先生。2101コメント

1 ベイス id:08yaLCg0

2011-07-30(土) 09:45:50 [削除依頼]

*この小説は、「先生。」の続編となっております。

〜「先生。」のあらすじ。〜

主人公、阿坂 尋(あさか ひろ)は、地区一の進学校、明道第二高校の現代文教師。

20年前に両親に捨てられ、叔父の家に育てられた。15年前に叔父が亡くなり、それからというもの、義理の母とその家族との生活に耐えかね、高校卒業からぼろアパートで一人暮らししている。

そんな環境のため、幼いころからの夢だった、小説家を諦め、大学卒業後、教職に就く。

先生になって二年目のある日、先輩教師箕田と女子生徒西川の逢引を目撃する。先輩のよしみで、黙認し何かと助けるが、箕田が辞表を出し、西川との関係をぶちまけたため、二人とも明道高校を去る。


〜そして。
ひょんなことから、教師不足になった波乱の明道高校に、臨時で新任教師がやってきた!
  • 82 愛華 id:LGPTt/L.

    2011-10-01(土) 22:59:39 [削除依頼]
    このたびはあたしの駄作を読んでいただきありがとうございます♪

    さすがだぁね、小説家目指しているだけあるね…
    すごいです

    こんな風に描けたらいいんだけどな。

    頑張ってください!

    あと、あたしのことは呼び捨て、ため口でいいので…
  • 83 ベイス id:5hspJL41

    2011-10-01(土) 23:06:42 [削除依頼]
    >82愛華 ありがとうございます!! コメント凄く嬉しい^^ 頑張るね! p.s. 愛華は何歳ですか?
  • 84 ベイス id:ln1Cr1V/

    2011-10-07(金) 19:30:49 [削除依頼]

    「でさぁ、聞いてよ、ねぇ?」

    初っ端から、キーの高い曲を連続で三曲も熱唱し、早菜はハイテンションな様子で、話始めた。かなり上手いし、しかも話す声さえ掠れていないあたりがすごい。
    私はやっと決まった曲名を、機械に打ち込んでいたが、本音を言えば歌いたくなんて無かったので、手を休めて目線を上げた。

    「何だ?」

    「最近、彼氏と別れたんだぁ。」

    「彼氏って、ヤシロって人?」

    確か、一年前につきあっていた人の名前はヤシロだったはずだ。

    「違うわよ。その人とは、もう半年以上前…
    …いや、もう一年弱くらい前に別れたわよ。」

    おいおい、あの一年前のあの時、付き合い始めたばっかりだとか言ってなかったか!?
    全く、相変わらずサイクルが早い。小柄で可愛らしいオンナノコならではのなせる業だ。とっかえひっかえとはこう言うことを言うのだろう、といつも思う。

    「で、今回は?」

    「三ヶ月しか持たなかった。……でも、あっちが悪いのよ?フってやったわ。」

    「いや、毎回あんたからフってんだろーが。」

    「それはそうだけど。」

    早菜はふてくされたように、ストローでコーヒーまがいのものを吸った。フレッシュミルク三つに砂糖二本入れたアメリカンなんて、もはやコーヒーとは呼べない。いや、呼びたくない。私が。

