partner.64コメント

1 mey id:ez-sUFkUoC/

2011-07-24(日) 17:00:57 [削除依頼]

―――誰の為に生きてるかって?


誰かの為じゃない…


生憎、自分一人で手一杯だ―――


しかし、俺達は誰かに生かされている。


それが、


人か、


世界か、


神か…


なんて知るよしもなく…―――


……―――だからこそ 意志ある者は、
時に誰かを必要とするのかもしれない―――……


.
  • 45 mey id:ez-UeCUz19.

    2011-10-28(金) 22:22:29 [削除依頼]



    暫くすると、隣空は慌ただしくない凜麗の部屋に飛び込んできた。何事か、と凜麗は息を飲む。
    肩で息をしつつ瞳を輝かせた隣空は すかさず凜麗にこう言った。
    「りんれーにお客さんだって!」
    「客…?」
    特に珍しいことでもない。客ではないが、凜麗が熾天使である以上 部下の天使達が此所を訪ねてくることは多々あった。それを隣空は目の当たりにしており、今更騒ぐことでもなかった筈なのだ。
    しかし、隣空は落ち着かない様子で部屋の外をちらりと覗く。
    凜麗は不思議に思い、日記帳をそこらへ投げ置くと自室の扉まで歩みを進めた。
    「いったい誰が…」
    「わかんねぇけど、いつもみたくヒラヒラした奴じゃないっ」
    「ヒラヒラって…おまえな」
    服装のことか、と凜麗は苦笑した。
    恐らく隣空の持つ天使のイメージはヒラヒラしているのだろう。
    凜麗もそれに等しく、天使は皆 白の羽衣も纏っている者が多いからだ。


    (だが、羽衣を着ていないということは…、もしかすると…――)
    顎に手を添え思い当たる節を探す。しかし それは意外とあっさり解決することとなった。
    「あ、この人だ!りんれー、この人!」
    隣空が扉をおおっぴらに開いたことにより、凜麗はとある天使と対面する。


    「久し振りですね、凜麗」


    不気味に優しい笑みを浮かべた一人の男が、そこに立っていた。


    .
  • 46 mey id:ez-ciRYLmO/

    2011-10-29(土) 11:55:55 [削除依頼]



    「なあ、やっぱり りんれーの友達?ね、友達なんだろっ?」


    隣空は静けさが際立つ回廊に声を響かせると凜麗を見入った。
    一方凜麗は身を引いて目の前の男から遠ざかる。


    「何しにきた…」
    「冷たいですね、古い付き合いじゃないですか」


    微笑。どちらかと言えば薄ら笑いに近い笑みを浮かべる黒衣を纏った天使。
    堂々と凜麗の部屋へ足を踏み入れると彼は唇を割ってこう言った。
    「主神様から聞いたんですよ。貴方が子持ちになられた、と」
    ガセネタではなさそうですね、と 直ぐ近くにあった隣空の頭を撫で始める。隣空は少し驚きはしたものの、満更でもないようで大人しく撫で受けた。
    凜麗はその様子を見て少しばかり胸が傷んだ。自然と眉間に皺がよって、玩具をとられた子供のような気分になる。


    「おや、嫉妬ですか?らしくないですね。…というより意外です」
    「うるせぇ、カス野郎」
    心中を簡単に見抜かれた凜麗は男を睨み付けると悪態吐いた。
    素直じゃない、と男は苦笑する。


    .
  • 47 mey id:ez-kQoW4QT1

    2011-10-30(日) 16:03:39 [削除依頼]



    「ね、ね、おじさんっ!おじさんに俺、なんか美味しいもの持ってくる!」


    二人の空気を阻むよう、元気よく隣空が言い放った。
    その無邪気さ故にできることである。凜麗は肩を落として隣空を見入った。
    「おま…隣空…」
    少しは空気を読めと言いたい。目の前の男は明るく相槌を打つと隣空を離して「どうも」と笑った。
    返事を得るなり幼い子供は 長く伸びる回廊を扉も閉めずに勢いよく駆けていったのだった。


    「隣空、良い名前ですね」
    「何がだ?」
    「そのままの意味です」


    『隣』―その距離は近過ぎず遠くない。最も心地よい君の側で。
    『空』―無限。そして自由。空っぽだからこその輝きがあり、何もないからこそ次がある。


    知っていましたか、と男は笑う。
    いいや、知らねぇ。凜麗は首を振った。
  • 48 樹美 id:ez-3RGHFGR.

