少女の願い34コメント

1 春夏冬 id:REI4wSG/

2011-08-09(火) 17:01:37 [削除依頼]
初めて書きます。
基本、PSPからの投稿が多いかもしないので、誤字、脱字が多いかもしれません
よろしくお願いします
  • 15 春夏冬 id:pJzOqyk.

    2011-08-10(水) 23:35:20 [削除依頼]
    「ふむ、井上幸ちゃんね。良い名前だ」
     暖かい日差しが降り注ぐ公園。様々な利用者がいるその公園に、一組の男女が話をしていた。
     一人は、小学校低学年ぐらいの女の子。先ほど、自らの名前を『井上幸』と名乗ったその少女は、相手の顔を見ずに俯いている。表情は伺えないが、その様子から、良くないだろうという事は想像できた。
  • 16 春夏冬 id:pJzOqyk.

    2011-08-10(水) 23:54:11 [削除依頼]
     もう一人は、スーツ姿の青年。容姿に特に際だった特徴はなく、そういった普遍的な外見や、時期が四月という事もあってか、一見、新人社員の様にも見える。
     おかしな点と言えば、目の前の少女に自らの事を『悪魔』と名乗ったこと。それが、唯一にしてもっとも強烈な彼の特徴だった。
     そんな二人は、そのどこかずれた組み合わせから、公園では少し浮いた存在になっていた。
     しかし、そんな事は気にかけず、青年は、俯いている少女に対し口を開く。
    「さて、では次に住所と年齢、電話番号に加え、好きな食べ物をお答え下さい」
  • 17 春夏冬 id:mg3/Jio0

    2011-08-11(木) 00:03:36 [削除依頼]
     いつまでも顔を上げない少女を気遣ってなのか、それとも調子の良い性格なのか。
     どちらにせよ、青年の発した冗談は、しかし反応が帰ってくることはなかった。
     そんな少女の様子に、青年は困った風にため息を吐く。
    「どうしたのさ、さっきまであんなに元気だったのに、急に萎れちゃって」
     子供って喜怒哀楽が激しいよなあ。と、重い息を吐き出す青年。
  • 18 春夏冬 id:mg3/Jio0

    2011-08-11(木) 00:17:02 [削除依頼]
     それに対し、少女は「別に」と短く返すのみ。その拗ねた様な様子に、青年は更に大きなため息を吐く。
    「なんだよ、何が気に食わないんだよ。名乗ったから願いを言うのかと思えば、黙りこくっちゃってさ」
     先の少女の様に拗ねた様子でぼやく青年。大人びた身なりに反して、その喋り方はどこか子供じみていた。
    「分かんないの・・・」
     どうしたもんかと頭を悩ませる青年に、不意に、少女が話し出した。
  • 19 春夏冬 id:mg3/Jio0

    2011-08-11(木) 00:32:12 [削除依頼]
    「住所と年齢と電話番号と好きな食べ物が?」
     少女の声は少し震えていたが、青年の調子は変わらない。
    「うん、分かんない」
    「あ、さいですか」
     少女の短く、冷たい返答に、青年は調子を崩したのか途端に大人しくなる。
     好きな食べ物ぐらい分かるだろという呟きを無視し、少女は続ける。
    「本当にお願いして良いのか、分かんないの」
  • 20 春夏冬 id:N2C5aop.

    2011-08-11(木) 23:18:40 [削除依頼]
     震えは、声だけでなく少女の体にまで広がっていった。
     肩を震わせる少女は、何かを堪えるように喋る。
    「パパに何度言っても会わせてくれなかったし。探すって言ってもダメだって怒られちゃう。・・・私は、ママに会いたいのに」
     少女は、何とか自分の気持ちを伝えようと口を開く。その内容は赤の他人には分かりずらいものだったが、それでも、少女は伝えようと口を開く。
     先ほどまで騒がしかった青年も、今は無言で少女の言葉を待っていた。
     ただ。
  • 21 春夏冬 id:N2C5aop.

    2011-08-11(木) 23:32:35 [削除依頼]
     ただ、これは俯いている少女には分からないことだが。
    「私は、私はママに会いたい!だけど・・・、パパは私にママと会ってほしくない」
     今も無言で少女の言葉を聞くその青年は。
    「私がお願いしちゃったら、・・・パパは」
    「よし」
     堪えていた。
    「え?」
     顔を上げた少女の目に映ったのは、笑顔。
     嬉しくて、楽しくて、堪らないと言いたげな笑顔。
    「それが君の願いだね。あー、良かった。このまま何もお願いされないかと思ったよ」
  • 22 春夏冬 id:QtKwqnx.

