人狼記65コメント

1 シガレット id:fWpGCO/1

2011-08-07(日) 02:45:24 [削除依頼]
「ハア、ハア」
 まだ夜も明けない薄暗い森の中、一人の
少年が息をきらして走っていた。

「そっちに逃げたぞー」
「逃がすなー、追えー!」
「回り込んで捕えろ!」

 少年の後ろからは大の大人が三人、少年
を追うように走っていた。

 少年は追われる身だった。ただ、何故自
分が追われるのかが分からなかった。

 いや、実際には何故追われるのかの検討
はついていた。しかしそのことがどうして
追われる理由になるのかが分からなかった。

「くそっ」

 少年はそれでも逃げるしかなかった。
 捕まったら殺される、本能がそう告げて
いる。

 覆い茂る草木をかき分け腕は切り裂かれ、
裸足で走っていたため両の足もマメだらけ
になっていた。

 突如森を抜け広い場所に出た。
 月明かりの下に少年の姿がはっきり見え
た。
 
 背は高く、すらりとしている、それでいて
別段痩せているわけではない。ぼろぼろに
なった衣服を身に纏い体中には無数の傷が
ついていた。
 目はややつりぎみで瞳の色は黄色、その
中央は猫の目みたいに柿の種になっていた。

 これだけだとどこにでもいる普通の少年
にしか見えない。しかしその少年には普通
の人間には無い特徴があった。

 耳は顔の横には無く頭の上、通常の耳の
位置よりさらに上の方にある。そしてぼろ
ぼろになったズボンからは立派な尻尾がは
みでていた。

 そう、これが少年の追われる理由。

 この少年は、”人狼”だった。
  • 46 シガレット id:WYROK0B/

    2011-08-25(木) 07:37:47 [削除依頼]
    「罪・・・人?」

    「ああそうだ、罪人だ」

     ふと、村人に目をやる。皆どこか
    気まずそうに下を向いた。

    「罪人って、どういうことなんですか!?」

    「ふむ、そうだな、何から説明すべきか」

     ライチは顎に手をやり思案した。

    「・・・君は、あの滝が何故?地獄への滝?
    と呼ばれているか知ってるか?」

    「いえ・・・知りません」

    「・・・あの滝はな、国が罪人を処刑するのに
    使われてるんだ」

    「えっ!?」

     自分が落ちた滝が罪人の処刑に使われていた。
    その事実に、シャオは悪寒を覚えた。

    (俺が落ちたのは・・・処刑用の・・・)

     思わず身震いをしてしまう。

    「・・・ここにいる者はな、半分程があの滝から
    落ちて、生き残った者なんだ」

    「そうだったんですか」

    (だから、あの滝の側にいた俺も罪人だと思われ
    たのか)

     シャオが今まで疑問に思ってたことが一つ
    解消された。

    「・・・・・・本当にみんな、運が良かったんだ」

     俯き、切なそうにつぶやく。

    「村長さん・・・」

    「ライチで構わないよ」

     顔を上げ、はにかむライチ。

    「ライチさん・・・、じゃあ、残りの人たちは
    何なんですか?」

    「ああ・・・残りの半分は国から追い出されたり
    して行き場を失くした者達なんだ、ここではそう
    いった理由で住む場所がない者を引き受けてるか
    らな」

    (行き場を失くした者・・・か。ここの村人たち
    も、俺と同じように理不尽に暮らしを奪われたの
    だろうか)

