The Paladin Wanders6コメント

1 吉光商人 id:ez-eUVN3l//

2011-08-14(日) 10:19:26 [削除依頼]


 その刃を寄越せ。
  • 2 吉光商人 id:ez-eUVN3l//

    2011-08-14(日) 10:26:51 [削除依頼]
    初めまして吉光商人と申します。
    「The Paladin Wanders(ザ パラディン ワンダーズ)」は「放浪する聖騎士」とかそんな意味です。自分ではパラワンと略してます。
    ジャンルはバトル×ファンタジー。
    世界大戦に勝った申国って国が周りのデカい国を倒してしまって急速拡大中。というのが物語の背景にあります。まぁ、詳しい事は物語の中で。では、宜しくお願いします。
  • 3 吉光商人 id:ez-eUVN3l//

    2011-08-14(日) 12:51:11 [削除依頼]

    [プロローグ]

     モノクロの中に業火だけが色を持っていた。木造の柱が焼け落ち、レンガの壁が押し倒され、砲弾によって屋根瓦は飛散した。しかし、人々の叫び声、発砲音、瓦礫の崩れる音、その他全ての音が遠くから響いているように迫力が無い。そこでサメサメはあぁ、これはあの日の事を夢に見ているんだ。と気付く。
     統率のとれた申国軍が銀色の甲冑を着けて進んで行く。サメサメはその後ろ姿を睨み付けた。お前らがぐずぐずしている内に私の村は火の海だ。と心の中で毒づく。ただ、当時七歳であるこの日の彼女は村を襲う敵から逃れるので精一杯で、それ以上に何か出来る訳ではなかった。
     隊列をそのままに、申国軍は村の中心部へと歩を進める。向かう先には人の5から10倍もの背丈がある魔物が、積み木遊びをする赤子のように民家を打ち崩している。サメサメはそいつから出来るだけ離れようと、申国軍と逆方向へと駆け出そうとした。が、何かを探すように周りを見渡して立ち止まった。行き交う人々に押されながら、必死でその何かを探している。
  • 4 吉光商人 id:ez-eUVN3l//

    2011-08-14(日) 15:05:28 [削除依頼]
     いよいよ不安が彼女を満たし始め、泣き出しそうになった頃になってふいに後ろから肩を掴まれた。サメサメは掴まれた手を握りながら振り返る。

    「お母さん!」

     探していたものが見つかった安堵感は一瞬の事だった。サメサメの表情はすぐに不安へと戻り、今度は更に深い恐怖に包まれていった。
     サメサメの肩を掴んだ母には、既に右足の膝から下が無かった。残った左足も、深い傷から溢れ出した血糊と泥とで真っ黒くなっている。そこまでの重傷を負いながらも気を失わないでいる母の姿から、サメサメは目が離せずにいた。しかしそれは余りにも衝撃的な、絶望的な光景だった。
     涙でぐしゃぐしゃになった目を、それでも更に両手で擦って拭う。

    「お母さん……っ!」
    「いい? これを持って逃げるの……ルアフィールドも、申国も無い、あなたが生きられる場所まで逃げるの」

     母から手渡されたのは両刃の短剣だった。特徴的なのは50センチ程の刃と同じ位長い柄である。
     サメサメが受け取ると同時に母はその場に倒れ込んだ。助け起こそうとするサメサメの手を払いのけて、掠れる声で母は叫ぶ。

    「私はいいの、速く! 出来るだけ遠くへ逃げなさい!」
  • 5 吉光商人 id:ez-eUVN3l//

    2011-08-14(日) 16:18:36 [削除依頼]
     今まで見せたことの無い母の表情に圧倒され、サメサメは言われるがままに駆け出す。
     人々とぶつかり合い、火から逃れ、火薬の臭いが遠ざかってもなお、彼女は手渡された短剣を強く握りしめながら足を止めない。脇腹が刺すように痛み出しても、村から森へ突入しても、先程までの喧騒が遠くに離れても彼女の恐怖は拭い去られる事はない。
     喉がカラカラに乾いても辺りは完全に森であり、川なども期待出来そうになかった。着ていた白いワンピースが泥まみれに汚れてしまったのは遥か昔の事に感じられる。体力の限界を感じたサメサメは大木に出来た窪みを見つけ、そこへ身を隠した。そして短剣を抱いて小さくなって気を失うように浅い眠りに入った。


    「お頭、サメサメのお頭」
    「んっ……あぁ、ボンノザか」

     子分に揺さぶられ、サメサメは目を覚ました。短剣を握っていた手に力が入っている。
     夢で見たあの日から8年が経っていた。当時7歳だったサメサメも15歳になっている。
     サメサメが上体を起こしたそこは大木の枝の上である。その大木はサメサメが率いる盗賊の根城になっている大木で、イカダを積み上げたようなツリーハウスが幾つか乗っかっていた。
     子分のボンノザはサメサメの耳元で囁く。

    「奴です。エルです」

     それを聞いてサメサメはにぃっと笑みを浮かべ、枝の上で立ち上がる。
     サメサメは服全体を黒いで統一していた。レザージャケットは袖が無く、へそも出る仕様で、ホットパンツから伸びる白い脚は細く頼りない。腕に巻かれた包帯も、足首までしっかり固定されたサンダルも全て黒い。
     鬱蒼と茂る森の奥の方で木々が揺れ、幹が折れる音がする。既に戦闘は始まっているようだ。
     短剣を持ちながら屈伸運動をした後、まるでプールの飛び込みをするかの様にサメサメは枝の上から跳んだ。肩まで伸びたストレートの黒髪が広がる。そして落ちながら子分に呼び掛けた。

    「行くぞォ、野郎共!」


    [プロローグ]END
  • 6 吉光商人 id:ez-eUVN3l//

    2011-08-14(日) 16:39:31 [削除依頼]
    [1]

     銃器をいち早く取り入れ、世界大戦に勝利した申国は、その後北のルアフィールド、東大陸のヌヴァの二大国を撃破し、世界の王へとのし上がった。だがしかし、山岳地帯の続くルアフィールド奥地、元々魔物の多く住むヌヴァ周辺を実質的に治めるまでには至らなかった。
     終戦後の世界を申国軍が統治するのは時間の問題であるが、それでもルアフィールド、ヌヴァを中心に無法地帯がしばらく残るであろうことは誰の目にも明らかである。そんな世間で存在感を強めたのが賊達と、それを捕まえる賞金稼ぎ達だった。
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