    2011-08-11(木) 23:48:11 [削除依頼]
    「え、あ・・・」
     呆然と青年の言葉を聞く少女。
     どう見ても話についていけて無いのだが、そんなのお構い無しと言わんばかりに青年は続ける。
    「いやね、最初は何の話だか分かんなくてね。何か長い冗談だろうかとさえ思っちゃってさ。でも、良く思い返してみると願い事言ってるのに気づいてさ。何だろ、その気づいた事が嬉しくってさー。アハ体験って言うのかな?これは」
     ペラペラと喋る青年と、口を開けてそれを聞く少女。実際は、青年の言葉は殆ど少女の頭には入っていないのだが、やる事を見つけた青年にとって、そんなのは関係ない。
     要は、願いを叶えるのがこの青年の、悪魔の全てなのだ。
  • 23 春夏冬 id:uE5Rik/1

    2011-08-12(金) 00:06:05 [削除依頼]
    「君の願いはお母さんに会うことだよね?じゃ、ちょっと待ってて」
    「っ!ま、待って!」
     今まで流れについていけてなかった少女だが、青年の発言で今の現状に気づいた。
     思わず出た言葉に、青年は首を傾げる。
    「ん?僕も待つの?それだと二人とも待って、待ち惚けじゃない?」
     まったくの的外れな事を言う青年だが、小学生の少女にそれが分かる筈も無い。代わり少女は自分の気持ちを青年に伝える。
    「わ、私がママに会っちゃうと、パパが悲しくなっちゃう。ママには会いたいけど、でもーー」
    「井上幸」
  • 24 春夏冬 id:uE5Rik/1

    2011-08-12(金) 00:32:05 [削除依頼]
     少女の話を遮って青年はその名前を告げる。その表情はやはり笑っているが、口調はしっかりとしたものだった。
    「君の願いはお母さんに会うことだ、そうだろう?」
    「でも・・・」
    「君は自分がお母さんに会う事でお父さんを裏切るとか、そんな風に思っているのだろう?まあ、別にそれは良い」
     青年は、自分の話に少女が何も言ってこないのを確認し、一呼吸置いてから続ける。
    「ただね、井上幸の願いはお母さんに会う事だ」
  • 25 春夏冬 id:Yt7sSn20

    2011-08-13(土) 01:31:03 [削除依頼]
     青年は同じ内容を何度も言ってくる。
     それが、どんな意味を持つのかを少女に教える為。
    「君の願いに、君のお父さんは関係ない。君のお父さんが何を願おうと、君がお母さんに会いたがっている事に変わりは無い」
    「そう、だけど・・・」
     そう言って、拗ねた様に口を尖らせる少女。まだ、青年の話に納得出来ないのだろう。
     それに気づいた青年は、苦笑気味に話す。
  • 26 春夏冬 id:Yt7sSn20

    2011-08-13(土) 01:54:50 [削除依頼]
    「ぶっちゃけ言ってさ、僕が君のお父さんに会ったら、そのお父さんの願い事も叶えるんだ。君のお父さんの願いが、君の想像通りの願いなら、結局、君はお母さんに会えなくなる」
     青年の言葉に、しかし少女は首を傾げる。
    「わかんない?要は君の願いは君の物なんだから、もっとわがままになりなよ、って事。お母さんに会える絶好のチャンスなんだから」
     そこで一端話を切って、少女の反応を見る。
     特に言い返さないのを見ると、青年は一言だけ言った。
    「君の願いを言って」
     結局、青年がどんなに言っても、少女の顔には未だ不安が残っていた。
    「わ、私の」
     それでも。
    「私の、願いは」
     少女は口を開いたのだ。
     自らの願いを言うために。
  • 27 春夏冬 id:Yt7sSn20

    2011-08-13(土) 01:56:34 [削除依頼]
    少女の願い
    少年の場合
  • 28 春夏冬 id:oLMumrD/

    2011-08-13(土) 02:21:06 [削除依頼]
     町内の、いくつかある公立高校の内の一つ。A高校。
     その教室では、月曜日という事もあってか多くの学生がどこか疲れた顔をしている。しかし、休み明けに友人に会えるのは嬉しい様で、殆どは疲れた顔をしながらも談笑を楽しんでいる。
     そんな、様々な会話がされる中で、二人の男子が他と同じ様に話をし始めた。
    「なあなあ、知ってる?」
     そう言って話しかけたのは、坊主頭の中肉中背の少年。その見た目は、野球部員をほうふつとさせ、現に、彼は過去に野球部員と間違われた事がある。
  • 29 春夏冬 id:w9Kkj.N0