     そんな考えが頭をよぎる。

    「ここでは物や食糧などは全部自給自足で賄って
    いる。罪人がいるから、国には頼れないんだ」

    「ここにいる罪人は捕まらないんですか」

    「まあな、説明すると長くなるからその話はまた
    別の機会に話そう」

     ふぅ、と息を吐き空を見上げる。

    「日もだいぶ高くなってきたな。そろそろ昼飯
    にするか」

     気が付けば先ほどまで周りにいた人たちも、
    食事の準備を始めていた。

    「君も来たまえ、最近うまい肉が手に入ったんだ」

    「えっ、おれも・・・ですか」

    「ああ、なに遠慮する必要はない、なぜなら・・・」

    「もう私たちは仲間だもん」

    「マナ!」

     いつの間にかすぐそばにマナが来ていた。

    「あはは、どう?ここの暮らしにはもう慣れた?」

    「慣れた・・・って、まだここに来たばかりだよ」

    「あはは、それもそうだね〜♪」

     無邪気に笑っているマナを見てシャオも笑みが
    こぼれる。

    「ふむ、ぬしらはすっかり仲良しのようだな」

    「はい♪」

     明るく返事をする。

     その様子を見てるだけで、心が安らぐ。

    「なら、当分の間はシャオのことはマナに
    まかせるとして・・・・・・」

     そこまで言い言葉をとぎらせる。

    「村長」

     誰かが走ってきた。

     やって来たのは大柄の男だった。

    「ガリバーか、どうした?」

    「国の兵士が来ています」
  • 47 シガレット id:WYROK0B/

    2011-08-25(木) 07:38:04 [削除依頼]
    「何だって!」

     その報告に素早く反応するシャオ。

    「シャオ君」

     マナは心配そうにシャオを見る。

    「ん?どうしたシャオ」

     動揺するシャオに気付いたライチ。

    「・・・おそらくその兵士は、俺のことを
    探してるはずです」

     手を震わせ、俯く。その震えが怒りから
    くるものなのか、恐怖からくるものなのか
    はシャオには分からなかった。

    「・・・そうなのか?」

    「いえ、今のところは何も」

    「そうか」

     腕を組み目を瞑った。そして数秒の後、
    よしっと目を開けた。

    「私が出て話を聞こう。ガリバーとマナはシャオを
    私の家に連れて行ってくれ」

    「わかりました」

    「うん。行こうシャオ君」

    「えっ!?ラ、ライチさん!」

    「ふっ、大丈夫だ、私に任せとけ」

    「そ、そんな、でもっ!」

    「さあ早くこっちへ!」

    「村長に任せとけば大丈夫だよ」

    「・・・・・・うん」

     シャオは言われるがままに近場にあった
    村長の家に入っていった。

    「行ったか」

     その様子を見て、ふぅとため息をつく。

     先ほどとは違う感のじため息を

    「・・・一体、何の用だ」

     その目線の先にはすでに、三人の兵士がいた。

     
  • 48 シガレット id:aJvRqvk/

    2011-08-27(土) 07:17:18 [削除依頼]
    「君がこの村の村長か?」

     三人の兵士のうち真ん中の男が
    話しかけてきた。

    「そうですが」

    「私はダルク国国王部隊第7部隊隊長の
    ?キャンディ?である」

    「私はこの村の村長を務めているライチ
    と申します。・・・それで、国の兵士と
    もあろうお方が、なぜこんなさびれた村
    にお越しになったのでしょうか」

     ライチゆったりと落ち着いた様子で、
    それでいてどこか警戒しているようだ
    った。


    「へぇ、国王部隊か。これはとんでもない
    大物が来たな」

     その頃ライチの家に隠れていた三人は
    扉の隙間からライチの様子をうかがってた。

    「何ですか、国王部隊って?」
  • 49 祈祷 彗月@クラウン M629 id:mTZ9VQx0

    2011-08-30(火) 19:15:04 [削除依頼]
     ども!
     一応ツキです(∀)
     久しぶりのコメのような気がする((

     うむ、敵のニオイがww
     “ダルク国国王部隊第7部隊隊長”⇒名前がカッコいいw
     キャンディはこれをすらすら言えるまでに何日かかったのだろう←
  • 50 ハク id:1IJF8iy1

    2011-08-30(火) 20:06:33 [削除依頼]
    すっごい面白いです!思わず一気読みしてしまいましたw
    参考までに聞きたいのですが、シガレットさんはどんな本をよんでいるのですか?
  • 51 ハク id:1IJF8iy1

