嘘の上に嘘を、7コメント

1 臍曲がり id:UWAs8iL1

2011-08-17(水) 22:55:52 [削除依頼]
その上には白を、重ねる。
  • 2 臍曲がり id:O1u2DjJ0

    2011-08-18(木) 00:52:23 [削除依頼]
    ー…昼休み。
    教室の入り口付近で騒いでいるクラスメイトをすり抜け、廊下に出る。時折声をかけてくる友人に言葉を返し、階段を降りる。あと16段と186歩。僕が向かう先、美術室。
    何となく気だるい、中学校生活2度目の梅雨時のお話。
  • 3 臍曲がり id:xB8M4pN1

    2011-08-22(月) 01:10:32 [削除依頼]
    「ししょー」

     静寂に包まれている美術室に入り、辺りを見回す。発せられた声は、無意識のうちに小さくなった。たぶんこの部屋の空間がそうさせているのだろう。
     目をこらしてじっと室内を見ていると、隅の方にもぞもぞと動く物体を確認。
     どうやらこちらに気づいていないようなのでススス、と近づき驚かしてみようと思う。よし、3、2、1……

    「わっ!」
    「うひゃあ!」

     成功した。満足感と優越感でいっぱいの僕は、ケタケタと目の前の人を笑った。こんな古典的な罠に引っかかるのは師匠しかいない。
     僕がまだ笑い続けていると、師匠はむ、と頬を膨らませた。
  • 4 臍曲がり id:8KMtpxg.

    2011-08-26(金) 00:34:55 [削除依頼]
     師匠はただの先輩であり、どこかのお偉いさんという訳ではない。絵が世界に通用するわけでもない。それでも僕にとって笠原葵という人は僕の師匠なのだ。

    「また絵を見に来たんですか」

     僕の笑いがおさまった頃、師匠は呆れたように僕に問いかけた。はい、と笑顔で答えると、そうですか、とたいして興味のなさそうな返事が返ってきた。なんとなく悲しい。

    「師匠の絵、好きなんです」

     僕の言葉を華麗にスルーして、師匠は絵の保管室に歩いていく。師匠が歩くたびに腰まである黒い髪がさらさら揺れる。
     しばらくの間それに見とれていたけれど、薄暗いここに一人残されるのも嫌だ。僕は慌てて師匠のあとを追った。
  • 5 臍曲がり id:8KMtpxg.

    2011-08-26(金) 01:12:10 [削除依頼]
     ガチャリ、という音とともに開くドア。中に入る前からこもっていた油絵と水彩画のにおいが流れ出て鼻をつく。何度来てもなれないそのにおいに顔をしかめつつ電気を付ける。パチリ、という軽快な音のあと、ぼんやりとした白い光が室内を包んだ。
     絵の置いてある棚は4つある。その棚の右から2つ目。それの48段目に師匠の絵は置いてある。傷を付けないように丁寧に取り出し、頼りない弱い白い光で絵を照らした。

     油絵である。赤い色の、空の絵。
     大人に見せればいろいろとダメだしをしてくるのかもしれない。友達に見せても、言われるのかもわからない。そんなレベルの絵だ。
     でも、それでも僕が心を奪われたのはこの絵で、初めて絵で泣いたのもこの絵。

    「そんな絵のどこがいいんですか」

     師匠は自分の描いた絵を好いていない。というか、満足をしていない。だからか師匠は僕によく理由を聞いてくる。何故、と。

    「好きなんです」

     でも僕は、理由を聞かれてもそれしか言わない。
  • 6 臍曲がり id:9rAU9ld1

    2011-12-12(月) 00:22:47 [削除依頼]
     意味が分からない、と肩をすくめて見せる師匠に苦笑いを返して、絵を棚に戻す。
    「じゃあ、僕は行きますね。そろそろ時間なので」
     ズボンについた汚れを手で払いながら時計を見る。予鈴まであと二、三分しかない。
     師匠はどうするんですか、と顔をのぞき込むと、
    「サボります。気分が優れないので」
     しれっと答える師匠。最初はえ、と驚いていたが今ではもう慣れた。話を聞くと師匠は頭がよく、テストも学年トップを争うほどらしい。教科書読めば大体分かるから、授業は受けなくても大丈夫。嫌いな大人の話を聞きたくない、というのが師匠の持論である。受験生失格だと思う。

    キーンコーンカーンコーン

     錆び付いたざらつくような鐘の音。
     サボるのも程々にしてくださいよ、と先輩に声をかけて廊下に出る。
     ひらひらと師匠が手を振っているのを見えたような気がした。 
  • 7 臍曲がり id:9rAU9ld1

    2011-12-12(月) 00:41:21 [削除依頼]
     教室に戻ると、ほとんどの生徒が席についていた。
     係が前に出て問題を出しているが、誰も聞いていないのか手は挙がっていない。
     誰も参加をしていない現状に、係はあたふたしている。係の奴等も大変だな、と中途半端な同情をして机から教科書とノートを出した。
     五限目は社会である。
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