俺だけのお姫さま 14コメント

1  teru id:kYUODqa/

2011-07-23(土) 19:11:04 [削除依頼]

言葉には出せねえけど

俺はいつも思ってるよ。

お前は世界一かわいいって。

……俺だけのお姫さま。
  • 2  teru id:kYUODqa/

    2011-07-23(土) 19:26:13 [削除依頼]

    「おはよう.輝(テル)ちゃん!」

    「あぁ…真琴(マコト)か.はよ」

    俺の背中を真琴が軽く叩く。

    俺がふりむくと
    真琴は頬を膨らませて
    ハムスターのような顔をしていた。

    「なぁにその挨拶は?
    この前も言ったでしょ。
    私の挨拶には.ちゃんと返事することって!」

    またかと思い.静かにため息をつくと
    真琴が俺の背中にとびのって
    顔を覗き込んでくる。

    大きくて潤んだ瞳が.俺をにらんでいた。

    「ため息禁止っていうのもこの前言った!
    それと返事は.ため息じゃなくて.はい!
    …分かった?」

    「…はい」

    「うむ.よろしい!」

    俺の「はい」一つで.さっきの厳しい顔が
    嘘だったかのような満足げな顔をする。

    彼女.朝丘真琴は.俺.空野輝の幼なじみ。
    幼稚園の頃からの付き合いだ。

    真琴は.顔は可愛いのに
    このわがままな性格のせいか
    今まで一度も彼氏ができたことがないという。

    …本人はわがままだという自覚を
    全く持っていないけれど。

    多分こんなわがままなお姫さまに
    恋をする物好きって
    俺くらいしかいないだろうな。
  • 3 るか id:AlxvCgY/

    2011-07-23(土) 19:32:33 [削除依頼]
    面白そうだから、見たら
    マジ面白かった!
    これからもがんばって♪
  • 4 ものじ id:NmyOsFL.

    2011-07-23(土) 19:38:25 [削除依頼]
    <<1 言われてぇーーーー!!!!

    ワールドイズマインみたい〜^^

    更新待ってます!!
  • 5 teru id:kYUODqa/

    2011-07-23(土) 19:40:48 [削除依頼]

    高校までの道を
    俺はいつも真琴と歩く。

    家が近いからっていうのもあるけど
    友達が少ない真琴のことを心配する
    真琴ん家のおばさんのためでもある。

    『いつもごめんなさいね.輝くん。
    まこちゃんったら
    友達なんかいらないなんて言うのよ。
    頼れるのは輝くんだけだわ。
    あの子.輝くんの言うことならよく聞くもの。
    ……まこちゃんのことよろしくね』

    そうでもないと俺は思う。

    真琴は俺のいうことなんて聞かないし
    むしろ俺の方が
    真琴のいうことを聞かされてる気がする。

    別に好きでやってるから.いいんだけどさ。

    俺が物思いにふけりながら
    黙々と通学路を歩いていると
    となりを歩いていた真琴が
    突然.俺の頭を軽くこづいてきた。

    驚いて真琴を見ると.怒ってる。
    さっきと同じ.頬を膨らませたハムスター顔。

    真琴がこの顔をしている時は
    わがままを言いだす時だと
    俺は長い間の付き合いで知っている。

    「つまんない!」
    「え?」
    「輝ちゃんってばさっきからずーっと
    むっつりしたまま歩いてて.私つまんないの。
    何か面白いこと言って!」

    むちゃぶりはよくあることだ。

    「お.面白いことと言われても…」
    「何でもいいから!」
    「……ふとんがふっとんだ」
    「つまんなあーい!」

    ――ばしっ。

    「痛ぇっ!」
    「何そのギャグ.つまんない!
    輝ちゃんのオヤジ!」
    「お…オヤジ…!?」

    むちゃぶりのうえ.オヤジ扱いっすか…。
    まあ我ながらさっきのギャグは
    つまんなかったけどさ…。
  • 6 teru id:kYUODqa/

    2011-07-23(土) 19:43:08 [削除依頼]

