冬の花火を見せたくて.34コメント

1 友香 id:Qph6EMc1

2011-08-22(月) 14:17:05 [削除依頼]
この町には町の誕生を祝い北町冬の花火大会が行われる。
冬に見る花火はとても綺麗で夏の花火とは一風違う。
薄い雲の中,寒い空気の中,花火は柔らかい景色を齎す。


――私はもう.それを見る事が出来ないけれど。
  • 15 友香 id:Qph6EMc1

    2011-08-22(月) 16:01:04 [削除依頼]
    朱色に染まった空が夕方と物語る.
    「そろそろ終わってよくね?」
    「そうですね」
    「つっかれたー」
    俺はそう言ってのびをすると彼女は黙々と片付けを始めた.
    俺は脳よりも先に口走っていた.
    「なぁ…この後空いてる?」
    「え?」
    何言ってんだ…俺
    「いや.なんでもねえ」
    「…あ.空いてます」
    西川は少し俯き加減で言った.
    でも俺には分かった.
    色白の肌がどんどんピンクから赤へ変わるのを…
    赤くなるとこっちも恥ずかしくなる.

    「じゃあさ.この後どっかいかね?」
    何もことばを発しないでこくっと頷いた西川.
    そうすると西川は少しづつ顔を上げて
    「じゃあ先生に帰ること伝えますね」
    この変わった空気を換えてくれた.
    「…おお」

    そういうと職員玄関から出てきた西川.
    校門前で待ってる俺を見つけて笑顔になっていた.
    「彼氏,彼女じゃあるまいし…」
    俺はボソっと西川につっこんだ.
    でも.それは俺に対しての言い聞かせにもすぎなかった.

    「あの何処行くんですか?」
    一緒に隣を歩いて質問された.
    肩や腕,西川の髪が俺につくか.つかないかの瀬戸際で
    「…祭り?」
    俺は疑問系で返した.
    「お祭りですか!」
    やけに楽しそうにする西川を見て
    「近くの由田川でさ花火大会あんじゃん.それ」
    「あぁ!」
    いかにも花火を楽しみそうにする西川に俺はこう言った.
    「直で行く?」
    「直って制服ですか?」
    「ん.でもあそこ服汚くなるかんな」
    「じゃあ.着替えてきます」
    「ん」

    待ち合わせは近くの四丁目公園で七時と言った.
    俺は一旦家に戻りラフら格好で出かけようと靴を履いた.
    「…あ.お袋!今日飯いらねー」
    「何でー」
    「友達と祭りいくー」
    「んあー」

    …友達.そう.西川は友達.ただの.
    俺は自分にまた言い聞かせて言った,
    俺は相変わらず時間にルーズで待ち合わせの10分後に着いた.
    すると椅子にちょこんと腰をかけた子がいた.

    ふうと呼吸を改め
    「西川!」
    小さすぎも大きすぎもしない声で呼んだ.
    すると西川はくるっと振り向いて満面の笑みで寄って来た.

    俺はついみとれてしまった.
    汚れると言ったのに白くとても綺麗なワンピースで,
    何か羽織っていた.(俺.オシャレとか分かんねえ)

    「わり.遅れて」
    「大丈夫ですよ.東君」
    俺は脳裏に刺激を何秒味わったか.
    東君と名乗ってくれた事が嬉しかった.
    「…ま.行くか」
    こうしてみると付き合ってるように見えるのかな.
    俺は変な想像をしながら歩いてた.
    朱色の空がだんだん藍色へと暗くなるのを見ながら―
  • 16 友香 id:Qph6EMc1

    2011-08-22(月) 16:01:45 [削除依頼]
    カイリ


    ありがとう*


    シャナ


    ありがと*
    見てみるね!
  • 17 〜シャナ〜 id:ZCbdZRp1

    2011-08-22(月) 16:20:27 [削除依頼]
    読者になっていい?

