様々な伊藤71コメント

1 伊藤 夏生 id:91bMcpi1

2011-08-17(水) 20:20:56 [削除依頼]
初めまして、
新参者の伊藤夏生(いとうなつお)と申します。

今回は初めて小説を投稿させていただくのですが、
頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします。
  • 52 桜もち id:SRUxj4S1

    2011-08-23(火) 09:10:57 [削除依頼]
    評価に来ました。
    同じ名字の異なる人生を描くという発想が面白いと思いました。
    文章も短すぎず長すぎずで丁度良いです。

    しかし、やや説明書きのような淡々とした文章が続くので
    心理が読み取れるような描写を入れると良さそうです。

    総合評価は星5つです。
  • 53 伊藤 夏生 id:Bverzmd/

    2011-08-23(火) 13:05:53 [削除依頼]
    >>52 桜もちさん 評価ありがとうございます。 星5つとは光栄です。 心理描写ですね、分かりました。 これからも精進して成長できたらと思います。 頑張ります。
  • 54 〜シャナ〜 id:kfhhGUd1

    2011-08-23(火) 13:45:44 [削除依頼]
    小説批評・評価屋U´w`Uです。

    一度読ませて頂きました。
    話もいいし、読みやすいと思いました。
    丁度いいぐらいの説明文に台詞文でした。


    個人的に思ったことですが、少し描写を入れてみるといいと思います。
    描写を入れることで目の前で起きているんだと言うのがもっとあがると思います。

    ☆5中・・・☆4半ですね。
    一度描写を少し入れてみるだけで大分変ります。
    この調子で読者様達に読みやすい小説を書いていってくださいね。
  • 55 〜シャナ〜 id:kfhhGUd1

    2011-08-23(火) 13:54:07 [削除依頼]
    未熟な批評・評価ですみません・・・
  • 56 伊藤 夏生 id:Bverzmd/

    2011-08-23(火) 13:54:31 [削除依頼]
    >>54 評価ありがとうございます。 描写ですね。 私ももう少し色々な方の作品を呼んで、学習していきたいと 思います。 やはり、描写が苦手というのは欠点ですねー 頑張らなくては。 ありがとうございました。
  • 57 伊藤 夏生 id:QkteQsX/

    2011-08-25(木) 17:28:22 [削除依頼]

    「ねえ、伊藤君。この道歩きにくいわ」

    二人は並びながら山を降りていった。二人が通る道は毎年、神社
    で行われる祭りの神輿が通る。そのために土は踏み固められてい
    て比較的、地元の人には歩きやすいとされている。
    しかし、越してきたばかりの彼女にはそうでもないようだった。

    「慣れれば、楽になるよ」
    「そういうものかしら。そうは思えないけど」

    空は先ほどよりも開けて、青色が雲に透けている。彼女の顔は歩
    きづらさに歪んでいたが、それでも空を見上げると快い表情をす
    る。
    林太郎はその横顔に見惚れていた。

    先ほどまで茫然としていた野上だったが、そのあとすぐに我に返
    り、今ではすっかり気の強い饒舌な少女に戻っていた。何も無か
    ったように。

    「ここって私がいたところと全く、空気が違うわ」野上はすうっ
    と息を吸い込んで言った。
    「潮の香りじゃないかな?」

    林太郎が海の方向を指さすと、野上は猫のようにその指先を追い
    視線が定まったと思ったら、大声で叫んだ。

    「素敵!海が見える街なんて!」

    子供のようにはしゃぐ彼女を林太郎は微笑ましく思った。それと
    同時に大人の男なら、ここで一発「君の方が素敵だよ」などとい
    うのだろうか。そう思ってみた。しかし、そんなことを言う自分
    を想像できないと断念した。そこでまた、やろうとしていた自分
    に恥ずかしさを覚える。

    「ねえ、今度は海を見に行きましょう」

    長い髪に指を通して野上は言った。家まで女の子を送ったのは初
    めてだった。といってもすぐ隣のマンションだから当たり前と言
    えば当たり前のことだ。

    「今度会うときは、夏休み明けてからじゃないか?」素っ気ない
    返事をする。
    「いいの。明けてからでもいいから行きましょう。今日はありが
     とう。早いけれど、おやすみなさい」

