涙を拭いて、空を見上げて、30コメント

1   卍.清水咲綾/*   id:bBsD7FI.

2011-08-23(火) 17:48:37 [削除依頼]

 
 涙を拭いて、空を見上げて、

 
 きっと違う世界が広がっているから……。
  • 11  卍.清水咲綾/* id:56y1A8d1

    2011-08-25(木) 16:24:41 [削除依頼]
    杏佳はそう言うと自分の席に戻った。
    他のクラスではもう授業が始まっている。
    今日もこのクラスでは授業がないらしい。

    授業がないのならこんな所にいる必要がない。
    私は席を立ち上がった。

    バシャッ

    立った瞬間、
    私の背中に生卵が投げつけられた。
    制服に生卵が付いて余計汚くなっている。

    「……汚いあんたにはお似合いよ」

    声がしたほうを見ると、
    美麗が不気味に笑いながら片手に生卵を構えている。

    汚い?
    だから何なのよ。
    言われなくても分かってますから。

    私は美麗を睨みつけながら教室を出た。
  • 12  卍.清水咲綾/* id:56y1A8d1

    2011-08-25(木) 16:39:31 [削除依頼]
    私は学校を出ると、
    夏の日差しが暑苦しい通学路を歩きながら帰った。

    通り過ぎる人々は私の背中をジロジロを見る。

    「うわ、悲惨」

    こう呟く人も中にはいる。
    だけど私にとって、
    生卵を投げつけられるくらい、
    そこまで悲惨じゃないわけで。
    食べ物を粗末にするなとは思うけど。

    私は近くに合った児童公園に入った。
    そして小さな子供がたくさんいる中、
    公園の水道で制服を洗うことにした。

    白のブレザーを脱ぐと、
    生卵がベッタリを付いている。
    黄身も割れ、黄身と白身が混ざった状態だ。

    「取れるかな……」

    私は家では洗えないため、
    ここでブレザーを洗いはじめた。
  • 13  卍.清水咲綾/* id:56y1A8d1

    2011-08-25(木) 16:45:41 [削除依頼]
    数十分経つと汚れが目立たなくなった。
    私は水気を取りブレザーをたたんで、
    手で持って帰ることにした。

    児童公園は家のすぐ近く。
    家までは一分も掛からないだろう。

    私は重たい足を引きずりながら家へと向かった。

    赤い屋根の大きな家……。
    家を外見から判断したら、
    すごく幸せそうな家庭だと思うだろう。
    家の中で何が起こっているかも、
    想像がつかないだろう。

    「ただいま……」

    私は玄関を開けながら、
    小さな声で言った。
  • 14  卍.清水咲綾/* id:56y1A8d1

    2011-08-25(木) 16:55:02 [削除依頼]
    珍しく家の中は静まっている。
    母は寝てるのかな……。

    私は家に入ると無言で自分の部屋へと入った。
    私の部屋は七畳ほど。
    部屋には昔の……。
    幸せだったときの写真が飾ってある。

    その写真の中に写っているのは、
    私の五歳年上の颯お兄ちゃん、
    颯お兄ちゃんの双子の楓お姉ちゃん、
    美人で有名で自慢のお母さん、
    そして十二歳の私……。

    みんな幸せそうに笑っている。
  • 15  卍.清水咲綾/* id:56y1A8d1

    2011-08-25(木) 17:04:53 [削除依頼]
    颯お兄ちゃんと楓お姉ちゃんは、
    私とお父さんが違う。
    二人は本当のお父さんから産まれた。
    本当のお父さんは事故で亡くなったらしい。
    そして、仕方なく母は水商売を始めて、
    出来た子供が私。

    だけど、颯お兄ちゃんも楓お姉ちゃんも、
    ……お母さんも私に愛情を込めてくれていた。

    八年前。
    私とお母さんが買い物に行ってたとき、
    私の実の父と言い張る男が、
    私たちの家に侵入した。
    そして、十四歳の颯お兄ちゃんと楓お姉ちゃんを、
    殺した―……。