    と言うか読者ファンにならせてください!
  • 18 友香 id:Qph6EMc1

    2011-08-22(月) 16:39:17 [削除依頼]
    俺と西川が由田川に着くと遠くから花火の音がした.
    ドン ドン ドンドン
    その心臓の奥に響き渡る音を楽しんでいたのは西川の方だった.
    「わぁ!凄い!きれいですね」
    「んあ」
    俺等は広い川沿いで屋台をやっていたので
    カキ氷と綿あめとやきそばを買った.
    カキ氷の小さいサイズは西川.
    他とカキ氷のでかいサイズは俺.

    川沿いの斜面で芝生があったので腰をかけた.
    カキ氷を食べる口と花火を見上げる首が連動しない西川は
    もの凄い口をあけて夜空に輝く花火を見上げていた.
    俺は綿あめを食いながら
    「西川.口」
    そう言うと気付いた様に顔を赤らめて言った
    「すみません」
    俺が別にと言うと笑う様にほっぺをかいた.

    やきそばを食べかけると俺を見つめてきた.
    西川は俺と言うより…やきそば?
    まさか食いたいのか?

    「食う?」
    「はい!」
    可愛気がありまくりの顔で答えた.
    「ほれ」
    …と雑に渡すと.
    「あのカキ氷のスプーンじゃ…」
    カキ氷のスプーンを見せ付けられた.
    確かにストローをスプーン型に細工した典型的なやつだった.

    割り箸も渡すとやったと言いたげな顔で食べ始めた.
    俺はカキ氷も綿あめも食い終わったので花火を見てた.
    今.思えば俺の割り箸だよな…
    …!? 急に西川に振り向いた俺に西川は驚いた.

    「え?」
    「いや何でも…」
    急に汗やら意味が分からないものが出てきた.
    無理矢理変えようと話題を変えた.
    「知ってるか?」
    「え?」
    「毎年.町外れのところで冬の花火大会があるの」
    「冬に…ですか?」

    そっとありがとうと言わんばかりに食べかけの焼きそばを
    俺に渡した西川は興味深々の顔で見た.
    「町の誕生を祝う花火でな.」
    「ほーほ」
    「俺.見たことねえけど見たくてさ」
    西川は一度空に響き、心臓にも響く花火を見上げ
    「見てみたいですね」
    と俺に言った.
    「じゃさ.また二人でみにいかない?」
    そういうと西川は優しい笑顔を俺に向けてくれた.
    「はい」
    「約束な」
    俺が普段見せない顔をすると西川は顔を赤らめた.

    俺等は冬の花火大会を二人で行く約束をした.
    俺はその約束が長いようで短い気にも感じた.
    ――その時には楓と呼び.彼女である事は今の俺には知らなかった.
  • 19 友香 id:Qph6EMc1

    2011-08-22(月) 16:40:28 [削除依頼]
    シャナ


    私のでよければ!!!
    凄い嬉しいです!
  • 20 友香 id:hIFS/Ta/

    2011-08-24(水) 00:38:23 [削除依頼]
    次の日.隼人の家で寛いでいた.
    「なぁ駿…」
    「…ん?」
    「この前の由田川の祭りでいた奴.彼女?」

    俺は飲みかけのコーラを隼人の漫画にぶっかけてしまった.
    隼人は怒りながらも何処か嬉しそうだった.
    勘があたった糞餓鬼が言わんばかりの笑顔で喜ぶ様に.

    「で?誰なの.彼女」
    「彼女じゃねーよ!」
    つい口調が強くなる.
    「えー.じゃ誰よ」
    「昨日の補習のもう一人」
    「はぁ!?女で!?赤点!?」
    驚きを隠せないようだ.
    まぁ…だろうな.

    「諸事情があるらしい」
    「でも…お前がナンパ?」
    おいおいおい.ナンパなのか?
    「そういうタイプじゃなくね?」
    まぁ自分で言うのもなんだが
    行事事に女を誘ったのは西川が始めてだった.

    「まさか一目惚れっすか!?」
    「…!?」
    底を就かれた俺は言葉が発せなかった.
    「まーじーかーよ!」
    「断固違えから!」
    でもそういってる俺は自覚するほどに.
    顔から首からどこまでもが赤く熱かった.