    「一つ年下の男の子だったんだけどね。なんか、なよっちいっていうか、なんて言うか。いかにも新人って感じで、仕事出来ないしね。優しいコだったんだけど。」

    一つ年下。新人。仕事は出来ないけど優しい。

    見知った姿が思い浮かんで、心臓がどきりと跳ねた。

    「やっぱり、年下ってだめね!こっちから仕掛けないと、何もしないし。」

    「そ、そんなこと無いと……。」

    反論しかけて気づく。いやこれは、結構生々しい意味で言ったんじゃ。

    「って、そっち?」

    「そっちってどっち?あーやだやだ。発想が飛躍してるんだから。」

    わざとらしい言い方に、やっぱりそう言う意味で言いやがったかと呆れる。

    「たった三ヶ月でそこまで求めるのが、そもそもおかしいだろが。」

    「なにその、高校生的発言は!生徒のレベルに感化されてんじゃないわよ。」

    「そっちこそ、外国ナイズされてんだろうが!」

    「海外にしょちゅう出張に行くからって、恋愛基準までそうそうナイズされるもんじゃないっつうの!」

    防音が利いている個室であることを良いことに、大声で喧嘩口調である。お互い大人げ無い。

    「あーあ、どっかに年上で頼りがいのあるイケメンでも居ないかなぁ。」

    別れてすぐ、”狩猟”モードに入る早菜は早菜で、肉食系女子というところだ。子供のような容姿でこの性格なのだから、結構恐ろしい。

    「早菜のことなんだから、あと半年しないうちにまた見つけてくるんだろ。どうせ。」

    「まーね。」

    この辺で否定しないところが、恋多き女の所以であろう。

    「んで、そっちは?ひっくんは彼氏かなんか出来たわけ?」

    「出来てるわけ無いだろ。あんな事件があったのに。」

    「それもそうね。」

    あっさりと納得顔になった。

    「でも、ヒドいわね。やっぱり、叔母さんなのかしら?ひっくんの”生まれ”をばらしたのは。」

    「そうだろうな。きっと。」

    「複数で一人のこと責めて泣かすなんて、子供すぎるっての。責める内容も内容だし!。」

    「な、泣かすって……。」

    どうして泣いたことまでばれるのだ!親友というものは恐ろしい。

    「ひっくんはそのポイント責められると、途端に弱いんだから。弱みだなんて思っちゃダメよ。そのことに関しては、あんたにはひとっつも非なんか無いんだからね。」

    「あ、ああ。」

    早菜の勢いにちょっと気圧される。なんだかんだ言って、優しいのだ。早菜も。

    「ほら、なんか歌いなさいっ!久しぶりに音痴なひっくんの歌聴きたい。」

    「音痴言うな!」

    真っ暗になっていた入力画面をタッチして、また私は曲名を入れだしたのだった。
  • 85 ベイス id:99LZl8F1

    2011-10-14(金) 20:00:28 [削除依頼]

    「最近大掃除したばっかりだからな。」

    「大掃除が無くても、十分に片づいた部屋立ったでしょうけどね。物だらけでごちゃごちゃしてる私の部屋とは違って。」

    早菜は整理整頓が出来ないタイプの人間だ。

    「その分広いだろ?」

    「まぁ、二十代の一人住まいとしてはね。掃除するのも大変。」

    贅沢な悩みだ。全く。

    「後もう少ししたら、おせちが届くわ。母さんが、パソコンでいろいろ見て選んだの。」

    早菜の口調に何となく母への揶揄がこもっているのを感じつつ、おせち代を出そうと、鞄から財布を取り出す。そこへすかさず声が飛ぶ。

    「コラコラッ!いらないからね!母さんが勝手に送ってくるだけだから。」

    「いや、でも。子供じゃないんだし、そう言うわけには……。」

    「いらない!じゃ、そのかわり、年越しそばとお雑煮作って。暖かい物が無くちゃ、味気ないでしょ?」

    「ああ、それは作るけどさ。」

    「いいから、マジで、ね?受け取ったら私が母さんに文句言われんのよ。」

    こうまで言われると出せない。きっとまたそこそこ高級なおせちだろうが、ありがたく奢ってもらうことにした。
    年越しそばとお雑煮の材料は、もともと作るつもりで買ってあった。おせちの味の質と比べてしまえば劣るだろうが、とりあえずは美味しく作れるくらいの技量はある。せいぜい頑張って作るか。

    「ありがとう。……まぁ、とりあえず座ってよ。その辺の座布団適当に使っていいから。」

    「うん。」

    早菜は当然のように頷いて、二人してわらわらと洗面所へ向かったのだった。
  • 86 ベイス id:99LZl8F1

    2011-10-14(金) 20:04:49 [削除依頼]