    2011-08-30(火) 20:06:59 [削除依頼]
    すっごい面白いです!思わず一気読みしてしまいましたw
    参考までに聞きたいのですが、シガレットさんはどんな本をよんでいるのですか?
  • 52 ハク id:1IJF8iy1

    2011-08-30(火) 20:08:34 [削除依頼]
    すいません、2回目のは無視してください (泣)
  • 53 シガレット id:PwwoOzB1

    2011-09-11(日) 02:48:05 [削除依頼]
    すみませんかなりさぼっちゃいました(反省)

    夏休み明けにはやらなければならないことが
    たくさんありまして(汗)

    とりあえず今日からまたマイペースに更新続
    けていきますんで、よろしくデス。

    >>ハクさん

    普段は漫画ばっかり読んでます。
    一応小説も読みますけどあまり多くは
    持ってないです。
  • 54 シガレット id:PwwoOzB1

    2011-09-11(日) 02:59:22 [削除依頼]
     シャオの質問にマナが答える。

    「あのね、この村の近くには?王都?
    があってね、王都にはこの国を治める
    国王がいるの。で、王都にいて王を守
    る兵士のことを?王都兵士?っていう
    の」

     とそこまで言うと喉が疲れたのか、
    近くにあった水ダルから水をひとす
    くい飲んだ。

    「それでその王都兵士の中でも特に
    優れた人たちが集まってできたのが
    ?国王部隊?なの」

    「そんなのが、来てるのか」

     そろりと窓の端から外の様子を見
    てみる。声は聞こえないが何やら話
    し合っているようだった。
  • 55 シガレット id:PwwoOzB1

    2011-09-11(日) 03:38:24 [削除依頼]
    「それにしても、とんでもない奴らが
    来てしまったものだな」

     壁にもたれていたガリバーが はぁ、と
    息を吐いた。

    「そんなに強いのですか」

    「ん〜強いとかじゃないんだけどね」

     ガリバーは目を閉じて困ったような
    顔をした。

    「国王部隊ってのはさっきマナちゃんが
    説明してくれた通り王都兵士の中でも選
    りすぐりの人たちでできてるんだ。」

    「そして国王部隊は7つの部隊に分かれて
    いてそれぞれの部隊には役割があるんだ」

    「役割ですか」

    「そう、ちなみに今来ている第7部隊は
    ?捜索?が役割なんだ。要は人や物を探
    し出し見つける部隊」

    「じゃあ、あいつらは」

    「おそらく、というより確実に君を探し
    ているね、それもかなり本気で」

    「どういうこと?」

     マナが?をうかべている。

    「今村長と会話しているあの男、あいつ
    は第7部隊の隊長だ」

    「その人ってそんなにすごいの」

    「マナちゃんにはまだ話してなかったね、
    国王部隊は部隊によって人数が違うんだ、
    けれど最低二人以上いないといけないん
    だ」

    「二人・・・」

    「そう二人だ。そしてその二人というのが
    隊長・副隊長のことなんだ」

     ガリバーが窓の外に目をやった。

    「けどそれって国王部隊の中で最も優れて
    いるってことですよね」

     ガリバーが大きく首を横に振る。

    「とんでもない。そんなレベルじゃないんだ。」

    「そうなんですか」

    「ああ、国王部隊の隊長・副隊長クラスは
    かなり強い、なにせ彼らは役割は違えど最
    終的に王を守るのが仕事だからね、どいつ
    も一筋縄ではいかないのさ」
  • 56 シガレット id:gxgDanq1