    2011-10-31(月) 09:55:44 [削除依頼]
    ファンタジー好きです!
  • 49 mey id:ez-3RGHFGR.

    2011-10-31(月) 10:11:03 [削除依頼]
    >>48さん コメントありがとうございます!ファンタジー良いですよね。 >>45 今更ながら訂正させていただきます。1行目の『慌ただしくない』は正しくは『慌ただしく』だけです。すみません。
  • 50 mey id:ez-81Zb4in.

    2011-11-02(水) 16:29:21 [削除依頼]



    名前を付けた理由は本当にない。気紛れ。凜麗にとってそれは確かだった。
    しつこく欲しがられるのはウザかった。付ければ大人しく引き下がるというなら手段は選ばないのだ。
    そして何より子供が欲しがるものだから、成り行きとはいえ与えてしまった。


    「確かに、らしくねぇな」
    「ええ。ですが…」


    それがいいですよ、と男は凜麗に世を向けた。黒衣の裾がはためき、小さな皺を作って静止する。
    ほんの僅かな沈黙が流れた。


    「人、いいえ…生き物、でしょうか。己が己らしくある程、それは孤独と化してしまう。生きる為には多少の妥協をしなければいけないんですよ、きっと…」


    それを先に破ったのは男の方だった。しかし、凜麗には男の表情は伺えない。
    静かな低音が部屋の中にやわらかく響く。鐘のようだった。


    「妥協、な。あのチビを飼うこともそれにカウントされんのか」
    「貴方がそう思うなら、そうなんでしょう」


    凜麗は再び振り返った男の取って付けたような笑顔に舌打ちをする。
    男は苦笑し「そろそろ失礼します」と凜麗に告げて回廊の方へと歩みだした。


    「待て、アイツからのもてなしは受けないのか?」
    「すみません、多忙の身でして。後で謝っておいてください」


    そういえば、と凜麗は男を呼び止めはしたものの、それはあっさりと断られてしまった。隣空は残念がるだろうな、と内心申し訳なくなる。

    「すみません、本当に」
    「いや、呼び止めて悪かった。ドアは閉めてけよ」
    「わかりました」
    再度男は謝罪をいれた。そして静けさの漂う回廊へと戻り バタリと扉を閉める。
    コツコツと床が鳴る音が遠ざかるのを、凜麗は無心で聞いていた。


    .
  • 51 mey id:ez-81Zb4in.

    2011-11-02(水) 16:52:01 [削除依頼]



    茶菓子を両手一杯に抱えた隣空は、凜麗と客人の待つ熾天使の部屋まで全速力で駆けていた。
    素早い身のこなしで柱や一般天使を避けつつ、彼は回廊の入口まで戻ってきていたのだ。


    「あ」
    「おや」
    しかし、目的の人物が途端に目の前へ現れ 隣空は硬直する。
    確かこの人は凜麗と話をしている筈だと認識していたからだ。
    「どうしました?」
    黒衣を纏ったうさん臭い笑みを浮かべた男が隣空の目線まで腰を落としてそう尋ねる。
    「な、なんでオジサンここにいるの?」
    隣空は茶菓子をドサリと床へ落とすと男へ飛び付く。
    「オジサンじゃありません。お兄さんは寛周です」
    「かんしゅう?」
    「そう、僕の名前は寛周。少し用事があるので失礼させていただいたんですよ」
    飛び付いてきた子供をやんわり押し退けると、寛周と名乗る男は背筋を伸ばした。
    隣空は不服ながらも新しい友達が出来たような気がして、嬉しそうに笑う。
    「寛ちゃんっ」
    「寛ちゃんですか。いいですね」
    隣空より二回りは大きい手のひらが頭を撫でる。
    隣空はやはり嫌な気はしないのか大人しく撫で受けた。細く色白い指が心地よいという。
    「寛ちゃん、今度いつ遊びにくる?」
    甘えた声が隣空の腹の内から知らず知らずに出る。
    寛周はおやおや、と呟きながらその子供を抱き上げた。
    「そうですね。近い内にまた来ましょう。今度はもっと沢山お話できますよ?」
    「ほんとっ?」
    「ええ」
    そう言ってくるりと一回転する。隣空は燥いだ。


    ―――――


    「では、また今度」


    寛周が告げると、隣空は手を振る。そして二人同時にその場を後にした。


    .
  • 52 mey id:ez-81Zb4in.

