@キスよりも甘く。8コメント

1 一期一会 id:tzam.El1

2011-08-13(土) 16:17:58 [削除依頼]

Plorog*

ただ、ただ──成宮さんの側にいられるだけで、嬉しいのに。

ぎゅうって強く抱きしめられたとき。
優しくキスをされたとき。
手を握り返されたとき。
「好きだ」って言われたとき。

誰よりもこの胸を熱くさせるのは、成宮さんだけです──。
  • 2 一期一会 id:tzam.El1

    2011-08-13(土) 16:18:52 [削除依頼]


    To樹里
    From成宮廉
    題「ごめん」

    連ドラの主演に決まった。
    今日は帰れない。
    本当にごめんな?
    明日は絶対に早く帰ってくる。


    しょうがないよ、よくあることだもん。
    成宮さんにとって仕事は大切なものだし……無くちゃならない。
    わがままなんて言ったら、嫌われちゃう。
    でも……本当はすごく寂しい。

    樹里は唇をかみ締めながら、携帯を閉じた。
    勉強をする気にもなれそうにないな……。
    立ち上がって、ベットに勢いよく倒れこんだ。
    側にあったクマのぬいぐるみを、ぎゅうっと強く抱きしめた。

    成宮さんは人気者だから。
    たくさん主役を貰って、CMにも出演して、忙しいんだ。
    帰ってくるまでにおいしいものを作っておこう……。

    樹里はただ、溢れそうな涙をこらえながら、クマを抱えて眠りについた。
  • 3 一期一会 id:tzam.El1

    2011-08-13(土) 16:34:38 [削除依頼]


    「お疲れ様でした。」
    「おっ、成宮くん。今日も良かったよ。キミの演技は世界一かっこいいよ。じゃあ、明日もよろしくね。お疲れ様。」
    「……成宮さん、今日はありがとうございました。」

    隅の方から顔を出したのは、成宮と共演したヒロイン役の小島夏樹。
    控えめな態度は、今回の連続ドラマにぴったりそうだった。

    「こちらこそ、ありがとうございました。」
    「いえ……。私なんか、NGばっかり出しちゃって、迷惑かけて……。すみません。」
    「そんなこと……。」

    深々とおじぎをする夏樹に、成宮は首の裏を掻いた。

    「あの! 今日、私でよかったら、お食事でもしませんか……?」

    ためらいがちに聞いてくるその表情は、ドラマのワンシーンのようだ。
    成宮は脳裏に1人の顔を浮かべた。

    「……すみません。実は、待ってる人がいるんです。」
    「あ、そうですか。分かりました。迷惑ばかりですみません。では、また明日。」
    「また。」

    小走りでスタジオを後にする夏樹は、寂しげに見えた。
    成宮はすまなそうな顔をした後、すぐさま追うようにしてスタジオを後にした。
    局を出てすぐ、成宮は携帯を取り出して、脳裏に浮かべた人に、電話をかけた。
  • 4 一期一会 id:tzam.El1

    2011-08-13(土) 16:43:40 [削除依頼]


    「もしもし。」
    『もしもし。』
    「樹里? 俺だけど。」
    『分かってますよ。』

    その落ち着く声が電話を通して聞こえてくる。
    世界で1番に大切な、樹里の声。
    でも、いつもと違ったように聞こえた原因は、成宮にあった。

    「ごめん。でも、仕事終わったんだ。今から帰る。」
    『そうですか……。』
    「あのさ。」
    『……何ですか?』
    「ごめんな?」
    『えっ?』
    「怒ってる? 俺が忙しいから、会えなくて。」
    『そんな……! だって、成宮さんは人気者だし、今は引っ張りだこの俳優さんなんですから、忙しくて当たり前なんです。わがままなんて、言ってられないんです。』
    「樹里。」
    『私は1人でも大丈夫なんです……。寂しくなんて……。』
    「……樹里。」

    樹里がこんな風に、ペラペラと早口で喋るときは、落ち着きのない時。
    樹里が「大丈夫です」と言ったときは、大丈夫じゃない時。
    樹里はいつもこうだ。

    「すぐ帰るから。早く樹里の顔が見たい。キスしたい。」
    『……えっ!?////』
    「いっぱいキスして、昨日触れなかった分、触りたい。」
    『な、なっ、成宮さん!!///』
    「すぐ行く。」

