初恋の初恋13コメント

1 音羽 id:uJtoeJC0

2011-07-22(金) 15:47:59 [削除依頼]
“上杉 初恋”
・・・新しい四字熟語とかじゃないわよ。
あたしのちゃんとした“名前”。
“初恋”と書いて“ハツレン”って読むの。
“ウエスギ ハツレン”
  • 2 にあ. id:bLf7rCr0

    2011-07-22(金) 16:57:31 [削除依頼]
    面白そうです!
    首を長くして更新されるのを待っています!
  • 3 音羽 id:DoYUd4t1

    2011-07-24(日) 11:53:08 [削除依頼]
    5月のある朝。

    「ねぇねぇ、あのテレビ見た?」
             「2組の男子ってイケメン多いよね〜!」
     「お前、彼女とかいんの?」
                  「きゃーっ、虫、虫!」

    何気ない会話が飛び交う中、ガラッとドアを開ける音がした。
    その瞬間、生徒はバタバタと自分の席へ戻る。

    「よーし、いいぞいいぞ」

    これがあたしたちの担任。悠木 春魔・・・間違えた。
    悠木 春真先生。25歳。多分、独身。いや、絶対。
    何でかって?
    ――そんなの入学式からの1週間でわかるわよ!
    4月。桜が散るなかで行われた入学式。
    担任紹介であたしたち1年1組は悠木先生に逢った。
    いや・・・「逢った」じゃなくて「遭った」ね。
    同じ読み方でも、漢字の意味は違うよ。
    で、話を戻すけど、あたしたちの担任は悠木先生だったわけ。
    顔はまぁイケメンって感じで、女子には好かれる顔だと思う。
    担任紹介の時は凛としていて印象良かったんだけど・・・。
    教室に入ると奴は変わった。

    『やぁ、みんな!僕の最初の教え子たちよ!!うぇるかむ!』

    空気がピリッと固まったのがすぐにわかる。
    さっきまで「キャー、私超嬉しい!こんなイケメン先生が
    担任なんて!」とかはしゃいでた女子も顔が引きつっている。
    ドン引きだ。
    そんな空気に気づかないまま、担任は話し出す。

    『君たちは今日から我が月空学園の生徒だ!いいか!月空の誇り
    を常に持ち、一人ひとりが月空の星となる!それが俺・・・いや、
    私の夢であり、校長・理事長の夢である!』

    “月”空なのに“星”なんだ・・・。クラスメートの大半がそう思った
    だろう。
    とにかく、あたしたちはあの先生にだまされた。
    まさかあんな熱血・・・つーか暑苦しい人だったなんて。
    別に悪くはないけどさ。あたしはね。無関心な先生のほうが嫌いだし。
    ただ、あんな爽やかで凛とした姿の先生が・・・。とは
    思ったけど。
    たまに「クールそうで意外と可愛いとこのギャップが好き♪」って
    いう子いるけど、この先生はギャップの枠を超えている。
    ・・・うまく言い表せないけど、これだけは言える。
    独身だな。絶対。きっと彼女もいない。
    いたとしたら、その彼女、相当な変わり者だ。

    『青春するんだ!勉強・スポーツ・部活・習い事・恋!
    何でもいい!とにかく今、自分が夢中になれることを見つけろ!』

    悠木先生は2時間ほど話・・・つーか演説をした。

    あれからもうすぐ1ヶ月。
    先生はいっつもあのテンションだから、さすがにもう慣れた。
    「朝は、マンガやドラマみたいに先生が入ってきた瞬間に座る!」
    とか教訓も勝手に作られた。

    ・・・で。今日もまたいつもの出席確認が始まる。

    「秋元やす・・・「秋本恭華です。」井上おり・・・「井上詩織。」
    上杉・・・はつこい!「はつこいじゃなくて、“はつれん”です。」・・・」

    先生はいっつもこの調子だ。
    ったく・・・。みんなを笑わせようと意識しての発言なのか、
    それとも天然なのか。
    悠木先生もある意味“不思議ちゃん”だ。
    でも、みんなはそんな悠木先生をなんだかんだいって
    好き。これは本当のこと。
    今のところ、あたしのクラスはいじめも法律に違反することも
    していない。普通に楽しくて普通に仲が良いクラス。
    あたしも十分、青春を楽しんでいる。
  • 4 _▼.爽音(´∀`*) id:YAQRzje1

