アメジスト30コメント

1 桜もち id:2Z49xwl1

2011-08-08(月) 11:21:54 [削除依頼]
朝。
純白のカーテンが揺れている。
外は真夏日だけあってかなりの猛暑。

だが、秋広(あきひろ)の部屋はクーラーが利き、快適そのもの。
  • 11 桜もち id:fKwolFY0

    2011-08-10(水) 10:53:43 [削除依頼]
    F図書館はここから数分行った所にある。

    健の家に行くより近いから、健に連絡して図書館に来てもらおう


    カードを握り締めて、
    猛暑の中、図書館へ向かう。


    図書館へは年に2、3回来る程度。
    広いところでうっかりしていると迷子になりそう。

    えーっと
    カウンターっと…

    というよりもカウンターより
    彼女が居てくれる事を願っている。

    しかし、見当たらない。


    カウンターで20代くらいの女性従業員にカードを差し出す。
    「あの、今日バス停で拾ったんです」

    「あぁ、真柴さんのですか。ありがとうございます。
    彼女もここに勤めてるんで、もうすぐ来るはずです」


    そうなんだ
    ここで働いてるんだ

    確実に会えると分かり
    何だか嬉しい


     
  • 12 桜もち id:fKwolFY0

    2011-08-10(水) 11:01:54 [削除依頼]
    椅子に座り、本も読まずに彼女を待っていると、健が来た。

    「久しぶり。例の子は来た?」

    秋広は首を横に振る。
    いつにない真剣な表情を見て

    「もしかして一目ぼれした?」

    顔面が真っ赤になる。
    「ば…ばか!!んなわけねぇだろ」

    静かな館内に大声が響き、
    周囲の視線がこちらへ注がれる。

    秋広は我に返り、平静を装う。
  • 13 桜もち id:fKwolFY0

    2011-08-10(水) 11:07:13 [削除依頼]
    数分が経ち、
    「真柴さん、この方がカード拾ってくれたのよ」
    秋広と何故か健までもが席を経ち、奈津美に軽くお辞儀をする。

    奈津美はバス停で会った時とは違って
    ラフな服装で、髪も結んでいる。


    奈津美は天使のような笑顔で秋広を見つめる。


    すると、健は何か思い出したようで、
    女性従業員の近くへ行く。

    耳元で何か聞いたようだ。
  • 14 桜もち id:fKwolFY0

    2011-08-10(水) 11:14:52 [削除依頼]
    秋広は不思議に思う。

    奈津美が本の整頓をしている間、
    従業員の内田(うちだ)は、秋広と健を談話室へ招く。


    お茶を出し、話始める。
    「お二人は真柴さんとは知り合いなんですか?」

    まるで保護者みたいな口ぶり。

    「いえ…今日、たまたま見かけた程度で」
    そんなに深刻で重い話なのか

    秋広のコップを握り締める手は水滴が染み付いている。


    内田は飲んでいたお茶をテーブルに置き、
    「今日会ったばかりの人に話すかべきかどうか分かりませんが、
    これからも関わりあるかもしれないので前もって言っておきます。
    真柴さんは…知的障害なんです」
  • 15 桜もち id:fKwolFY0

    2011-08-10(水) 15:13:16 [削除依頼]
    バシャ…

    秋広は手元を滑らせ、お茶をこぼしてしまう。
    やはり動揺を隠せない。

    一方の健はどうやら知っていた様で、驚いていない。


    「日常生活に支障をきたす事はさほどないの。
    本よく読んでるから読み書きも出来るし。
    ただ…」

    俯いて言葉を濁す。
    「あまり難しい言葉や障害と関係あるか分からないけど、
    感情表現が過剰になったりする時あるのよ。
    それに、激しい運動も苦手みたいだし」
  • 16 桜もち id:fKwolFY0

    2011-08-10(水) 15:17:40 [削除依頼]
    室内に静寂が漂う。
    それを打ち破るように健は口を開く。
    「僕、昔この辺に住んでたんで真柴さんの事ちょっと知ってました。
    正直、あの頃は小さかったんでよく分からなかったですけど」