    「大丈夫.協力すっから」
    「断る」
    「何で!?」
    「碌なことねえし」

    いつのまにか俺は西川に惚れてる事を自白していた.
    隼人はこういう事は誰よりも得意で,
    よく俺はこいつの前で吐いてしまう.

    こうやってほぼ無意味の会話をしてる間にも
    俺は脳裏で西川の事を考えていた.

    只今.絶賛補習さぼり中.
    西川は一人で受けてるのだろうか.
    そう思うと何か心苦しかった.

    「わり.隼人腹痛えからかえるわ」
    「俺ん家のトイレ使えよ」
    「いい.学校の使う」

    そう言うと何かを瞬時に悟ったように
    じゃあなと言う様に手を振った.

    俺は勿論.嫌な勉強がつきまとう学校へと向かった.
    西川の為に――――
  • 21 友香 id:hIFS/Ta/

    2011-08-24(水) 01:18:34 [削除依頼]
    俺は隼人の家を出た後珍しく猛ダッシュしてた.
    何年ぶりだよ.こんな走ったの.
    絶対足に来るわ.筋肉痛だわ…
    と思いながら学校へ向かっていた.

    淡い茶色の髪の毛先に汗らしきものが付いていた.
    俺は毎回のごとく補習が行われてる教室へ直行し
    ドアを思いっきり開けた.

    「西川!」
    そういうと背中がびくっと動いた.
    「う…わ.東君」
    「うわって…何だし」

    まるで昨日の逆転みたくて内心笑える.
    昨日俺は今の西川の様に平然で,
    昨日西川は今の俺の様な息遣いで入ってきた.

    「どうしたんですか?」
    「…ん?何となく」
    「あ!補習遅刻しましたみたいなですか!」
    「お前じゃねえから」
    鼻笑いまじりで言った.
    西川は少し俯いてほっぺを少し膨らました.

    やっべ.今の反則…
    可愛すぎだわ…
    俺は赤くなる顔を赤い手で意味も無く隠した.

    俺は西川の隣の机にごんっと乗った.
    「机には乗っちゃいけません!椅子あります」
    「ばばくせえ事言うな」
    「…ばば!?」

    正直悪いけど.隼人との会話よりこっちの方が
    何倍も.何十倍も楽しかった.
    好きな奴と一秒でも長く居られる事が嬉しい.
    西川の声や顔.その髪を見ると走ってきた甲斐があった.

    「で結局なんですか?」
    俺は少し黙りこう言った.
    「お前の顔とプリント進み状況を拝見に?」
    「…え」
    戸惑っていた.
    さりげなく西川の顔を見に来たの言ったから.
    でも西川は聞かなかった様にプリントをやっていった.


    俺は最大のところを突いた.
    「なぁ西川」
    「…?」
    「一目惚れって信じる?」
    「…!?」
    「つか.ありだと思う?」
    「…!?」

    西川がどんな目で見てるか想像がつく.
    何言ってるんだという目だろ?
    分かってる.知ってる.想像つく.

    「…信じます.ありだと思います」
    そう小さくつぶやいた西川は何か言いたげだった.
    「東君…昨日はありがとうございました」

    そっちかよ…
    「別に.俺も見たかったし」
    「…あと」
    「…?」
    「私.東君と出会えてよかったです」
    「…え」
    「あぁ.なんていうか」

    俺は心臓が飛び上がり.また顔が赤くなった.
    「友達以上恋人未満ていうか…」
    「…」
    「東君は私の心友です」
    「…」
    「会って二日目だけど」
    「心友ってだけでいいの?」
    「え…」

    俺はだんっと机から立ち,
    西川の白い細い腕を掴み教室を出た.

    「うっわ.東君!?」
    俺はその返事を聞かずある場所へ向かった.

    いずれ俺等の思いでの場所になる屋上へ―――
  • 22 友香 id:hIFS/Ta/

    2011-08-24(水) 13:03:58 [削除依頼]
    いつも昼休みに空いてる屋上.
    夏休みは写真部が使うので開放している.
    でも今は写真部はいなかった.

