今宵、美しき猛獣達は愛を知る7コメント

1 祈祷 彗月 id:TsSg7Iy1

2011-07-30(土) 19:04:52 [削除依頼]

 “蜘蛛は蝶を愛す 嘘は罪を呼ぶ 恋は愛へと変わる”

 片翼を求めるように、縋るように
 私の心もあの人を求めているでしょう……

―Die schönen wilden Tiere wissen heute abend Liebe―
  • 2 祈祷 彗月 id:TsSg7Iy1

    2011-07-30(土) 21:47:14 [削除依頼]
    ■Grüße■

    ・なんでしょうね、突然恋愛系が書きたくなりました(笑)
     理由は自分でも不明ですがね。しかも逆ハーで。
     これはゆる〜くいくつもりです。
     あくまでも気休め程度なので(あ、それでもきちんと書きますが)。
     これを本気モードとして加えたら、もう頭抱えて冬眠しちゃうと思いますし……(=無理)。
     
    ・ですがそれでも読んでくださる方、お持ちしておりますね。コメ等はもう大歓迎なので。
     そして前も言ったような気がしますがドイツ語の理由については突っ込まないでいただけるとありがたいです←

         では、Eine Öffnung......
  • 3 祈祷 彗月 id:TsSg7Iy1

    2011-07-30(土) 22:20:10 [削除依頼]
    ■Schöne wilde Tiere■
     
     何処にでもあるような普通の図書館。
     種類、ジャンル、そして作者名等によって細かく分けられ本棚へと丁寧に入っている。
     参考書なども幅広くそろえており、受験生に限らず勉強しに来る者は多い。
     だがその者達の本当の目的が勉強だと断言できる者は少ないだろう。
     読みもしない本のページをめくり、読んでいるように見せかけながら盗み見をしているに違いない。
     ある者は勇気を出して話しかけ、ある者は遠巻きに見つめる。尊敬の眼差しであったり嫉妬のまなざしであったり人それぞれではあるが。
     そして今日も、人々は眺めに来る。
     この図書館によく来るプリンス達とプリンセス二人を。

     木が良い日陰となり窓からの太陽を妨げる図書館の一角。参考書やノート、教科書を豪快に広げた二人。
     ドアからも比較的距離が近く、窓側であるため清々しい気分である。
     ここは他の者は一切使わないテーブル。それがこの図書館の暗黙のルール。
     以前、好奇心で使った人達がいたが、プリンス達がそれに気づき、図書館を後にしたのがきっかけである。
     なのでたとえ初めて来る者でもこの場所を使えば皆に睨まれ、鋭い視線を浴びることとなる。 
     
     そしてその者達には興味がないプリンス達。いつものように紅茶類を片手に勉強会だ。
     「ねぇ……櫂哉? 大丈夫?」
     噂のプリンセスである領丘 悠璃(リョウオカ ユウリ)は隣に座っているプリンス、木瀬戸 櫂哉(キセト カイヤ)へと声をかけた。
     ノートへと顔面を当て、シューペンを握り締めたままの櫂哉の手はピクピクと動くだけ。
     寝ているのかと思うほどまったく反応がない。
     “もう無理だー!”と叫んでから五分、ずっとこの調子なのだ。
     「どうしよう……」
     不安げな瞳で呟く悠璃。
     櫂哉を挟むようにして座っている黒川 泰輝(コクガワ タイキ)へと視線を向けた。
  • 4 祈祷 彗月 id:TsSg7Iy1

    2011-07-30(土) 22:39:30 [削除依頼]
     「はっ。根性のないヤツだな……。試験前なんだしもっとしっかりしろ」
     悠璃の視線を受けた泰輝は国語辞書で櫂哉の頭を軽く叩いた。
     「……地味に痛いよ、泰輝」
     のっそり起き上がった櫂哉は腕組をしながら左側に座る泰輝を軽く睨んだ。
     どうやら本当に寝ていたらしく、目が何処となく眠そうだ。ちゃっかりあくびまでしている。
     自分の紅茶を一気飲みした櫂哉は立ち上がり、小さく“オッス!”と気合を入れた。
     勉強モードへと気持ちを切り替えるときの櫂哉の特徴である。両手で頬を軽く叩き、座りなおすと教科書を広げた。
     
     「こんなんでも学年に二位なんだよねー。ホント、ビックリだよ」
     櫂哉をシャーペンの先を向けながら言う那賀喪 美央香(ナガモ ミオカ)。
     目の前に広げてあるハイレベルの数学のプリントは九割がた丸がついてある。
     上から目線で言う美央香はこのグループのまとめ役で、中間達からの信頼度も高い。
     「美央香、櫂哉はやれば出る子なんだよね」
     嬉しそうにいう悠璃。櫂哉のくせっけの髪をそっと撫でた。
     美央香をちょっと派手系とするのなら悠璃は清楚の純白系である。 
     そんな二人が仲が良いというのは驚きかもしれないが事実、親友だ。
     自慢げに言う悠璃に鼻で小さく笑った美央香はバカにしたように言う。
     「えー……。でもさぁ、櫂哉が勉強できるのは悠璃が教えてるからでしょ?」
     「まぁね」
     苦笑しながら言う悠璃。事実なのだから仕方がない。
     進学率の高い高校に通っており、一学年ざっと300人はいる。その中で半分以下だった櫂哉を持ち上げたのは入学以来ずっと学年トップである悠璃なのだから。
     頭の回転が速い悠璃は一位以外の順位を取ったことがなく、先生からの支持率も圧倒的に高い。
     いわば学校の顔である。
  • 5 祈祷 彗月 id:TsSg7Iy1