    お決まりの「紅白」も見終わり、録画してお
    いた「ガキつか」を見ながら、私たちは年越しそばをすすっていた。

    「いいわね、温そばがちゃんと出てくるところが。母さんなんか、そばだけあればいいでしょって言って、市販のめんつゆとゆでたそばをドンって出してくるのよ?毎年。」

    「それなら、自分で作ればいいだろ。」

    「だってだしの作り方わかんないもーん。」

    「……とっくにハタチ過ぎた女が、そば一つ作れないなんて、情けない。それに、だしくらい市販のだってあるだろ。」

    「あっそうですかっ!いいもん、ケーキとかは作れるもん。」

    私は逆にケーキなどは作らない。別に甘い物がさほど好きなわけではないので、たまに買うだけで十分なのだった。

    「そーいえば。あけおめメールの文面打っとかなくちゃね。」

    「ああ、十二時ぴったりに送るやつか。毎年だな。早菜と一人の先輩先生が送ってくるのを返すくらいしか、私はしないけど。」

    ミサ先生も送ってくる。娘に感化されているらしかった。

    「今年はこっちから送ってみようかな。」

    「良いんじゃない?」

    そばを片づけた後、ダウンタウンの一挙一動に大笑いしつつ文面を組み立てる。

    堅苦しい文章になってしまうのは、先輩相手だからなのか、自分がまがいなりにも作家志望の人間だったからか、はたまた性格のせいかは分からないが、なかなか苦労する。

    とりあえず、無難そうな文章を打ち終えて、携帯をぱたんと閉じた。早菜はもうとっくに終えていて、肴にと焼いたイカを辛子マヨネーズにつけて食べている。

    「このマヨネーズ辛過ぎ。辛子入れすぎたでしょ?」

    「このくらいでちょうど良いんだよ。」

    所詮、普通のマヨネーズに普通の辛子を入れただけの代物だ。辛めくらいの方が旨いに決まっている。

    「マヨネーズ、足そ。」

    「ちょっ、全部に混ぜるなよ。半分そのままにしといてくれよ。」

    「はいはい、あんたが辛党なことくらい、百も承知よ。」

    「おまえが甘党過ぎるだけだ!」

    だからといって、舌がお子ちゃまかと言えばそうでもないところが悔しい。舌が肥えているのだ、料理にしても、酒にしても、もちろんスイーツにしても。私よりよっぽど。

    早菜がマヨネーズ片手に戻ってきたとき、自分ではない着メロが鳴った。今日、早菜が歌っていた曲の一つだろう。題名は何だったっけか。確か、虫の名前だったような記憶があった。

    早菜が座布団に投げ出されていた、可愛らしいデコレーションのついた携帯を拾い上げたところで思い出した。そうだ「カブトムシ」だ。意味もなく頷きながら見上げると、早菜は携帯の画面をにらんで顔をしかめていた。
  • 87 ベイス id:99LZl8F1

    2011-10-14(金) 20:05:26 [削除依頼]

    「どーした?」

    「例の元彼から。」

    あらら、そりゃ厄介な。というのが半分、どうでも良いだろ。というのが半分。

    「何て?」

    「来年も一緒にいてくれませんか。だって。」

    「おお。ヨリ戻そうってか。」

    無駄だよ、後輩君。私は見たこともない早菜の元彼に、心の中で呟いた。

    「何よ、未練がましい!女々しいことしちゃって、気持ち悪い!」

    散々な扱き下ろし方だ。これを聞いたら、後輩君もさぞかし落ち込むだろう。

    「もう無視!!」

    早菜はそう言って、また座布団に携帯を放りなげた。ふくれっ面で腰に手を当てる様子は、自分と同い年とは思えないほど幼く、可愛らしかった。

    「冷たいな。」

    からかい口調でそういうと、いっそう不機嫌な声になった。

    「だって、あんなにきっぱりフった後なのよ?」

    私はイカを摘みながら、軽く笑った。

    「もう!なに笑ってんのよ!そんなことしてると、無理矢理飲ませるわよ!?」

    「あー。それは勘弁。」

    やいやい言いながらも、早菜はもう一度冷蔵庫まで折り返して、私用の小さい缶ビールと自分用の小さなワイン瓶を持ってきた。今回は赤のようだ。
    ちゃぶ台にコトンと置くと、こっちに滑らせた。大した距離ではないが。