    「調度良かった…」
    「東君?」
    「あんさ.俺…」
    「…」
    「お前の事好きなんだわ」
    「…」
    西川は俯く事もせず.俺の目を真っ直ぐみていた.
    こういう時に俯けよ…
    俺はそう思いながら続けた.

    「会って二日しかたってねえけど」
    まあ確かに.
    「でも一目惚れだったから」
    でもじゃなくね?
    「心友じゃなくて恋人になってほしい…」

    あぁ超恥ずかしいんですけど.
    くさすぎたか.絶対…

    そう思ってると西川が口をあけた
    「驚いてます…」
    だろーな.
    「でも嬉しいです…」
    …え
    「私も東君を気になってて」
    …!?
    脈ありなのか.これは…
    「でもこれが恋なのかは分からなくて…」

    そう言うと西川は俯いた.やっと.
    でも俯いた先に俺は気付いた.
    「んで泣くんだよ」
    「すみません」
    「…別に」

    この静かな空気の中で西川の声が響いた.
    「少し考えさせてください」
    「…ん」
    そう言った西川は屋上から去っていった.
    俺はその小さい背中をなくなるまで見つめる事しか出来なかった.
  • 23 カイリ id:M5NUwjZ1

    2011-08-24(水) 13:25:53 [削除依頼]
    ドキドキするぅーー更新まってます!
  • 24 友香 id:hIFS/Ta/

    2011-08-24(水) 14:42:06 [削除依頼]
    カイリさん
    ありがとう^^
  • 25 友香 id:hIFS/Ta/

    2011-08-24(水) 15:13:10 [削除依頼]
    それからというものの俺は西川に避けられてる気がする.
    ―考えさせて…とは避ける意味なのか.
    俺は嫌な隼人と俺の家で寛いでいた.

    「なぁ…駿って彼女のメアド持ってんの?」
    「だから彼女じゃねえって」
    「まだ!?」
    「悪かったな.」

    少し間を置いた隼人は口を重たくあけた.
    「まさか…告った?」
    「…」
    俺は黙ったきりだったが隼人は分かったみたいだ.
    だろうな.俺は図星だと黙る癖がある.
    何年も一緒にいる隼人はそれに気付いてる.

    「そっか.そっか」
    「お前.真剣に殺されたい?」
    「んな!悪い事言ってねえじゃん!」
    「…」
    「結果は?」
    「…まだ」
    俺はあの日の事を隼人に語っていた.

    「確かにあの子可愛いからな」
    「…何言いたいの?」
    「他の奴に告られてお前と迷ってたり?」
    そういう考えか…
    それだったら結構心臓にくるな.
    大きな剣で突き刺さったような.
    心が絞られるような深い痛みが.
    「…だったらどうしよ」
    俺は初めて隼人に弱みを見せた.

    「…まぁこういう時間は彼女と間をとんのが一番!」
    「そうなの?」
    「考えさせてっていわれたんだろ?」
    俺は小さくうなずく
    「それはいつかは答えだすって意味なんじゃねえの」
    「…そっか」

    そう言うと俺は出された飲み物を一気飲みしこう言った.
    「…トイレ」
    「は?」
    「飲みすぎた…」
    「駿ちゃん中年かよー」
    情けねえな.俺…

    隼人の部屋に戻っていると中から声が聞こえた
    「…電話してんのか」
    盗み聞きはよくないか自然に耳に入る.

    「楓ちゃん?ん.俺.俺ー」
    …!?楓って西川!?
    俺の学校は小さくて隼人は女子と仲はいいが,
    俺の知ってる限り学校の女子で楓は西川しかない.
    「そうそう.だからさ今度語ろうよ」
    俺は何に対してなのか分からないこの心拍数を
    必死に止めようと一人で努力していた.

    「駿についてとかさ―」
    止めろ.止めろ.止めろ.止めろ―――
    俺は立ち止まれず隼人の家から出て行った.
    俺の知らない場所で俺の事を西川が喋ってる.
    それも隼人と――――…
    普通の事なのかもしれない.
    でも俺には耐えられなかった.