    それから五年後……。
    私が高校に入学すると同時に犯人が見つかった。
    犯人は私の父親だと言い張っていた。

    そう……。
    お兄ちゃんたちが殺されたのは私のせいだ。

    それから母は私を恨むようになり、
    今に至る。


    もう幸せな家庭が戻ってくることは、
    二度とないと思う。
  • 16  卍.清水咲綾/* id:56y1A8d1

    2011-08-25(木) 17:16:28 [削除依頼]
    \登場人物/

    進藤 梓/17*Azusa Shindo

    黒瀬 美麗/17*Mirei Kurose

    胡桃 杏佳/17*Kyoka Kurumi

    進藤 恵/39*Megumi Shindo

    進藤 颯/22(14)*Hayate Shindo

    進藤 楓/22(14)*Kaede Shindo
  • 17  卍.清水咲綾/* id:56y1A8d1

    2011-08-25(木) 17:33:30 [削除依頼]
    「梓っ!」

    いきなり母が私の部屋に入ってきた。
    すごく……すごく怒った表情をして。

    「お母さん……どうしっ―……!!」

    私が言い終わるのも待たずに、
    いきなり母が私の胸倉を掴んだ。
    そして私を思い切り揺さ振った。

    「あんたなんかいなければ……。
     あんたなんかいなければ、
     颯も楓も無事だったのに!
     うわぁぁぁぁぁー―……!!」

    涙を流しながら母は、
    私の胸倉を掴んだまま膝から崩れ落ちた。
    私はそんな母を、
    ただただ見つめることしか出来なかった。
    声なんて掛けられなかった。


    母の言っていることは事実なんだから。
  • 18  卍.清水咲綾/* id:fvudQG21

    2011-08-26(金) 20:29:35 [削除依頼]
    物音一つしない部屋に、
    母の泣き声……。
    いや、叫び声だけが聞こえる。

    「あんたが死ねばよかったのに!」

    母は涙を流し、
    私を睨みつけながら小さな声で呟くと、
    ヨロヨロと歩きながら私の部屋を出て行った。
    その母の表情を見て、
    私は″恐ろしい″という感情はなかった。

    本当……。
    私が死ねばよかったのにね。


    何で犯人は私を殺してくれなかったの?
  • 19  卍.清水咲綾/* id:fvudQG21

    2011-08-26(金) 22:45:33 [削除依頼]
    私はカーテンをしていない窓から、
    朝の日差しが当たり眩しくて目が覚めた。

    昨日の夜は風呂にも入ってないし、
    もちろんご飯も食べていない。

    私は部屋の壁に掛けてある、
    汚く変な臭いがする制服を着た。
    そして私は部屋から出て一階へ行くと、
    母は仏壇の前で両手を合わせて拝んでいた。
    その母の横顔を見るたび胸が痛む。

    私は母を少し見つめ、
    何も言わずに家を出た。

    家の前にはいつもと変わらない、
    通学する学生、犬の散歩をする人、
    とにかく……幸せそうな人たちがいた。

    だけど私は、
    そんな人たちに憧れはしない。
    だって、私が学校で虐められるのも、
    母に家で文句を言われ暴力を奮われるのも……。


    当たり前だと思っているから―……。
  • 20 蒼 id:H4SOUl6.

    2011-08-26(金) 23:53:29 [削除依頼]
    さあやの新作!

    2度ほど読み返した蒼ですw
    はぅ-、やっぱりさあやの小説は違う!
  • 21   卍.清水咲綾/*  id:r9HQM/2.

    2011-08-27(土) 10:48:49 [削除依頼]
    _蒼*

    来てくれてありがとう!
    そんなに!?
    ありがとう(///)

    一緒だよw
    違うのは蒼の小説だよ!
  • 22   卍.清水咲綾/*  id:r9HQM/2.

    2011-08-27(土) 10:57:15 [削除依頼]
    私が学校へと徒歩でゆっくり向かっていると、
    黒色の高級車が私の隣にスッと止まった。
    すると、高級車の窓が開き、
    杏佳が顔を出した。

    「梓ちゃん、おはよっ!
     今日も杏佳の遊んでくれるんだね」

    傍から見たら何気ない会話かもしれない。
    だけど、私からしたら、
    「今日も虐めてあげるからね」
    と言っているようにしか聞こえない。
    杏佳は私の表情を見届けると、
    可愛らしい笑顔でニッコリと笑い、
    高級車の窓を閉め、車を進めた。

    杏佳は何をする気なんだろう。


    だけど、私は怯まない。
    他人からどう思われたって別にどうでもいいから……。
  • 23   卍.清水咲綾/*  id:r9HQM/2.

    2011-08-27(土) 11:11:40 [削除依頼]
    学校に着き、上履きを履くと、
    お決まりのように油性ペンで落書きされ、
    中には大量の画鋲が入っていた。

    「……古風すぎる」

    私はそう呟いて画鋲を取り、
    油性ペンで落書きされた上履きを履いた。

    廊下はいつもより早いせいか人が少なく、
    ボソボソ言われなかったので、
    逆に気持ち悪かった。

    教室に入ると、
    美麗が私の机の上に乗っており、
    杏佳の周りには数名の男子がいた。
    このクラスだけ妙に人が来るのがいつも早い。

    「そこ邪魔なんだけど」

    私は私の机の上に、
    堂々と乗っている美麗に向かっていった。
    美麗は私の声が聞こえなかったような素振をして、
    無視し続ける。

    私はその美麗を見て苛立ちが募った。
    私は美麗のポーズを真似して、
    美麗の机の上に堂々と座った。
    そして座りながら、
    美麗の机に油性ペンで落書きをした。
  • 24 卍.清水咲綾/*  id:r9HQM/2.