    午後七時過ぎ、僕は家に帰り、ただいまも言わずに自室に戻った
    。部屋の鍵を閉め、ドアの向こう側に誰もいないのを確認して、
    ベッドに倒れ込む。それから大きなため息を付いた。
    全身の力が抜けるような、操られていた糸を切られ、動かなくな
    った人形のように林太郎は脱力した。
    女の子と一対一で、一日中話したのは初めてのことだった。何に
    関してでも初体験というのは緊張するものだが、今回のことは想
    像を上回る緊張だった。
    変なことを言わなかっただろうか、おかしな動きはしなかっただ
    ろうか、といろいろ考えてはいちいち後悔して反省する。それを
    繰り返した。
    胸の内側がもやもやと熱くなっていき、野上のことを考えると、
    落ち着けなくなる。あまり体験したことのないものだったが、林
    太郎はそれが何なのかを知っていた。そう、言葉は知っている。

    「これが“恋”だ」

    どこかからそんな声が聞こえた気がした。
  • 58 善寺 梅雨ヒロ id:HuqnoX30

    2011-08-26(金) 09:36:50 [削除依頼]
    どーも、善寺です。

    伊藤仁編、結構好きです^^
    次は恋愛モノですか、続きが楽しみです。あの、話は変わりますけど、短編って一個一個ネタ考えなければならないじゃないですか、コツとかってありますか?
  • 59 伊藤 夏生 id:AOzx8ft.

    2011-08-26(金) 14:25:31 [削除依頼]
    >>58 善寺さん、コメントありがとうございますー おお、仁君気に言ってもらえて嬉しいですね^^ コツというよりか、私の場合は 1書きたいジャンルをまず考える 2その内容に合いそうな主人公を考える 3主人公はどのような生活をするのか考えて(主人公の設定ですね)  その周りで起きたら面白い、ということを考える といった手順でいつも考えています。 主人公の性格によって話は二転、三転すると思うので やはり主人公の設定は重要ですよねー 質問の答えになっていませんがこんな感じです(笑) 自分の生活の中で、こういう場面書きたいな、っていうことから 話を書くことも稀にあります。
  • 60 善寺 梅雨ヒロ id:HuqnoX30

    2011-08-26(金) 16:53:58 [削除依頼]
    なるほど! ジャンルはいつも初めに考えてから始めてますが、主人公にはあまり意識してなかったですねー 是非、参考にさせて頂きますね。
    物語と主人公の設定のバランスには気を使わなくては……
    詳しく教えて下さり本当にありがとうございます。
  • 61 伊藤 夏生 id:bB6nwTQ1

    2011-08-27(土) 15:53:14 [削除依頼]
    林太郎の夏休みはそれから何か進展があるわけでもなく、宿題に
    追われて呆気なく幕を閉じた。
    高校二年生の夏、青春のど真ん中とはこの時期を指し示すのであ
    ろうがそれを謳歌することもなく、彼は新学期を迎えたのだ。

    野上の話はすでにクラスの話題になっているかと思ったが、そう
    ではないようだった。学校に着いて林太郎が友人に野上の話題を
    振って見たが、

    「ああ、転校生?何人か来るらしいよ。終業式で挨拶するって」

    と冷たい返事をされ、いつの間にか雑誌のグラビアの話に移って
    しまった。
    しかし、どうやら転校生は彼女だけではないらしい。それが何人
    なのか、男か女か分からなかった。もし一人でも男がいたら、野
    上はその彼に話しかけるのだろうか。多分、彼女なら話しかける
    だろう。予想はついていた。そう思った途端に胸のあたりがきゅ
    うと締め付けられる。呼吸が浅くなり、無意識のうちに制服のシ
    ャツを握りしめていた。