    これが.こんな苦しい思いが恋なのか―――
  • 26 友香 id:hIFS/Ta/

    2011-08-24(水) 15:14:32 [削除依頼]
    訂正:
    三行目の俺の家は隼人の家です.
    すみません><
  • 27 友香 id:jhBN0jQ.

    2011-08-25(木) 13:56:25 [削除依頼]
    「ちくしょ―…」
    …んだよ.この気持ち

    「…あ」
    俺はその一言を発した先を見上げた.
    薄々いや.かなりの確率で気付いていた.
    「…西川」
    「東君…」

    止めろ.こっち見んな.
    見れば見るほど辛くなって―…
    隼人との事を思い出す―…

    情けない思いを堪え.俺は西川に背を向けた.
    告白したのは俺なのに.
    嫌われるの覚悟で歩きだした.

    「…東君!」
    「…」
    そうやって俺に寄って来る西川.
    そして腕を掴まれた.
    でも気付いてた.
    西川のもう片手には携帯があった.
    通話中なの?隼人はこれを聞いてんの?
    ―――きつい.もう無理…

    「…なせ」
    「…え?」
    「その手離せ!!!」
    「…!」
    つい強く言ってしまった.
    いや.ついじゃない.
    本気で今は一人にしてほしかった.

    「…わりい」
    俺は静かにそう言って走り出した.
    西川がどんな顔をしてるのか分からなかった.
    今の俺はそんな心配をしてる暇がなく,
    自分の心を落ち着かせるので精一杯だった―

    「…もう無理」
    俺は走りながら何度もそういった.
    情けない程泣いていた.
    嗚咽しながら泣いている俺は
    どうしようもなく苦しかった.

    嫌われた…俺は―――…
  • 28 友香 id:jhBN0jQ.

    2011-08-25(木) 14:41:23 [削除依頼]
    初めての恋愛もの…
    難しいですね(¨)、
    これから少しエロが入るかもです…><
  • 29 友香 id:jhBN0jQ.

    2011-08-25(木) 14:54:10 [削除依頼]
    @西川 楓
    「…私.嫌われたのかな」
    静かに独り言を言った私の頬には
    小さくほんのわずかな涙がつたった.
    でも.それは次第に大きさも量も増す.

    「だめ…泣いちゃ…」
    私は自分に言い聞かせた.
    すると肩に大きな大きな手がのった.

    「何で泣いてるのかなー?」
    けらけら笑いながら近づいてる.
    20代の大きなお兄さん達がいた.
    「俺等が慰めてあげよーか」
    「よちよち」

    「…やめてください!」
    私は手を払った.
    「ってえな!」
    「…すみ…ません」
    「謝るんだったら警察なんていらねえんだよ!」
    そういうと男の人達は迫ってきた.
    私は後ずさりの様に震えた足で
    ずるずると後にさがる.

    ガンっ!!!
    電柱に当たった.
    どうしよう―――…
    私は数人の男の人に取り囲まれてしまった.
    「…あの」
    「だから.ね?」
    「…え」
    「体で払えよ?」
    「…!?」

    そう言われた私の視界が一気に明るくなる.
    そうすると肩に大きな大きな手が周り,
    ぐいっとやられると.私は拒んだ…

    前には男の人達の物らしき車があった.
    「ほら乗って」
    上機嫌に押される.
    「…や」
    「乗れ!」
    無理矢理車に乗せられると
    目に何かを巻きつけられた.

    ――誰か…
    こんなときでも思ってしまう.
    東君助けてください…と
  • 30 友香 id:jhBN0jQ.

    2011-08-25(木) 15:09:07 [削除依頼]
    「着いた着いた」
    男の人達がそう言うと,
    視界が黒から白に逆転した.

