観光客の声がうるさかった。あんな工場やらの近くにあって汚染されていそうな海で泳ぐ人たちの気がしれない。

    「あーあ。暇だなあ」

    中学生に戻りたい。あのころは楽しかった。親友と呼べるくらい仲のいい友達がいて、毎日のように遊んで。一言で言っちゃえば充実してた。毎日こんな空虚な気持ちになんてならなかったのに。
  • 9 柚子 id:YAT4Vzr/

    2011-08-25(木) 21:45:25 [削除依頼]
    ってあたしおばさんみたい。昔に戻りたいなんて。なんて考えていたらもうずいぶんと駅の近くまできていた。
    ふいに足が止まった。目の前には洋風の可愛らしい家。そこの庭先に大きなひまわりの花がさいていた。それは本当に真夏の太陽みたいで、空を仰いでいるその様がまるで遠くにいる双子の太陽とほほえみあってるみたいだった。

    『綺夏ってひまわりっぽい』

    昔彼に言われた言葉が頭をよぎった。ああ今のあたしは向日葵は向日葵でもしおれた向日葵だ。頭を垂れた悲しそうなひまわり。輝いていた昔の面影すらなくて。太陽に見捨てられたんだ。だって太陽は気まぐれだから。
  • 10 柚子 id:Ff896KC.

    2011-08-26(金) 18:43:32 [削除依頼]
    やけに熱い。あたしだけをギラギラ焦がすように太陽は輝く。あんたなんていつか爆発して消えちゃうんだから。
    早く帰ろう。あたしはひまわりをもう一度だけみて帰路についた。

    ぼすっ。
    家に付いたらそのまま、自分の部屋のベットにダイブした。柔らかい感触があたしの肌を包む。淡い黄色で統一されたそれは中学一年生の頃からの愛用品。
    全体的に暖色で統一した部屋。壁は白いけど、カーテンは薄ピンク。絨毯とイスはベットと同じ淡い黄色の下地にオレンジやピンクの水玉が散っている。
    全部、彼があたしに似合うっていった色ばっかだった。小物もピンクなんて女の子っぽい色、好きじゃなかったのに彼にあわせてたくさん買った。どちらかと言えば青や緑が好きだったのに、あたしはだんだん彼色に染まっていった。
  • 11 柚子 id:Ff896KC.

    2011-08-26(金) 18:54:31 [削除依頼]

    『綺夏、変わっちゃったね』

    呆れたように笑いながら、一年の頃から仲のよい友達に言われたのはいつだっただろうか。
    あたしはやっぱりそのときも無意識に彼の好きな色を集めていたのだ。ただ今日と違ったのは、それに気づいた時、単純に嬉しかったことだけ。彼に無意識のうちに近づけてるって思うだけで嬉しかった。今思えばあんな重たい女、よく彼とつき合えたもんだ、とも思ったりする。

    「あーあ」

    幸せは長く続かないなんて言った人誰だっけ。
  • 12 柚子 id:Ff896KC.

    2011-08-26(金) 21:43:41 [削除依頼]
    横を向けば彼と聞いたCDが、前を向けば机の上のツーショット写真が、嫌でも目にはいる。
    あたしはそんなのを見ていると涙がでそうで、枕に顔を埋めた。そしてとろとろと夢の世界へと入っていった。

    そう。あの日の、夢。
  • 13 柚子 id:B1amRto0

    2011-08-29(月) 11:40:48 [削除依頼]
    あげ
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