    そう成宮は言い切って、走り駅に向った。
  • 5 一期一会 id:tzam.El1

    2011-08-13(土) 17:03:27 [削除依頼]


    「成宮さんの……いじわる……。」

    電話を切り、樹里はキッチンに向った。
    成宮の大好物であるセロリの炒め物を作る最中、1本の電話が鳴った。

    『もしもし……。私、小島夏樹といいます。スタッフの方から電話番号を聞いて、電話をかけました。勝手にこんなことして、すみません。成宮さんですか?』
    「はい。今、成宮さんなら……。」
    『あ、もしかして……成宮さんの彼女さんですか? 可愛らしい声なもので、びっくりして。いつごろに帰ってくるかはご存知ですか? 実は、ちょっと用がありまして……。』

    少しムッとしたような声で、樹里はきつく言い返す。

    「そういうことなら、私が直接、聞きますけどっ。」
    『あ……。そんな、大した用じゃ……。』
    「あーそうですか。大した用じゃないようなら、直接スタジオでお話になるのはどうですか? 今、忙しいんで!」

    相手の用も聞かず、樹里は強くボタンを押し、受話器に戻す。
    「小島夏樹」の名前は知っていた。成宮さんの出るドラマのヒロイン役。
    おしとやかな顔をして、黒髪とぱっちり二重が印象的。
    可愛いからって、成宮さんはそんな風に簡単に鼻の下を伸ばすような人じゃ……。

    <ピンポーン>

    「成宮さんだ! せ、セロリ!」

    慌ててセロリの炒め物を皿に盛り付け、樹里はドアの前に立った。
    ──この瞬間が1番ドキドキするよ……。
  • 6 一期一会 id:tzam.El1

    2011-08-13(土) 17:18:48 [削除依頼]

    ゆっくりゆっくり、樹里はそのドアに手を伸ばした。
    そして、開けたその先には、少し息を乱した成宮が、笑って待っていた。

    「樹里……。」
    「わっ。」

    背中のリュックも下ろさずに、成宮は樹里のほうへ寄り添い、ぎゅっと抱きしめる。
    成宮さんの匂いがする。ずっと会いたかった、成宮さんが側にいる。
    樹里は心が満たされたような気がして、涙をこぼした。
  • 7 一期一会 id:tzam.El1

    2011-08-13(土) 17:19:57 [削除依頼]


    「キスしていい?」
    「き、きっ聞かないで下さい! 恥ずかしいのに……。///」

    樹里は顔を真っ赤にしてそう応えた。
    成宮は手を樹里の頬に置き、ぐっと樹里の顔を引き寄せた。
    必死に背伸びする樹里を見ると、愛しさがこみあげてしょうがない。

    「ん……。」
    「また声出してる。もっとして欲しい?」
    「成宮さんはずるいです……。んっ……。」
    「はぁ……。樹里、可愛い。その顔、反則。その声も。」
    「だってそれは、成宮さんが……。」

    成宮は樹里の唇に、人差し指を立てた。
    そして、告げるようにこう言った。

    「それ以上言ったら、体がもたないから。樹里のこと、もっと欲しくなる。」
    「え……?//」
    「ハハッ。良い匂いする。樹里が作ったの? 食べたい。」

    小さく笑った成宮さんが、また私をぎゅっと優しく抱きとめてくれる。
    甘えるような声をして、でも私よりずっと大人なんだ──。
    その優しさに、私は、もっと成宮さんに夢中になるんだ。
  • 8 一期一会 id:tzam.El1

    2011-08-13(土) 17:28:42 [削除依頼]


    作りたてのパセリの炒め物に、成宮は「すげー」と声を漏らした。
    そのふいに出た声に、樹里は小さく微笑んだ。

    「いただきます。」

    パクリと大きなひと口で、かみ締めるように食べた成宮。
    樹里はその成宮を見て、反応をただ黙って待っていた。

    「んっ……!」
    「あ、えっ。すいません! お口に合わなかったですか……?」
    「うっそー。超おいしい。うますぎて、泣きそうになった。」

    ほろりとこぼれる様な笑顔は、樹里の胸に大きく響いた。
    すると成宮はテーブルに手をついて、向かいに座る樹里のおでこにキスをした。
    声をあげた樹里は、顔を赤くしておでこに手を当てていた。

    「そのキスは、ありがとうって意味。」
    「ど……どういたしまして……。」

    テレながらも樹里は、言葉を返した。
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