    2011-07-24(日) 11:55:58 [削除依頼]
    面白いです!!
  • 5 音羽 id:OiZaqjk/

    2011-07-26(火) 13:56:20 [削除依頼]
    ようやく出席確認が終わり、生徒はまた話し出す。
    あたしも後ろの席の藤野 眞麻(通称:マーサ)としゃべってた。

    「おはよー、レン。昨日のメール見たぁ?」
    「見たよ。なんなのあれ。『1−4 加藤 亜理砂、2−2
    桐島 友斗 おめでた!』ってさぁ。アリサ付き合ってたの?
    あたし今知ったんだけど。」
    「もーっ、情報いっつも遅いよね。特に1−1って。他のクラス
    みーんな知ってたんだよぉ?」
    「マーサはいつ知ったの?」
    「マーサはねー。一週間前かなぁ。ただ、ホントに付き合ってんのか
    わかんなくて・・・。アリサが口を割るのに3日かかったの。」
    「アリサ、意外と秘密主義だもんねー。」
    「そうなんだよ!小学生の頃は素直だったのにぃ・・・。
    マーサ悲しい!」

    ふふっ、とあたしの前で微笑むマーサ。
    高校生にもなって自分の事を「マーサ」って呼んだり、変に
    お母さんぽかったりするマーサはあたしの幼なじみ。
    お父さんがアメリカ人で、髪の色は栗色。
    小顔でパッチリ二重で髪はショート。身体は小柄かな。
    とても恵まれた容姿で性格も良い。頭は悪いけど。
    一見、ふわふわして穏やかなマーサだが、実はとてもスポーツマン。
    (ん?この場合スポーツ“マン”じゃなくて“ウーマン”か?)
    小学校からずっとソフトボールをしている。
    中学時代はエースでチームを準優勝まで導いた。
    色んな意味で憧れてしまう存在だ。

    「・・・ン・・・レン!」
    「えっ、はっ!?」
    「どーしたのー?ぼーっとマーサを見て・・・。」
    「ううん、なんでもない!ほら、次移動教室じゃん!行こっ!」
    「うん!」

    あたしたちは急いで教科書とノート、筆箱を持って教室を出た。
    そこであたしたちは、まさかあいつらに出くわすとは
    思っていなかった。
  • 6 音羽 id:BYER6Nc1

    2011-07-28(木) 14:24:58 [削除依頼]
    「でね、でね、アリサが『はぁ・・・。確かに付き合ってるよ。
    付き合ってます。付き合ってますけど何か!?』って急に
    逆ギレしちゃったんだよー!」
    「アリサ・・・可愛い・・・」
    「だよねー!マーサちょっとビックリしちゃって。あのアリサが
    付き合うなんて!」
    「それ、アリサに失礼」
    「えー?違うよー。良い意味だよー。」
    「ははっ、そんなの分かってるって。」

    あたしとマーサは理科室へ向かった。(なんでって・・・。1時間目が
    理科だからよ!)
    1時間目が始まるまであと15分。
    まだ時間があるから、生徒は廊下でおしゃべりしたりしてる。

    「ねー、レン。今日はこっち歩こうよー。」
    「え?あ、いいよ。」

    理科室へ向かう道は3つある。いつもは手前の廊下を使っているが、
    今日は階段を上って理科室へ向かうことになった。

    「珍しいね。なんで?」
    「んー・・・気分」
    「そか」

    階段を上って廊下。右に数メートル歩くと理科室だ。

    「うるさいね。」
    「うん。まぁ、マーサたちもうるさいけどね」

    ここ(3階)はあたしたちと同じく1年生。
    あたしたちのクラスは2階だけど。
    この学園の校舎はちょっと構造が変わっている。
    まず、南校舎が3年生。東校舎が2年生。西校舎が1年生。
    西校舎は1階が職員室、保健室、校長室等。
    2階が1年1、2、3、4、5組。
    3階が1年6、7、8、9、10組。
    どう?これでうちの学園は生徒の数が1000人超えるって
    わかるでしょ。