    2011-08-27(土) 14:13:14 [削除依頼]
    美麗は私の行動に気づくと、
    物凄い表情で私の元へ早歩きで来た。

    「ちょっと、あんた何してんのよ!」

    美麗はいかにも自分が被害者って顔をして、
    私に怒鳴った。

    「何って……。
     あんたがいつも私にしてることだけど?」

    私は澄ました顔をして、
    油性ペンの蓋を閉めながら言った。
    美麗はイラついた表情で、
    私の頬を美麗の右手で叩いた。

    パシッ

    教室に鈍い音が響く。
    美麗に叩かれても痛くもなんともない。
    むしろ、何も感じない。


     
  • 25 小恋 id:weDsNHR.

    2011-08-27(土) 14:26:08 [削除依頼]

    すごいです!
    続きが気になります。
    とても、読みやすい書き方で
    尊敬します☆

    「あんたが死ねばよかったのに!」
    ってお母さんがいうのもひどいです。
    でもそれを聞いた、梓ちゃんの
    私が死ねばよかったのにね、っていう
    言葉がとても切ないです。

    更新楽しみにしてるので、
    作者さんも梓ちゃんも頑張ってください♪
    応援してます。
  • 26 卍.清水咲綾/*  id:r9HQM/2.

    2011-08-27(土) 21:36:55 [削除依頼]
    _小恋sama*

    ありがとうございます(///)←

    お母さん酷いですよね(;ω;)
    はい、更新がんばりますねdd
  • 27 卍.清水咲綾/*  id:r9HQM/2.

    2011-08-27(土) 21:45:33 [削除依頼]
    私が表情一つ変えずに座っていると、
    美麗はもう一度大きく手を振り上げて、
    今度はグーで私を殴ろうとした。

    さすがにグーは血が出るかな?と思い、
    私は目を瞑って構えた。

    「美麗ちゃん。
     それは杏佳がするー」

    杏佳が突然美麗に向かって言った。
    美麗は杏佳の言葉に、
    逆らえず仕方なく手を下ろした。
    杏佳はゆっくりと私と美麗に近づいてきた。

    「あずあずは、
     杏佳に虐めてほしいんだよね」
  • 28 卍.清水咲綾/*  id:r9HQM/2.

    2011-08-27(土) 21:52:36 [削除依頼]
    杏佳は歩きながら、
    綺麗な桃色の髪の毛を、
    人差し指でクルッとカールさせ、
    ニコッと微笑みながら言った。

    「そうなんだ!
     最初っから杏佳ちゃんに、
     おまえを虐めてもらえばよかった」

    美麗はニヤッと不気味に笑いながら言った。
    杏佳は美麗の顔を見て微笑むと、
    私の長い金色の髪の毛を引っ張ってきた。

    「汚い髪。
     杏佳がお手入れしてあげるねっ」
  • 29 卍.清水咲綾/*  id:r9HQM/2.

    2011-08-27(土) 22:00:52 [削除依頼]
    杏佳はそういうと、
    男子に向かって可愛らしく笑いかけた。
    すると男子たちは何かを察したかのように、
    一斉に教室から出て行ってしまった。
    残ったのは杏佳の手下ではない一部の男子だけ。

    「何する気……?」

    私は杏佳に尋ねた。
    虐められる恐怖というより、
    何されるか分からない恐怖に襲われた。

    「少し待っててね」

    相変わらず笑顔で杏佳が言った。

    周りを見渡すと、
    杏佳と美麗以外の女子は、
    こちらを見てみぬふり……。
    本を読んだり、メイクしたり、雑談したり……。
    もちろん、私を助けようと思う者は、
    誰一人としていない。
  • 30 卍.清水咲綾/*  id:Br4tmzy/

    2011-08-28(日) 23:26:27 [削除依頼]
    ガラッ

    数分経った後、
    教室のドアが勢いよく開いた。

    すると先ほど出て行った男子が、
    ポーチのような物を抱えている。

    「ありがとう、みんなっ」

    杏佳がそう言うと、
    男子の元へ駆け寄りそのポーチを受け取った。
    杏佳はポーチを私の目の前で開けた。

    「梓ちゃん、見て」

    私はポーチの中を覗くと、
    髪の毛を切る用のハサミが入っていた。

    「これ……何に使うの?」

    私が杏佳に尋ねると、
    杏佳はニコッと天使のように微笑んだ。

    「梓ちゃんの、
     汚い髪の毛を今から切るんだよ」
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