あなたが、私の彼氏でしょう?22コメント

1 さかな id:dQl1XJQ0

2011-07-14(木) 21:24:05 [削除依頼]
記憶をなくした親友は、
私の彼氏にむかって言った。

「あなたが、私の彼氏でしょう?
そうなんでしょう?」

彼を、親友も好きだったっていうの?


真実は、運命の歯車を狂わせる…
  • 3 さかな id:dQl1XJQ0

    2011-07-14(木) 21:55:28 [削除依頼]
    こんばんわに←は

    初投稿です、さかなです!
    文も展開もどうなるか分かりませんが、
    絶対に最後まで続けたいです!

    応援よろしくお願いしますかんく←え

    …くどい
  • 4 さかな id:dQl1XJQ0

    2011-07-14(木) 22:04:03 [削除依頼]

    「ん?」
    着信音が鳴り、ディスプレイを見ると、
    “まみ”
    とあった。
    まみは私の親友だ。
    氷馬に断って、電話に出る。
    「もしもし?まみ〜?」
    「う…ぐっ……こ、のはちゃん…?」
    「!?まみママ!?」
    電話に出たのは、まみの母だった。
    「まみママ!?何かあったの!?」
    「まみが…事故に遭ってっ…今、総合病院に…っ集中治療っで……」

    嘘!?
    闇に突き落とされた感覚。
    まみが事故に!?
    「すぐ行きます!!」
    私は氷馬に簡単に説明して、慌てて学校を飛び出した。
    総合病院へ、早く…!

    まみ。無事でいてっ…!
    私はわらにもすがる思いで必死に走った。

    見えた、病院!
  • 5 さかな id:AigLeFq.

    2011-07-18(月) 06:54:48 [削除依頼]
    「まみママっ!」
    病院に着くと、まみママが頭を抱えこんで座っていた。
    「このはちゃん…」
    顔を上げたまみママの目は腫れていて、
    まだ涙が伝っていた。
    「まみは…今、集中治療室にいるわ。
    重傷だって……」
    「まみの身に何があったんですか?」
    「本屋にむかう途中の交差点で…
    車に衝突したって………」
    まみママは、声を上げて泣いてしまった。

    私は、明日も来るよ。と言って帰った。
    〜〜♪……♪
    「氷馬から…」
    携帯が鳴り、氷馬からの着信だった。
    「もし…もし?」
    「このは?大丈夫だったか?山中は?」
    「うん、重傷で、集中治療って…」
    「そーか……このはは?」
    「え?」
    「お前は…大丈夫なのか?」
    …その、彼が私を大事にしてくれている気持ちが溢れんばかりに伝わって、
    嬉しかった。
    「うん…!ありがとう、氷馬…っ」
    「おぅ…」
    「それじゃあね…また明日」
    「ん…じゃーな」

    少し、気持ちが軽くなった気がした。
  • 6 さかな id:AigLeFq.

    2011-07-18(月) 07:04:58 [削除依頼]
    ー翌日。

    学校中がこの事件の話題になっていた。
    新聞にも事故として取り上げられ、
    学校では、急遽校長の集会も開かれた。
    そして、まみが事故にあったのは部活帰りだったので、ここ一週間は全て午後カットにするらしい。

    まみのいる病院にむかった。
    けれど、絶対安静で、まだ会えないのだと、まみママは悲しみに暮れていた。
    …気の毒だったので、帰った。


    まみの意識が戻る時、もっと悲しいことが起きるとは知らずに…
  • 7 さかな id:AigLeFq.

    2011-07-18(月) 07:18:56 [削除依頼]
    ーまみが入院してから、二週間後。

    夏本番。
    午後カットの一週間が終わり、部活動が始まった気だるい一週間。
    …も終わり、夏休みだあぁだと、浮かれる一週間が始まった。

    ここ二週間、私はまみの所に通いつめている。氷馬といる時間は減ってしまったが、
    命が大事だから。と言ってくれた。

    今日も、まみが目覚めてくれることを祈る。
    病室に入ると寄せ書き、果物、まみママ
    そして…目を閉じたまみ。
    「まみ、今日も眠ってるわ…
    本当に…困った子ね……」
    涙腺を滲ませ、まみママが言う。
    「まみ…」


    ーピクン。


    「ん?」
    「…え?」
    今、まみの指が……

    まさか!