    「ありがと。」

    「はいはい。よくそんなんで足りるね。ひっくんも。」

    「一人でワイン一瓶飲める方が驚きだ。」

    「一瓶って言っても、小瓶でしょ。」

    「あたりまえだ。どんだけ飲む気だよ。」

    私のつっこみに、早菜は自前のコルク抜きを振りながら、平然と言った。

    「普通の瓶を一人で二本飲む人もいるわよ。そんなに多くもないよ、私は。」

    「ああ、そうかい。」

    プルタブをぷしゅっと引っ張って、私は早菜をちょっと睨んだ。特にひるんだ様子も無く乾杯と言われ、出された瓶に突き合わせて一口飲んだ。早菜の方は、ワインを入れるにはふさわしくなかろう寸胴のコップにワインを注ぐ。

    「ワイングラスくらい、言われたら引っ張りだしてきたのに。どうせ、高いワインなんだろ。」

    「良いわよ。めんどくさいでしょ。それにこれそんなに高いワインでもないし。味はそこそこだけどね。」

    ワインなど、あまり飲まないどころか、数えるほどしか飲んだことが無いのだ。酒にめっぽう弱い二十四歳にしてみれば、味もヘったくれも無い。しかし、たった四年で、ワインの味が分かる方がおかしい気もするのだが。

    しばらく飲んで、早菜が早々にワインを飲み
    きったところで、私の携帯が震えた。

    いつのまにか、缶ビールを引っ張りだしてきた早菜が怪訝そうにこちらを見る。

    私は、もう残り少なくなった小さな缶を傾けながら、携帯を開いて。
    思わず吹き出しそうになった。

    「どうしたのよ、妙な顔ちゃって。」

    「いや、ちょっとびっくりして。」

    水保君からのメール着信だった。
  • 88 ベイス id:99LZl8F1

    2011-10-14(金) 20:06:48 [削除依頼]

    こんな日に、しかも後もうすぐで年越しという時に、何の用だろうか。

    「誰よ?」

    「水保君。」

    言ってから、あっと思ったがもう遅い。酔っぱらって判断力が鈍くなってきているのだろうか。

    「水保君って、今朝言ってた後輩の男の子?」

    「ああ。まあ。」

    「何て?」

    ほら、相手が男だと下手に食いついてくるんだ。だから迂闊に言いたくなかったのだ
    が。私は言われたとおり、件名を読み上げた。

    「あ、あけましておめでとうございます……?」

    「え。」

    ええと。まだ十一時四十三分なんだけど。水保君。

    「なんで十五分以上早くあけおめメールが届くのよ。」

    「だ、だよな。」

    私がそう呟いた時、また携帯が震えた。今度は電話だ。無論、相手は水保君。

    「で、電話!?」

    多少パニクりつつ、通話ボタンを押した。

    『すみません!変なメール送ってしまって!!』

    いきなりの謝罪。水保君は水保君でたいがい酔っぱらっていることが、声で分かる。

    「ああ、さっきのあけましておめでとうってやつだろう?」

    『そうです。保存しといたやつを、友達に勝手に送られて。』

    「友達?」

    『小中時代の悪友ですよ。俺ん家に来てるんです。』

    酔っているせいか、口調が若干砕け気味なのが新鮮で面白い。

    「じゃ、水保君の家の人は大変だな。お母さんに文句言われたんじゃないのか?」

    『そうでもないですよ。ご近所さんみんな集まってるって感じなんで。毎年恒例なんですよ。』

    そういえば、水保君の郷里は滋賀だと聞いた。相当な田舎だとも。

    「でも、あけおめメールなんか送るんだな。水保君は。」

    言い方悪かったかなと、一瞬思ったが、気にしたような素振りもなく、跳ね返るように返事はきた。

    『いや、去年まで送ったこともなかったんですけど。友達が送るってんで、書かされたんです。阿坂さん宛に。』

    「え?書かされた?」

    何故にその状況で私宛に書かされるのだろう?便乗して……という希望的観測をしてしまうところが、私も自意識過剰なのだが。

    『あ、いえ。おまえも書いてみたらどうだと言われたんです。』

    「ああ。そう言うことか。」

    何となくさっきとニュアンス違う気がしたが、とりあえずスルーする。

    『そちらもお友達とですか?』

    ご家族、と言わないところが、気が利いている。

    「ああ。こっちは高校大学の時の”悪友”だよ。」

    そう言った途端、それまでおとなしくしていた早菜がいきなり携帯を奪い取った。おもいっきり不意をつかれ、何も抵抗ができない。
  • 89 ベイス id:99LZl8F1