    2011-09-12(月) 22:42:30 [削除依頼]
    「・・・・・・・・・」

    「不安かい?」

    「ええ、まあ・・・」

     まさかそんな奴らが俺を探しに来るとは。

     抑えられないほどの不安が体を震わせる。
  • 57 シガレット id:Ds7QOyC/

    2011-09-17(土) 16:31:09 [削除依頼]
    「安心しなさい、きっと村長がなんとかしくれるさ」

    「・・・・・・」

     シャオはただ黙って頷くことしかできなかった。


         〜  〜  〜  〜

    「もう一度問いましょう、なぜこの村に来たの
    ですか?」

     ライチの視線は鋭く目の前の兵士に向いていた。

    「我々はある人物を探しておる」

    「人探し・・・ですか」

    「そうだ」

     ライチの視線がより一層鋭くなる。

    「わかりませんね、確かに捜索はあなた方
    第7部隊の役目ですが・・・なぜ部隊長と
    もあろうお方がこの村にきたのですか」

    「今回は事態が事態だからな、下っ端には
    任せられんのだ、だからわざわざ私が出向
    いた」

     警戒心をさらに高めるライチ、しかしそれ
    を気にもせず淡々とキャンディは続ける。

    「探してるのは銀髪で黄色の目、歳は15〜
    17ぐらいの男だ」

    「・・・そのような者は来ていませんね」

     視線をキャンディから逸らしシャオ達の
    方を見る。

    「お帰りください、そもそもあなたたちには
    ここに干渉することはできないはずですが」

    「言っただろう今回は特例だ、国王からも許可は
    おりている」

     キャンディは懐から何かを取り出すとそれを
    ライチに見せた。
    それは今回の特例について記された書類だった。

    「分かっただろ、君たちは黙って我々の指示に
    従えばいい」

    「はい分かりました・・・と言うとでも?」

    「抵抗するようならこの村にいる罪人の抹殺の
    許可もおりている、無駄な抵抗はやめたまえ」
  • 58 シガレット id:m2kF8pG/

    2011-09-18(日) 01:41:50 [削除依頼]
     静寂が場を支配する。村人たちはただ
    陰から見守ることしかできない・・・、
    シャオも含めて。

     しばらくの後キャンディは「おい」と
    わきに控えていた部下に命令を出した。

    「私は探索魔法をかける、その間この村を
    隅々まで調べ上げろ」

     二人の部下は、はっと返事をし、二手に
    分かれた。そしてその内の一人がシャオ達の
    隠れている建物に近づいてきた。

    「やばい一人こっちに向かってくる!」

     窓から様子を見ていたガリバーが叫んだ。

    「ええっ!?」

     椅子に座っていたマナが突然のことに
    驚いていた。

    「やばいなこのままでは見つかってしまう」

    「どうすればっ!?」

     シャオも焦っているようだ。

    「慌てなくていい、この中に入りたまえ、
    さぁ早く」

     ばんっという強烈な音を上げ扉が開かれる。
    だが、中はシーンとしており人っ子一人いない。
    兵士は隠れそうなところを探し終えるとすぐさま
    次の家に向かって行った。

    「・・・・・・行ったか」

     兵士が居なくなったのを確認すると、そっと
    カーペットをめくりあげ地面からガリバーが出
    てきた。

    「もう大丈夫だよ」

     それを聞いてマナも出てきた。

    「ぷはっ、息苦しかった〜」

     それに続いてシャオも出てきた。

    「敵はもう行きましたか?」

    「ああ、だから心配しなくてもいいよ」

     三人が隠れていたのはカーペットを
    めくった所にある食糧庫だった。

    「も〜ガリバーさんおっきいから狭かっ
    たよ〜」

     マナが口を尖らせる。

    「はは、すまんすまん」

     ガリバーが食糧を戻しながら笑う。

    「ん?どうしたんだいシャオ君」

     見ると、シャオの顔は真っ赤だった。

    「いえ、何でもありません。」

     あははと笑いその場をごまかす。

    (言えない、マナの吐息がもろにあた
    っていたなんて)

     シャオは一人ひっそりとそんなことを
    考えていた。
     

     
  • 59 シガレット id:m2kF8pG/

    2011-09-18(日) 12:08:22 [削除依頼]
       〜  〜  〜  〜

    (・・・どうやら、うまくごまかせたみたいだな)