    「まみっ!?起きてるの!?」
    「まみ!」


    ーまみは、ゆっくりと目を開けた…

    「まみ!まみ起きたのね!」
    「よかったぁ…」
    私は、まみママと抱き合って泣いた。


    まみの意識が戻った!

    医師によると、精密検索をするらしい。
    まみママは医師に何度も何度もお礼を言っていた。私もお礼を言った。

    早く、意識が戻りますように…

    氷馬にも伝えると、安堵した声を漏らした。


  • 8 さかな id:AigLeFq.

    2011-07-18(月) 07:32:01 [削除依頼]
    まみに果物を買って病院に入ると、
    まみママが暗い表情でいた。
    「っ……まみ、ママ?」
    「ぁ…このはちゃん…」

    まみママは、その事実を口にした。



    まみは、近年の記憶がなくなっている。

    中学2年から今にかけての、記憶。

    戻ることは、難しいと…

    私は泣き崩れた。
    まみとの楽しい思い出、ケンカしたあの悔しさ、でもすぐに仲直りしたことー…
    学校行事に、何でもない日々。

    その2年分の全てが?


    嘘。
    こんなにも簡単に…
    私たちの思い出が、消えるの?

    ありえない。

    私は、再び絶望の淵に立たされる。
    それは奈落の底。
    真っ暗闇の中、手探りで探す、光。
    全て闇、闇、闇、闇。
    光が差さない、身震いする孤独感…

    私はやるせなくうなだれた。
    成す、術がないー…
  • 9 さかな id:AigLeFq.

    2011-07-18(月) 07:41:30 [削除依頼]
    覚悟して病室に入る。
    「あっ!おはよ!このは〜♪」
    まみはにこにことこちらを見た。

    「ん!?このは!何か大人びた!?」
    まみのいつもと変わらない声。
    でも、どこか幼い……
    「ママもさ、老けたよね〜何か別人!
    髪、伸びすぎじゃない?二人とも」
    私は中学1年生の頃、ショートだった。
    今は肩までかかる髪。
    まみママも、あの頃はセミロング。
    今はロングといえるくらいだ。

    「まみ…」
    「どした?」

    嗚呼、懐かしい。
    まみは声をかけると必ず、
    “どした?”と言う。

    「なんでも、ない…」
    無理に笑う。
    まみもあはは、と笑う。
    そこには、ただ空虚しかなかった。
  • 10 さかな id:AigLeFq.

    2011-07-18(月) 11:41:33 [削除依頼]
    氷馬もお見舞いに行くことになった。


    まさかこの展開が、「私たち」を
    壊していくこともまだ知らずに…
  • 11 さかな id:AigLeFq.

    2011-07-18(月) 12:22:15 [削除依頼]
    ー氷馬とお見舞いに行く1日前。

    まみは、私と話がしたいと言って病院の敷地内にある広場へと足を運んだ。


    「このは…」
    「ん?」
    ベンチに座って遠い目をして話すまみの姿は、なぜだか胸を締め付けられた。
    「私、記憶。ないんでしょ?」
    「………!…う、ん…」
    唐突に、彼女は言った。

    「やっぱり。だっておかしいもの。昨日までショートヘアで私に笑いかけてたこのはが、翌日には肩までかかるサラサラの髪になってたり、ママにシワや白髪が増えてたり…」
    まみは嘲笑しながら淡々と言う。
    「私、外部に目立つ跡はないんだけど、
    重傷なのは内部よ。脳がフルに回転してないと、駄目になっちゃうの」
    「ま、み…」
    うららかな日差しは、私たちをより隔離してしまうだけだった。
    「中学1年生の記憶まで、私にはあるわ。
    この頃から私とこのはは、すごく仲が良かったし、楽しかった…けど」
    「覚えていないのは、つらい」
    まみは静かに泣いていた。
    私は、何も言わない。


    …言えない。
    「だから…だから教えて。2年生の春から今まで、変わっていること、変わっていないことを、全て……」
    透き通る瞳でまみは言う。

    私は、全て話した。
    …氷馬とは1年生から付き合っているので、そこは話さなかった。

    聞き終えたまみは、最後に
    「私って、誰か好きな人いたのかしら?」
    と聞いた。
    まみの好きな人は、小学校しか聞いたことがなかった。それを伝えると、