    始業式は特に何も問題なく、進んだ。

    「新学期から我が校に新しい仲間が増えました。自己紹介をして
     もらいますので、前へどうぞ」

    饒舌な教頭が促し、幾人かの生徒が体育館の前に立った。一年生
    が何人か騒いで教師に注意を受ける。林太郎の位置からは転校生
    があまり見えなかった。耳を澄ませていると、マイクが誰かに手
    渡される音がした。誰かが自己紹介をするようだった。
    初めに自己紹介したのは、一年生の女子だった。そのあと何人か
    自己紹介をしたようだったが、林太郎の耳にはほとんど入ってこ
    なかった。野上の自己紹介だけは聞き洩らさないように。
    あの快活な声が林太郎の頭の中に思い出される。

    「二年二組に編入する野上成美です。よろしくお願いします」

    はっきりとした口調で彼女は自己紹介を終えた。三年生に転校生
    はいないらしく、彼女が最後だった。林太郎は野上のことを自分
    だけが知っている優越感に恍惚としながら始業式が終わるまでの
    間、胸の心拍数が上がるのを感じていた。
  • 62 伊藤 夏生 id:bB6nwTQ1

    2011-08-27(土) 15:55:43 [削除依頼]
    >>60 お役に立てるといいんですが…^^ 善寺さんの小説もいつも読ませてもらっていて、 毎回、色々と学んでいます。 お互い、頑張りましょう^^
  • 63 伊藤 夏生 id:DqAkkWQ0

    2011-08-28(日) 13:44:52 [削除依頼]
    (独り言)

    恋愛の話はどう書けばいいんだろうか。
    自分の恋愛経験が殆どないことにつくづくショックを受ける。
    どうやって、今まで十何年間生きていたのだろう(笑)


    誰か、いいアドバイスをくれる評価屋さんに頼むべきだろうか。
    伊藤は悩み中。
  • 64 伊藤 夏生 id:4Sk/NzP0

    2011-08-30(火) 14:09:57 [削除依頼]
    教室でホームルームが始まると、一人の少女が黒板の前に立って
    いた。
    髪はショートカットで、清楚な落ち着いた雰囲気の子だった。林
    太郎は何であそこに彼女は立っているんだろうとぼんやり思った
    。しかし、それよりも今、林太郎の頭の中は野上でいっぱいだっ
    た。自己紹介のとき、彼女は緊張していたのだろうか。どんな気
    持ちで前に立っていたのだろうか。

    「なあ、渡辺小百合、可愛いと思わないか?」

    突然、耳元で声がしたので林太郎はびくりと肩を振るわせた。驚
    きのあまり手に持っていたシャープペンを落としてしまう。机の
    上で跳ね、床に落ちる。からりと軽い音を立てて、ペンは床を転
    がった。声の主は前の席の戸田だった。サッカー部のキャプテン
    で、憎たらしい男前だ。彼はシャープペンを拾い上げながら林太
    郎の顔を見た。

    「大丈夫かよ。で、どう思う?渡辺のこと」
    「え?渡辺って、誰?」林太郎は戸田に尋ねた。
    「はあ?お前、始業式の自己紹介聞いてなかったのかよ。ほら」

    彼は黒板の前に視線を投げた。さきほどの清楚な少女が立ってい
    る。恥ずかしそうにうつむいている。

    「彼女、一体誰なんだ?」

    林太郎は疑問に思ったことを口にしただけなのだけれど、その返
    答に戸田は本当に困った顔をして、林太郎を見た。仕方がなく林
    太郎は小さなため息をつき、曖昧に笑う。誰なのか教えてという
    意味合いの笑みだった。

    「本当に、お前ってやつは。あの子はこのクラスに編入してきた
     転校生。名前は渡辺小百合。分かったか?」

    林太郎が目を見開くと戸田は呆れたように手を上げた。林太郎は
    驚いていた。彼の説明によると、どうやら彼女はこの二年一組の
    一員となるらしい。彼女をよく見ると、確かに戸田の言った通り
    可愛らしい子だった。顔が小さくて、目鼻立ちがはっきりしてい
    る。