    るかさん

    ありがとう!
    これからもぜひよろしくです(●´∀`)ノ

    ものじさん

    ワールドイズマインいいですよね!
    あの曲.私も好きです(´∀`ヽ)

    一度でいいから世界一かわいいなんて
    言われてみたいっすww
  • 7  teru  id:kYUODqa/

    2011-07-23(土) 20:03:43 [削除依頼]

    結局その後も俺は
    真琴の気に入るギャグを言えないまま
    学校の門をくぐった。

    真琴とはクラスも同じだから
    廊下でも.俺は真琴に
    鞄を持てだの.靴を履かせてくれだのと
    さまざまな注文をつけられた。

    本当にわがままなお姫さまだなあ…。

    「あっ」
    真琴が声を上げて.どきっとする俺。
    え.もしかして俺何かした…?

    真琴が俺をまっすぐ見る。
    頬は膨らんでいない。

    そのかわり.色の白い頬が赤く染まっていた。
    俺を見る大きな瞳も
    心なしかいつもより潤んで見える。

    「今.輝ちゃん.私のこと
    わがままだなって思ったでしょ」

    ――ギクッ。
    え…何でわかったんだろ。
    俺.そんなに顔に気持ちが出やすいのか?

    慌てる俺の態度から.図星だったと知ったようで
    真琴は潤んだ瞳を.さらに潤ませた。
    やばい…ここで泣かれるのはやばい!

    「そ.そんなこと思うわけないだろっ?
    真琴はただちょっと…人より手がかかるだけで
    全然そんな.わがままなんてことは……」

    「…人より手がかかるから.わがまま?」

    そう言って.上目づかいに見る真琴。
    そんな可愛い顔で
    責めるように俺を見ないでくれ。

    真琴のさっきまでのわがままに
    呆れていた気持ちはとっくに吹き飛んで
    今はもう.罪悪感しかなかった。

    俺は泣きそうな真琴の鞄を持ち
    脱げかけた靴を履かせて
    ポケットから出したハンカチで
    うっすら浮かんでいた彼女の涙を拭った。

    さすがお姫さまというだけあって
    真琴は涙を拭われている時でも
    「そのハンカチちゃんと洗濯してある?
    アイロンもかかってる?」
    なんて注文をつけてくる。

    …でもおかしいのは.真琴より俺の方かも。

    毎日まるで下僕のようにあしらわれてるのに
    真琴がたまに見せるこんな
    愛らしい様子一つで
    全部ちょうけしになっちゃうんだもんな。
  • 8 teru  id:lZ68qPy0

    2011-07-24(日) 07:41:38 [削除依頼]

    ハンカチで涙を拭ってからは
    困惑した俺の心境を感じ取ったのか
    真琴はもう泣かなかった。

    そのかわり.教室に入って
    朝のHRが始まってからも
    隣の席から(俺と真琴は席が隣同士)
    俺をにらんできた。

    あまりにじーっと恨めしそうににらんでくるので
    もはやにらまれているというか
    見つめられているようにも感じる。

    始めはにらまれることに罪悪感を
    感じていたのだけれど
    だんだん恥ずかしくなってきた。

    たえられなくなって.HRが終わり
    一時間目の理科のために
    理科室へ移動するのと同時に
    真琴に駆け寄る。

    真琴は俺を見て.やっぱり頬を膨らませた。
    俺はため息をついて
    怒りながらもちゃっかり隣にくっついてる
    真琴に軽く頭を下げる。

    「…俺が悪かったよ.ごめん」
    「……」
    「機嫌直して.理科行こ。な?」
    「…ゆ.許してあげるのは今回だけだからね!」

    頬を少し赤く染めて真琴が言い放つ。
    俺は少し驚いてから
    思わずぷっと吹き出してしまった。

    ほんと.素直じゃないな。

    背の小さい真琴の頭を
    くしゃくしゃとなでて
    俺は久しぶりに笑顔をつくれた。

    「ありがとな.真琴」
    「…べ.別に…っ!」

    何も言わなくても分かってる。
    真琴が俺のことを
    嫌ってないってことくらい。

    最近.気づいたんだ。
    真琴はわがままなんじゃなくて
    ただ素直じゃないだけってことに。
  • 9 teru  id:lZ68qPy0

    2011-07-24(日) 08:03:08 [削除依頼]