    「…ここどこ?」
    「可愛いー!初々しいね」
    前にあった看板は無駄に派手で目がちかちかした.
    「…え」
    「驚いちゃったー?」
    「…ホテル?」
    「さ.入る入る!」
    「…や!」

    私は本日二度目の手を払った.
    その行為に男の人が眉間にしわを寄せた.
    「うぜえんだよ.言う事聞きゃいーんだよ」
    「……」
    私はすっと力が抜けると涙がひとつ.ふたつと…
    「おい.泣かすなよ」
    笑いながらある人がそう言うと
    「わりーわりー!」
    元気な声で言う…

    悪いなんて思ってないくせに…
    私は脱力した体を男の人達に任せてしまった.
    涙が止まらない.
    だめ.止まってよ…
    こんな姿.東君に見せれない…

    エレベーターで七階へ着くと突き当たりを右に,
    その一番奥の部屋を開けると目の前にベットがあった.
    あぁ…東君…
    もう嫌いでもいいから今だけは…

    ――助けて…
  • 31 友香 id:5CGxv2X.

    2011-08-26(金) 19:36:41 [削除依頼]
    私は右腕を思い切り引っ張られた.
    誰か―…

    「やめろ…っ」
    後ろから低く響く声が聞こえた.
    まさか.まさか.まさか――
    「…え」
    「誰だてめえ」
    「その子離せ」

    「…木村…隼人君?」
    「楓ちゃん.行こう」
    「木村君.ちょ…」
    左腕がまだ右に掴まれる手よりも小さい中.
    必死に引っ張ってくれた―…
    でも何で木村君なの?
    あぁそっか東君はもう来ない.

    ―モウコナイ,モウアエナイ
    でも今は必死にそれでも必死に
    私達はホテルを後にした.
    近くの公園に私達は向かった.
    ―すると…
    「東…君」
    「…」
    東君は黙ったままだった.
    「俺.駿に言われてホテルに向かったんだ」
    「え」
    息を切らしながら木村君が言った.
    すると東君が歩いてよってきた.
    「わりい.俺が行けなくて」
    「…」
    「あと.さっきあんな腕の払い方悪かった」
    私は静かに首を振った.
    そんな事ないのに.東君は悪くない.
    きっと私が何かして嫌いになったんだ.
    「腕けがしてない?」
    何で…心配するの…
    まだ気があるって思っちゃうじゃん.
    「ごめんな.俺が西川と一緒にいればよかった」
    そうやって心配するなんて…

    「…!?」
    私は大きな手.大きな腕に抱擁された.
    さっきの男の人達とは違う.
    同じ男性なのに違う.優しさがある.
    東君は木村君に聞こえない声で言った.

    「俺.西川に嫌われたかな」
    「…え」
    「普段女子と絡まないとこうなるから」
    「…えっと」
    「…まだ好きでいていい?」

    こんな些細な会話なのに涙がたくさんでる.
    東君の服に一滴.二滴と涙が垂れていくのを見て.
    私は腕をほどいてもらった.

    「…つい勘違いしてました」
    「…」
    東君はこういう時いつも黙って聞いてくれる.
    「私は…つい…」
    涙が止まらなくて上手く喋れない.
    それを察したのか東君が私の頬の涙を
    暖かいそして優しい手で拭ってくれた.

    「東君に嫌われたのかと…思って…」
    「…」
    「私が…ずっと返事しなかったから」
    そっと手を離すと黙って聞いてくれた.
    「東君はだめです」
    「…」
    「心友なんかじゃ…だめ」
    「…」

    言いたい.貴方に伝えたい言葉.
    「…好きです」
    下を向いてても分かった.
    こぶしを握った東君の手が赤くなってた.

    「東君…」
    「…馬鹿」
    「え…」
    「俺の早とちりだったのか」
    「東君…」
    「両…思いってことだよな」
    恥ずかしそうにしながらそう言った.

    私は少し微笑み小さくうなずいた.
    その空間がとてつもなく嬉しかった.
  • 32 友香 id:5CGxv2X.

    2011-08-26(金) 19:54:28 [削除依頼]
    「東君」
    「ん…?」
    「呼んでみただけです」
    「はあ…?」
    笑って返事してくれる東君がすき.