    「それじゃあ、渡辺さんにはあの席に座ってもらいましょう」

    担任の教師が指さしたのは驚くべきことに林太郎の隣の席だった
    、ということはなく窓際の一番後ろの席だった。林太郎は廊下側
    の一番後ろだから彼女から自分は遠いと思った。
    横眼でちらりと見ると、彼女の机に残暑の強い日差しが降り注い
    でいて眩しそうだった。彼女が眩しさに目を細める姿に、何だか
    胸が痛いと感じたのは、気のせいだろう。

    林太郎は大きな欠伸を一つ吐く。
    それから神社のタイムカプセルはどうなっているだろうな、と考
    えた。
  • 65 伊藤 夏生 id:4Sk/NzP0

    2011-08-30(火) 21:09:23 [削除依頼]
    十年後


    林太郎は汗を拭いながら、パソコンの画面と睨み合っていた。
    明日になるまであと一時間もないが、彼は今年分の仕事をまだ終
    わらせていなかった。
    伸びてきた髭も剃れず、今にも落ちそうな瞼をこする。もう、こ
    こ二日、徹夜で仕事を片付けているのだ。もちろん会社には泊り
    込みである。冷房の消された風通しの悪いオフィスで林太郎は一
    人、仕事と格闘していた。

    目頭がズキズキと痛み、肩もこっている。体が疲れていることは
    分かり切っていたが、派遣社員の身ゆえ下手に終わらせないで夏
    休みを迎えれば、仕事始め早々自分だけ仕事がないかもしれない
    のだ。明日から実家に帰るし、当分は会社に戻れない。
    となれば、今日中に仕事を終わらせたかった。

    エンターキーを力なく押して、林太郎はしばし休憩をとることに
    した。
    もうすぐ仕事は片付くが、少し休憩しなければ身が持たず、仕事
    を終える前に自分が終わってしまいそうだった。

    オフィスから抜け出して、薄暗い廊下に出る。
    都心にある高層ビルの七階と八階が林太郎が雇われる会社のオフ
    ィスだった。
    廊下の殆どの電灯がすでに消え、付いているのは自動販売機の照
    明くらいだ。自動販売機で眠気覚ましの缶コーヒーを買って、林
    太郎は壁を伝って歩いた。足元は暗闇で何か転がっていたら躓い
    てしまう。
    少し歩き、角を右に曲がると喫煙所がある。
    喫煙所では先日まで、人が入ると自動で電気がつくようになって
    いたが世の中の禁煙ムードに会社も触発され、とうとうその機能
    は廃止になった。
    確かに、ここを使っている人は最近あまり見かけなくなっていた
    。目にしたとしても、独身の五十代くらいの男性を数名だ。
    世の中に反発するつもりはないが、林太郎は煙草をやめなかった
    。単にやめるきっかけがないのもあるし、煙草を吸わないと落ち
    着かなかった。
    「若いのにねえ」と喫煙所で知り合った人に言われたことがあっ
    た。彼は妻子を持ち、なかなかの経歴がある上司だったが先々月
    に肺がんで亡くなった。葬式には行かなかったが、煙草が主な原
    因なのは言うまでもないだろう。
    しかし、そんな事実を目の当たりにしても自分がなぜ煙草をやめ
    ないのか。吸い始めたのは、いつだか思い出せないが何か理由が
    あったはずだった。さて、その理由は何だったかな、と林太郎は
    頭を抱えた。
    少し間をおいて、胸ポケットから煙草とライターを取り出した。
    ライターはパチンコの景品で煙草は一番安いものだ。
    火をつけ、煙を吸う。吐き出した煙は天井についている換気扇の
    方へと昇っていく。くねりくねりとゆっくり上がっていく姿はま
    るで龍のようだった。
    そのまま頭の中のもやもやを連れ去ってくれないか、林太郎はそ
    う心で問いかけた。煙は当然反応もなく、ただ緩やかに換気扇へ
    と吸い込まれるだけだった。
    瞬間、持っていた缶コーヒーが手から滑り落ち、静かな喫煙所内
    にからんと音が響いた。缶が地面に着いたときに缶からコーヒー
    が溢れ出し、黒い色が床に広がった。
  • 66 伊藤 夏生 id:23dZ5Wg/