    「おかしいなぁ。最近、夢を見るの。私が誰か男の人と楽しそうに話している夢。その男の人の顔は、夕日の影になって、見えないの。そして、男の人は誰かに手を引かれて肩を組んで行ってしまうの。すごく寂しいの、何だか悔しいの…
    これ、私の妄想なのかな」
    うふふ、と言ってまみは笑った。
    私も笑った。

    少し疑問は残ったけれど…
    明日、私の彼氏も連れてお見舞いに来るわね。と言うと、まみは一瞬目を見開いて、
    それから、
    「…いたわよね。覚えていないけど」
    と言ってへらっと笑った。


    その時、私は不安を覚えたのだ。
    黒い闇が、背後から襲う感じがした。
  • 12 ウタ id:xHDsvGN1

    2011-07-18(月) 17:12:30 [削除依頼]
    いい話だね・・・!
    更新がんばれって!!


    うちも、「俺の眠り姫」って言うの書いてるからよろしく!!
  • 13 さかな id:flgSuHj/

    2011-07-21(木) 11:03:08 [削除依頼]
    ウタs
    ありがとうございますっ!
    がんばりまふ♪←え

    「俺の眠りの姫」ですね!
    見に行かせていただきまふ!←←
  • 14 さかな id:flgSuHj/

    2011-07-21(木) 11:04:51 [削除依頼]
    >13 すみません… 「俺の眠り姫」ですね! 見に行かせていただきますぅ(> <)
  • 15 さかな id:flgSuHj/

    2011-07-21(木) 11:18:30 [削除依頼]
    氷馬は、どう接していいのか分からなそうだったけど、普段のように振る舞えばいいと言っておいた。

    「おっ!このは〜おはよ!」
    戸を開けると明るいまみの声が飛ぶ。
    「おはよ!まみ今日はね、氷馬も連れて来たの〜!」
    と言って氷馬はまみの前に顔を出した。
    「うっーす!元気だったか山中?」
    氷馬は努めて明るく振る舞う。
    緊張で声のトーンが少し高い……
    「………?」
    まみの反応が、ない。
    彼女は、読んでいた雑誌を床に落として目を大きく開き、口をあんぐり開けていた。
    …何?どうして?


    「え……」
    まみの、困ったような声がやけに響く。
    「あなた…だ、れ…?」


    嘘。
    まみは、氷馬を覚えていない…?
    「嘘っ…!」
    氷馬も困り果てている。

    「まみ〜…あら、このはちゃんと氷馬くん!来てくれたのね〜!…………?」
    まみママが来たが、この固まった空気を察したのかすぐ黙ってしまった。
    「まみが…まみが……」
    私は悪夢の予兆に声を震わせながら、言った。
    「まみが氷馬のことを覚えていないの」
    まみママの手から、たくさんの果物がすべり落ちる。
    私は目をつむった。
  • 16 さかな id:flgSuHj/

    2011-07-21(木) 11:50:54 [削除依頼]


    あの件以来、私はお見舞いに行かなくなってしまった。
    いや、行けない…

    私や他の友達は覚えていても、氷馬だけ。
    覚えていない…?
    ナゼ?
    ぽんっと思い浮かんだのは、氷馬に会う先日、まみが悟るように言った言葉…
    もしかして…
    いや、まさかね。
    今日、精密検査をするそうなので、放課後、私だけで会いに行こう。
    じりじりとこもった空気が漂う教室で、
    私は斜め前に汗ばんでいる彼を見つめた。


    いつもと変わらない笑顔で、まみは笑いかけてくれた。
    その表情に私は安堵した。
    そして……
    「私、どうして小川…くんだっけ?小川くんを思い出せないのか、わかったの」
    病室には、まみと私の影しかない。
    窓から注ぐ眩しい夕日に目を細ませながら、ゆっくりまみは口を開く。