    「…そういえば」
    「ん…?」
    「何で東君も木村君も私の居場所分かったんですか?」
    私は木村君がいる事に気付き話題転換をした.

    「あ.あれは駿のおかげ」
    「え…?」
    「近くの車のナンバーに見覚えあって」
    「…」
    「ついこの前あそこのトップと喧嘩したの.駿君」
    「隼人…やめろ」
    「喧嘩!?」
    喧嘩って口喧嘩じゃなくてその…あの…殴り合い?

    「で.そこの馬鹿よくナンパすっから」
    「…」
    「そんで西川の事見たらいなくて」
    「でも何で木村君が来たんですか?」
    「駿の奴.楓ちゃんにあんな事したから顔合わせれなかったの」
    「…そうだったんだ」

    私はそう言って東君を見ると顔を赤くしていた.
    それでも片手は私と手ほ繋いでくれた.
    顔を隠せないのに気付いたのか下を向いた.
    私がくすくす笑うと

    「つか何で隼人と友達なの?」
    少し冷めた声で言われた.
    「駿ちゃん.やきもち?」
    「うっせ.黙れ」
    「あの…相談してたんです」
    「相談?」
    「東君のことで…本当に私でいいのかなって」
    「んだよ…」

    そう言ってため息を吐くと少しほんの少し笑った.
    その笑った東君の顔を凝視する私と目が合った東君が言った.
    「そう言うの俺に言って?」
    「…え」
    「いーから」
    「はい…」

    遠い様な近い様な距離で木村君が言った
    「浮気だと思った?」
    「隼人まじで殺す」
    「わっわりいって」
    こんな微笑ましい時間の流れに
    どれだけ私は癒されてるんだろう.

    この時間が好きです――――
  • 33 友香 id:5CGxv2X.

    2011-08-26(金) 22:30:52 [削除依頼]
    木村君は塾があるといってコンビニのアイスを食べながら
    赤信号を完全無視しながら去っていった―…

    そういえばここって―
    「なあ」
    「…はい?」
    「ここの公園って始めて俺達が集合した場所じゃね?」
    そう.由田川の花火大会のために集合したあの公園.
    振り向いた時に東君がいた嬉しさが今でも覚えてる.

    「それ.今私も思ってました!」
    「え…まじ」
    少し静かな空気が流れた.
    そして一緒のタイミングで吹くように笑った.
    「まじかよ!奇跡じゃん!」
    「まじです!」

    そして一緒のタイミングで振り返るように静かになった.
    また静かな空気が流れるのが嫌で話題転換しようとしたとき
    「なあ」
    「…はい?」
    話しかけてくれたのは東君のほうだった.
    「楓って呼んでいい?」
    「…え」
    「隼人のくせに楓って呼んでるし」
    「木村君はノリで…」
    「だろーけど」

    「…楓」
    顔を赤くしながらも言った言葉は私の名前だった.
    「…駿君」
    「…え」

    「嬉しいけど恥ずかしい」
    「しゅ、駿君こそ恥ずかしいです…」

    この静かな空気が続いた事は言うまでもない.
  • 34 友香 id:tEVd4iM1

    2011-08-27(土) 10:46:29 [削除依頼]
    @東駿
    あの日から数日.俺等は補習の闇から
    抜け一緒に登校していた.
    「駿君」
    「…何?」
    もう普通にお互いの名前を呼べる.
    「水着って何色が好きですか?」
    俺は飲んでた紅茶を吹いてしまった.
    校庭の一部が黒くなった.

    「急にどうした!?」
    「すみません…」
    「楓…わざとからかってる?」
    そう言うと楓は小さく横に首を振った.
    「水泳実習があって…」
    あ.あったな.確か.
    俺はめんどくて一回も入った事ないが.
    「てか女子にききなよ」
    「…はい」

    俺はつい強く当たってしまった.
    密かに楓の水着を楽しみにしてる
    俺の顔が赤く.少し変態のように見えたのは当たり前の事だった.
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