白翼13コメント

1 陀次子 id:pC0qKBq.

2011-08-09(火) 16:26:49 [削除依頼]
 
 あの日、夕暮れに染まる教室の中で、

 君とであった。


             
  • 2 陀次子 id:pC0qKBq.

    2011-08-09(火) 17:07:40 [削除依頼]

     プロローグ

     今になって、後悔している。
    「なんでこんな学校に居るんだろう……」
     陽炎が渦巻くグラウンドを窓際の席から、僕は、頬杖をついて眺めていた。
     ふとした瞬間口から漏れてしまった僕の心境に気付いた、隣の席のミサキが、小声で僕に言った。
    「何?なんか言った?」
    「いや、何でもない」
     僕は適当に返事をつけ、黒板の方に目をやる。授業をしていた社会科担任が、一瞬僕とミサキを睨んだ気がした。気がしただけか。
     
     つまらない.

     ノートにそう書いてみた。真っ白なノートに。
     この真っ白というのは、ただ単に白いという意味ではなくて、何も書いてないという意味だ。僕は、ノートを録っていない。録る必要がないと思っているからだ。
    (歴史なんて、学んだところで何の役にも立たないだろ)
     だから、こうして関心のない授業のときには、ノートの1ページ目に自分の思いを気まぐれに綴っては、消している。故に、僕のノートの1ページ目は、少しシャーペンの芯の色でかすれている。
     つまらない。
     今の僕はその気持ちでいっぱいだった。つまらないのは授業だけではなく、学校もだ。
     数ヶ月前、この学校に入りたいと勉強をした自分の心中が、全く解らない。それは今であるから言えることなのかもしれないが、もしも、過去に戻れるのなら、普通の地元の学校に通うことを受験勉強中の僕に薦めよう。第一この学校を受験しようと思ったのは、母が薦めてきたからであって、僕の意思はない。ただ、反論もしなかった。

     僕の通う、ここ、全寮制都立イースト中学校は、成績優秀、才色兼備、文武両道を備えた者しか入学を許されない、超がつくほどのエリート中学校だ。名前の通り寮制で、ここに通う者は学校と渡り廊下で繋がっているまるで高級ホテルのような寮に寝泊りする。僕もそうだ。
     田舎から出てきた僕は、まず最初に、建物の豪華さに驚かされた。設立されたのが100年も前だと言うのに、古さをも感じさせないその建物は、見るものすべてを驚愕させる。例えるのなら……どこぞの童話に出てくる立派なお城と言ったところだ。
  • 3 SYARA id:4VYCvqf.

    2011-08-09(火) 20:10:11 [削除依頼]
    おもしろそう。。

    更新がんばってね(^^)
  • 4 陀次子 id:s2fBhul/

    2011-08-10(水) 10:45:10 [削除依頼]
    SYARAさん>
    ありがとうございます^^
    まだまだ未熟者ですかがんばります←
  • 5 陀次子 id:s2fBhul/

    2011-08-10(水) 11:01:50 [削除依頼]
     しかし僕はそんなイースト中学校が嫌でたまらなかった。
     わがままにしか聞こえない、というのは、自分でも解る。入試で、合格まで及ぶことのできなかった人たちがいるにも関わらず、僕はこんなわがままを吐き捨てていいのだろうか。
     解っている。
     そんなこと、解っている。
     むしろ、不合格をし、ごく普通の中学校に通っていた方がましなのかもしれないのではないか。
     整った設備、快適な生活、そんな中で生きるこの学校の生徒は、その由緒正しい学校の看板をも背負わなければいけないのだ。世の偏見は厳しい。制服を見れば、イースト中学校の生徒だということは解ってしまうのだから、もしその者が悪事をすれば、それは、普通の中学生が同じことをするより何倍も重荷にかかる。
     故に僕はストレスを抱えていた。

    「ハル、さっき頬杖ついてたでしょ」
     卵焼きを丁寧に口に運ぶ僕に、隣の席のミサキが問うてきた。
    「アレ、社会科の先生だったからよかったけど、うちの担任だったらえらい目にあってたわよ」
    「だろうね」
     僕はまた適当に返事をつけた。ミサキは頬をふくらませ、僕のお弁当のウインナーを素手でつかみ、口に放り投げた。
    「ちょ、何すんだよ」
    「別に、おいしそうだったから食べただけでしょ」
    「怒るなよ」
     ミサキはふんと鼻を鳴らす。
  • 6 瞬き. id:Oy7ay42.

    2011-08-10(水) 11:07:48 [削除依頼]


    うんbb


    こ-ゆ-系


    結構好きbb
  • 7 陀次子 id:s2fBhul/

    2011-08-10(水) 11:20:10 [削除依頼]
    「うちの担任、嫌いでしょ、ハル」
     椅子に座ったまま、ミサキが上半身だけ僕に近づき、耳元で言った。
    「嫌いっていうか、怖いかな。少し」
     僕の担任は、いわゆる熱血系だった。
     数学の教師でもある担任は、無礼な行動や不純な考えが嫌いで、勉強態度生活態度に関して、僕らに持論を押しつけてくる。
     ほんの少し前の出来事だが、数学の授業の時に、消しゴムで遊んでいた一人の生徒が、こっぴどく担任に怒られた。担任はその時、その生徒の頬を一発だけ平手でたたき、教室を後にしてしまった。僕はその時、この人とはかかわりたくない、と、心底思った。
    「もうすぐ夏休みだろ。」
    「そうね」
     不思議そうな顔でミサキがこちらを見る。昼休みは自分の席で食べ物を食べるのだが、喋ることは許されているので、僕は毎日こうしてミサキと喋っている。
    「僕、宿題とか課題とか、ついつい後回しにしちゃうんだ」
    「計画的にやらないと、先生に怒られちゃうわね」
     それに、とミサキは付け足す。
    「この中学校の課題はものすごい量らしいわよ。毎日コツコツやらないと、きっと終わらないわ。」
     意地悪そうにそう言う。
     夏休み中は、寮での生活をいったん離れ、それぞれ故郷での生活をすることが義務付けられている。そのため、友人などに教えてもらうこともできない。
    「嫌だな。だったら僕は夏休みなんていらないや。」
    「そうね」
     ここの学校の夏休みの課題は、最初の3日で終わらせることも、最後の3日で終わらせることもできないのだ。だとしたら、毎日をだらだらと過ごすのは不可能だろう。
  • 8 陀次子 id:s2fBhul/