    唐突だけれど俺は理科が好きだ。

    いや.理科に限らず
    勉強はほとんど嫌いじゃない。

    その中でも特に好きなのは
    理科と数学.それに英語。

    ちなみに今.俺の隣の席で
    理科の電気計算の問題に
    うなっている真琴は
    そのどれもが嫌いの分類に入る。

    簡単に言えば
    真琴は勉強が苦手で
    その中でも理科と数学.英語が
    特に苦手だということだ。

    俺がすでにプリントの問題を解いて
    黒板とノートを確認していると
    急に真琴のうなり声が聞こえなくなった。

    何かと思って隣を見ると
    俺をじっと見つめている。
    今回はにらんでいない。

    でもにらまれていない分
    真琴の大きな瞳が
    何かをねだるように
    俺にまっすぐつきささってくる。

    俺にすりよるようにして
    真琴がプリントを差し出した。

    ……なるほど。

    「…教えろってこと?」

    コクコクと真琴が頷く。
    俺は真琴に気づかれないように
    小さく静かにため息をついた。

    「どこが分かんないの?」
    「全部!」
    「……え?」
    「全部!」
    「……OK」

    満面の笑みで言うことか。
    そう思ったが
    もちろん口には出さない。

    俺は早く教えて教えて.とせかす
    真琴のプリントを覗き
    計算の公式などを書き込んでいく。

    真琴はそれを興味深そうに
    見つめていた。
  • 10 『夏にゃん』 id:MxlwS6Z0

    2011-07-24(日) 08:12:45 [削除依頼]
    何かこういうシチュエーション憧れる。
    うらやましいなぁ〜♪
  • 11 teru  id:lZ68qPy0

    2011-07-24(日) 08:33:13 [削除依頼]

    「…んでAを求めるためには
    ここのVとIをかけなきゃいけないわけ。
    だけどこの図1は並列になってるだろ?
    だからこの場合はVを2で割って……
    ……真琴?」

    「ぐー」

    「寝てるし…」

    自由気まますぎるだろ!

    勉強を教えてと言われたのは
    初めてじゃないけど
    説明の途中で寝られたのは初めてだ。

    というか今授業中だし。

    俺はすーすー寝息をたててる真琴の
    肩を軽くゆすった。
    真琴はすぐにまぶたを開いて
    とろんとした顔で俺を見た。

    いつもの真琴とは違う
    女の子らしい表情に
    思わずどきっとする。

    「ふぁ…てるちゃん…」

    真琴は俺のことを昔から
    「てるちゃん」と呼ぶが
    俺の名前は「輝」と書いて
    「ひかる」と読む。

    俺のことを「輝ちゃん」と
    呼ぶのは真琴だけだ。

    「真琴.怒られても知らないぞ」
    「ぬ…?」
    「いや.ぬ…?じゃなくて」
    「ふぁあ…おはよー輝ちゃん」
    「うん.おはよ」

    仕方ないよな。
    …お姫さまなんだし。

    俺は仕方なく.理科担当の
    山口先生から見えないように
    真琴を背中に隠す。

    説明しつつ解いていた
    真琴のプリントを
    5分でやり終えて
    机につっぷして眠る真琴の前に
    そっと置いておいた。

    先生が黒板の前で
    電気抵抗について説明しているが
    そんなことはもう
    俺の耳に入らない。

    真琴の幸せそうな寝顔を
    見られるなら
    理科のプリントくらい
    安いもんか。

    すやすや眠る真琴の顔にかかった
    前髪をはらいつつ
    俺は自分に呆れてため息をついた。
  • 12 teru  id:lZ68qPy0

    2011-07-24(日) 08:37:47 [削除依頼]

