蝉蛍は花火と舞って。4コメント

1 ゆっきー id:ez-SZTVcxv0

2011-07-21(木) 22:27:03 [削除依頼]

「わたしはきっと病気なのです」

半袖短パンの女子高生がよく言うよ、と僕は静かに苦笑した。

  • 2 ゆっきー id:ez-SZTVcxv0

    2011-07-21(木) 22:37:12 [削除依頼]
    ‐1‐

    .シャボン玉が敷き詰められたようなファンシーな模様の紙袋を片手に、僕はひたすら階段を上っていた。毎日通いつめているだけあって、考えずとも脚は勝手に動いてくれる。僕の通う高校、その教室棟の最上階隅っこの、おそらく最も昇降口から遠いであろう教室が目的の場所である。
    「ごめんね、遅くなったよ」
    .息切れで上ずる声のトーンを無理やり抑えながら、僕はゆっくりと扉を開いた。傾きかけている太陽が僕にまっすぐ日光を射して、思わず目を細める。狭まった視界の中で、ゆらり、と小さな人影が動いた。数秒経って、ぽす、となにか軽いものが僕にもたれかかる。
    「遅いのです永倉。おかげで、もう紅茶が底をつきそうです」
  • 3 ゆっきー id:ez-SZTVcxv0

    2011-07-21(木) 22:54:00 [削除依頼]
    >>2 . .おもむろに視線を下ろすと、そこにいたのは幼い同級生だった。とても高校一年生とは思えない童顔をこちらへ向けて、細い腕を僕の腰にまとわりつかせている。 .むぅ、と顔をしかめる彼女に僕は再度「ごめん」と口にして 「ほら、今日は昨日焼いたスコーンも持ってきたんだ。それで許してくれないかな?」 「だめです。スコーンはこの間の約束です。だから許しません」 .冷たく言い放たれた言葉とは相反して、彼女の表情はぱっと晴れやかになる。やっぱり子どもだなぁ、なんて思いながら、昔からなにひとつ変わらない幼馴染みの頬を軽くつついてみる。ひぁ、という小さな驚きの悲鳴とともに、ふに、という効果音が聞こえた気がした。
  • 4 ゆっきー id:ez-.2LP6OG1

    2011-07-22(金) 02:01:21 [削除依頼]
    >>3 . 「──……ぷっ、はははっ」 .目を見開いた彼女の顔を見て思わず笑ってしまう。 「なにがおかしいんですかーっ。笑ってもごまかされません」 「ごめん、ごめんって」 「もう本当に許さないです」 「……じゃあスコーンもあげない」 .ひょいと紙袋を頭上に持ち上げる。あ、と彼女が一瞬だけ固まった。僕と彼女には三十センチメートルもの身長差があるから、彼女がいくら跳び跳ねたところで紙袋を僕から奪うことはできない。 「な、永倉! おとなしくスコーンをわたしに受け渡してくださいっ!」 「そうだなぁ、詩織が許してくれるなら考えてあげるよ」 .勝ち誇ったように笑みを浮かべる。すると彼女は僕の手から紙袋を奪うことをやめ、くるりと後ろへ振り返ると、ゆっくりと僕から遠ざかっていった。 「……もういいです」 .拗ねたような声。もしかして怒らせてしまったのだろうか、と僕は顔を歪ませた。意地悪が過ぎたかもしれない。詩織は昔から、少しでもいじめるとすぐにへそを曲げてしまう。 .どうしたものか、と紙袋をひたすら見つめていると 「こらカズ、なにシオのことをいじめてんのさ」 .ぽか、と後ろから頭を小突かれた。
コメントを投稿する
名前必須

投稿内容必須

残り文字

投稿前の確認事項
  • 掲示板ガイドを守っていますか?
  • 個人特定できるような内容ではありませんか?
  • 他人を不快にさせる内容ではありませんか?

このスレッドの更新通知を受け取ろう!

ログインしてお気に入りに登録すると、
このスレッドの更新通知が受け取れます。

お気に入り更新履歴設定

お気に入りはありません

閲覧履歴

  • 最近見たスレッドはありません

キャスフィへのご意見・ご感想

貴重なご意見
ありがとうございました!

今後ともキャスフィを
よろしくお願い申し上げます。

※こちらから削除依頼は受け付けておりません。ご了承ください。もし依頼された場合、こちらからの削除対応はいたしかねます。
※また大変恐縮ではございますが、個々のご意見にお返事できないことを予めご了承ください。

ログイン

会員登録するとお気に入りに登録したスレッドの更新通知をメールで受け取ることができます。

お気に入り更新履歴設定

お気に入りはありません
閲覧履歴
  • 最近見たスレッドはありません