    2011-08-31(水) 14:03:54 [削除依頼]
    ビルが多少傾いているのか、溢れ出たコーヒーは床の一点に集ま
    っていった。喫煙所の中心だ。
    部屋は立方体のような形で、出入り口の向かいにベンチがある。
    四つ角に金属の吸い殻入れが設置され、そのあたりの壁はあまり
    掃除されていないのか特にヤニで黄ばんでいた。
    黒い液体は、ちょうど換気扇の下に溜まった。床の中心が少しく
    ぼんでいるようにも見える。林太郎はほとんど何も考えず、その
    くぼみに溜まった黒い液体をを眺めていた。天井に着いている蛍
    光灯が液体の表面に反射して、黒い色に磨きがかかったように見
    えた。つやつやと光るそれに林太郎は心を奪われていた。

    すると突然、奇妙なことが起きた。
    黒い液体はぐつぐつと音を立てた。沸騰したように泡を出し始め
    たのだ。そして徐々に湯気のようなものが立ちのぼり、先ほどの
    煙草の煙のように換気扇に吸いこまれていった。ただ、ゆっくり
    と静かにゆらゆらと昇っていった。
    林太郎はそれを見て何だか心が痛むような、しかし他のどこかの
    部分で、それを美しいと思っていた。現実には到底あり得ないこ
    とだがそれを不思議と林太郎の脳は受け入れていた。
    何かの、誰かのメッセージかもしれない、などくだらないことを
    考える。

    そのあとオフィスに戻ってデスクに向かうと何故かやり残したと
    思っていた仕事は片付いており、やはりあれは夢だったのかもし
    れないと思い始めた。
    そこで日が差してきた。時計を見るともう朝を迎えていた。

    「ああ、やっぱり僕は夢を見ていたんだ」

    そうやって独り言をオフィスに残し、林太郎は自宅へ戻った。
  • 67 伊藤 夏生 id:23dZ5Wg/

    2011-08-31(水) 14:11:38 [削除依頼]
    (独り言)

    わあ、これはまずい。
    これで結末に辿り着けるのだろうか。

    もともと、プロットをしっかり立てない自分の責任か(笑)
    文章も意味が分からなくなってきたし、
    混乱状態。
    どうにか立て直さなくては。
  • 68 善寺 梅雨ヒロ id:u1SiEjs/

    2011-08-31(水) 19:01:08 [削除依頼]
    恋愛モノって難しいですよねー
    僕の小説から学んで頂けるなんて、非常に嬉しいですねー。でも、僕の実力はまだまだ低レベルですからw
    はい!お互い頑張りましょう!
  • 69 伊藤 夏生 id:hDzF6El0

    2011-09-03(土) 15:57:29 [削除依頼]
    >>68 そうですよねー でも善寺さん書く小説は特に好みな感じです。 ではそろそろ、現実逃避はやめて続きを書きます。
  • 70 伊藤 夏生 id:x3O0lFu1

    2011-09-04(日) 15:37:47 [削除依頼]
    故郷の最寄り駅に林太郎は降り立った。最寄りと言っても、ここ
    からさらに三十分かけて自分の住んでいた町に行かなくてはなら
    ない。
    バスに乗り込み、料金を払おうとカードを出すと運転手が申し訳
    なさそうな顔でこちらを見た。何だ、と思うと彼はこう言った。

    「すみません。こちらのバス、カードは使えないんですよ」

    凛々しい顔立ちの彼は、イメージよりも柔らかな物腰で林太郎に
    謝った。同世代くらいだと思われる彼には若々しさと大人びた感
    じが混じった、不思議な雰囲気があった。
    仕方ない、ため息をつきバックから小銭入れを取り出した。しか
    し、その中に小銭は殆ど入っていなかった。