    秋広は両手を握り締めたまま、何も言わない。


    館内を出るまでの間。
    秋広は奈津美をまともに見たかも記憶にないまま、ぼう然としている。

    奈津美が知的障害だからといって
    別段、接し方を変えなくてもいいのだが
  • 17 桜もち id:gukEL4t0

    2011-08-11(木) 09:50:12 [削除依頼]
    自宅へ着いてもその虚無感から開放されることはなく…

    夕飯時、人形の様にじっとしている姿を見て母の由梨(ゆり)は
    秋広の目の前で手をひらひらさせる。

    秋広は何かが弾けた様にはっとする。
    「どうしたの?何かあった?」

    今日の事の顛末が頭の中で渦巻いているが、
    口から外に出せない。

    「ううん、何でもない」
    必至に作り笑いを浮かべる。
    僅かしか夕飯を食べず、自分の部屋に入った途端、ベットに寝そべる。
  • 18 桜もち id:gukEL4t0

    2011-08-11(木) 09:58:23 [削除依頼]
    目を閉じるたび浮かんでくる彼女。

    きれいな黒髪。
    澄んだ瞳。

    そして
    曇りのない笑顔。

    また会えるとは限らないのに
    どうして気になるんだろう


    秋広は髪の毛をくしゃくしゃっとかき、
    無理やりにでも寝付こうとする―。
  • 19 桜もち id:gukEL4t0

    2011-08-11(木) 13:39:14 [削除依頼]
    翌朝。
    昨晩は眠ったか否かさえも分からない状態。
    混乱しすぎて思考停止とでも言うか。


    秋広は、ベットに横たわったまま動けずにいる。
    何もする気が起きない。


    コンコン
    由梨が入って来る。

    「調子はどう?今、クラスの子が来てるけど」

    クラスの子?
    誰だろ

    重たい身体を起こし、玄関へ。


    クラスメートの緑ヶ丘 冬子(みどりがおか とうこ)がいる。
    美人だが、パワフルな性格で尻に敷かれそうなタイプ。
    「今日、クラスの参加できる子達でバーベキューする事になったの。
    新堂くんも良かったら来ない?」

    バーベキュー…
    あぁ、そういえばそんな話もあったような

    秋広の目が据わっていない状態を見て
    「瀬戸内くんも来るみたいよ」

    健もくるのか
    まぁ、暇だし家にいるとろくな事考えないからな


    「じゃぁ、決まり!これから買い出しに行くの。手伝って!」
    秋広は冬子と共に町へ繰り出す。
  • 20 桜もち id:gukEL4t0

    2011-08-11(木) 13:54:05 [削除依頼]
    家族連れ、カップルが賑わう町中。
    冬子は極暑の中、向日葵の様な元気な姿で振舞う。

    「新堂くんは夏休み何処か行くの?」
    秋広は心ここに在らずという状態。

    「大丈夫?夏ばて?」
  • 21 桜もち id:fQHBC7A0

    2011-08-18(木) 15:20:02 [削除依頼]
    冬子が顔を覗きこんでいる事に気付きはっとなる。
    「え…ううん。何でもない」
    本当は頭の中、パンクしそうなくらいごちゃごちゃしてるけど、
    考えたってどうしようもない

    そう言い聞かせ、スーパーで食材などを買い込む。


    冬子が率先して買い物をし、
    秋広は両手一杯に荷物を持たされる。

    冬子はおかまいなしに、
    買出しとは関係のない店を発見。


    アンティークの可愛いガラス製の食器や
    テディベアなどのぬいぐるみなどが置いてあり、
    いかにも女子がすきそうな雑貨屋。

    「ねぇ、ちょっとよっていい?」
    聞かれつつも秋広は否応なしに付き合わされる。
  • 22 桜もち id:C4xBoN20

    2011-08-19(金) 11:30:23 [削除依頼]
    冬子は何を買うでもなく目を輝かせながら店内を見ている。

    秋広は荷物を床に置き、休憩。

    退屈そうにしていると、テーブル一杯に置いてある金魚グッズに目が行く。
    ストラップやらアクセサリーがあり、
    ビー玉の様なガラス玉に金魚の人形が入っている髪飾り。
    本物の金魚が泳いでいる様で綺麗。

    数分経ち、二人は店内を出る。
    秋広はあの髪飾りが気になっているー。
  • 23 桜もち id:C4xBoN20

    2011-08-19(金) 11:41:56 [削除依頼]
    暑かった一日も雲間からオレンジ色の夕日が見える時間になり、
    川原の近くで秋広たちはバーベキューの仕度をしている。

    秋広が野菜を切り分けていると、健が寄ってくる。
    「何だ、元気なさそうじゃん」

    え…
    僕、そんなに落ち込んでる?