     兵士がシャオ達の隠れ家から何事もなかったか
    のように出てくるのを見て、ライチはひとまず
    目の前のキャンディに顔を向けた。

     キャンディは黙々と地面に魔方陣を描いていた。

    「ほう、魔法をお使いになられるのですか」

     キャンディは魔方陣を描きながらも答えた。

    「ええ、私は国王部隊の隊長ですからね、魔法ぐらい
    使えますよ」

     それを言い終えると同時にキャンディは小さな
    魔方陣を描き終えた。魔方陣には魔法を使うための
    呪文がびっしりと書かれている。

    「私はこれから魔法の有効範囲を決めるためこの村
    を一周してきます。それまでこの魔方陣は崩さない
    様注意してください」

     ライチに警告を告げ、キャンディは村の外へ出て
    行った。
     
  • 60 シガレット id:m2kF8pG/

    2011-09-18(日) 17:29:17 [削除依頼]
    「この魔方陣、探索魔法の一種?search?ですか」

     ガリバーがライチのもとに戻ってきた。

    「まさかこのレベルの魔法が使えるとはな、
    流石は国王部隊といったところか」

     魔法に関して多少の学があるライチは
    目の前の魔方陣を見てキャンディの力量を
    悟った。

     searchとは一定範囲から物や人を見つけ
    ることのできる魔法である。魔法発動の魔
    方陣と有効範囲の決定をしたら後は魔方陣
    に手をかざし探すべき対象を頭に浮かべる
    だけでその場所が分かる優れものである。
    だが、魔法を使用する者の魔力によって範
    囲の広さに差があり、またsearchの使用に
    は尋常じゃない程の集中力を要するため使
    える者はまったくおらず探索魔法の中では
    最も難解な魔法とされている。

    (キャンディとやらはこの魔法の有効範囲
    に村全域を選択している、これほど広大な
    範囲でのsearchを使用できるのは大陸中で
    も3人といないだろう)

     ライチの思考が終えあると同時にキャン
    ディが戻ってきた。

    「準備はととのった、村の者どもをここに
    集めたまえ」

    (今は指示に従おう)

     ライチは無言のまま目配せでガリバーに
    指示を出した。

    「おーいみんな、集まってくれ」

    ガリバーはライチの意思に従い皆を
    呼び集めた。
  • 61 シガレット id:f34/5nR0

    2011-09-21(水) 12:14:50 [削除依頼]
      〜  〜  〜  〜

    「集合だって、どうしようか」

     マナは今もなお不安を隠しきれてない
    シャオに話しかける。

    「・・・俺は大丈夫だ、行こう」

    「・・・シャオ君」

     口では強がっているが心の底では不安で
    いっぱいなのだろう。微かに肩が震えている。

     マナは部屋の隅にかけられてあったローブを
    手に取るとシャオに渡した。

    「シャオ君、これ」

    「これは・・・」

    「これを着て顔を隠せば少しはごまかせられるよ」

     シャオは一瞬躊躇したものの、それを受け取った。

    「・・・ありがとう」

    「うん」

     シャオはローブを身に着けマナに向き直った。

    「さぁ、行こう」
  • 62 シガレット id:f34/5nR0

    2011-09-21(水) 19:07:51 [削除依頼]
       〜  〜  〜  〜

     外に出ると、すでに村人は全員集まっていた。

    (来たか)

     ガリバーがシャオとマナの到着に気付く。

     ライチもシャオが来たことに気づき、代表して
    キャンディに告げた。

    「これで全員そろった」

    「確かだな。この魔法を使用すれば、たとえ屋内
    に隠れていても探し出すことができる、もしまだ
    隠れている者がいたならば対象かどうかを問わず
    抹殺する」