    2011-11-02(水) 22:42:40 [削除依頼]



    【episode6.宵桜を友へ】


    花。足踏みすれば安易に散らす事のできるもの。


    ――天上界に唯一咲く花がある。それは白く美しい。凜と真直ぐ背筋を伸ばして空をきる花なのだ。
    下界に咲く桜と酷似したその花は、枯れることを知らない。一度咲いて、下界の春が終わる頃に花弁を蕾に戻すのだ。なんと生命力の強い花だ、と 神は笑う…――


    黒衣を纏い、葡萄酒色の髪を崩した男が一人。静かな一本道をひたすら歩いていた。身体は傷だらけであり、生々しい血痕が目に写る。
    ――此所『天界総本務軍基地』には、あらゆる階級の天使が隊を組織している。
    大方の天使は全て黒衣を身に着けており、一般の天使と生活は正反対であった。
    凜麗のように神と交信するのとは違い、軍に所属する天使は三部隊に分かれて下界の魔物退治などを行う。


    今日も任務で怪我を追った天使が、基地の廊下――― 一本道 ―を医務室に向かって歩いているのだ。


    .
  • 53 mey id:ez-CHzZy/T0

    2011-11-03(木) 14:56:50 [削除依頼]



    医務室――真白の扉が手動で開かれる。中を覗くには扉の前に掛かった薄い布が邪魔だった。
    溜息まじりに男はそれを傷だらけの腕で寄せた。血が僅かに染み込む。痛ぇ、と片笑いをした男を傷は更に蝕んだ。


    「うぉーい、寛周ー」


    男は医務室の中へ入ると扉を閉めた。ガチャン、と鍵が締まるような音がして振り返る。が、そうではなく地面に転がっていた瓶が扉に当たっていたのだ。薄青いそれは花瓶なのか、薬品なのかは分からない。しかし、空き瓶とはいえ地面に放置しているのは危険である。
    「…たく、相変わらず散らかってんなぁ。此所は」
    先に目をやれば瓶だけでなく、あらゆる物が散らばっている。中には下界でよく利用される調理器具や、見たこともない草花があった。
    「なーにやってんだか、アイツ…」
    足下に転がってきた球型の鉄を軽く蹴り飛ばし、男は奥へと進む。
    すると医務室のベッドから、小さな呼吸音が聞こえた。耳を澄まさなければ聞こえない程度のそれは規則正しく繰り返される。
    「おい、寛周。医務室長の癖に此所を自分の寝室にするんじゃねーよ」
    ベッドの側へ行くと 案の定誰かが眠っていた。男は確信を持って眠りについている天使を揺さぶり起こす。


    寛周、何度もそう呼んだ。


    .
  • 54 mey id:ez-CHzZy/T0

    2011-11-03(木) 17:00:40 [削除依頼]



    「いい加減に…!」
    そこまで言って阻まれた。
    もう起きてます、とにこやかな男がベッドから身体を起こす。
    「今日はどうしたんですか。天界軍特務部隊、錠慶隊長殿」
    「…任務でちと焦った。治療頼むぜ?天界軍医療部隊隊長さんよ」
    二人の視線が交わる。
    錠慶。葡萄酒色に染まる髪が特徴的な男。
    一方 寛周はうさん臭い笑顔がついて離れない男だ。
    彼等は天界軍に所属している天使で、錠慶は寛周の居る医療部隊へ度々訪れていた。
    所属した部隊が特務ということもあり、危険度は極めて高いものが多い。その中で錠慶が怪我を負うことは稀ではなかった。
    寛周も「またですか」と言うだけで追及はしない。


    「気をつけてください。下界の生物でないとはいえ、貴方も生者です。死にますよ?」
    「ハッ、このくらいの傷じゃ死なねーよ」
    渋々立ち上がって腰を鳴らした寛周は、積み重なったガラクタを避けながらベッドの下を漁り始めた。
    錠慶は強気に言ってみるものの、傷の痛みが隠せずにベッドの隅へと腰掛ける。


    .
  • 55 mey id:ez-CHzZy/T0

    2011-11-03(木) 17:16:34 [削除依頼]