    「ああ、しまった」林太郎は言葉をこぼす。
    「どうされました?」運転手がそう言った。その声は先ほどより
    少し面白そうに、何かを楽しんでいるように聞こえた。

    慣れ慣れしい表情を不快に思いながら、林太郎は言った。

    「いやあ、小銭がなくて」
    「なら、札を崩そうか?」

    いきなり敬語をやめた運転手に驚いた林太郎は、彼の顔をまじ
    まじと見つめた。随分と客に向ってい失礼な態度をとるなと、
    林太郎は苛立った。運転手は林太郎の様子を見てにたりと笑い
    、いかにも何か言いたそうにしていた。

    「何ですか?僕の顔に何か付いてます?」

    不快を露わにして林太郎は運転手を睨んだ。いささか、彼の態
    度には客と運転手以上の関係を示すようなものがあった。彼と
    林太郎は初対面であるはずなのに、運転手は友人のような態度を
    とるのだ。

    「覚えていないのか?伊藤」

    もう一度、運転手はにたりと笑った。しかも、林太郎の名前を
    呼んでいる。なぜ、自分の名前を知っているのだろうか。疑問
    に思いながらも林太郎の脳裏には、一人の男の名前が浮かんで
    いた。

    「戸田、なのか?」

    名前を声にすると、林太郎の心の中に懐かしさが広がった。じ
    わじわとたくさんの記憶が蘇り、心拍が上がる。

    「そうだよ。久しぶりだな、伊藤」

    彼は高校時代の同級生、戸田健太だった。元サッカー部キャプ
    テン、憎たらしい男前だ。彼の笑顔は高校時代のようにきらき
    らと輝き、眩しかった。ただ、そこにはやはり大人びたような
    仕事盛りの男といった雰囲気も確かにあった。

    「お前、地元で働いてたのか」林太郎はバスの車内を眺めて、
    笑う。
    「そうなんだ。こっちの方が楽だぞ。毎日、飯は母ちゃんがつ
     くってくれるわけだから」

    そこで、バスの後ろのタクシーが大きなクラクションを鳴らし
    た。早く進め、という意味合いだ。そういえば、ここは駅だっ
    たのだなと林太郎は思った。

    「おっと、いけねえ」

    戸田は慣れた手つきでハンドルを回し、駅の前の道路を真っ直
    ぐ進んで行った。彼のその手はキーパーをやっていた頃と変わ
    らず大きくごとごつとしていた。

    「いやあ、でも懐かしいよな。伊藤は都会に出たのか。何して
     るんだ?」

    林太郎は運転手に一番近い座席に腰をおろし、自分の会社の説
    明をした。
    バスの中は明るい朝の日差しに照らされて、光沢のある床はそ
    の光を反射し輝いていた。よく見るとバスは古いが丁寧に手入
    れが行き届いていた。スプリングのきかなくなった緑色の椅子
    は初めて乗るのに安心感と親しみがあった。
    林太郎が淡々と仕事の話と思い出話を語っているのに耳を傾け
    頷きながらも戸田は、巧みにハンドルを切った。

    「そういえばさ」

    話が途切れたところで戸田は林太郎をバックミラー越しに見て
    突然に言った。

    「野上さんとはどうなったんだよ」

    野上。野上成美だ。林太郎はその名前を聞いて、まるで自分が
    タイムスリップしたかのような感覚になった。これは過去の記
    憶が一気に思い出されたためなのだ。頭には再び文字が浮かび
    あがる。

    タイムカプセル。あれは今頃どうなっているのだろうか。
    高校時代の記憶を林太郎は精一杯思い出した。
  • 71 伊藤 夏生 id:x3O0lFu1

    2011-09-04(日) 15:44:18 [削除依頼]
    (独り言)

    「アシンメトリー」だとか「メランコリー」とか
    そんな感じの言葉の語感が好きだったりします。

    ただ、好きな割に横文字は苦手で上手く使えない自分。
    よく使う横文字は、「アイスクリーム」

    食いしん坊万歳です。
    ※別に伊藤は太ってはないですよー別に。
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