     少しでも怪しい者は消す、ということだろう。
    さすがは国王部隊だけあって容赦が無い。

     ややあって二人の兵士が戻ってきた。

    「ご報告します、村の家内、周辺、その他
    隠れることの可能な場所全て調べ終えまし
    た」

    「また、その間村から出た者はおりません
    でした」

    「うむ、ごくろう。引き続き捜索を続けておけ」

    「「はっ」」

     キャンディの命令で二人の兵士はその場を離れ
    ていった。

    「さて」 
     
  • 63 シガレット id:dbSTJZT1

    2011-09-23(金) 23:19:15 [削除依頼]
    「準備は整った、これより探索魔法searchの起動
    を開始する」

     ザワ ザワ ザワ

     皆が動揺してざわめきだす。キャンディが「静ま
    れ!」と一喝する。

    「これから行うのは、ただの探索魔法であり貴様らに
    害を及ぼすものではない」

     続けて、魔法の概要を説明する。

    「この魔法は対象を決められた範囲から探し出すことが
    できる。ただしそのためにはある程度対象の特徴を把握
    しておく必要がある」

     と、そこでライチが口をはさむ。

    「私たちは先にその特徴とやらを聞いたが他の者はまだ
    知らない、どうか今一度説明してもらえぬだろうか」

    「無論こちらとしてもそのつもりだ」

     
  • 64 シガレット id:OXF/1t3.

    2011-10-03(月) 20:02:31 [削除依頼]
    「よいか!!」

     キャンディは大きな声を上げて怒鳴る
    ようにしゃべった。

    「我々が探しているのは、銀髪、黄色の目、
    ぼろぼろの服を身に纏った少年だ。この中
    にそのような恰好をした者を見たものはお
    らぬか!」

     雷鳴のように轟く怒号に、村人たちは顔
    をしかめながらも呟く。

    「そんな人見てないわ」
    「銀髪?知らねえな」
    「この村にゃ、そんな奴ぁいねえぞ」

     口をそろえて知らないという村人たちに、
    キャンディは怒りを覚えながらも、先ほど
    より静かなトーンでしゃべる。

    「貴様ら、言っておくが、もし対象を庇っ
    ているようならば、貴様らを反逆者とみな
    し、この場で処刑するぞ」

     静かに落ち着いた喋り方が、シャオの恐
    怖心を煽る。
  • 65 シガレット id:bfXiYRb/

    2011-10-12(水) 20:18:12 [削除依頼]
    「それでは始めよう」

     「しかし、その前に」とキャンディは続ける。

    「そこのローブを頭からかぶってる貴様」
    「!!」

     突然の指名に動揺するシャオ。

    「貴様はなぜ顔を隠している?何か顔を見せられない
    理由でもあるのか?」

    「・・・それは」

    「無いのなら、今すぐローブを脱ぎなさい」

     額を汗がつたう。
     心臓が早鐘のように鳴り呼吸が乱れてくる。

    「さあどうした。早くしなさい」

    (脱げばいいじゃないか。素顔を見せたって
    今は人の顔だ、ばれるわけない)

     そう自分に言い聞かせ、ローブに手を伸ばそうとする。
     だが、ばれるかもしれないという恐怖心が邪魔をして
    なかなか手が出ない。

     痺れを切らしたキャンディが叫ぶ。

    「貴様、何故脱ごうとしない。もしや貴様こそが人狼
    なのか」

    「!?」

     恐怖と不安
     二つの要素がシャオの体の自由を奪う。
     今すぐにでもこの場を逃げ出したい
     シャオの頭の中はその考えでいっぱいだった。

     だが、その考えはふっと消えた。
     誰かが自分の手をぎゅっと握っている。
     
    「マナ」

     シャオの手を握っていたのはマナだった。
     その手の温もりが、シャオから恐怖を消し去っていた。

    「シャオ君」

     マナはシャオの耳元で、小さく呟いた。

    「大丈夫、みんながついてるから」

     たったそれだけの言葉が、シャオの恐怖をすべて
    消し去った。

    (不思議だ、どんなに自分に言い聞かせても、どこか
    に不安があって信じれなかったのに。マナに言われると
    すんなりとその言葉を信じることができる)

     思えば、シャオはマナと出会ってからことあるごとに大丈
    夫と言われていた、そしてその度にシャオは包まれるかのような
    安心感を感じていた。

     マナには、言葉では説明できないような不思議な力が宿って
    ると、シャオはそう感じていた。
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