    2011-08-10(水) 11:22:46 [削除依頼]
    瞬き.さん>
    ありがとうございます^^
  • 9 陀次子 いやあああ地震 id:K3rA0OF0

    2011-08-19(金) 14:51:48 [削除依頼]
    (嫌だな。答え、写そうかな……)
    「ちなみに回答は配られないから写すなんてことは、できないわね」
     僕の心を読み取ったかのようにニヤついたミサキだった。

     

     第一話「夕暮れに映える白」

     自覚はしていたのかもしれない。だけど、そういえば、と思えばもう夏休みが始まっていた。
     今は、電車を乗り継いで故郷へと帰る途中だ。都市部から離れていくほど、乗客の数は減ってきている。
     電車がゆっくりと止まる。それと同時に、到着の放送。
    「じゃあ、あたしはここだから」
     隣でボストンバッグを重そうに持ち上げたミサキは、開いたドアに向かって歩き出した。
    「気をつけてね、ミサキ」
    「うん、大丈夫。駅から近いから」
     ミサキが微笑むとともに、発進の放送が流れる。
    「よい夏休みを」
     ドアが静かに閉まり、また、電車はゆっくりと走り出した。

     それから僕が家に着いたのは、3時間後のことだ。
     駅では、母と6歳になる妹が待っていた。
  • 10 陀次子 元直弥 id:fngqk6u.

    2011-08-24(水) 16:55:26 [削除依頼]
     妹のサクラは、僕が電車から降りると同時に、僕にしがみついてきた。それから、にこにこと柔和な笑みを浮かべて、母が言う。
    「おかえりなさい。大変だったでしょう。」
    「ううん、平気だよ。……ん?」
     そこで僕は、来ていたワイシャツから、何か熱いものが伝わってきたことに気付いた。
    「にいぢゃあああ」
     見ると、サクラが涙をポタポタとこぼしながら僕を襲わんとばかりの表情をしていた。僕は母に助けを求める。
    「うふふ、サクラ、お兄ちゃんが帰ってくるの、楽しみにしてたのよ」
     僕のワイシャツに顔を押しつけながら、サクラはうんうんと頷く。
  • 11 陀次子 id:7S4t75S1

    2011-08-24(水) 20:05:58 [削除依頼]
     僕は、サクラの頭を撫でてやった。サクラはワイシャツに向かって何か唸っていたけれど、嬉しそうだった。
    「そこに車、停めてあるから、行きましょ」
     母が指をさした先には、紛れもない、僕の家の車があった。母が免許を取ったばかりの時に塀にぶつけてできたかすり傷もちゃんとある。何だか懐かしくて、顔が少しにやけてしまった。
    「行こう」
     歩き出した母を追うように、僕はサクラを抱き上げ、車のほうへと向かった。
  • 12 桂 直弥 id:cRXFohL.

    2011-10-23(日) 19:23:55 [削除依頼]
     母運転の「車の旅」は実に快適なものだった。
     田舎なだけあって、緑が燦々と輝いている。太陽が、都会よりも10倍は近く感じる。空気は、まるで無味だけれど、すがすがしかった。第一いちいち吸うのに味がついていたら怖い。僕は泣き疲れて寝てしまったサクラの頭を静かに撫でながら、車窓の外をぼんやりと眺めていた。母はどうだと言わんばかりの安全運転をするので、窓から見える景色はゆっくりとしたスライドショーだ。果てなどあるのだろうかと疑ってしまうような田んぼが、緑のじゅうたんのようだった。
     僕たち、家族三人を乗せた車は、ゆっくりと田んぼと田んぼの間を走る。実にのどかだ。
    「どう?寮生活は」
     母は僕にそう問いかけ、バックミラー越しに笑って見せた。
    「うん、楽しいけれど、やっぱり厳しいかな、色々と」
    「へぇ……。そうなの。ごはんは?おいしい?」
     興味を持ったかのように、次々と母は質問してくる。僕は車の窓を何気なく開け、ふわふわと流れる風に、髪をなびかせた。
    「まぁおいしいけど……僕は昼は自分で作ってるんだ。」
  • 13 桂 直弥 id:cRXFohL.

    2011-10-23(日) 19:44:33 [削除依頼]
     僕が昼食を自分で作っている理由は、二つある。
     一つは単に料理が好きだということである。部屋には、簡易的な小さいキッチンがついているので、料理をすることができるのだ。材料は母からの仕送りなどで賄っている。
     問題は二つ目だ。
     イースト中学校のほとんどの生徒は、地下にある食堂で食事をする。シェフに事前に頼めば、好きなものを作ってくれるという豪華さだ。メニューは豊富で、そこいらのレストランより富んでいるかもしれない。僕も朝食と夕食は食堂を利用している。
     しかし、食堂は地下にあるため、外の景色が見れないのだ。僕は自分で言うのもなんだけれど、人と建物と、あらゆる感情で押しつぶされそうな自分を、空を見ることで保っているのだ。故に、せめて昼食だけは教室で、静かに空を拝みたい。
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