    2011-10-14(金) 20:07:03 [削除依頼]
    「こんばんはっ。ひっくん……じゃ無かった。尋君のお友達の西園寺っていいます。」

    声があからさまにオンナノコモードだ。他人の後輩を口説く気か!……ただの後輩というとそうでもない事くらい、自分自身で自覚しているからこそ、私はちょっと本気で奪い返そうと畳みかけていた。

    「おいっ!!てめぇ!返せ!」

    思わず口が悪くなる。が気にする余裕もなくひったくるように携帯を取り返した。間髪入れず、耳に当てて謝罪する。

    「水保君。ごめん!」

    『お、面白いお友達ですね……。』

    「本当、すまない。悪い奴じゃないんだが。」

    『いえ。可愛らしい人ですね。』

    「あ、ああ。まあな。」

    電話越しでさえ、可愛らしいと思われるとは、早菜も口説き慣れている。気分が落ちるのが分かった。

    『阿坂さんって、君付けで呼ばれてたんですね。』

    「え?あ、いや。まぁな。」

    大学時代の同級生は皆私のことを尋君と呼んだ。早菜のようにひっくんと呼ぶ奴もいたが、どちらかというと少数派だった。

    『なんか、似合いますね。』

    「どういう意味だ。」

    『いえ。可愛いじゃないですか。……小さな子を呼んでるみたいで。』

    「それは、褒めてるのか微妙だな。」

    『す、すみません。調子乗りました。』

    水保君が遠慮がちに笑う。素直にすみませんと言うところが、それこそ小さな子供のようで可愛い。

    「じゃ、また。」

    『は、はい。良いお年を。』

    水保君が電話を切るまでと思い待つ。が、向こうも切るのを待っているのか、なかなか切ろうとしない。数秒の沈黙の後、結局私から切った。

    「なあに?ニヤニヤしちゃって。」

    「に、にやけてなんか無い!」

    「嘘おっしゃい。締まりのない顔になってるわよ。」

    「さ、酒のせいだ!」

    早菜は焦る私を見てクスクスと笑い

    爆弾を落とした。
  • 90 ベイス id:99LZl8F1

    2011-10-14(金) 20:09:27 [削除依頼]


    「ひっくん。貴方、水保君って子の事、好きでしょ?」


    アルコールのせいでもともと赤かった顔は、茹でたタコの様になっているだろう。
    ここで、可愛い後輩として好きだ、などと冷静に返せる心境でもなく、酔いと相まってコドモの様な返し方になってしまった。

    「うるさいっ!どういう意味だ!」

    「どういう意味もこういう意味もないわ。何?はっきり言って欲しいなら言うわよ。私は、ひっくんが水保君って子に恋を……。」

    「黙れ!!バカやろうっ!!」

    私は、そばにあったミニクッションを早菜に投げつけた。

    「だってぇ、本当のことでしょ?ねぇ?そうなんでしょ。」

    「そんなあけすけに言うなぁ!!」

    頭を抱えた私に、早菜が覆い被さってきた。

    「ねぇ、付き合わないの?」

    「……まだ知り合って半年も経ってないし、しかも後輩にそんな軽く言えるか!」

    「お、今、さりげに認めたね。」

    「うっさい。」

    「でも、可愛い後輩タイプとは意外ね。男の趣味変わった?」

    「趣味って何だ!趣味って!!」

    「あー。よく考えたら、あんたが好きな俳優、みんな可愛い系ね。」

    「みんなって何だよ!そんなにいないっつうの!!」

    「でも、土井君とは真逆のタイプね。」

    「土井の名を出すなぁ!!」

    「え?啓太って呼ばないの?」

    「呼ぶか!もうかれこれ五年近く会ってないんだぞ!!」

    土井 啓太(どい けいた)。高校生時代に付き合っていた、元彼氏の名前。早菜はその半年の事をセキララな部分までよーく知っている。

    私は缶ビールを、無意識に潰していたのだった。
  • 91 ごん id:/VwpaTA0

    2011-10-15(土) 11:31:14 [削除依頼]
    尋さんかぁいいぃぃ^^
    すごくいいですーーッ

    水保君もいい。何この子、成長期?(ww)