    2011-07-30(土) 22:58:21 [削除依頼]
     そんな悠璃がなぜ櫂哉に勉強を教えるのか……。
     それは二人以外誰も知らない。美央香は聴いたことがあるのだが流されてしまった。
      
     「ねぇ、なんで悠璃が櫂哉を教えるの? 畝誡を教えるならまだ分るよ?」
     悠璃の正面に座る美央香は身を乗り出し、問い詰める勢いで聞いた。
     だがその問いに声を発したのは悠璃でなく名を呼ばれた畝誡である。
     櫂哉の双子の兄である木瀬戸 畝誡(キトセ セカイ)。
     「え……?」
     真剣の眼差しで問題集を解きまくっていた畝誡は顔をあげた。
     字を書きかけたまま止まっている。いきなり自分の名が出たことに驚いているのだろう、黒縁めがねの奥の瞳は固まっている。
     「え? 何?」
     櫂哉の正面、美央香の隣に座る畝誡は視線を彷徨わせる。
     どうやら先ほど呼ばれたことにより集中力が途切れてしまったらしい。
     「あんたは黙ってて。んで悠璃、畝誡に勉強教えたほうが良いと思うんだけど、なんで?」
     美央香は若干引き気味な悠璃へと問い詰めることを止めない。
     一方、美央香に手であしらわれた畝誡は紙コップを持って席を立ってしまった。
     櫂哉に助けを求める視線を向けた悠璃だが気づいていないようだ。
     「あ……う……」
     言葉にならない声を出す悠璃。完全に逃げ場をなくしたようだ。
     
     「そこらへんにしてやれよ。悠璃が困ってるだろ」
     第三者の声がした。
     数冊の参考書を持ってきた門倉 神酒壱(カドクラ ミキヒト)だ。
     「神酒壱! 何参考書探しに30分も時間掛かってるの」
  • 6 祈祷 彗月 id:oSyFNuG/

    2011-07-31(日) 14:13:48 [削除依頼]
     いきなり後ろを振り向く美央香。瞳が爛々と輝いている。
     席から立ち上がると先ほどまで座っていた畝誡の教科書類をぐっと押し、真ん中にスペースを作った。
     実に素早い動作である。
     「神酒壱っ。ここ座って良いよ!」
     自分の隣のイスを叩きながら言う美央香。まったくもって分りやすい。
     感の鋭い神酒壱は美央香が気があることくらいお見通しだろう。
     だがあえて知らないようなそぶりを見せ、簡単に逃げてしまう。つかみどころがないのだ。
     「美央香、そこの席って畝誡じゃなくて? 悪いから端っこに座るよ」
     
     笑顔でかわし神酒壱は畝誡の教科書類を元の位置へと戻した。
     残念そうに頬を膨らませる美央香。若干ご機嫌斜めになってしまった。
     シャーペンを持ちヤケクソに問題を解き始めた。
     それを笑いを堪えて見つめる神酒壱。とても楽しそうである。
     
     (さっさとくっ付いちゃえばいいのに……)
     常々悠璃が思っていることだ。
     今日もこんな二人のやり取りを見ていると声に出して言いたくなる。
     チラッと櫂哉を見る。
     物覚えの悪い櫂哉に勉強を教えるのは毎回の事ながら疲れる。
     美央香の言うとおり、畝誡のほうが教えやすいのは悠璃も理解していた。
     物覚えがよく、成績が常に一桁である畝誡のほうが教えやすいだろう。
     だがあえて畝誡でなく櫂哉を教える。
     悠璃はその理由を心の奥底へと厳重に閉じ込めていたのだった。

     「……り。……うり」
     誰かに名前を呼ばれているような気がした。
     だんだんと近づいてくるような声。
     「っ!? あっ……」
     放心状態だった悠璃。櫂哉に肩を叩かれていたのだ。
     気づけば畝誡もいつの間にか戻ってきており、みんなが物珍しげに悠璃の顔を覗きこんでいた。
  • 7 祈祷 彗月@ツキ id:vyOdFz9/

    2011-08-02(火) 20:27:18 [削除依頼]
     「悠璃? ちょっと大丈夫?」
     隣の櫂哉は自分の手を悠璃の額へと当てる。
     いきなりのことに硬直した悠璃は自分の顔が赤くなるのが感じられた。
     「うーん……。熱はなさそう……かな?」
     曖昧な答えを出すと手を離し、なぜか荷物をバックへとしまい始めた。
     「櫂哉? 今日ってなんか用事あったけ?」
     畝誡が問いかけた。
     視線をあげないまま愛想のない声で短く答える。
     「別に……」
     自分の荷物が終わると勝手に悠璃の荷物もしまい始める。
     これには全員が驚いた。
     「え!? 櫂哉っ? 何してるの?」
     悠璃の物をしまい終えると立ち上がった櫂哉。しかも悠璃の腕を掴んで。
     しかたなく立ち上がる悠璃。
     「悠璃、帰るよ。もし熱があるんなら休むようだし」
     言いたいことだけ言うと自分のと悠璃の荷物を持って先に歩き出す。
     「えぇ!? 櫂哉っ」
     荷物を先に持っていかれたためしかたなく皆に挨拶をして悠璃も後を追いかけた。
     
     「……櫂哉も過保護だよね」
     ふいに呟く神酒壱。
     何気なく言った言葉なのだが三人の視線が集中した。
     だがそれに気づかない神酒壱はシャーペンを持ち、再びノートへと勉強し始めた。
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