    2011-08-16(火) 01:10:22 [削除依頼]
    「何が?」
     それに答えるのは、坊主頭の少年よりも幾分か背の大きい少年。その身なりは坊主頭の少年とは打って変わり、今時の若者といった風で、髪型には気を使っているのが分かる。
     二人は数ある机の内、一つを挟む様に座り、お互いの話の場としていた。
    「昨日さ、ネットとかで騒がれていたんだけどさ、凄いのが出たらしいぜ」
  • 30 春夏冬 id:w9Kkj.N0

    2011-08-16(火) 01:42:32 [削除依頼]
    「凄いの?何の話か掴めないんだけど、翔太」
     漠然とした物言いに、少年は分からないといった様に眉を潜める。
     対して翔太と呼ばれた方は、そういった相手の反応に満足気に笑い、話の続きを語る。
    「ずばり、超能力者だ!」
    「はあ・・・?」
     堂々と言う翔太に、間の抜けた返事を返す少年。
     相手に説明するために翔太は話の詳細を語る。
  • 31 春夏冬 id:eXRW7tt0

    2011-08-22(月) 23:35:00 [削除依頼]
    「いやな、駅前の公園あるだろ?昨日あそこで女の子が空飛んだんだってよ!」
     少々興奮気味で語る翔太。
     聞いている少年は奇怪な話に眉を顰めるも、話を遮ろうとはせずに黙って聞き続ける。
    「あ、その顔は疑ってるな?疑ってるだろ。確かに俺がこの話を聞いたのはネット上だけどな、証拠があるんだよ。写真という名の証拠がな!その時公園にいた人が写メを撮ってたんだよ!いや、あれは間違いないね。本物だ。証拠の写真見る?見るよな!あれ見たら拓海も信じるぜ!」
     翔太は早口でまくし立てたかと思うと、ポケットから携帯電話を取り出し、操作する。
  • 32 春夏冬 id:bUBmbhC/

    2011-08-23(火) 00:39:18 [削除依頼]
     そんな一連の動作を見て少年ーー拓海は、翔太に対して一つの評価を下す。
     ーーやっぱコイツ馬鹿だ。
     今までの彼を再認識する様なその評価は、翔太本人に聞かれたら口喧嘩に発展しそうなものだった。拓海はそういった嘲りの感情を出す事無く、証拠の写真とやらを待つ。

     翔太は単純な男だ。

     彼は疑うという事をせず、また、嘘をつく事も殆どしない。たまにつく嘘も、その全てが物の数秒で暴かれてしまう。ことごとく。何もかも。
     更には、彼は今時珍しく人助けをする。
     いや、しようとする。の方が翔太には会ってるかもしれない。
  • 33 春夏冬 id:yfgGyuk.

    2011-08-24(水) 00:25:12 [削除依頼]
     彼は、迷子の道案内から不良に絡まれている人の救出など、実に幅広くこなしていき、その全てを翔太は「助けたいから」といった、他人には理解できても納得しがたい理由で行う。
     ただし、それら全てが成功するわけではない。迷子への道案内は『一緒に迷う』、不良からの救出は『ともに被害者になる』なんて事がざらであり、そこが『人助けをする』では無く、『人助けをしようとする』になってしまう原因だ。

     人を助けるその姿を偽善者と指さす人間もいる。しかし、大半は見返りを求めないその姿を良い人と称し、その性格から翔太は数多くの人脈を有していた。
  • 34 春夏冬 id:jdbxBtj/

    2011-08-24(水) 01:03:11 [削除依頼]
     そして、そんな翔太を偽善者とも、良い人とも見ずに「馬鹿」と判断した少年は、その人脈の数ある一つに含まれる。
     拓海は翔太と違い、基本的には積極的に人とは関わろうとしない人間だ。どちらかといえば、人に懐疑的な面を持っている。
     その疑り深い性格が災いして友人は少なく、そんな中で、誰彼構わず好意を振り撒く翔太は、彼の数少ない友人の一人になっている。
     しかし、自分に話しかけてきた希少な友人を、拓海は馬鹿と嘲る。
     心中では嘲りながらも、彼は、今日も翔太の傍にいる。
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