    「それでさーアリサが・・・あれ?レン?あそこなんか飛んでない?」
    「んー・・・?何が?」
    「そーか、レン、視力0.7だったね。見える?」
    「見えない・・・。」
    「危ないから、違う道通る?」
    「いいよ。見えないし。大丈夫でしょ」
    「エー・・・でも、だってホラ、こっち向かってきてるんだよ?」
    「んー・・・?」

    よーく目をこらすと、確かに男子生徒数名が何かを投げ合ってる。
    理科室の目の前だ。

    「今から違う道通るなんて、面倒くさいじゃん」
    「そうだね、でも気をつけてよ。」

    あたしたちは人ごみをかき分けて、理科室へ向かう。
    同時に何かを投げあう男子生徒たちはこちらへ向かう。

    「それもまぁ、器用に投げれるねぇ。右、左、右、左・・・
    投げあいながらこっち来てるよ」
    「そんなのソフトボールの練習でいつもやってるよー。」

    マーサが頬をぷくっと膨らませながら言った。
    きっとあの男子生徒たちに負けたくないんだろう。

    悲劇はそのあと起こった。
  • 7 音羽 id:hYdpz.W0

    2011-07-29(金) 14:34:04 [削除依頼]
    右、左、右、左と飛ぶ何か。
    その“何か”がまさか真っ直ぐにこっちに来るなんて・・・。

           スパーーーーン!!

    「ぐはっ!!」
    「きゃあー、レン!大丈夫!?誰だあたしのレンにこんな
    ボ・ロ・ク・ソノート投げやがったのは、ああん!?
    そいつ腐敗されたろか、あ”!?」

    マーサがあたしを抱えてる、のはすぐにわかった。
    そして、マーサが天使から鬼と化したのも。

    「マーサ・・・落ち着いてぇ・・・うっ・・・」
    「レン!しっかり!もうやあねぇ、こんなボーロボロの
    ノートに顔面から当たるなんて」

    そしてマーサはいつの間にか鬼からお母さんへと変わった。

    ・・・やっぱり、あの飛んでいた“何か”が当たったんだ。
    一瞬のうちに。
    そしてその“何か”は―

    「このノートだよ」

    そう言ってマーサが見せてくれたのは、結構・・・ボロいノートだった。
    ふにゃふにゃで、ところどころペンとかで汚れてる。
    きっと前から、ああやって投げて遊んでたんだろうな・・・。
    物は大切に使え。

    「誰だよ、こんなノート投げた輩は、あ”?」

    マーサが鋭い目つきで周りを見渡す。
    周りの人間は「天使が再び鬼に化した」とおびえる。

    「まぁまぁ、マーサ。落ち着こうよ。あたし大丈夫だよ・・・痛っ」
    「レン!目、大丈夫?てゆーか、顔全体赤いよ?」

    目の辺りがヒリヒリする。
    まるでドッヂボールで、ボールを思いっきり顔面にぶつけられた
    ように。

    「はは、目はちゃんと見えるよ。もう大丈夫だから。」
    「でも・・・」
    「おー、わりぃわりぃ!ぶつけちゃったなぁおい。」

    前からさっきの男子生徒たち(4人)がやってきた。
    そう、あたしの顔面にノートぶつけたやつらだ。

    「わりぃなー。いや〜本気で投げたら方向転換しちゃって。」
    一人は金髪の男。耳にピアスとかしちゃってオシャレ。
    でも・・・いくらここの校風が自由だからってこいつは自由すぎでしょ。

    「だいたいこいつらがあんなとこにいたのが悪いんだろう。
    お前らもちゃんと前見て歩け。」
    ムッカツク〜!なんなのよこいつ!偉そうにして!茶髪の長身男。
    女みたいな顔のくせに。。。(美形とか可愛いとか言わないわよ!)

    「まぁまぁ、僕達の責任だし・・・ごめんね」
    わー、紳士だぁ!!黒髪で穏やかな目だ。ちょっと天パで
    可愛い男の子って感じだ!この人ぐらいなら許す!!