    ねぇ、このは
  • 17 さかな id:flgSuHj/

    2011-07-21(木) 12:34:26 [削除依頼]
        −まみSide−

    私は、記憶を失ってしまった。
    目を覚ますと、泣いているママも老けていて、このはもだいぶ大人びていた。

    これは夢?
    浮遊感…というか、夢見心地な気分で、
    晴れない日々が続いた。
    ようやくママに、私は2年分の記憶を失っていることを教えてもらった。
    頭が時たまキーンと音をたててうずくことと、心の中のもやは記憶がなくなったせいでそうなっているのだと知ることができた。

    そして、毎日のように見る悪夢。
    男の人。
    夢の中で、私はその人をとても愛しているようだった。しかし、女の人に、手を引かれ、腕を組み、その人は行ってしまった。
    待って…!
    待って!多分私、あなたのこと、好き…
    行かないで…その人と、楽しそうに笑わないでー…!
    悔しさと寂しさでやりきれない時、
    目が覚める…
    暖かい日差しと、おはようというママの優しさに安心して、私は毎日を送った。


    ある日。
    いつものようにこのはがお見舞いに来てくれた時だった。
    “キョウハ氷馬モツレテキタノ!”
    ヒョウマ?
    聞き慣れない名前。
    だけど…
    だけどどこか、愛しい名前。
    心に引っかかる名前。

    病室に、カチコチの顔で入って来たー…


    ……!?
    なぜかその時、私の脳裏にあの夢がフラッシュバックしてきた。
    あの男の人の影がしっかりと、くっきりと、浮かび上がってゆく。
    女の人の姿も徐々に……
    氷馬という人?
    そして、このは?

    するりと、雑誌が私の手から離れる。


    目の前にいる彼に、愛おしさを覚えた。
    同時に、このはにあふれんばかりの憎しみに似た何かを感じた…
  • 18 さかな id:flgSuHj/

    2011-07-21(木) 13:07:34 [削除依頼]
    このはは、家に着くなり、ぐったりと自分の部屋のベッドに倒れこんでしまった。

    ーまみ。
    まみの言った言葉は聞き取れないほど
    ささやかで…

    それは、
    氷馬に対する、愛の言葉…


    「私、小川氷馬くんの彼女なのよね?
    やっぱりそうね。だって、一目見ただけでなんだか胸が苦しくて、愛おしいの。
    私と彼、付き合っていたのね?」


    一気にまくしたてたまみの言葉に、
    私は気絶しそうになった。
    目の前が歪んで、ふらふらした。

    恐れていたことが、起こった。
    やはりまみは、氷馬のことが好きだったのだ。だから……

    いつからまみは、氷馬のことが好きだったのだろう?私たちが付き合う前から、
    …ずっと?
    氷馬を想っていたというの?
    私と彼は、自分で言うのもだけど、誰もが知る公認の仲。
    教師でさえも、気を遣ってか氷馬とは3年間一緒なクラスだ。


    まみは、私といてつらくなかったのだろうか?


    私は、明日氷馬と共にまみの所へ向かうことを決めた。
  • 19 さかな id:jiDW/MG/

    2011-07-23(土) 21:33:13 [削除依頼]

    もう一度まみに会ってほしい、と言うと何まじめくさった顔して、大丈夫だよ、と言って彼は笑った。
    ーその笑顔に私は心から安心した。

    まみは、私たちを見るなり言った。
    「おはよう、氷馬くん、このは」
    「…おはよ!」
    「はよ…」
    いつもとはどこか違う柔らかい笑み。
    そしてその表情を崩すことのないまま彼女は口を開く…
    「氷馬くん……」
    「ん?」
    「あなたが私の彼氏なんでしょう?
    そうなんでしょう?」


    私の体に衝撃が走った。
    地雷を踏んでしまったような感覚…
    隅々の指先から脳まで、震えている。

    ー何も、言えない。
    氷馬は何のことだか分からない、という顔をしている。
    そんな氷馬の手を、まみは包みこむように優しく、強く握る…
    「もう絶対、離したりしない。…私の、愛しい人」