    更新、楽しみにしてました!
    また更新がんばってね!
  • 92 ベイス id:7am.UbH0

    2011-10-15(土) 12:00:30 [削除依頼]

    成長期?wwww

    どーなんでしょうねぇ(笑)成長してくれてると良いんですけどww

    おおおお、楽しみにしてたとかどんだけ嬉しい事をぉー((殴

    頑張りまっせ!
  • 93 ベイス id:4fLDhxn1

    2011-10-27(木) 19:07:40 [削除依頼]

    「あけましておめでとうございます。」

    そう言いつつ職員室に入り、自身のデスクに着いた。

    生徒がいないために、学校はとても静かだ。ミサ先生がこちらに顔を向けて行った。

    「尋ちゃん、あけましておめでとう。メール、ありがとうね。」

    「いえ、こちらこそ、ありがとうございます。」

    きっとあけおめメールのことだ。あの時、事前に文面を打って置いて本当に良かったと、今更思う。あの状態ではロクな文章が打てなかっただろう。

    「あっ、あけましておめでとうございますっ!」

    騒がしい音とともに、水保君が職員室に入ってきた。眠たげな顔と――――若干の寝ぐせ。

    「あら?今日は生徒は登校日じゃ無いハズなのにねぇ、どうしてここに生徒がいるのかしら。ね?尋ちゃん。」

    笑いながら言ったミサ先生に、つられて吹き出す。ああ、ミサ先生も同じこと考えてたんだ。

    「え?何の話ですか?」

    ポカンとした顔になって、こちらを見ている水保君は、まるで間違ってきてしまった生徒のようだ。サブバッグ化している、エナメルバッグが一層コドモらしさを引き立たせている。

    あー!なんでこんな新年早々から!

    「水保君……。ほんっと、可愛いなぁ。」

    「え?」

    言ってから、しまったとは思ったが、途方に暮れる水保君は、やっぱり格別に可愛らしかったのだった。
  • 94 ベイス id:C3N91Y./

    2011-10-30(日) 19:54:32 [削除依頼]
    何日目かの出勤日、同窓会はやってきた。
    集合時間はもうとっくに過ぎていたが、途中参加もアリとの事だったので、仕事着のままいそいそと電車で向かう。距離的にはそこそこあるが、電車の乗り継ぎが良かったのか思ったよりも早く着いた。

    おずおずと会場に入った時、早菜が私を呼んだ。

    「あ。尋くーん。」

    「おお、早菜か。」

    「早かったじゃない。六時回るかもって言ってたのに。」

    まだ、五時半過ぎである。

    「うん。思ったより乗り継ぎが良くてさ。」

    「へー。」


    「……あ!尋ちゃん?尋ちゃんだよね?」

    「え?」

    振り返ると、そこに居たのは。

    ざわざわといろいろな人に囲まれた、土井 啓太の姿だった。
  • 95 ベイス id:C3N91Y./

    2011-10-30(日) 20:09:13 [削除依頼]

    「ど……土井。ひ、久しぶりだな。」

    「久しぶりっ!尋ちゃん、先生になったんだってな!早菜に聞いたよ!」

    ああ、出たよこのハイテンション。私はうんざりした。「阿坂さん、変わって無いねぇ。」やら「尋くん久しぶり!」などの声を一気に向けられて、ちょっとしたパニックだ。どれだけ連れてたんだよお前。

    「ああ。まぁ。」

    「小説家にはなれなかったのかい?……いや、今でも目指してる?」

    「いや、もう書いてない。」

    「えー!もったいない!よく読ませてくれたじゃないか!上手かったのに。」

    顔がカーッと熱くなった。付き合っていた事を知らない人がいるわけではないが、それにしてもあけすけ過ぎる。しかも、小説家を目指していた事は早菜と土井くらいにしか……。

    「え?小説書いてたんだ!尋くん。」

    「あ、ああ。しゅ、趣味程度だったけどな。」

    「おいおい!あれで趣味程度って言ったら……。」

    「黙れ!啓太!」

    私はあっと声を上げかけて飲み込んだ。騒がしい同窓会だ、もはや誰も聞いてはいなかったがかなり恥ずかしい。
    畜生。…そうだ、そうだった。あの一年半もこんなふうに振り回されっぱなしだった。こいつには。