    「腹減った・・・。もうそろそろ授業始まる・・・。」
    ・・・なんか不思議ちゃん現れたぞ?瞳が真っ黒で、何もかも見通す
    感じ。肩まで黒髪がスッと伸びている。

    ・・・という4人があたしたちの前にいるわけ。

    ここからあたしのストーリーが始まる。
  • 8 音羽 id:i3.pEaE1

    2011-07-31(日) 16:30:24 [削除依頼]
    「・・・うっ・・・」
    「レン・・・まだ痛む?」

    お昼休み。あたしはマーサと教室で昼食を食べていた。
    あたしはお母さんの手作りお弁当。
    もちろんマーサもお母さんの手作りお弁当。
    ・・・でもマーサのお弁当ってあたしよりでかいんだよね。
    それでこんなに小柄なんだもんなー。すごいなー。
    なんて感心してる場合ではなかった。
    あの「ボロノート初恋にアタック事件」(←なぜかこんな名前が
    ついた。“初恋”は“はつこい”って読むんだってさ。
    あたしの名前は“ハツレン”なのに。)から、もう4時間以上
    経つけど、まだ目が痛い。

    「どーしよー・・・保健室いったほうがいいかなぁ。ねぇ、レン」
    「いいけど・・・廊下歩くたびに『あ、ノートのアタックの人じゃん』
    って言われるよ・・・。」
    「んー・・・我慢して行ったほうがいいよ。失明したらどうするの。」
    「それもいやだな」

    「あのー・・・」

    この声は。
    そう、あのノートをアタックしやがった男子生徒の・・・

    「さっきは・・・すみませんでした。」

    可愛い紳士の子じゃん!!
    うわー、可愛い!小さい!天パで毛先がくるってなってて・・・
    マーサとだったら超お似合いかも、この子!(小柄だし。)

    「あ、いえ、大丈夫ですよー。はははっ。」
    「あんたらさぁ・・・」

    ゆらりと隣のマーサが立ち上がった。
    やばい。
    ドス黒いオーラが黙々とにじみでている。

    「あたしのレンに何を投げつけて、レンがどうなったか
    分かってるわけ?え?」
    「マーサ・・・?ちょ、マーサ!マーサちゃん!落ち着いて・・・」
    「あっ、うん。本当に悪かったと思ってるよ・・・ごめん。」
    「レーン・・・。あたし、今からこの人を・・・」
    「ダメェェエ!!マーサ、ね、ちょっと落ち着こうか!
    話聞こうよ!で、あの、どうしたんでしょうか・・・。」
    「うん。あの、もし良かったらこれ。」
    「?」

    そういって小さな紳士があたしに渡してくれたものは
    形が様々なクッキーだった。

    「え?これ?」
    「うん。さっき家庭科で作ったんだ。おいしいかどうか
    よく分からないけど・・・せめてのお詫びに」
    「危ないものとか入ってないでしょうね?」
    「マーサ!ごめんね、こちらこそ。ありがとう。嬉しいよ。
    ちゃんと頂くからね。」
    「良かった!目は大丈夫?かなり痛そうだったけど。」
    「あ・・・うん。ちょっとまだ痛いかな。」
    「そっかぁ・・・。保健室行ったほうが」
    「それもいいんだけど・・・周りからなんか変な目で見られるから。」
    「・・・本当にごめんね。」
    「いいよ!大丈夫だから。」
    「そう・・・。じゃあ、気をつけてね。僕はこれで・・・。」
    「ありがとー!」

    そう言って、小さな紳士は去っていった。
    一方、マーサの黒いオーラはまだ去らない。

    「マーサ・・・もういいよ・・・」
    「だって・・・」
    「ありがとう。マーサ。でももう大丈夫だから。」
    「でも、レン。レン、今怨んでる人いるでしょ。」
    「えっ・・・」
    「茶髪の背のたかーい男。偉そうな。」

    マーサの勘、見事に的中。
    怨んでるってゆーか、嫌いなんだけど。
    そう、さっきの4人の男子生徒の一人。
    茶髪長身男。
  • 9 音羽 id:i3.pEaE1