    ……嫌。
    氷馬…私、とても嫌だよ。
    ふらふらする。苦しいよ…

    自分のことで精一杯だったこのはは、氷馬の手を握りながら密かに、不気味に笑ったまみを誰も見てはいなかった。


    “親友”と“恋人”
    大切なふたつをいっぺんになくすの?
  • 20 さかな id:jiDW/MG/

    2011-07-23(土) 21:52:13 [削除依頼]
        −まみSide−

    「もう絶対、離したりしない…私の、愛しい人」
    私が言ってから氷馬が困惑する顔と、
    このはが絶望している顔は、楽しかった。


    私は、このはと氷馬が付き合っているのを知っていた。
    つい先日、思い出したのだ。
    このはがお見舞いに来ない日々が多くなり、回想していると仲良く手を繋いで下校している2人のシルエットが浮かんだ。
    それは、桜並木の中だったり、
    照った太陽の日差しの元であったり、
    もみじやいちょうが敷き詰められたじゅうたんの道の中であったり、
    2人の足跡だけが降り積もった白い雪に残る時でもあった。

    その全て。
    全てが私の心を孤独にさせて、私を寂しくさせていたのも思い出した。

    私、氷馬が好き。
    ー愛している。

    このはなんかに取られたままなんて嫌!
    …このはさえ、いなければー…!


    やっと分かった。
    私の心に潜む憎しみに似たもの。

    ジェラシー。

    今の私は嫉妬と欲望の混合物。
    だから氷馬…
    あなたが私を変えてよ。
    クリアーな私に戻して?
    このはなんかよりまみがすきだ
    って、目を見て伝えて。
    あいしてる
    って、抱きしめて。


    私があなたの彼女なのよ。
    氷馬…


    忘れているのは、氷馬の方じゃない?
  • 21 さかな id:u80FVQ7.

    2011-07-24(日) 22:43:49 [削除依頼]
    ぴんと張りつめた空気が漂う。

    唇を噛んで下をむくこのは。
    唖然としている氷馬。
    2人を、交互に見てニヤつくまみ。
    口を開いたのは…
    「このはぁ」
    「…?」
    まみがこのはを呼ぶー…が、いつものような声のトーンではない。
    とても冷たく、鋭い。
    「私、氷馬くんと2人きりで話がしたいの。出て行ってくれる?」
    あからさまに、嫌そうな顔でまみは言う。
    その気迫に負けて、このはは気弱な笑顔を見せて立ち去る姿勢をとる。
    「このは…!」
    氷馬が彼女を心配し呼び止めるが、すかさずまみが言う。
    「氷馬くん、あなたは私と……ね?」
    ベッドから上半身を起こし、腕を絡ませ
    上目遣いで圧迫するまみに氷馬はたじろぐ。
    「氷馬、後で連絡して…帰るね…」
    弱いこのはの声。
    「……っ…おう…」


    「山中、おまぇ……」
    「私ね、記憶を失って、分かったの」
    氷馬の声を遮ってまみは鼻声で言う。
    「愛してる人がどれだけ…大切かって…
    私、あなたのこと、“氷馬”って呼んでたのよね?」
    「いや…」
    「これから、そうさせてもらうね?少しでも早く、前みたくなりたいから…」
    「山中…!」
    「私たち、愛し合っていたんでしょ?
    ねぇ?ひょう…」
    「山中!」
    まみは“安っぽいお芝居”を中断させられたことに少々腹が立った。
    氷馬は絡まるまみの腕を振り払うと、
    「俺、お前と付き合ってない…悪いけど…その、このはと…」
    「どうしてあの女なの」

    低く罵るような声が響いた。
    彼女の口から出た声だとは思えないくらい低い。そして、暗い。

    氷馬は、身に危険を感じた。
  • 22 さかな id:sw3GE6z.

    2011-07-27(水) 21:19:14 [削除依頼]


    ーーー…

    病室。
    夕日。
    重なり合う、2つの影ー…

    まみは氷馬に、キスをした。

    ゆっくりと、まみは氷馬の肩を寄せる。
    身動きが取れない氷馬。


    ーーー…

    少し経ってから、唇が離れる…

    「山中っっ………!」
    たじろぐ氷馬をまみは微笑む。
    「カワイイ…」
    「…え?」
    「氷馬、私氷馬のことが、好き。その驚いて照れる顔も、私だけ。私だけに見せて…?」


    半開きのうつろなまみの瞳…
    だが吸い寄せられるように氷馬は近づく。
    催眠術のようにー…


    ギュ………
    まみは半ば強引に氷馬を引き寄せる。


    「氷馬は、私のものね?」
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