    『夏にゃん』さん

    優しい幼なじみっていう設定は
    女の子なら誰でも憧れますよねww

    コメント嬉しいです!
    また読みに来てくださいね(`・ω・´)
  • 13 teru  id:li0ZeXA1

    2011-07-25(月) 13:07:24 [削除依頼]

    結局真琴はそのまま
    理科の授業を眠って過ごした。
    さいわい.先生にも見つからなかったし。

    俺が解いておいたプリントを
    真琴はさも当たり前のように受け取り
    先生に提出する。

    まあ予測はついてたけど…
    「ありがとう」くらいは
    せめて言ってほしかったぞ…。

    俺はがっくりと肩を落としつつ
    先をずかずか歩く真琴の後について
    教室へ続く廊下を歩く。

    さっきまでとろとろと
    眠っていた真琴は
    すっかり眠気も覚めたらしく
    たびたび俺の方を振り向いては
    得意のハムスター顔で早く早くとせかした。

    「輝ちゃんって歩くの遅いのね!
    もっとすっきりスマートに歩けないわけ?」

    「あのなあ…
    誰のせいでこんな疲れたと思って…」

    真琴はわざと首をかしげて見せる。
    分かってるくせに。

    「なによ.誰のせいだっていうの?」
    こういう時は何を言ってもムダだろうな。

    「…いや.誰のせいでもありません」
    「ふふん.それでいいのよ」

    鼻で笑ったよな.今。

    たしかに毎度のことだけど…

    俺はその時
    ご機嫌でスキップしながら先を歩く
    真琴の背を見つつ.ふと思った。

    何で真琴はこんなにわがままな
    態度を自分からとるんだろう.と。
  • 14 teru  id:li0ZeXA1

    2011-07-25(月) 13:24:12 [削除依頼]

    わがままは嫌われる。
    普通の人ならそう考えるだろう。

    俺だってそう思ってるし
    だいいち.真琴はわがままだから
    実際友達や彼氏ができない。

    その証拠に幼稚園の頃からの
    長いつき合いだけれど
    俺は俺以外
    真琴とつるんでる奴を見たことがない。

    真琴が他の女子みたいに
    女同士でキャピキャピ遊んでるとことか
    男子と話しながら
    はにかんでる姿とか…見たことがない。

    真琴が他の男と話さないのは
    俺からすれば逆に嬉しいことけど
    せめて仲のいい親友一人くらいは
    つくってほしいと思う。

    今まで真琴の意見には
    絶対服従だったし
    真琴が嫌がることは
    なるべくしたくなかったから

    俺はあえて「友達つくれば?」
    とは言わなかった。

    真琴が嫌な顔をすることが
    目に見えていたからだ。

    でももしかしたら…
    一人くらい大切な人ができたら
    真琴もその人のために
    控えめになろうと考えるようになるのでは?

    俺の中にふと
    そんな考えが浮かんできた。

    別に真琴のわがままが
    嫌なんじゃない。
    むしろそこも俺が真琴に惹かれる
    理由の一つだと思う。

    ただ…
    俺が真琴を束縛してるんじゃないか。
    そう思い始めていた。

    俺がへこへこ言うことを聞くから
    真琴のわがままがひどくなって
    それで友達ができないのではないのか。

    俺は真琴と一緒にいたい。
    そのためなら少しくらいのわがままにも
    つき合おうと覚悟している。

    でも他の人もそうだとは限らない。
    むしろ俺がもし真琴と離れたら
    このままでは真琴は…いずれ一人になる。

    そうなる前に真琴のわがままを
    少しでも改善するのが…
    今の俺のするべきことじゃないのか…?

    俺は…真琴を好きだし
    出来る限り.真琴と一緒にいたい。
    だけど真琴が一人ぼっちになるのは
    絶対に嫌だ。

    俺…どうすればいいんだろ。
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