    2011-07-31(日) 16:52:48 [削除依頼]
    「・・・うん」
    「ね?」

    どや顔でマーサがから揚げをほおばる。
    そんな姿も可愛い・・・♪

    「マァシャだっふぇ、あにょちゃっはつちょーしん
    おとふぉのうぃいかふぁふぁにゃいとおもふっふぁ
    よ」
    「・・・ごめんマーサ、何言ってんのか全然不明。」
    「マーサだって、あの茶髪長身男の言い方は
    ないと思ったよ」
    「だよねー。マーサさぁ、その黒いオーラはあの
    茶髪長身男に会ったときに出してくれる?」
    「いいよー。」

    キャハハと笑いながら昼食を食べて、
    あたしは自分の席に戻った。
    カサッと音をたてる机の中のクッキー。
    あの小さい紳士がくれたものだ。
    本人はクッキーが苦手とかいらないとか
    そういう理由を隠してあたしにくれたのか、
    それとも本当に詫びの気持ちでくれたのか、
    本当のところ、どっちか分からない。
    けどあたしは、小さな紳士がくれたクッキーを
    見るたびにふと笑みがこぼれた。
    そして「逢いたい」という気持ちも。
  • 10 音羽 id:VmQzL/90

    2011-08-01(月) 19:59:59 [削除依頼]
    5時間目、体育。
    今日は女子のバレーボールのクラスマッチ。
    男子も応援に来てくれている。
    あたしもマーサも体操服(ってゆーかほとんど動きやすい私服
    なんだよね。うちの学校、校風自由だから。制服はあるけど
    体操服はないの。)をバッチリ着こなしている。
    あたしは水色のTシャツに白の短パン(ジャージ)で
    マーサはピンクのポロシャツにあたしと同じ短パンだ。

    「ピーーーッ!集合!」
    「はいッ!」

    先生の軽い試合の説明が終わり、いよいよ我ら1−1は
    1−2と試合をすることに。

    「1−2かぁ・・・。別に強そうな人いなくない?」

    何気に2組女子が傷つく一言を流すマーサ。
    確かに2組は大人しそうなイメージがあるからなぁ。

    「・・・こっちはマーサがいるから安心だね!」
    「えー。マーサ、バット欲しかったー!」

    お前はこの試合をどうするつもりなんだと男子から
    ツッコミを入れられたマーサ。

    「それでは、1−1対1−2の試合を始めます。ピーッ!」

    いざ、勝負!
  • 11 音羽 id:i6PSIfB0

    2011-08-05(金) 14:52:15 [削除依頼]
    悪いけど、あたしバレーボールって詳しくないのよ。
    だからサーブとかアタックとかあんまり知らないわけ。

    「美紅ー!そっちそっちそうそれ!」
    「きゃっ、ボールが・・・」
    「だっ!誰よ私の顔にボール当てたの!」

    色んな声が飛び交う(時々恐ろしい言葉が聞こえるけど)
    中であたしは端っこでボールの行き先をずっと眺めていた。
    別にサボってるつもりはないけど・・・。
    ボールがこっちに来ないんだもん。
    ほとんど1−1に来たボールはマーサが受け止めている。
    小柄な体型を活かしてぴょんぴょん跳ねながら
    バンバンと1−2のコートへボールを投げ込む姿は
    実に可愛らしい。

    「はーっだるー。」

    あたしの横にサクラが来た。
    いつもと同じようにだるそうだ。スタイルはいいのに。

    「どーしたのサクラ。」
    「だるくない?運動って。」
    「でも勉強も嫌なんでしょ?」
    「うん。」

    ふっと柔らかく微笑むサクラ。
    中学が同じだったけど、1年の後半から2年の冬まで
    ほとんど学校に来てなかった。いわゆる、不登校ってやつ。
    別に彼女自身に問題があったわけではない。
    彼女へのいじめもなかったし、友達とも仲良くしてそうだった。
    ただ、彼女がどうしても馴染めなかったもの。
    それは“中学だけの圧力”だった。
    テスト前。みんなが焦りだす。
    三者面談。進路のこと。
    朝のホームルーム。先生の説教。
    こんな普通のことに、彼女はどうしても圧力を感じていたらしい。
    『私はさ、今を生きたくて、好きなことだけしていたいんだよ。
    焦りとか不安とか成績とか将来とか、そんなものいらないんだ。
    ・・・都合が良すぎでしょ。私の願いって(笑)』
    彼女が不登校になってしまったんじゃないか。
    そう気づいて送ったメールの返信に書かれていたことだ。
    (笑)とか打ってるけど、きっと彼女には重い場所だったんだろう。
    学校ってものが。