    「お、啓太って呼んでくれたねやっと。」

    その一言に、私は土井を睨んだのだった。
  • 96 ベイス id:Dhq6Ct81

    2011-11-01(火) 22:00:07 [削除依頼]

    「ねー、尋ちゃん!そんな邪険にし無くても。てかっ!どーして、啓太って呼んでくれないの?さっき呼んでくれたのに。」

    「うるさい。むしろ、あの時に呼び方が戻ってるお前の方が問題だろうが。別れてからは普通に名字呼びだったろうが。」

    「ええ!なんでそんなに冷静な声なの!?」

    「……そっちかよ。」

    土井は典型的な軽い人間だ。今風に言えば、チャラ男だろうか。ヘンに大人っぽくて、軽い。
    水保君とは本当に真逆だ。なんて、比較にすぐ水保君を上げてしまうあたり、自分が自分で笑えてしまう。

    「何?彼氏でも出来たのぉ?」

    「別に。出来てない。」

    「お!居ないんだ!へー!……んじゃさ、俺と…」

    「ヨリ戻さないかとか言ったら殴るぞ。」

    「えー!そんなぁ。」

    わざとらしくうなだれる土井の姿は、なぜだか大人っぽい。余裕があると言ったものか、なんなのか。まぁ、24歳は立派な大人ではあるが。

    「俺ぇ、そーいうキツイの好きなんだけどなぁ。」

    「お前のエムっけなんか知らん。」

    むしろサディストだろが、と心の中で呟く。あの振り回し方はそうとしか思えない所があったのだが。あんな状態でよく私も一年以上も好きでいたものだ。

    「あー!そういうことしれっと言えるようになっちゃって!あの時なんか、歩く品行方正みたいな感じで可愛かったのにー。」

    「ただ無気力体質だっただけだ。」

    この噛み合わない温度の会話を、久しぶりにした気がして、私はちょっとおかしくなったのだった。
  • 97 ベイス id:8kjDZ1f0

    2011-11-13(日) 20:25:58 [削除依頼]
    盛り上がったメンバーは二次会へ繰り出したようだったが、私は仕事後という事もあり、帰る事にした。

    「えー。尋ちゃん帰っちゃうの?」

    「今日も仕事だったもんでな。」

    「俺もそうなのにー。」

    「まぁ、土井も無理のない所で帰ったらいい。」

    「そうだなぁ。」

    食い付いてきた土井をあしらって、暗い中駅へと歩き出す。が

    「もう暗いよ?送ろうか?」

    「間に合ってる!」

    「えー。じゃ、タクシーで……」

    「そんな金あるかっつうの。」

    全く、うるさい。

    私は振り切るように、家路へ戻ったのだった。
  • 98 ジャック id:R2oQ1dO.

    2011-11-13(日) 20:43:11 [削除依頼]
    ツンデレだ!!ツンデレがここにいる←ぇ

    久しぶりに見に来ました。
    めっさ進んでていやあ申し訳

    更新頑張ってください
    尋ちゃんがんばってね
  • 99 ベイス id:8kjDZ1f0

    2011-11-13(日) 21:32:07 [削除依頼]
    ジャックさぁぁぁぁん!!
    コメントあざっす^^

    ツンデレw
    ああ、確かに尋さんはツンデレの部類かもしれないですねぇwww

    頑張りますっ!
  • 100 ごん id:EC0ebqI1

    2011-11-17(木) 20:48:30 [削除依頼]
    めっちゃ更新してたー(ウキウキ

    そして相変わらず尋さんLOVE
    で、元彼くん。
    君、嫌いじゃない(上から目線っ


    更新たのしみにしてる^^
  • 101 ベイス id:3XmUaBW1

    2011-11-17(木) 21:41:06 [削除依頼]
    ごんさぁぁぁぁん←

    コメントありがとうございますぅ^^

    元彼くんw私の苦手なタイプを貫いておりまするwww
    でも書いているうちに………あれ、嫌いじゃないコイツ。みたいなww

    やっとこさ、100レス越え!これも、ごんさんをはじめコメント下さった方々のおかげですっ!
    ありがとうございます><これからもよろしくお願いしますっ!!
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