    静かな時間が続いた。
    錠慶が眉間を寄せて黙っている間、寛周はベッドの下から取り出した救急箱らしき箱の中から薬を取り出す。
    半透明の茶色い小瓶から、ぬるりとした糊のようなものを取り出す。量は指一本分程度である。
    「染みるかもしれません。傷の部位から邪魔なものを取り外して頂けますか?」
    「ああ」
    寛周は同じくベッドのサイドへ腰掛けると錠慶が衣服を取るのを待った。
    錠慶がさっさと上半身の黒衣を破り脱いでしまうと、布切れと化したそれは床へと投げ捨てられる。
    「ほらよ」
    錠慶が腕を差し出した。同じく身体も寛周の視界に入るように捩る。
    右腕から上半身の右側を打撲と擦傷。血が滲み、内出血を起こしている箇所が多々あった。


    「では、治療しましょう」


    寛周は取り出した薬を錠慶の身体へ塗り付けていった。


    .
  • 56 mey id:ez-haEDBU7/

    2012-07-10(火) 20:47:53 [削除依頼]



    一方、凜麗と隣空はとある場所へ足を踏み入れていた。
    今は殺風景で何もないその場所は、かつて凜麗の堕落刑が行われた場所である。
    行事のない日は奇妙な静けさが漂っていた。


    「りんれぇ!」

    「どうした?」
    幼子が、服の裾を握って凜麗を見上げる。きらきらと輝いた隣空の瞳が、澄んだ凜麗の瞳と重なって交わった。


    “ここってなんだ? ”


    隣空が口にした疑問は当然のことで、本当に何もないこの広い場所には凡そ 天使達が数十万と入れるだろう。

    「広い場所でのびのびしたい」という隣空の願望に答えようとしてのことだが、生憎凜麗は外の世界の関心がない。その為、咄嗟に思い付いたのがこの刑を執行する会場だったのだ。


    案の定、目に止まるものがなくて退屈しているのだが。


    「へんなの。ここってこんなに広いのに誰もいないんだな」
  • 57 mey id:ez-VFv06h..

    2012-07-11(水) 15:30:35 [削除依頼]



    「ああ、此所はな…ある時が来れば賑わう場所なんだ」
    凜麗は相変わらずの仏頂面を顔に貼り付けて呟く。
    「ある時?」
    何も知らずに連れられて来た隣空は、やはり疑問しか浮かばず、それ以降の凜麗の言葉を待った。
    しかし、凜麗は部屋の一点に目をやって口を開かない。彼の瞳が何もない床をただボーッと見つめていて、隣空は少し怖くなった。
    「りんれー?」
    怖々名前を呼んでみる。無視。
    隣空より一回り大きな手を引いてみる。無視。
    名前を呼んでも、手を引いても、凜麗は隣空に視線を戻そうとしない。まるで上の空。
    隣空は不思議そうに首を傾げて、凜麗の姿を目にしながらしゃがみ込んだ。
    「返事してくれたっていいのにー」
    ぶすぅ、と不貞腐れるのはまだ隣空が幼いからであるのか。彼は凜麗が自分を振り返るまで何も話さないことにした。


    凜麗はというと、ひたすら見つめている先に過去を思い出していた。“過去”と言えど浅さかな時。それは己が堕落刑にて人間にされた時のことだ。
    しょうもないことを犯して、退屈だったから堕天使にでもなってやろうと思っていたあの頃。
    翼をなくした日の主神の言葉。


    その日以前は毎日がつまらなかった、と。


    .
  • 58 mey id:ez-VFv06h..

    2012-07-11(水) 20:27:59 [削除依頼]



    「おい、寛周…。ちょっと大袈裟過ぎやしねぇか? 」
    「そうでしょうか。貴方にはこのくらいが丁度いいくらいかと思われますが」


    凜麗達が堕落刑式場に滞在する中、寛周は錠慶の治療を終えていた。両手両足、そして腹部に硬い板と白い布が宛てがわれて身動き困難な状態の錠慶は深い溜息をつく。
  • 59 mey id:ez-VFv06h..

    2012-07-11(水) 21:26:47 [削除依頼]



    「まあいいや。それより寛周…」
    と錠慶が呼び掛ける。
    「なんです? 」
    眼鏡を指先で顔にフィットさせるように整えながら、寛周は応える。
    「数日前、あの凜麗熾天使の所に行ったそうだな。お前があの御偉い天使様の知り合いだったなんてよ」


    「おや、ご存じだったんですか」
    何を言い出すのかと一瞬気を張った寛周は、錠慶の発言に肩を竦める。苦笑を浮かべて頷けば、錠慶は“羨ましい”と口にした。


    「何故…そう思うのですか」


    すると寛周は、先程よりも低い声で言う。微かに絞り出したような、密かに押し殺したような、そんな声だ。
    彼は自然に零れ落ちた言の葉が震えていることに気付かない。
    その不自然な彼の様子に、錠慶が「あぁ?」と小さく唸ってみせる。
    続けて、
    「そりゃアレだよ。美人で地位も高ぇじゃんか」
    と 笑った。
    寛周は予想外の返答に目を見開く。
    「それだけ…ですか」
    「おうよ」
    てっきり凜麗と“隣空”の関係についてや、彼等との接触について問われるのかと思い込んでいた寛周は脱力した。


    .
  • 60 mey id:ez-Wblzmn/.