    心中のもやもやを振り払おうとするが、
    あまり効果は出ず、作り笑いをしようとすれば顔が引きつりそうである。

    「緑ヶ丘って秋広のこと好きなのかな」
  • 24 桜もち id:C4xBoN20

    2011-08-19(金) 15:54:36 [削除依頼]
    またこいつは…
    そんな好色気味な奴だったっけ

    「まさか」
    適当に対応。

    少なからずは秋広が奈津美を気になっていると感づいている健。

    秋広は何をしても何処にいても、
    心が弾まない。


    仕度がだいぶ進み、夜空に星が輝く頃。
    皆は食べて飲んで騒ぎ始める。

    ただ一人、夜空を見ながらぼんやりとジュースを飲む秋広。
  • 25 桜もち id:C4xBoN20

    2011-08-19(金) 16:00:09 [削除依頼]
    「里奈、それどこで買ったの?超可愛い」
    付近で女子数名が雑談。

    「でしょ。駅前の雑貨屋で見て気に入ってさ」


    秋広は目をとめる。
    あの金魚のストラップを付けている。

    「このグッズ、数量限定らしいよ」

    ドキドキ
    心臓が激しく高鳴る。

    「健!僕、用事あるから先帰る!」
    慌てた形相に健は驚き
    「あ…あぁ」
  • 26 桜もち id:C4xBoN20

    2011-08-19(金) 16:03:55 [削除依頼]
    雑貨屋へ全速力。
    割と近いため、すぐに着く。

    息を切らしながら、髪飾りを探す。

    何と最後の1個。


    あって良かった。

    「これ、包装して下さい。」
    店員はにっこりと微笑む。
    「彼女へのプレゼントですか?」

    顔が真っ赤になり、下を向く。


    「…いいえ。大切な人です」
  • 27 桜もち id:UtWu9bI0

    2011-08-25(木) 14:32:42 [削除依頼]
    店内を出て、家へ着くまでの道のり。
    酔いを醒ますためにゆっくり歩く。

    勢いで買ったのはいいものの、
    一体いつどうやって渡せばいいだろう。

    包装された髪飾りを眺め秋広は軽く息をはく。


    自販機でジュースを買った時、
    電信柱にもうすぐ行われる夏祭りの広告が貼ってある。
    祭りなんて中学以来行ってないな


    …!
    胸の中でひらめく。

    よっし!
    夏祭りに誘ってみよう!!

    考えるだけで顔がにやけ、
    わずかに電灯が灯る道を駆け足で通る。
  • 28 桜もち id:bcCXvVN.

    2011-08-31(水) 14:04:09 [削除依頼]
    帰宅してからも、色ボケは治まる気配を見せない。

    「秋広、何にやにやしてるの?」
    由梨は半ば気味悪がる。

    「なーんでもないよ〜」
    酔っ払いのサラリーマンみたい。

    自分の部屋に入った途端、携帯電話がなる。

    「秋広、急に帰ったからびっくりしたよ」
    健からである。
    「あぁ、ごめんごめん」
  • 29 桜もち id:jeoCwri1

    2011-09-06(火) 13:23:55 [削除依頼]
    妙に声のトーンが高い事に気付く健。

    「実は、先に帰ったの雑貨屋で髪飾り買いたかったからなんだ」

    ピーンとひらめいた様に健は、はっとする。
    「まさか」

    どうせ気付いただろう
    「うん。奈津美ちゃんに渡すんだ」
  • 30 桜もち id:zuPjT6/.

    2011-09-07(水) 09:54:25 [削除依頼]
    その直後。
    健がどう感じたのか分からず、しばらく沈黙が続く。

    「お前、ひょっとして初恋だろ」
    極めて平常のトーン。

    「かもね。んで、夏祭りに誘いたいんだけど、
    明日、図書館まで付いてきてくれない?」

    健はしばし迷ったが已む無く了解する。


    あぁ
    楽しみだな

    まだ、行くとも決っていないのに
    一人暴走に走る秋広だったー。
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