    「レン、サボんない?」
    「はぁ?無理でしょ。もうコート立っちゃったし。」
    「ふふ、冗談だって」
    「サクラあのさ「ピピーーーーッ!終了!1−1の勝ち!」
    「「マジで!?」」

    「もー、レン。ボール触った?」
    「触ったよ」
    「どこで?」
    「ん?先生にボールちょっと持っててって言われたから」
    「それ、試合に参加してないじゃん」
    「だってボールが来ないもんー。」

    更衣室。
    1−1の女子はかなり盛り上がっていた。
    まぁ、勝ったからね。

    「ほらー、電気消しちゃうよー!早く出て〜。」

    更衣室の電気を消して、廊下に出るとあいつに遭った。

    「よぅ。全然ボール触ってなかったな。」

    金髪ピアスの男だった。
  • 12 音羽 id:nkvgBrJ0

    2011-08-09(火) 14:29:59 [削除依頼]
    「・・・何よあんた・・・」

    なんでド派手な金髪ピアスと黒髪の私が並んで
    歩かなきゃ行けないわけ!?
    しかもマーサってば「アイツ天然ノキンパツチガウネ。
    アイ ライク 天然ノ クロカミヨ」とかわけの
    わかんないこといって逃げたし・・・。

    「なぁ、顔大丈夫?」
    「はあっ!?あんたがぶつけたんでしょ!!」
    「あー悪い悪い!!」
    「ぜーーーったい反省してないよね。」
    「反省してるってぇ。」
    「もういいから、さようなら!!」
    「あのさー・・・俺一応謝りに来たんだよ・・・」
    「え」

    金髪ピアスがしゅんとしながら頭を下げた。

    「ごめん」

    なんだこいつ。いい奴じゃん。
    人は見かけによらないって本当なんだ。

    「で、お前名前なにー?」

    前言撤回。
    謝った次の言葉が「お前名前なにー?」はないでしょ!?
    月に変わっておしおきするわよ。←セーラー●ーンかよ

    「名前・・・。上杉 初恋だけど」
    「へー。“ハツレン”かぁ。珍しいな。“初恋”って書くのは
    知ってたけど、“ハツレン”って読むのは初めて知った。
    あ、俺は徳川 葵。よろしくな。」

    徳川・・・。
    ってことはあんた、敵は石田ってやつがいるのね。
  • 13 音羽 id:iEq92KC1

    2011-08-11(木) 09:59:31 [削除依頼]
    ってことでなんかもう放課後だけど。
    なんでこうなるわけ・・・。

    「どーしてあたしの前にイルンデスカ。」
    「おい・・・大丈夫か?上杉」

    あたしの前に立ちはだかるのは今朝の4人。
    徳川 葵
    茶髪長身男
    小さな紳士
    不思議ちゃん

    ・・・あたし一人しか名前知らねーーーーーーっ!!!!

    「あのさ、まず残りの3人は自分から名前言うとかできないわけ?」
    「なんでお前に名前を教えなきゃいけないんだよ」
    「いいわよ。だったら一生あんたのこと『茶髪』って呼んでやる」
    「はぁっ!?」
    「まぁまぁ、落ち着いて。ねー?」
    「君は・・・!」

    キターーッ!!!!!
    小さな紳士!!
    この子だけよーー!
    あたしの気持ちを分かってくれるのは!!

    「あっ、クッキーありがとう・・・」
    「ううん、どういたしまして」

    可愛いーーーーーーっ!!
    はっ。
    いかんいかん。
    ここは威厳を保ちつつ、乗り越えなければ!!
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