    2012-07-13(金) 12:04:05 [削除依頼]



    「貴方は…この世界が退屈で詰まらない無意味なモノ、と思ったことがありますか? 」
    ふと口から零れ出た言葉。
    顔を伏せて寛周は散らかった部屋の片隅に立つ。錠慶は寛周に問われた意味が理解できず首を捻る。
    「どういう意味」
    「そのままの意味ですよ」
    問いに問いで答えれば、素早く答えが返って来る。寛周はいつの間にか満面の笑みを浮かべて顔を上げていた。
    釣られて錠慶も微笑む。
    「…そのままっつっても、俺はそんなこと考えたことないねぇ」
    軽く、そして何も深く考えていない柔らかな返事が寛周に向けられる。錠慶はこういう天使だった、と寛周は改めて実感した。実際、気さくな彼がこう言うことは聞かずとも予想出来ていた。
    「で、急になんでそんなこと聞くんだよ」
    「いえ…」
    きょとん、と幼げな反応をする錠慶は動きづらそうな両手で腕組みをした。その行動を見つめながら寛周は続ける。
    「凜麗ですよ。彼が…最近まで口にしていたことです」
    「…へー」
    「おや、興味ないですか? そんな彼が今は毎日大忙しなんですから」
  • 61 mey id:ez-sGh3ntV1

    2012-07-19(木) 13:04:14 [削除依頼]



    「どういうこと…?」
    全くと言って良い程に錠慶は寛周の言葉を理解できない。理解力が乏しい訳ではないが、寛周の話には毎回主語がなくて苦労しているのだ。
    「ああ…すみません。貴方の気になっている凜麗熾天使のところに、今 小さな子供が居候しているんですよ」
    寛周は改めて言いたかったことを整理すると、足下に落ちていた一冊の本を拾いあげて笑う。
    やっと彼の言いたいことが大体理解出来た錠慶は、ほぉ、と小さな声を上げた。
    「あの無愛想ーな八方美人が子供をねぇ」
    外見での印象しか持ち合わせていない彼は、意外だと言わん許りに珍しそうに呟く。しかし、凜麗の内面を知っていた寛周も、同じく珍しいとは思っていた。
    「友の誼で言いますが、今度彼等を誘って花見に行きませんか? 話したいことがあります」
    そこでふと思い付いたことを錠慶に投げ掛かる。
    「あ? 花見? なんでまた? 」
    「いえ…。貴方になら、話してもいいかと思いましてね」
    錠慶は再び表情に疑問を浮かべるが、寛周は内容を露にしないまま話を進める。
    どうやら 今此所で話す訳にはいかないらしい、と錠慶の機転がきいた。
    「…わかった。だったらその凜麗熾天使と、子供と…今度連れてこいよ。予定空けとく」
    「有り難うございます、錠慶」
    嬉しそうな溜息をついて、錠慶は緩く笑んだ。凜麗と子供に対しての好奇心。そして何気なく付き合いの長い寛周からのお願いには断れず、ただ真直ぐに頷く。寛周はそんな彼の寛大さに 心より礼を申上げた。


    .
  • 62 *玲乃*【mai】 id:0lMyFwF0

    2012-07-19(木) 13:07:56 [削除依頼]
    うわぁ!!

    すごぉぉい!

    初めまして、玲乃です!

    玲乃って呼んでね^^
  • 63 mey id:ez-Okjjf3I/

    2012-07-25(水) 19:03:56 [削除依頼]
    玲乃>うわあああああ!有り難うございますっ。気付くの遅くてごめんなさい。こちらこそ呼び捨てて下さいね(((^-^)))
  • 64 猫村 乙葉 id:7jOGzc7.

    2012-07-26(木) 12:48:18 [削除依頼]
     「猫村乙葉の感想屋。」から感想の投稿が終了したという報告に来ました。
    では、感想屋にて再び会いましょう。
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